坂井希久子のレビュー一覧

  • ふんわり穴子天 居酒屋ぜんや

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    『居酒屋ぜんや』シリーズの第2弾。別嬪女将のお妙が作る彩り豊かな料理と、個性的な登場人物が読者を笑顔にさせる人情時代小説。
    美味しい料理は人を幸せな気持ちにさせる。特にそれが旬の食材で、ましてや工夫された料理ならば、只次郎のように「うっまぁい」と唸りたてまくりたくなる。ストーリーに大きな変化はない本作だが、姿を消した又三はなんか不穏だ。

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    2017年08月19日
  • ただいまが、聞きたくて

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    17歳の誕生日当日にフラれた女子高生。傷心の彼女は見た目さわやかなオッサンから「ぱんつを譲ってくれませんか」と声をかけられて唖然呆然。こんな女子高生を皮切りに、彼女の姉、祖母、姉の恋人、母、父の目線で語る短編連作集。私にとっては坂井希久子といえば『泣いたらアカンで通天閣』と『ヒーローインタビュー』。通天閣やら阪神タイガースやらをテーマにした作品のほうが大阪人としては嬉しいけれど、標準語ばりばりの本作も◯。一見ノーテンキでも、誰でも悩みを胸に生きている。最終章の父目線の部にはウルッときました。家族再生。

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    2017年05月15日
  • ウィメンズマラソン

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    女子マラソンのオリンピック代表に選ばれながら、妊娠が発覚しバッシングを受けながら娘を産んだ峰子。彼女は離婚を経てまたマラソン競技へ戻ろうとするが…

    自分の信じた道を行こうとして、何度も惑いながら、それでもずんずんと前へ前へと進んでいく「強い」主人公、峰子の姿に引っ張られるままに、あっという間に物語のゴールへとたどり着きます。爽快感、がまず後に残る清々しいお話です。

    といっても彼女の道は苦難ばかりで、まったく理不尽なものも少なくない。それでも、大切な娘や親、ライバル、コーチたちの支えを得て、彼女は進んでいく。いっしんにゴールを目指していく。

    そんな芯のゆるがない彼女の姿は時折痛々しいほどだ

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    2017年04月08日
  • ふんわり穴子天 居酒屋ぜんや

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    とにかく食べ物が美味しそう!
    美味しそうだなー、と妄想して堪能しているうちに、思わずはっとするような、気づきがあったりします。
    当たり前のことを、当たり前でなく疑問を呈していくような感じというか。
    ああ、そうだよなー、としみじみさせてくれます。
    ハラハラドキドキがあまりないので物足りないと思う人も居るかもしれないけれど、ゆったりした気分で読めるので、通勤時に読むにはとても良いと私は思っています。
    何とも、好きなシリーズになってきました。
    また次が楽しみです。

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    2017年01月29日
  • 泣いたらアカンで通天閣

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    かなり前のことになりますが、夫の転勤で関東地方に住んでいたことがあります。
    大阪出身と言うと、「大阪弁じゃない!」、「浜ちゃん(ダウンタウン)としゃべり方が違う!」と言われること度々。
    さらには、大阪の人の挨拶は「もうかりまっか?」「ぼちぼちでんなぁ」なの?等々。

    若かりし頃、東京に遊びに行ったとき、友人と大阪弁でしゃべっていると視線を感じたし…
    東京で就職した友人が帰省したさい、標準語でしゃべっていてビックリ。
    大阪弁は肩身が狭いと言っていたっけ…

    ダウンタウンが売れて、吉本印天然素材が売れて…
    大阪弁はとてもメジャーになったと勝手に思っています(笑)
    その一方で、大阪弁のイメージが独り

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    2016年09月06日
  • ヒーローインタビュー

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    今年のタイガースは金谷、もとい金本が監督になって変わるかなぁ。。。
    関西に住んでいれば、TVはニュースでもバラエティーでも取り上げるのはタイガースばかりなので、自然と親しみも湧こうというもの。
    毎年、今の時期は今年こそはの優勝を期待されながら、シーズン終盤にはダメ虎と嘆かれる。関西人の気持ちを弄びながら、そのダメさ故にか愛され続ける稀有な球団、阪神タイガース。
    そのタイガースに10年間在籍し、主に二軍で燻り続けた未完の大砲、仁藤全。
    彼に関わった人5人(全に惚れられた理髪師の女性、全をタイガースへ引っ張った老スコアラー、同期入団の主力投手、ライバルチームのベテラン投手、高校での野球部仲間)に対

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    2016年03月21日
  • ヒーローインタビュー

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    架空の選手、仁藤を取り巻くまるでノンフィクションのようなフィクション。リアリティーが凄く、筆者はこれを書くまで野球を知らなかったとは思えないほど。ヒーローになった人の「ヒーローインタビュー」ではなく、その人にとってのヒーロー」を聞く「インタビュー」。とても温かくて、また読み易く、良かった。

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    2015年09月07日
  • ヒーローインタビュー

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    阪神タイガースの一軍半の選手である仁藤。この選手について様々な人にインタビューをしていくという設定の小説。
    仁藤の思い人、担当スカウト、後輩投手、対戦相手のドラゴンズのベテラン左腕、高校時代のチームメイトなどの証言で仁藤という人物の人となりがわかってくる面白いものでした。
    設定なども実際のプロ野球のものをよく取り入れており、ドラゴンズのベテラン左腕なんて「山本昌」そのものだし、野球好きにも楽しめる作品でした。

