COPY 村山由佳
ト・モ・ダ・チ 坂井希久子
卵の殻 千早茜
水底の星 大崎梢
こっちを向いて。 額賀澪
ブータンの歌 阿川佐和子
ラインのふたり 島津輝
獣の夜 森絵都
8人の女性作家による、女性ばかり出てくる8つの短編集。豪華な顔ぶれの短い話が詰まっているから読み終わるのがあっという間でなんとももったいない。けど、読んだことのない作者の作品を読んで興味を持つきっかけとしていい機会になったかも。
男性目線でよく描かれるような、勘違いとか思い込みによるおかしな描かれ方を全くしてないから、不快感がなくて安心して読める。その代わり女同士のイヤな感じの世界観はごまかしがなく描かれてしまうから、思い当たるフシがある分、胸が痛い。
COPY
あーいるいる。こういう子。と思わせておいて、えっ、そうなの?というどんでん返し。佐智子が大学辞める理由とか、玲がなぜそんな回りくどい方法を取るのかよくわからなかった所があった。
ト・モ・ダ・チ
人との距離感をすごくうまくやっていけてる、と思わせる早苗。途中、普通なら1時間で終わらせる入力作業を指1本で午前中いっぱいかかっているあたりからあれ?と思わせて、やっぱり、問題のある女子はキミだったのね。怖い怖い。
卵の殻
いいよいいんだよ。遼子さんは何も間違ってない。私だってそうしたいと思うもの。普通はそこまで出来ないけど。
水底の星
子ども時代のスイミングスクールでの話。女ともだちというよりもスポーツを習うということに主体がある。けどやっぱり女子同士の嫉妬や怒りで起きてる話だから、やっぱり女友達の話なのかな。自分の生きてきた中でも思い当たることがたくさんありすぎて、ずっしりきた。裕のその後が気になる。
こっちを向いて。
あまりピンと来なかった。仕事上の付き合いの人とは所詮仕事が切れたら赤の他人なのか?というような話?いい大人の女性が二人でいつまでもメニューを決められないでいるところとか、私情でクライアントの無理な値引き交渉にダメと言えない所とか。読んでいてイライラ。仕事の出来ない女だってそこまでバカじゃないだろう。
ブータンの歌
学生時代の思い出せないくらい地味なクラスメート。たまたま再会して、いつの間にか自分に元気をくれる、すっごく大事な存在となっていたようだ。もう会えないけれど。なんだかいい話。ほっこり。
ラインのふたり
工場のラインで仲良くなった二人。何でもない日常なんだけどおもしろい。毎日こんな感じでいいじゃないか。と思わせてくれる。
獣の夜
これはね。いいよいいよー!自由!
肉を食べて、ボトルを空けて、思うがままに自由に生きるのさ。乾杯!イェイ!って感じ。読後感爽快!