坂井希久子のレビュー一覧
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「居酒屋ぜんや」の新シリーズ始まる。
前作から五年後の設定で、母親に捨てられてお妙たちが預かっていたお花も14歳になった。
やはりお妙たちが目をかけていた子供、熊吉は18歳。
今度はこの若者たちの視点でお話が進むことになる。
爽やかに、若々しく再出発。
この先の進む道に、希望と悩み。恋も・・・あるのかな?
『菫の香』
お花は、只次郎・お妙夫婦の正式な養女となっているが、いまだにお妙を「おっかさん」と呼ぶことができない。
実母のお槇はお花のトラウマである。
お妙もお花も、心から相手を大切に思っているのに遠慮しあってギクシャクするのが切ない。
『酒の薬』
熊吉は、奉公する薬種問屋・俵屋で、若 -
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人気の「居酒屋ぜんや」シリーズ4作目。
美人女将のお妙が腕を振るう店に、只次郎の恋敵が登場?
前作で発覚した事件の犯人は、牢にいる状態。
それはおいといて、庶民の暮らしは進んでゆく。
寛政4年睦月、16日。
この日は藪入りで、奉公人が親元に帰れる日。奉公に出ている熊吉が、ぜんやに帰ってくることに。
親のない子だから、たまたま縁あってやって来るのだが、お妙の実の子という噂が立ちます。
が、そう思われてもかまわないと鷹揚に構えるお妙。
只次郎が用意してくれた凧をあげに行って楽しむが、そこにいた少年と喧嘩に。
それでもその子の面倒を見ようとするお妙に、熊吉はちょっと僻んでしまうが…
鶯の鳴き合わ -
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料理をテーマにしたアンソロジー。
女性作家ばっかりかなと思ったけど、中村航さんは男性かな?色んなテイストの作品が詰まっていて、美味しくて嬉しいアンソロジーでした。
以下お気に入り作品。
柚木麻子「エルゴと不倫鮨」
不倫を嗜む男たちの隠れ家的鮨屋に、明らかに場違いなくたびれたおばさんが襲来する。そのおばさんはなぜかとても料理に詳しく、次々と美味しそうなオリジナル創作鮨をオーダーしはじめ…まさにタイトル通り注文の多い料理小説。ラストのオチも痛快でよい。
伊吹有喜「夏も近づく」
悠々自適な田舎暮らしをしている主人公が、兄から半ば押し付けられる形で甥っ子を預かることに。田舎の豊かな自然と触れ合うこ -
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「居酒屋ぜんや」シリーズ、3作目。
こまやかな気遣いのできる女将のお妙が出す美味しい料理に、ほっこり。
ただし、背景にあった事情が表に出てくる巻で、サスペンスは強まってます。
大嵐で雨漏りが起き、てんやわんやになる長屋。
そんな時期、行方知れずになっていた又三が発見される。それも、思いがけない形で…
又三が、人にお妙の素性を探るよう頼まれたと話していたことを思い出して、悩むお妙。
常連でお妙に憧れている旗本の次男・林只次郎は、お妙の不安を解消しようとするが、ほとんど弟ぐらいにしか思われていないので、危ないことはするなと止められる。
しかし、武士ではあり、鶯の鳴きつけという仕事であちこちに出 -
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「居酒屋ぜんや」シリーズ2作目。
ヒロインの性格がはっきりしてきて面白かったです。
美味しい料理に皆が集まってくる居酒屋を、今は一人で切り盛りしているお妙。
はっと目を惹く美貌だが自分ではあまり意識していないのは、2年ほど前に亡くした夫の善助を今も思っているのと、元々さっぱりした気性のよう。
夫の姉が給仕の手伝いに来ており、大して働かないが客に睨みを利かせる役どころ。
夫は二回り年上で、そもそも善助とその姉は妙の養い親だったのだ…
林只次郎は小禄の旗本の次男で、鶯の鳴きつけで家計を支えている。
食いしん坊で、妙の料理と優しい笑顔に魅了されているが、ほとんど異性とは意識されていない(笑)
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時代小説「居酒屋ぜんや」シリーズ1作目。
美味しいお料理が出てくる、人情ものです。
林只次郎は貧乏旗本家の次男。
家禄を継ぐこともない立場でのんびりした性格だが、鶯にいい声で鳴かせるよう育てるのが得意で、今では家計を支えています。
当時、飼っている鶯の声を競う趣味の世界があったのですね。
上客から預かった鶯が行方知れずとなり、途方に暮れていたある日、いい居酒屋があると誘われます。
美人女将のお妙の優しい笑顔に癒され、丁寧に作られた素朴な料理に惚れ込む只次郎。
家庭料理にあるようなものを手間暇惜しまずに仕上げている感じで、好感が持てます。
味には一工夫してあり、お妙の気性と才覚が感じられます
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