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    2015年06月23日
  • 恋するあずさ号

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    働く女子へのエール。
    仕事に行き詰った時、ふっと、結婚しようかなあ…とか思ってしまうけれど。
    “この街で歳をとりたくない”
    介護を仕事としているからこそ、老い先の事も見えてしまう…
    人々は刺をまとい、人込みでちょっと立ち止まれば体当たりされ、ゆっくり歩くお年寄りは舌打ちされる。
    高遠の自然の中では、みんなのびのびとして、お年寄りは“守るべき弱者”というより、人生の先輩として学ぶべき人たちだ。
    そんな高遠の人たちに触れるうち、主人公も、自分の気持ちに自然であることを大切に思うようになる。

    仕事がつらい時は、ちょっと立ち止まって考えてみるのもいい。

    恋愛物ではあるけれど、介護の現場の問題点にも

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    2017年04月23日
  • 恋するあずさ号

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    日常の仕事や恋人から解放されたくて、とびのったあずさ号。高遠へたどり着き、自然や人々とのつながりを通じて、自分のやりたいことや生き方を考えていく。単行本の時のタイトルが「迷子の大人」だったそうですが、まさしく迷子の大人でした。梓の優柔不断さだったり、恋人との関係も何だかあっさり解決していってしまった部分は腑に落ちないけれど、軽く読めて、読後感もよかったです。胸キュンで甘酸っぱい感じもよかったです。気になる作家さんがまた一人増えました。

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    2015年04月13日
  • こじれたふたり

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    オール読物新人賞受賞作「虫のいどころ」を含む短篇集。フェチズムや変わった性癖がテーマだが、嫌らしい感じは全くなく、男女問わずお薦めできるコメディタッチの作品である。
    訳あり男女の異質な恋物語「かげろう稲妻水の月」と、切実な花粉症男の行動が面白い「虫のいどころ」は、タイトルの付け方の巧さが光る。これからも目が離せない作家さんの誕生である。

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    2014年03月15日
  • 崖っぷちの鞠子(まりこ)

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    崖っぷちの状態に置かれた女たちのハードボイルドな生き様が気持ちよく読める短編集。
    対の作品である「アップルロールの彼方へ」と「クロエ・クロニクル」がいい。ギリギリに追い込まれた女性の女しかできない決断力が、かっこよすぎる!
    坂井希久子さんは初読みだが、これからも期待します。

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    2013年09月14日
  • 江戸彩り見立て帖 星合いの空

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    ネタバレ

    クセのある右近も長兄の蘇芳の登場で、今回は影が薄く感じました。

    イメージがしづらい色は、手持ちの『365日 にっぽんのいろ図鑑』を見ながら読み進めました。

    色って楽しいなぁと改めて思いました。

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    2025年12月17日
  • 撫子こがし 花暦 居酒屋ぜんや

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    お花には枝豆に悪い思い出が刷り込まれている。山椒に刷り込まれたのは悪い思い出なのか、良い思い出なのかと思いました。

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    2025年12月08日
  • すみれ飴 花暦 居酒屋ぜんや

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    只次郎とお妙が結婚してお花を幼女として育て始めた居酒屋ぜんやの第二章。
    「菫の香」
    「酒の薬」
    「枸杞の葉」
    「烏柄杓」
    「夏土用」

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    2025年12月06日
  • 赤羽せんべろ まねき猫

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    大阪弁しか書けへんと思ってたらずっと東に飛んで赤羽とは。いわゆる人情ものだけど、諸々の現代の課題も描かれてて、読後はみんな頑張って!って言う気になる。

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    2025年12月03日
  • とろとろ卵がゆ 居酒屋ぜんや

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    時代設定がちょうど今やっている大河ドラマ「べらぼう」と同じくらいで,松平定信に振り回される町人の様子を見ているので,時代背景の理解が深まる気がする。
    「月見団子」
    「骨切り」
    「忍ぶれど」
    「夢うつつ」
    「持つべきもの」

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    2025年11月30日
  • おひとりさま日和

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    さくっと読める。
    物語性を出すためか最初から一人が良くて悠々楽しんでる漫喫系がどうしても少ない気がしてそこがちょっと不満かも。
    まわりのしがらみ描写多すぎておひとりさまってそんなに難易度高いっけ?という疑問はすごくある笑
    そういう点から最後の最上階が一番好きかな。

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    2025年11月16日
  • 菊むすび 花暦 居酒屋ぜんや

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    シリーズ第7作目。

    お梅ちゃんの祝言に
    お妙さんのご懐妊と
    めでたいこと続々の今巻。

    お花ちゃんの成長が凄まじい。
    本当に精神的にタフになったなぁー。

    ラストはまさかの展開で、この後波乱の予感!
    おかやはなかなか好きになれないキャラです。
    気に入らないことがあるとすぐ癇癪起こす、千寿のことを好きと言うわりに好かれる努力はしない、いつまで経っても幼稚さばかりが目立っていて、読んでいてイライラしてしまうのです。。。

    なので、次の巻が今から不安だー!

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    2025年11月15日
  • おひとりさま日和

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    これから定年後
    どんなふうに生きていこうかとあれこれ考える中
    色々参考になりました
    それぞれ素敵なおひとり様でした

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    2025年11月12日