坂井希久子のレビュー一覧
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摺師であった辰五郎は、2年前、火事が元で、失明した。5人の弟子達も、散り散りになり、自暴自棄の生活を送っていた。
娘のお彩は、針仕事をしながら、父娘二人の生活を支えていた。
そのお彩は、天性の鋭い色彩感覚を持っていて、ある日、謎の京男・右近が、その才能に目をつけ、半ば強引に、次々と難題を持ちかけた。
やんごとなき筋の茶会に出す主菓子。
小間物問屋の娘の見合いに着る着物。
吉原の花魁に着せる仕掛け。
見事に解決するお彩に、右近は、身分を明かし、お彩の才能を生かして、仕事にしないかと、持ちかける。
摺師辰五郎の仕事場を再興したいというお彩。
希は、叶えられるのか、続きが楽しみな作品だった。 -
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美味しい料理が縁を結ぶ、7つの物語。
お腹がぐうぐう鳴るくらい美味しそうな料理が出てくる作品ばかりで、その中でも伊吹有喜さんの『夏も近づく』が好みだった。
温かい食卓を通して心の距離が近づく様子を丁寧に描いていたところが素晴らしかったのはもちろん、出てくる料理の美味しそうなこと! たけのこご飯、果肉ごろごろのバレニエ、青竹のコップで食べる素麺ーー。身体の隅々まで染み渡るような滋味あふれる料理が恋しくてたまらなくなる。
テレビやスマートフォンを眺めながらささっと食事を済ますのも悪くはないけれど、目の前の料理の香りと素材本来の味に、もっとじっくり向き合って食事をしようと姿勢を正した。
伊吹有喜さ -
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「居酒屋ぜんや」“花暦 ”という事で、新シリーズにて再始動。
只次郎とお妙夫婦の養女となったお花の視点と、薬種問屋「俵屋」の手代になった熊吉の視点が、交互に展開する構成です。
前シリーズから5年後の設定で、お花は14歳、熊吉は18歳になりました。
実母から虐待&ネグレクトされた上に捨てられたことがトラウマになっているお花は、自己否定が強すぎて、お妙達に嫌われたくないと常に思い詰めている状態です。
一方、熊吉も手代に出世し、主人からも期待されているものの、先輩や同僚から妬まれて、そのストレスからでしょうか、時折胃が痛くなっている様子。
相変わらずお妙さんの料理は美味しそうで、常連の皆さま&只 -
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居酒屋ぜん屋シリーズの新シリーズの開幕。
お妙と只次郎が晴れて夫婦になった。
現代ならネグレクトの母親が男を作って、捨てるように置いていった女児、お花を引き取り、正式に養女になった。
9歳だったお花も14歳になったが、まだ二人はお花を子供扱いにする。
養われて役立たずと思われるのが嫌で、仕事をしたいと思うのだがお妙は料理をさせてくれない。
そこにはただ働くということではなく「料理が面白い」とお花が解ってからという心算があったらしい。
そして、薬問屋俵屋の小僧もいち早く手代になった。
あまりに早くの出世で嫌がらせに遭っている。
この二人にスポットを合わせての家族のものがたりのはじまり。