あらすじ
私はこの暮らしが好き――年齢を重ね、酸いも甘いも嚙み分けたからこそ得られた、自分に合う気楽で自由な生活。これぞ真の贅沢。それを私自身が分かっていればいい。その「ひとり住まいを楽しむ中で起きるほんの一幕のドラマ」をテーマに6人の人気女性作家が紡いだ文庫書き下ろし短編集。思わず笑わせられたり、ほっこりしたりしみじみしたり。共感はあちこちに。6話とも味わい違ってそれぞれ面白い。時々取り出して読み返したくなる“本棚保存本”ができました。
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Posted by ブクログ
結婚せずに独身でいる人、パートナーを亡くして1人で暮らす人、この小説に登場するのは40代後半から80代の一人暮らしをしている女性たちばかり。
ところで、一人暮らし、と聞くと「寂しそう」と思うものなのだろうか? 結婚せずにシングルで1人で働いて暮らしてる女性も「寂しそう」なのだろうか?
私は若い頃から1人で買い物、カラオケ、映画、ライブ、旅行に行ける人間になろうと意識してチャレンジしていた。誰かとじゃないと何もできない人間にはなりたくなかったから。おかげで、おひとりさま時間はストレス発散ができる最高に贅沢で、そんな時間を過ごせている私って最高!と思っている。
ところがた。
世の中の人はみんな暇なのか、一人暮らしの女性を必要以上に心配して、特に高齢者は半分お荷物のように扱う。娘や息子たちが。
結婚しようとせずに仕事に打ち込む女性を受け入れられない男性や、離婚してシングルになった女性を同僚たちはちょっと遠巻きに見ているし、なぜにそんなに、1人で生きている女性を珍獣を見るかのように、ちょっとおかしい、変わり者、問題ある人のような色眼鏡で見てくるのか。
私はこの「おひとりさま」短編小説全6編、すべて良かった。まだどの主人公の年齢にも達していないけど、それぞれ悩みながらも、自分のやりたいことを大切にして生きている。そうだ!女は結婚して子育てして、それで老いていくだけじゃないぞ!
女だって、夢があって、打ち込みたいことがあって、自分のためにお金を使いたいし、新しいことにチャレンジしてわくわくしたいんだ、何歳になっても! それのどこがおかしいのか。
そりゃ生きていれば、ある程度の年齢を過ぎたら悲しさも寂しさも世間の厳しさもわかっているし味わっている。でも、そんなものに負けていたくない。私は、私の人生が終わりを迎えるまで、私を一番大切にしながら「生き抜いて」いくことを誓う!そんな女性たちに、読んでいて励まされました。
作品タイトル
「リクと暮らせば」大崎梢
「幸せの黄色いペンダント」岩本葉子
「永遠(とわ)語り」坂井希久子
「週末の夜に」咲沢くれは
「サードライフ」新津きよみ
「最上階」松村比呂美
私は、「週末の夜に」と「最上階」が良かったな。
おひとりさま女性の贅沢さが詰まっている。ふふふ、と笑いたくなった。
Posted by ブクログ
6人の作者が描く、全てひとりで過ごしている物語たち。
作者それぞれの言い回しや「ひとり」というものに抱く考えが似たり違ったりで楽しい。
ほとんどの物語は「ひとり」が好きなのに周りからの目線で生きづらさを感じている。その中で自由になる術やひとりで生きていく力を見つけていく。
ひとりであって独りではないと再認識できる。日常を切り取ったような物語や綺麗に物事が進むような話もあるが生き方を見つめ直すことができた。
「永遠語り」が1番印象に残っている。村のリアルな情景が思い浮かぶ表現で人から離れた場所での生活を羨んでしまう。また、これが究極の愛なのではないかと思わせる話。体の繋がりはなくとも「視線、紡ぎ出す言葉。風に溶けてゆく互いのにおい。山の恵みたっぷりの食卓。それから草木染め」それで充分すぎる愛がここにある。
そして、言葉遣いがとても素敵だと感じた。「小鳥が囀りだすと共に、意識がゆっくりと浮上する」等、想像もしやすく、印象に残る文が多い。
Posted by ブクログ
人生においてやりたいことをやりきり、特に目新しいこともないのでこの先の人生辛いことばかりだと絶望していた時にaudibleで聴きました。歳を重ねてもなんだかんだ上手く生きている登場人物たちに少しだけ勇気をもらえました。
Posted by ブクログ
どの話もしんみり終わらず、ちょっとほっこり終わる短編集。
番犬サービスを受けてみたり
お守りのペンダントをつけてみたり
田舎で暮らしてみたり…
それぞれがそれぞれの心地よさを感じていく
「おひとり様」向け小説。
一人暮らしが楽しみになりますよ!
