坂井希久子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人気の「居酒屋ぜんや」シリーズ4作目。
美人女将のお妙が腕を振るう店に、只次郎の恋敵が登場?
前作で発覚した事件の犯人は、牢にいる状態。
それはおいといて、庶民の暮らしは進んでゆく。
寛政4年睦月、16日。
この日は藪入りで、奉公人が親元に帰れる日。奉公に出ている熊吉が、ぜんやに帰ってくることに。
親のない子だから、たまたま縁あってやって来るのだが、お妙の実の子という噂が立ちます。
が、そう思われてもかまわないと鷹揚に構えるお妙。
只次郎が用意してくれた凧をあげに行って楽しむが、そこにいた少年と喧嘩に。
それでもその子の面倒を見ようとするお妙に、熊吉はちょっと僻んでしまうが…
鶯の鳴き合わせの会に、審査役で出た林只次郎。
優勝した鶯の飼い主・柏木に声を掛けられ、好感を抱きます。
ところが只次郎の愛鳥ルリオを譲ってほしいと持ち掛けられ、困惑。
ルリオはめったにいない美声で、小禄の旗本である林家の家計を支えているのだから。
しかも、柏木は勘定奉行の用人とわかり‥
お妙が往来で絡まれていたところを助けてくれた男。
ばったり再会したお妙はお礼に食事をご馳走し、話を聞いてみると…
草間重蔵は浪人で、長身で目つきが鋭い、いい男。
店の用心棒として雇うことにしたため、周りは驚きます。
只次郎はしょげ返るが…
只次郎の姪・お栄の七五三のお祝い。
招かれた柳井殿が孫に祝いを持っていく相談に店を訪れる。
男前で派手好み、やり手の柳井殿だが、お栄の母である実の娘・お葉とはあまり相性が良くないのでした。
「贅沢なものは不要」と既に釘を刺されています。
ぎこちない場面を救ったのは。
事件の全容が明らかにならないまま、お妙の身辺には不安が立ち込めています。
それで用心棒を置いたのだが…
只次郎の家族とも間接的に付き合いが出来ていますね。
さて、どうなる?
続きも楽しみです。 -
Posted by ブクログ
料理をテーマにしたアンソロジー。
女性作家ばっかりかなと思ったけど、中村航さんは男性かな?色んなテイストの作品が詰まっていて、美味しくて嬉しいアンソロジーでした。
以下お気に入り作品。
柚木麻子「エルゴと不倫鮨」
不倫を嗜む男たちの隠れ家的鮨屋に、明らかに場違いなくたびれたおばさんが襲来する。そのおばさんはなぜかとても料理に詳しく、次々と美味しそうなオリジナル創作鮨をオーダーしはじめ…まさにタイトル通り注文の多い料理小説。ラストのオチも痛快でよい。
伊吹有喜「夏も近づく」
悠々自適な田舎暮らしをしている主人公が、兄から半ば押し付けられる形で甥っ子を預かることに。田舎の豊かな自然と触れ合うことにより2人が打ち解けていく様子が微笑ましい。伊吹有喜さんらしい、爽やかで優しいお話。
坂井希久子「色にいでにけり」
はじめましての作家さん。時代物で、美しい色彩と和菓子の融合。短編なのにキャラが立ってて、シリーズもので読みたいと思った。
中村航「味のわからない男」
岩上が脳内で原田○二に変換されて笑った。 -
Posted by ブクログ
「居酒屋ぜんや」シリーズ、3作目。
こまやかな気遣いのできる女将のお妙が出す美味しい料理に、ほっこり。
ただし、背景にあった事情が表に出てくる巻で、サスペンスは強まってます。
大嵐で雨漏りが起き、てんやわんやになる長屋。
そんな時期、行方知れずになっていた又三が発見される。それも、思いがけない形で…
又三が、人にお妙の素性を探るよう頼まれたと話していたことを思い出して、悩むお妙。
常連でお妙に憧れている旗本の次男・林只次郎は、お妙の不安を解消しようとするが、ほとんど弟ぐらいにしか思われていないので、危ないことはするなと止められる。
しかし、武士ではあり、鶯の鳴きつけという仕事であちこちに出かけるのも慣れている只次郎。
