坂井希久子のレビュー一覧
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人情モノという点で言えば,本作が一番のような気がする。
今作もハズレなし。とても面白かった。さっそく次巻を読まねば。
あらすじ(背表紙より)
寛政三年弥生。預かった鴬を美声に育てて生計を立てる、小禄旗本の次男坊・林只次郎は、その鴬たちの師匠役となる鴬・ルリオの後継のことで頭を悩ませていた。そんなある日、只次郎は、満開の桜の下で得意客である大店の主人たちと、一方的に憧れている居酒屋「ぜんや」の別嬪女将・お妙が作った花見弁当を囲み、至福のときを堪能する。しかし、あちこちからお妙に忍びよる男の影が心配で…。桜色の鯛茶漬け、鴨と葱の椀物、精進料理と、彩り豊かな料理が数々登場する傑作人情小説第二巻。 -
Posted by ブクログ
女子マラソンのオリンピック代表に選ばれながら、妊娠が発覚しバッシングを受けながら娘を産んだ峰子。彼女は離婚を経てまたマラソン競技へ戻ろうとするが…
自分の信じた道を行こうとして、何度も惑いながら、それでもずんずんと前へ前へと進んでいく「強い」主人公、峰子の姿に引っ張られるままに、あっという間に物語のゴールへとたどり着きます。爽快感、がまず後に残る清々しいお話です。
といっても彼女の道は苦難ばかりで、まったく理不尽なものも少なくない。それでも、大切な娘や親、ライバル、コーチたちの支えを得て、彼女は進んでいく。いっしんにゴールを目指していく。
そんな芯のゆるがない彼女の姿は時折痛々しいほどだけれど、それでも、ゴールの果てを目指さざるを得ない。その果てを超えないと、自分が未来へと、これまでの自分自身ではない自分へ変わってゆけない。その真摯さが、ひたすらまぶしく、時折うらやましく思いました。
マラソンを描いた物語ですが、スポーツ物というよりも、ひとりの女性の生きかたを描いた話として、とても心に残りました。 -
Posted by ブクログ
かなり前のことになりますが、夫の転勤で関東地方に住んでいたことがあります。
大阪出身と言うと、「大阪弁じゃない!」、「浜ちゃん(ダウンタウン)としゃべり方が違う!」と言われること度々。
さらには、大阪の人の挨拶は「もうかりまっか?」「ぼちぼちでんなぁ」なの?等々。
若かりし頃、東京に遊びに行ったとき、友人と大阪弁でしゃべっていると視線を感じたし…
東京で就職した友人が帰省したさい、標準語でしゃべっていてビックリ。
大阪弁は肩身が狭いと言っていたっけ…
ダウンタウンが売れて、吉本印天然素材が売れて…
大阪弁はとてもメジャーになったと勝手に思っています(笑)
その一方で、大阪弁のイメージが独り歩きしてる、と感じることも。
祖父母が使っていた大阪弁の中には現在は使われなくなってきているものも多いし…
と、この本とは関係のないことを書いてしまいました。
というのも、この本、こてこての大阪弁で書かれています。
ちょっとこてこて過ぎると思わないこともないのですが…(笑)
この本の舞台は大阪、新世界の北端にある北詰通商店街。
主人公のセンコの実家はこの商店街で「ラーメン味よし」を営んでいる。
おせっかいでうっとおしい近所のおっちゃん、おばちゃん。
そうそう、大阪のおっちゃん、おばちゃんってこんな感じやったなぁ~
と、子どもの頃を懐かしく思い出しました。
中盤からどんどんひきつけられて、最後は涙腺が… -
Posted by ブクログ
働く女子へのエール。
仕事に行き詰った時、ふっと、結婚しようかなあ…とか思ってしまうけれど。
“この街で歳をとりたくない”
介護を仕事としているからこそ、老い先の事も見えてしまう…
人々は刺をまとい、人込みでちょっと立ち止まれば体当たりされ、ゆっくり歩くお年寄りは舌打ちされる。
高遠の自然の中では、みんなのびのびとして、お年寄りは“守るべき弱者”というより、人生の先輩として学ぶべき人たちだ。
そんな高遠の人たちに触れるうち、主人公も、自分の気持ちに自然であることを大切に思うようになる。
仕事がつらい時は、ちょっと立ち止まって考えてみるのもいい。
恋愛物ではあるけれど、介護の現場の問題点にもふれ、問題作でもある。
本を手に取ったきっかけは、タイトルの“あずさ号”と、特急の車体の大胆な構図、車窓の女性。
桜の花びらも、恋っぽい。
ふらっと電車に乗って一人旅がしたくなったなあ…
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