坂井希久子のレビュー一覧

  • 萩の餅 花暦 居酒屋ぜんや

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    熊吉は出世を妬まれて意地悪されてたけどそれを裏で仕組んでいたのは友達だと思っていた長吉。同じ頃に入って年も同じぐらいだから他の人より嫉妬が強かったのかな。でも巻き込まれた女中のおたえは可哀想。知られたくないことまでみんなに知られて、これから彼女が幸せになる展開はあるのかな。お梅と菱屋の若旦那は歳が離れてるけど上手くいくのか、楽しみ。

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    2024年10月09日
  • おひとりさま日和 ささやかな転機

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    リフォーム 坂井希久子
    セッション 松村比呂美

    結婚指輪を自分の手でリフォームする話、ライブでドラムに心を掴まれて新しい夢を見つける話。
    どちらも希望が持てる再スタートといった話で好きだった。

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    2024年10月08日
  • おひとりさま日和 ささやかな転機

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    「アンジェがくれたもの」、すごくよかった。
    タイトルからして、アンジェがいってしまうかと思ってどきどきしたけど、ああいうラストでよかった。
    「この扉のむこう」の保護猫カフェの話も好き。
    「セッション」の展開は、びっくり。最初、チケットをくれたところは怪しすぎてどうなるかと思ったけど。

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    2024年10月05日
  • 若旦那のひざまくら

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    百貨店のバイヤーとして働く主人公が、百貨店の呉服売り場の催事で京都から来ていた、老舗織屋の若旦那(一人息子)と恋仲になるところから物語が始まります。結婚を認めてもらうため二人で京都での生活を始めますが、老舗呉服店の嫁に相応しい素養が無いと決めつける若旦那の両親や幼馴染の舞妓の嫌がらせや、直ぐに広まる主人公の噂話で奇異な目で見られながらも若旦那の包容力と主人公のバイタリティで将来を切り拓いていきます。私の感想として、面と向かって婉曲な物言いをする京都弁での台詞は、相手に気づきを与えるという側面はあると思いますが、この物語では主人公が関東の出身なので厭味の意味合いが色濃く出ている感じがしました。ま

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    2024年10月05日
  • セクシャル・ルールズ

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     核家族が普通になり、地域の繋がりも希薄になった現代。家庭や家族を維持するのは夫婦2人の双肩にかかっている。そのために夫婦はどうあるべきなのか。

     あるひと組の夫婦のライフスタイルを通して、夫婦のあり方を問うヒューマンドラマ。
              ◇
     岩瀬麻衣子は今、深山工業株式会社の応接室にいる。深山工業は麻衣子が社会保険労務士として顧問を務める会社だ。
     向かい合ってソファに座るのは、育休を終え保育園に子どもを通わせたばかりの袴田という女性社員と労務を担当する管理部長。袴田からマタハラの訴えがあったため、麻衣子は話し合いの席に立ち合っているのだった。
     
     遅刻はやむを得ないが連絡は必

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    2024年09月29日
  • すみれ飴 花暦 居酒屋ぜんや

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    居酒屋ぜんや新装開店、只次郎とお妙から熊吉とお花に主人公が変わり5年の歳月が流れたんですね。登場人物みんな欠けることなく登場して賑やか。前作のあの黒幕も話だけ出てきて存命、只次郎の得意客で縁とは不思議なもの。只次郎とお妙の正式な養子になっても遠慮して顔色を伺うようなお花。実母にされた虐待が尾を引いてる。順調に出世しつつも他の者から妬まれて嫌がらせされる熊吉。内々に済ませられない、店の薬で嫌がらせされて犯人探しをすることになってとうなるのか。うなぎ尽くし美味しそうだった。

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    2024年09月12日
  • おじさんは傘をさせない

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    スコールもあれば涙雨もある。
    短編集の中に色々な雨が降り、ちょっと立ち止まってみませんか、と言われているよう。
    信じて突き進んできた道も見方を変えれば、迷いの道となる。
    今後どう生きていくのか、どうしたらいいのか、ちょっと立ち止まって一回休みましょう!
    どの話も面白かった。

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    2024年09月09日
  • 月草糖 花暦 居酒屋ぜんや

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    『居酒屋ぜんや』の子世代シリーズも、もう六作目。
    今回は凶悪な事件は一応収まり、若い人たちの成長に筆が割かれる。
    年齢や事情が少しずつ異なるものの、思春期を抜けて青年期に差し掛かる微妙な心理が描かれている。

    女子たちの間では、お梅が一番しっかりしているかなあ。そのうち、熊吉の雇い主の奥様になるのである。どんな関係性になるのかな。
    只次郎の姪のお栄は、幼い頃からたいそう聡明に描かれていて、先が楽しみだなあ、どんな人生を歩むのかしら、と思っていた。大奥に勤めることになった時は、んんんんん・・・?と思ったのだけれど、そこには様々な仕事があると知り、一応は納得、しかし将軍からお声がかかるという、望ま

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    2024年09月03日
  • セクシャル・ルールズ

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    展開に飽きがなく、テンポよく読み進められます。
    男だから女だからという価値観は見直されつつありますが、まだまだ潜在的な意識には残っていると思います。偏見をなくしてフラットなものの見方をしたいですが、それには、それはおかしいんじゃないか、と言ってくれる自分とは異なる視点のパートナーの存在が欠かせないなと思いました。