探りを入れるために賭場へ出向く役を引き受けることに。
普段はへらへらしている只次郎だが、か弱いお妙を守ってやりたいと燃えて、不安にさせまいとわかってきたことを隠し、お妙を怒らせてしまう。
かなり自由に育ったお妙は実は勝ち気で、大人だからそんなに面には出さないだけなんです。
ぎこちないやり取りにも、少~しずつ距離が縮まる感じが(笑)
お妙の義姉のお勝や、只次郎の兄嫁の父である柳井殿らは茶々を入れつつも見守るのでした。
升川屋喜兵衛の嫁・お志乃が妊娠中で外へ出られないため会いに行くお妙とお勝。
嫁姑の仲がおかしくなり、お志乃は孤立しているらしい様子。
夫の升川屋はお志乃を大事にしているつもりなのだが、ピントがずれている(笑)
手毬寿司という可愛くて美味しそうな料理と、嫁姑の仲をうまく取り持つお妙の優しい手さばきに嬉しくなりました。
長屋の煤払いなど、当時の季節の行事も話に組み込まれてありありと描かれ、面白いです。 -
Posted by ブクログ
「居酒屋ぜんや」シリーズ2作目。
ヒロインの性格がはっきりしてきて面白かったです。
美味しい料理に皆が集まってくる居酒屋を、今は一人で切り盛りしているお妙。
はっと目を惹く美貌だが自分ではあまり意識していないのは、2年ほど前に亡くした夫の善助を今も思っているのと、元々さっぱりした気性のよう。
夫の姉が給仕の手伝いに来ており、大して働かないが客に睨みを利かせる役どころ。
夫は二回り年上で、そもそも善助とその姉は妙の養い親だったのだ…
林只次郎は小禄の旗本の次男で、鶯の鳴きつけで家計を支えている。
食いしん坊で、妙の料理と優しい笑顔に魅了されているが、ほとんど異性とは意識されていない(笑)
今回は、まずは「花の宴」
花見に常連が集まった時のお料理。
只次郎がやや苦手とする柳井殿が登場。兄嫁の父であり、北町奉行所の与力、中年だがモテ男で粋。
「鮎売り」では、売れない鮎を抱えて困っている少女をお妙が助ける。
その気っぷの良さに、魚河岸の男たちが店までやってくる。
「立葵」
只次郎の姪のお栄は賢い子で、学問をしたいのだが、それは当時の常識ではない。
只次郎はこっそり教えることにするが…
「翡翠蛸」
升川屋の新妻・お志乃が食欲をなくしているという。上方の味を提供するお妙の工夫は‥
そして、夫に対してお志乃は?
「送り火」
穴子天が出てくるのは最終話です。
物語は基本、ほんわりした雰囲気で展開しますが。
背景には事件が隠れているよう。
人情噺だけど、年号もはっきりしているし、出来事は世相にも関係するのかな…
じっくり読ませていただきましょう☆ -
Posted by ブクログ
時代小説「居酒屋ぜんや」シリーズ1作目。
美味しいお料理が出てくる、人情ものです。
林只次郎は貧乏旗本家の次男。
家禄を継ぐこともない立場でのんびりした性格だが、鶯にいい声で鳴かせるよう育てるのが得意で、今では家計を支えています。
当時、飼っている鶯の声を競う趣味の世界があったのですね。
上客から預かった鶯が行方知れずとなり、途方に暮れていたある日、いい居酒屋があると誘われます。
美人女将のお妙の優しい笑顔に癒され、丁寧に作られた素朴な料理に惚れ込む只次郎。
家庭料理にあるようなものを手間暇惜しまずに仕上げている感じで、好感が持てます。
味には一工夫してあり、お妙の気性と才覚が感じられますね。
気取らない店だが、大店のご隠居さんなども集まってくる、ひそかな名店なのでした。
毎回ちょっとした謎とその解決がありますが、捕物帳ではなく、本人にとっては大問題でも世間からすればそこまで重い問題ではない場合がほとんど。
人間関係もゆっくり進むようだし~ほっこりしながら安心して読めます。
気に入りました☆
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