坂井希久子のレビュー一覧

  • 注文の多い料理小説集

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    ネタバレ

    人生を彩る料理に乾杯。

    7つの個性的な短編が収められている。登場する料理も様々。お酒からお菓子、パン。時代も場所も様々だ。読み終わると美味しい料理を食べた後のように満足している。

    柚木麻子「エルゴと不倫鮨」ある程度の年収の男と歳が離れた若い女性が集まる店。そこにやってきた招かれざる客は——。卒乳祝いの女性がパワフルでそこにいる人すべてが巻き込まれていく。世界をひっくり返すようなお客にコロリと順応するのはまた女性たち。疲れ果てた男性たちの顔が目に浮かぶ。

    伊吹有喜「夏も近づく」三重県の自然の中に暮らす拓実のところに兄が訳ありの少年を連れてきた。美味しい水と自然の中で育ったものを食べるうちに

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    2022年07月18日
  • 注文の多い料理小説集

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    美味しい料理が縁を結ぶ、7つの物語。
    お腹がぐうぐう鳴るくらい美味しそうな料理が出てくる作品ばかりで、その中でも伊吹有喜さんの『夏も近づく』が好みだった。
    温かい食卓を通して心の距離が近づく様子を丁寧に描いていたところが素晴らしかったのはもちろん、出てくる料理の美味しそうなこと! たけのこご飯、果肉ごろごろのバレニエ、青竹のコップで食べる素麺ーー。身体の隅々まで染み渡るような滋味あふれる料理が恋しくてたまらなくなる。
    テレビやスマートフォンを眺めながらささっと食事を済ますのも悪くはないけれど、目の前の料理の香りと素材本来の味に、もっとじっくり向き合って食事をしようと姿勢を正した。

    伊吹有喜さ

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    2022年07月18日
  • 雨の日は、一回休み

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    女に生まれてよかったと思いたいときはこちらの本をどうぞ!
    定年退職前後のおじさまたちのリアルな悩みが垣間見えた短編集。
    作者が女性ってのがまたすごいと思った。
    割りと流し読みで読んじゃったけど、
    いろいろ悩むししんどいこともあるけど、今これからを楽しく生きていこう
    ってメッセージが込められてて元気でました。
    変わっていくこともあるし、人からの評価も気になるし、なんかもうどうしていいか分からなくなるけど、それでも日々の生活は楽しんだもん勝ち!
    そんなふうに思える小説でした。
    坂井さん初めてだったので他の作品も読んでみたい!

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    2022年07月15日
  • 雨の日は、一回休み

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    ごめんなさい。
    あまりのおじさんのリアルな描写に読みながらイライラしてしまい、第一章で読むのをやめてしまいました。
    著者の表現力に脱帽です。

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    2022年07月01日
  • すみれ飴 花暦 居酒屋ぜんや

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    「居酒屋ぜんや」“花暦 ”という事で、新シリーズにて再始動。

    只次郎とお妙夫婦の養女となったお花の視点と、薬種問屋「俵屋」の手代になった熊吉の視点が、交互に展開する構成です。

    前シリーズから5年後の設定で、お花は14歳、熊吉は18歳になりました。
    実母から虐待&ネグレクトされた上に捨てられたことがトラウマになっているお花は、自己否定が強すぎて、お妙達に嫌われたくないと常に思い詰めている状態です。
    一方、熊吉も手代に出世し、主人からも期待されているものの、先輩や同僚から妬まれて、そのストレスからでしょうか、時折胃が痛くなっている様子。
    相変わらずお妙さんの料理は美味しそうで、常連の皆さま&只

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    2022年06月17日
  • ふんわり穴子天 居酒屋ぜんや

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    ルリオが語る(書店員が騙る)あとがきがなかなかでしたが、ストーリーの方はシリーズの最初の盛り上がりとなる3巻への繋ぎ(伏線)のような感じ。

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    2022年06月13日
  • 愛と追憶の泥濘

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    ぜんやシリーズや江戸彩り見立て帖のテイストかと思って読んだら全然違った(笑)。
    主人公の女性は私と体格が真逆なので共感出来ず。自分の身体に自信があると、それを武器に誘惑とか出来るのね、、、そんな発想したことないよ!
    不穏な空気は最初から漂っていて、最後はもうドロドロ。
    タイトルの「愛と追憶の泥濘(ぬかるみ)」ってピッタリハマる!

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    2022年06月10日
  • さくさくかるめいら 居酒屋ぜんや

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    可愛らしい題名とはうらはらに、少しばかり物語がきな臭くなってきました。
    でも文体のおかげ?でサクサク読みすすめることができます。
    お栄ちゃん、かしこくかわいくなりましたねぇ。
    子供の成長を見守る親の心?

