【感想・ネタバレ】虹猫喫茶店のレビュー

あらすじ

“猫の世話をするだけの簡単なお仕事”こんな求人募集を見つけて僕は一軒の古ぼけた喫茶店を訪ねた。『喫茶虹猫』で待っていたのは、“猫バカ”で引きこもりの女主人と里親募集中の迷い猫たち。僕に任された仕事は認知症のお婆さんが棲む猫屋敷の掃除だったのに、いつのまにかワケあり客が持ち込む、“猫問題”に翻弄されていき……。寂しがり屋な人間と猫の不器用な愛の物語。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

6月の合同サイン会でのサイン本。

旧帝大医学部合格を目指していたものの果たせず,獣医学部に進学した玉置翔はコミュ障気味で,大学でも一人も友だちができず暇を持て余していた。そこで暇を利用してバイトでもしようと学生課に張り出されていたバイト募集に応募する。向かった先は虹猫喫茶店。店内を猫が自由に闊歩しているがオーナーの鈴影サヨリは猫カフェではなく猫がいる喫茶店なのだと主張する。そして指示された仕事は町内で問題となっている猫屋敷の40匹近い猫の世話。猫屋敷には認知症らしい婆さんが一人暮らしだという。この老女を含め様々な理由で虹猫喫茶店に集う人々との交流を通してそれぞれがそれぞれの刺激を受けて変化していく様子を描いている。
サイン会時点では坂井希久子さんを全く知らなかったため,サインをしてもらう本に何を選ぶか迷った。タイトルに「喫茶店」と入るところが,私の好きなタイプの作品を予感させ,しかも動物が絡んでいるらしいところが決め手だったが,結果的に良い選択だったと言える。本当に色んなタイプの人が出てきて,とんでもない言動をしたりするのだけれど,結局本当に悪い人は出てこない,という所が良い。猫を飼ったことはないが,犬に比べて比較的気楽に飼っている人が多そうな猫飼育にも色々難しい問題があるのだなぁ。猫の魅力というのもおぼろげに伝わってくる。

0
2023年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

猫好きと名乗るほどでもないけど、主人公と同じで読み終わりにはなんだか愛しく思えるようになってきた。変わっていくのはいつだって人間で猫は変わらない。主人公が医学部落ちて獣医学部になって、結果的によかったなあ。素敵な居場所もできて、安心した。主人公が何事にも真面目に取り組むからこそ、信頼関係ができたんやな〜。猫の問題も学べた。

0
2023年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「猫カフェ」ではなく、あくまでも一時的に猫を保護して里親を探している「喫茶 虹猫」。

猫至上主義のオーナーのサヨリさん。美少年の常連ヒカルくん。地域猫活動家のおばさま。多頭飼いで問題ありのお婆さん。クセが強く暑苦しい動物病院院長…と、かなり個性豊かな面々による物語。
人間と猫が共存していくうえで浮き彫りとなる猫問題諸々についても、作中触れながら楽しませてくれました。
猫好きにはたまらない一冊だと思います。

0
2022年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

医学部を目指して一浪したが、全敗。唯一合格した獣医学部に進学することになった玉置翔。「猫の世話するだけの簡単なお仕事」という求人を見て、「喫茶 虹猫」で働くことに。猫カフェの仕事かと思いきや、認知症の高齢女性の家へ向かうよう指示されて…。
猫の多頭飼育崩壊を起こしている偏屈なお婆さん、引き取った猫を返そうとする飼い主、地域猫活動家、獣医学部の女子大生、子猫を捨てようとする小学生の女の子、虹猫の常連の美青年。さまざまな人間たち、個性豊かな保護猫たちと関わっていくうちに翔の心境も変化していく。初めは正直親に学費出してもらってるのにそれってどうなのという言いたくなる様子の翔が成長していく様子がいい。
『…手術で仔猫を殺すのと、どっちが残酷かは分からないけど、生まれたばかりの命を奪うよりは心情的にマシってことで、僕らは前者を選んでる。…』
人間は現代の人間社会で暮らすためのルールを猫に当てはめている。去勢して生殖能力を取り上げたり、堕胎したり。それでも、色んな事情があっても人は猫と暮らしたいんだなぁ。何か色々考えさせられてしまった。

0
2024年09月29日

「小説」ランキング