坂井希久子のレビュー一覧
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ネタバレ今回は熊吉が奉公している薬種問屋俵屋の若旦那とお花ちゃんの友人である海苔屋『宝庄』の養女お梅の縁談話から。
俵屋に奉公していた長吉がお花を巻き込んで、大騒ぎになってしまったことから俵屋では婚礼話どころではなくなってしまい、六月もお梅は宙ぶらりんの状態。
そのための話し合いをぜんやですることになるんですが、お妙の料理を食べているうちに自然といい雰囲気になり、これからもぜんやで一緒に食事をすることに(*^^*)
ですが、ここで終わらないところが……。
二人が帰り、貸し切りの紙をお花が剝がしていると造りのいい駕籠がやってくる、そこから降り立ちたのは只次郎の姪で、大奥勤めをしているはずのお栄だった。
彼女は大奥で庭を散歩する将軍と出会い、閨に侍らぬかと言われて、暇を貰ってきたのだという。
後ろ盾もなく、一度寵愛を受けたとしても、二度あるとは限らない。大奥での出世を望んでいたお栄にはそれは耐えられないことだったというのが、いかにも只次郎の姪!(この辺りを詳しく楽しくお知りになりたい方は永井沙耶子さんの『大奥づとめ』をお勧めします)
ここから様々なことが動き出すのですが。
今回は本当にいい話ばかりなんですが、お花ちゃんが少し引け目を感じてしまうんですね。お栄は同じ年で学問がとてもできる、お梅ちゃんは俵屋へ嫁げば大店の女主人となってしまう。
そして、また熊吉も大事な薬を若旦那と共に作る立場へ。
熊吉もお花ちゃんも不安を抱えながら、前へ進んでいくのがいいなぁ。お花ちゃんが自分の口で夢を語ることができるようになったのも成長♪
この言葉は解禁してもいいなぁ、悩め、悩め、若者たち! たどり着いたところに目指したものがないこともあるけど、努力してきた道筋は跡をしっかりつけている。その跡は成長という名前がついている(*^^*)
楽しかった、癒されました。今回も素敵な一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ6月の合同サイン会でのサイン本。
旧帝大医学部合格を目指していたものの果たせず,獣医学部に進学した玉置翔はコミュ障気味で,大学でも一人も友だちができず暇を持て余していた。そこで暇を利用してバイトでもしようと学生課に張り出されていたバイト募集に応募する。向かった先は虹猫喫茶店。店内を猫が自由に闊歩しているがオーナーの鈴影サヨリは猫カフェではなく猫がいる喫茶店なのだと主張する。そして指示された仕事は町内で問題となっている猫屋敷の40匹近い猫の世話。猫屋敷には認知症らしい婆さんが一人暮らしだという。この老女を含め様々な理由で虹猫喫茶店に集う人々との交流を通してそれぞれがそれぞれの刺激を受けて変化していく様子を描いている。
サイン会時点では坂井希久子さんを全く知らなかったため,サインをしてもらう本に何を選ぶか迷った。タイトルに「喫茶店」と入るところが,私の好きなタイプの作品を予感させ,しかも動物が絡んでいるらしいところが決め手だったが,結果的に良い選択だったと言える。本当に色んなタイプの人が出てきて,とんでもない言動をしたりするのだけれど,結局本当に悪い人は出てこない,という所が良い。猫を飼ったことはないが,犬に比べて比較的気楽に飼っている人が多そうな猫飼育にも色々難しい問題があるのだなぁ。猫の魅力というのもおぼろげに伝わってくる。 -
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「居酒屋ぜんや」のシリーズ、5作目。
美人女将のお妙が美味しい料理を作る人気の店に、今日も常連が集まり‥
小さな問題をお妙の知恵と季節の美味しいもので解決しながら、さらに大きな謎もじわじわと正体を見せ始めます。
お妙に憧れている林只次郎は、貧乏旗本の次男。
山王祭は町人の祭りなので、武士は街なかへは出ないのだとか、江戸時代の習わしが面白い。
只次郎はこっそり町人姿で医者を探しに出かけるが。
お妙は薬の代わりになるものを渡す。
升川屋喜兵衛の嫁・お志乃が産んだ千寿の祝いの料理を頼まれ、出向いたお妙。
家族の微妙なバランス、男親の鈍感さに笑っちゃいますが。さりげなく解決へ導くお妙です。
お妙は早くに両親を火事で亡くし、駆け付けた善助に引き取られ、善助とその姉・お勝に育てられました。
父の手伝いをしていた善助は二回り年上だが、後に結婚したのです。
お勝はお妙のことを恋を知らないのではと思っているが、お妙は最初から善助を親代わりとは思っていなかったよう。
しかし、今になって、善助の溺死に疑いを持ち、ひいては父親のことも謎に思うように。
一方、ぜんやの常連の大店のご隠居らが、お妙の父親と知り合いだったとわかります。
思いがけない引き合わせに、用心棒の草間重蔵の存在もあり、謎は解けるか‥?
父や善助に習った医の知識もあり、機転が利くお妙と、のんびりしているが人に好かれる、年下の只次郎。
にぎやかな常連たちに囲まれた、あったかな世界です。
事件も無残なだけでは進まない、人情味あふれる展開へ。
タイトルが似ていて順番を覚えきれないので、書いておきます。1作目から、ここまで
「ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや」
「ふんわり穴子天 居酒屋ぜんや」
「ころころ手鞠ずし 居酒屋ぜんや」
「さくさくかるめいら 居酒屋ぜんや」
「つるつる鮎そうめん 居酒屋ぜんや」
この次は「あったかけんちん汁」「ふうふうつみれ鍋」「とろとろ卵がゆ」「ほろほろおぼろ豆腐」「さらさら鰹茶漬け」
この後、さらに、主役が若い世代に移る「花暦 居酒屋ぜんや」シリーズへと続きます。
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