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    2024年08月24日
  • 華ざかりの三重奏

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    歳をとったら趣味が合う友だちとシェアハウス、なんてよく聞く言葉だが、この本はまさにそれが実現したかんじ。なんていい定年ライフなんだ!私もこういう生活をしてみたい。ただし、好きと言っても私には同人誌を作る熱量はないけど。長い定年後の人生、思いもしなかったことにチャレンジするのもアリだね。

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    2024年08月24日
  • 泣いたらアカンで通天閣

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    自分の地元の関西弁バリバリで、吉本新喜劇的な掛け合いの連続で、笑ってしまった。一人一人の個性的なキャラが立っていて面白かった。続編が出てほしい。

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    2024年08月23日
  • 注文の多い料理小説集

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    アンソロジーは「名前も作品も初めて知った」作家のほうが断然面白く感じる。この本では坂井希久子『色にいでにけり』がそれで、普段読まない時代ものだがとても面白かった。主人公の境遇と芯に持つ矜持、江戸の色名と和菓子の描写が実に生き生き、しみじみと描かれていて、このシリーズが読みたくなった。

    他は伊吹有喜『夏も近づく』、深緑野分『福神漬』も滋味があってよかった。井上荒野『好好軒の犬』はラストが上手い。柚木麻子『エルゴと不倫鮨』はトップバッターとして勢いがあり好印象。柴田よしき『どっしりふわふわ』はラストが安直な気がしたのと、中村航『味のわからない男』は好みが合わなかった。

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    2024年08月20日
  • ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや

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    シリーズ一作目。居酒屋ぜんやを切り盛りするお妙と、お妙に心を寄せる武家の次男坊只次郎。時代小説に出てくる料理はなんでこんなに美味しそうなのか。只次郎が毎度うまいうまいと食べるので、その描写だけで滋味深い。店を手伝っているお妙の亡くなった旦那の姉お勝さんや、大店のご隠居など集う人達も一癖二癖あっておもしろい。鶯にルリオと名づける只次郎、可愛すぎる。

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    2024年08月14日
  • 女ともだち

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    女性作家8人が描く「女友達」とは。
    1人目の村山由佳からやられた。大好物ですよ…。
    いいな、こわいな、めんどくさいな…が全部楽しめる。
    阿川佐和子作中の「女がともだちを作るときの条件」が真理だと思う

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    2024年08月06日
  • さらさら鰹茶漬け 居酒屋ぜんや

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    お妙の仇がようやくわかったけどあまりの大きな相手に姉妹にすると決めたお妙達。何不自由ない身分で相手にしてみればほんの暇つぶし程度の戯言で身を脅かされる方はたまったもんじゃない。
    ふとしたきっかけで知り合い引き取ることになったお花。見たことのない父に重ねてか只次郎に懐いてお妙にはつれない態度。
    お妙と正式に夫婦になるため武士の身分を捨てた只次郎、町人としてのこれからに幸あれ。

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    2024年08月06日
  • すみれ飴 花暦 居酒屋ぜんや

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    ネタバレ

    お花中心こお話で、お妙と只次郎が少ないと困るというかつまらないなあと思っていたけど、2人も出てくるので嬉しい。5年後とはあっという間に過ぎてしまったけれど、2人が仲睦まじく過ごしてて本当に嬉しい。今後も2人の様子を知りたいから読み進める。お妙さんに子どもが出来たら幸せだなあ。

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    2024年07月24日
  • さらさら鰹茶漬け 居酒屋ぜんや

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    ネタバレ

    最後は結ばれて終わって、只次郎が町人になって良かった。ただ、何だか真の悪者が少し痛い目みるわけでもなく、お妙とのもっと甘いシーンがあっても良いのになあと。物足りなさを感じた。

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    2024年07月22日
  • ほろほろおぼろ豆腐 居酒屋ぜんや

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    ネタバレ

    ついにお妙と只次郎が結ばれた。すごく嬉しい。ここまで引っ張ってもらって良かった。早くにくっつき過ぎても普通というか驚きに欠けるから、ここまで焦らされた方が読んで来た甲斐があって良い。只次郎がお妙のために鶯を嗅ぎ回ってて危ないけど、どう物語が終焉に落ち着くのか楽しみ。

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    2024年07月18日
  • とろとろ卵がゆ 居酒屋ぜんや

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    ネタバレ

    ついにお妙の両親の死について語られた。まだ真相ではないけれど、お店も火事で無くなって、只次郎との距離も縮まりそうで目が離せない。お妙が今一度自分の人生というか、料理とは自分にとって何か考えさせられそうな感じで、物語は本当にクライマックスに近づいてるなあと。

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    2024年07月16日
  • 雨の日は、一回休み

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    予備知識ゼロの完全ジャケ読み。私は作品に出てくるおじさんたちの気持ちと同じタイプ。30年も当たり前だと思って生きてきたのに、今さらそれを古いだのアップデートしろだの言われても。する気はあるから、たまに間違えたり、更新に時間がかかることくらい受け入れていただきたい。と、読みながら『そうそう!』と頷いてしまうところの多い作品。雨を挟んでここまで心境に変化があることはそう多くないとは思うけど、なんとなく心地よい本だった。

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    2024年07月14日