坂井希久子のレビュー一覧

  • 華ざかりの三重奏
    面白かった。
    老後問題の解決方法として提示されたのは、自堕落さと干渉少なめの共同生活と仲間意識。後は若者の感性を横から見ることだろうか。

    何がこんなに面白かったんだろう。
    還暦の人が同人誌を出しちゃう、挑戦!という書きぶりではない。あー楽しかった、でもしんどいわー、腰いたたた、なのだ。腰いたたた、...続きを読む
  • ほろよい読書
    『初恋ソーダ』がとにかく傑作。人間のダメさ加減を見事に掬い上げ「もうどうしようもないよ」という絶望と「まあ何とかなるよね」という希望を描ききった珠玉のブラックコメディ。
    5篇ともクオリティが高かったけれど、タイトルの『ほろよい読書』は何かダサい。
  • おひとりさま日和
    色々なおひとりさまの短編集。
    お気に入りは大崎さんの「リクと暮らせば」。

    散歩もワクチンの世話も施設の人がしてくれる、番犬のサービス。月10万と安くはないけれど、面倒な事は全てスタッフがやってくれるなんて、犬好きにらたまらないサービスですね。そして、優秀で可愛いリクもとても良いパートナーで羨ましい...続きを読む
  • 華ざかりの三重奏
    会社勤めを長年していると、いずれ訪れる定年後の身の振り方に思いを馳せずにはいられない。
    昔とは違い現代では定年の年齢も、再雇用等もあって60歳から延びつつあるけれど、やっぱり60歳は社会人にとって一つの区切りの年齢だと思う。
    そこから残りの人生をどう生きていくのか。お金・健康・生きがい…考えることは...続きを読む
  • つばき餡 花暦 居酒屋ぜんや
    今回は熊吉が奉公している薬種問屋俵屋の若旦那とお花ちゃんの友人である海苔屋『宝庄』の養女お梅の縁談話から。

      俵屋に奉公していた長吉がお花を巻き込んで、大騒ぎになってしまったことから俵屋では婚礼話どころではなくなってしまい、六月もお梅は宙ぶらりんの状態。

      そのための話し合いをぜんやでするこ...続きを読む
  • 泣いたらアカンで通天閣
    大阪新世界のラーメン屋。放蕩親父・ゲンコと一人娘・センコ、そして商店街の鬱陶しいほどの人情話。不倫、シングルマザー、育児放棄の話があるが、コテコテの関西弁で笑いに変わってしまう。願わくば、生まれてくる子供の父親がカメヤでありますように。
  • ほろよい読書
    良かった。特に1話目と5話目。どの話も誤解や思い込み、凝り固まってしまった考えに、あ、違ったんだ!という瞬間があって、清々しいです。辛いところもあるけれど、また別の良いこともある。
  • おひとりさま日和
    アンソロジーだけど1つ1つが読み応えがあった。
    これからの時代はおひとりさまが普通になるんだろうな。
  • 華ざかりの三重奏
    よかった。飾り立てない盛りすぎない嫌味のないいい意味でリアルな3人のストーリー。少女漫画が物語の中心にはあるけど、中年女の悲哀や諦念やおかしみ、そして希望も盛り込まれた内容に好感が持てた気がする。
    泣いたり感動したりはないけど,どこか心地いい。

    あるあるがたくさん。

    がんばれとエールを送りたくな...続きを読む
  • 雨の日は、一回休み
    おじさんを描いたお話!?面白そう!と思って、手に取りました。そしてタイトルはどんな意味なんだろう?と。
    仕事の話がメインだったけれど、そう、仕事の大部分を支えているのは世間のおじさん達なんだよなぁと。おじさんはおじさんなりに悩んでいて、でも何でそうなってしまったのかわからなかったりしている。共感でき...続きを読む
  • おひとりさま日和
    テーマゆえなのか、主人公が高齢女性が多かった。
    もっと色々なパターンの「おひとりさま」が見られるかと思ってたので、ちょっと残念。アンソロジーは色々な作者さんを楽しめるのがいいのに、同じ感じの作品が続くと、ね。
    そんな中、「永遠語り」がちょっと違った雰囲気で1番私の好みだった。
    次点は「リクと暮らせば...続きを読む
  • 江戸彩り見立て帖 粋な色 野暮な色
    前巻からの『流行り色を作り出す』という難題と進退に決着。
    江戸での浅葱色の評価の厳しさや、名前を変えるだけで映える色の面白さ、そして東女彩と京男右近のやり取りも冴え渡り楽しい今巻でした。
  • 華ざかりの三重奏
    60歳、色々事情があったりなかったりの三人の女性がルームシェアのようなことになる。
    そこに不登校気味の中学生男子とヤギが加わり、だらだらと時間も他人の目も気にせず少女漫画を読みふける!最後には作品への熱が同人誌作りにまで発展していく。

    なんて羨ましい!自堕落万歳!
    老後の面倒は配偶者でも子供でもな...続きを読む
  • 華ざかりの三重奏
    飲み物と軽く摘める食べ物をテーブルに置いて一日中自堕落に漫画を読む!いーじゃないですかぁ!
    したい!その生活!漫画でなく小説で!
    歳を重ねてくると老後のあれこれが心配になるけれど、そういった問題はちょっと横に置いて…自堕落な自分を他人の前にさらけ出せるって結構すごい事(個人的な思いです)引け目なく羞...続きを読む
  • 華ざかりの三重奏
    スルスルスルスル読めてしまいました。
    定年を迎えた可奈子が、中学生の時の同級生の芳美の家で同居を始める物語。
    そこへ、ご近所に住む同居家族とうまくいっていない香織が加わり三人で始めたことは‥‥
    独身で仕事一筋に突っ走ってきた可奈子。義父母の介護をやり遂げ夫を亡くし子どもたちは独立して、今は一人住まい...続きを読む
  • 華ざかりの三重奏
    楽しく読めた。
    ありそうで、現実にはたぶん無い話だけど。まぁ、これ小説だから。
    読んでハッピーな気分になれれば十分。
  • 市松師匠幕末ろまん 黒髪
    艶めかしい三味線の師匠と稽古に来ている籠屋の三女たちの数奇な縁から始まる計略
    桜田門外の変の後、熱気冷めやらぬ幕末の江戸で、燻る水戸の浪士との関わりなど、読み応えのある作品でした

    図らずも水戸の英吉利公使館襲撃を知る事になり、多少の情が芽生えたにも関わらず、計画の杜撰さから覚悟の浅さを見抜いた途端...続きを読む
  • 蓮の露 花暦 居酒屋ぜんや
    前巻の殺人未遂事件は複雑な人間関係が絡まって起こっており、更にいくつもの罠が待ち受け、お花の試練に胸が痛い

    時代小説なのにミステリー色の強いシリーズ構成は健在
    只次郎推しには嬉しい場面も
  • 華ざかりの三重奏
    仲の良いおばあさんのルームシェアはあっても、おじいさん同士は難しいだろうなぁ。「手放すってしんどい。それが世の理だとわかってはいるのだけど。そんなことない楽」「いい歳して馬鹿みたい」「違うわよ。やっと馬鹿ができる歳になったのよ、私たち」「人生とは学びの連続だ」そうです。先週からスイミング教室に…。
  • 華ざかりの三重奏
    同窓会をきっかけに再開した親友二人。一人は独身、一人は夫と死別、気ままな独り身同士、人生の終盤に同居を始める。
    こんな風に息のあった者同士で残りの人生を過ごせたら、そりゃ楽しいだろうなぁ、という。