坂井希久子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「居酒屋ぜんや」のセカンドシリーズ、“花暦 ”・第六弾。
美人女将・お妙が切り盛りする居酒屋〈ぜんや〉を舞台に、お妙と只次郎の養女・お花と薬種問屋〈俵屋〉に奉公する熊吉を中心に描かれる人情噺、連作五話が収録されています。
大奥勤めを辞めて〈ぜんや〉に身を寄せていた、只次郎の姪・お栄。
町人になって習い事の師匠になりたいと願っていましたが、結局は林家に戻ることを決断します。
ようやくお花とも打ち解けて、仲良くなれた矢先だっただけに寂しいですが、きっとお栄なら“自分の道”を歩んでいけると思います。
いつか〈ぜんや〉でお花たちと再び“女子会”ができると良いですね。
最近お花が徐々にオープンハートになってきて、胸の内を話せるようになり、健やかな成長を見せているのが嬉しいです。
一方、熊吉は売れ筋商品の「龍気補養丹」の製造に携われるようになったのは良いですが、かなり過労気味で心配な状態だったのに加えて、唐瘡に罹った女郎への“親切心”から独りよがりな世話焼きを発動してしまいます。
お陰でお花に“女郎屋通い”を誤解されて塩対応されてしまったり、挙句は〈俵屋〉のご主人に露見してしまう羽目に。
それにしても熊吉って、同僚たちからまんべんなく妬まれていますよね。
これまでも長吉から裏切られたり、留吉から嫌がらせを受けたり、今回も別の同僚から旦那様へチクられるという・・・熊吉自身は頭も切れるしいいヤツではあるのですが、何気に“鼻につく”ところがあるかもしれないなと思いました。
ここは、只次郎や〈俵屋〉の若旦那のような“人好き”するタイプのソフトな物腰を見習った方が良いのでは?と、老婆心ながら思った次第です。
そうそう、〈俵屋〉の若旦那といえば、グズグズしていたお梅ちゃんとの婚姻の件について、やっと心を固めたようでしたね。
そんな訳で、悩める若者たちの成長が眩しいセカンドシリーズですが、今後もお花や熊吉を見守っていきたいと思います~。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ偶然に入手した祖母の手記から遠い過去が明らかになってゆく。祖母が守りたいと願い生涯をかけて尽くした一人の女性。幼き頃の約束により綿々と続く相思の仲。守る者と守られる者は恋人であり姉妹であり母娘であり侍従という多様な関係性をもって時を重ねる。とある出来事から双方の想いは交差し、強い絆で結ばれていたはずの二人の関係に終焉が訪れる。そして手記を読む私にも自身についての知られざる事実が・・・
戦時の描写が生々しく、否応なく訪れる生死の狭間で生きる人々の姿が想像される。人はなぜ争うのか。当事者には不幸しかもたらさない戦争が繰り返されるのはなぜか。ニュースに流れる他国の争いがやけに身近に感じられた。
人はそれぞれにうねった道を歩み、幸せと思える状況を自らが作るのだと思わせてくれる作品。着物がキーワードになったストーリーは他に記憶がなく新鮮で面白い。
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