坂井希久子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
火事の貰い火でぜんやが、全焼し、途方に暮れていたお妙も再び居酒屋を再開することが決定し、精神的にも落ち着いた。
木の匂いも爽やかなぜんやの店内。
常連客が高額な酒や味噌、他のものを開店祝いと持ってきたが、只次郎は返せぬ恩を受けるよりは、常連客は投資者として、ぜんやの商売に資金を出し、その儲けの中から利益を得るという方法を提案。
川開きの花火見物に船をしつらえいつものメンバーで。
ところがぜんやの隣の空いている店を春告屋として、鶯の飼育や商売のアドバイスをする商売を始めたばかりの只次郎がおくれている。
勘違いから一線を踏み越える二人。
よっ!ご両人! -
Posted by ブクログ
1977年生まれの才能豊かな女流作家。
題材は時代小説シリーズには珍しくもない『居酒屋モノ』
一年前に孤児に自分を養ってくれた歳の離れた夫を水死でなくし、夫の姉、気風がいいおばあさんお勝とともに、夫の残した「ぜんや」という居酒屋を営む。
江戸時代大ブームになった鶯の飼育。
その美しい鳴き声が信条の野鳥なので、専門的に、鳴き声をしつける商売もできた。
貧しい小普請組の旗本の次男坊の林只次郎。
腕っ節はからっきしだが、小鳥の飼育が大好きで向いてもいる。武士とも見えない人懐っこさも向いている。
只次郎が頼まれた鶯を逃したと悲観して落ち込んでいたのを、鶯の糞買いの又三が気分転換に連れて行った「ぜんや」の女将、お妙の美味しい料理と聞き上手な人柄に惹きつけられ、鶯つながりの大店の主人たちを次から次へと連れてきて、ぜんやも経営が楽になる。
そして第一に、只次郎の人柄で店の中がとても気持ちよくくつろげる雰囲気に。
そんなぜんやを中心に、いろいろな出来事が起こる、というあらすじ。 -
Posted by ブクログ
「居酒屋ぜんや」の新シリーズ始まる。
前作から五年後の設定で、母親に捨てられてお妙たちが預かっていたお花も14歳になった。
やはりお妙たちが目をかけていた子供、熊吉は18歳。
今度はこの若者たちの視点でお話が進むことになる。
爽やかに、若々しく再出発。
この先の進む道に、希望と悩み。恋も・・・あるのかな?
『菫の香』
お花は、只次郎・お妙夫婦の正式な養女となっているが、いまだにお妙を「おっかさん」と呼ぶことができない。
実母のお槇はお花のトラウマである。
お妙もお花も、心から相手を大切に思っているのに遠慮しあってギクシャクするのが切ない。
『酒の薬』
熊吉は、奉公する薬種問屋・俵屋で、若くして手代に出世した。当然、妬まれる。
『枸杞の葉』
お妙に子ができたら、自分はもう要らなくなるのでは?と悩むお花。
おえんの実の子である、おかやの気楽さ、図々しさが気に障る。
『烏柄杓』
俵屋はお妙の父が作っていた薬・龍気養生丹を復活させて商売しようと考えた。
熊吉は、俵屋から目をかけられていることは分かっているが、それは養女として大切にされているお花とは違う、自分の立場に悩んでいる。
『夏土用』
お花が只次郎に拾われたのは、「大暑(二十四節気)」の日だったと思い出す。
只次郎が、どうしてもお妙のうなぎ料理が食べたいと言い出して、常連の旦那衆に声をかけて「鰻づくし」の会を開くことになった。
ーーーーーーーーーーーーーー
お花を大切に思うからこそ、無理に居酒屋の仕事を押し付けたくないお妙の気持ちは、もしかしたら血がつながらないからこそできる配慮なのかも。
お妙の料理はどれも美味しそうなのでいちいち触れないけれど、鰻づくしは悶絶である。
食えない、どこか怖いところのある俵屋の旦那は、とても魅力的。
おえんの娘・おかやは、まだ7歳ながら頭の中は男と女のことでいっぱいなのが母親そっくり。
そして、升川屋はまたやらかした!一方、息子の千寿は8歳で出来たイケメンに成長。
お妙(35歳)と只次郎(29歳)が、見守る立場の大人となり、若者たちの目を通して描かれるというのも新鮮なもの。
魅力的なキャラクターたちを、ずっと見守っていきたい。
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。