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    2022年06月07日
  • 江戸彩り見立て帖 朱に交われば

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    色の仕組みや意味など、
    なかなか興味深く楽しい。
    着物を着るのを楽しんでいる身としても
    勉強になったり、楽しい。
    だが終わりかたが随分ぷっつりで…
    また続編が出るんだろうが…

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    2022年05月27日
  • ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや

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    神田にある居酒屋「ぜんや」。
    美しい女主人と美味しい料理に誘われて、今日も大店の主人や貧乏旗本の次男坊などが集う。その店や周りの人達に起きる様々な出来事を描いた作品。
    店主であり料理人でもあるお妙は一年前に亭主を亡くした後家。美しくて料理も上手い。そんな妙に惹かれて常連になった武士、林只次郎は鶯の鳴きつけをしている。そんな仕事があると初めて知った。
    只次郎に鶯の鳴きつけを依頼している大店の主人や隠居達もそれぞれ個性的で面白い。出てくる料理も
    ひと工夫したお惣菜ばかりで美味しそう。これは確かにシリーズ化されるだろうなという感じ。

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    2022年05月19日
  • ふんわり穴子天 居酒屋ぜんや

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    美味しいお話ですね。
    人が死ぬようなことはなく、安心して読める本です。主人公の只次郎さんの醸しだす雰囲気のおかげですね!
    次はどんな料理が登場するのかな?なんて楽しみにしながら読みすすめています。

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    2022年05月18日
  • 江戸彩り見立て帖 朱に交われば

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    東男と京女ではなく、江戸娘と京男。この二人の取り合わせがおもしろい。伝統色の名前もとてもいい。最後に出てきた色、調べてみたら実在!泉市さんも実在で、そう聞くともっと興味が湧いてきました。彼らの挑戦が楽しみだけど、恋の話にはならないのかな?キュンも切なさも全然ないみたいだけど。

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    2022年05月17日
  • 江戸彩り見立て帖 朱に交われば

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    呉服屋を営む塚田屋の妾腹の三男坊、右近に
    押し切られ、呉服の色見立てを始めたお彩の
    もとには、様々な相談が舞い込んできて…。
    江戸のカラーコーディネーターとして活躍する
    お彩の人情物語。

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    2022年07月02日
  • 萩の餅 花暦 居酒屋ぜんや

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    新シリーズ二作目、熊吉とお花のお話が進む。
    旧シリーズからの読者としては、お妙と只次郎の絡みがもう少し欲しい処か…。

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    2022年05月14日
  • すみれ飴 花暦 居酒屋ぜんや

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    居酒屋ぜん屋シリーズの新シリーズの開幕。

    お妙と只次郎が晴れて夫婦になった。
    現代ならネグレクトの母親が男を作って、捨てるように置いていった女児、お花を引き取り、正式に養女になった。

    9歳だったお花も14歳になったが、まだ二人はお花を子供扱いにする。
    養われて役立たずと思われるのが嫌で、仕事をしたいと思うのだがお妙は料理をさせてくれない。
    そこにはただ働くということではなく「料理が面白い」とお花が解ってからという心算があったらしい。

    そして、薬問屋俵屋の小僧もいち早く手代になった。
    あまりに早くの出世で嫌がらせに遭っている。

    この二人にスポットを合わせての家族のものがたりのはじまり。

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    2022年05月12日
  • ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや

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    表紙とタイトルから想像した通り、美味しそうなお妙さんの料理がたくさん登場して、読みながら自分もぜんやに通っているような気になった。登場人物もみなちょっとずつクセがあるが人のいいひとたちで、みな深刻ではないが悩みや生きづらさを抱えている。そんな人たちの人生がぜんやで交差するのが面白い。シリーズで読んでみたいし、ぜんやの料理のレシピがあったら自分でも作ってみたいなぁと思った。

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    2022年05月06日
  • ころころ手鞠ずし 居酒屋ぜんや

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    ネタバレ

    シリーズ3巻目となると、登場人物もお馴染みになり、名前を聞いただけでありありと見た目を想像できるようになる。また悲しい思いはすまいと、深く心を開くことを避けているお妙さんが、只次郎に対して怒ったり拗ねたりする様子が、本人も知らないうちに心を開いているように思えて微笑ましい。シリーズ通しての謎解きも少し進んで、続きが気になる。いつもながら料理の描写も見事で、ご飯の前に読むとお腹がすいて、出汁の香りがほんのりとたってくるような思いがする。

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    2022年05月05日
  • さくさくかるめいら 居酒屋ぜんや

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    いつもの馴染みの面々。お妙さんの母親的な一面が見られたり、ぜんやの用心棒として新たな人物が加わるなど、穏やかな日常を描きつつも、物語の大きな流れが透けて見えるようで面白い。只次郎がいい感じにお妙さんの心をゲットしたのかと思いきや、この用心棒を見るお妙さんの目が普通と違うというのも気になるところ。用心棒もどうやら出自を偽っているようで、一体何者なのかが気になる。個人的には、関係がどこかぎくしゃくしていた林家のほっこりエピソードも好きだった。

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    2022年05月05日
  • つるつる鮎そうめん 居酒屋ぜんや

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    ネタバレ

    今回は特に大きく物語のベースとなるお妙のなき夫、善助とお妙の両親の死の謎に迫った回だった。善助はともかく、お妙の両親は火事で亡くなったと語られていてそこに不自然な点はないと思っていたが、そうとも言い切れない様子。何やらきな臭くなってきたが、真相に近づくお妙を支える仲間がたくさんいることにほっとする。 ぜんやに人が集う様子をイメージするとつい忘れそうになるが、只次郎は武士なんだということを改めて実感する話もあった。話し方も服も髷も違う。ぜんやに仲良く集う仲間ではあるが、身分の違いの色濃い時代だったのだなぁ

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    2022年05月05日
  • 雨の日は、一回休み

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    面白かった。
    主役が短編ごとにかわっていく構成は面白い。
    それぞれが人生の主役なんだなと、改めて思う。

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    2022年05月01日