Posted by ブクログ
『週末の夜に』
「わたしはまだ映画に、ひとりでは行きたくないですよ~」
聞き捨てならない言葉です。私もひとりで映画館に行くことが多いですが、ひとりで映画はそんなに淋しいものなのだろうかと思いました。
しかしもう少し自分の気持ちに正直になってみると、独り行動するとき、淋しい気持ちが全くないとは言い切れないと思いました。
「おひとりさま」は決して淋しくない、自分で選び取った道だと堂々と思えるようになりたいと思いました。
Posted by ブクログ
短編集だし、それぞれ作家さんが違うので、切り口も色々で、楽しくさらっと読めました。
しかし、「おひとりさま」っていう単語は、女性にしか使われないのかしら?と、途中から、ムズムズ。女性作家を集めたから、なのかなぁ。
Posted by ブクログ
何かで紹介されていた。読みやすそうだったので、読んでみた。
様々な形の、中高年以降の年代の一人暮らしの女性が主人公の短編小説集。作品ごとに著者が変わる。
どの話もリアルだった。現実に生きていそうな主人公たち。この先自分がどういう状況になるかわからないので、あまり先のことを思い悩んでも仕方ないが、いずれにしても大事なのは健康と、ある程度のお金であると思った。
Posted by ブクログ
人生後半戦、ひとりでも自分の機嫌をとって生きていきたい。でもその自信がわかず途方に暮れている時に読む。人とのつながり、自分の満足を大事にしていくしかない。大丈夫、自分にもできるはず。一歩ずつ頑張ろう。
Posted by ブクログ
6人の「おひとりさま」の短編集。表紙からイメージしたほっこり系とは違うものもあったけど、どれも読後感が良かった。
好きだったのは杉村さんの『最上階』かな。マンションに住む人たちの感じが良くて、いっしょにご飯食べてるところはほのぼのした。主人公の数字に強いところもかっこよくて羨ましい。
咲沢さんの『週末の夜に』も良かった。仕事終わりに一人映画を楽しむなんて素敵。一人であることをネガティブに捉えられがちな世の中で、他人とちょうど良い距離のとり方で、淋しいわけじゃない“一人”は最高だと思う。
坂井さんの『永遠語り』は毛色が違ってまたおもしろかった。叔父を思い出しながら染色をする主人公。登場人物が少なくて自然の中での暮らしを感じながら読んだ。ある意味では一人じゃないのかもなぁ。
初読みの作家さんが多かったので他も読んでみようかな。とりあえずは続編を。
Posted by ブクログ
6編から成る女性のいわゆるおひとりさまアンソロジー。
世代の様々な女性たちが自分の人生をどのように生きていくか、彼女たちを取り巻く人間関係や社会的問題についての向き合い方がそれぞれまるで自分事のように思わされてしまうように引き込ませていきます。
40代、50代、60代、70代、80代とそれぞれの年代ステージで感じる事があると思いますが、自分が一番自分らしく逞しくしなやかに生きていく姿にそう遠くない未来の自分を重ね合わせて読んでいました。
時折読み返したくなるアンソロジーです。
Posted by ブクログ
それぞれの作品に、印象的なフレーズの多い、私には良い本だった。家族がいて、パートナーがいて、やはり最後は家族やパートナーの愛だよね、的な内容も多いけれど、このアンソロジーはそうじゃなくって、自分としては安心して読めた。
自分の将来も、考えてしまいそうだったけれど、読後感は重くなくって救われた。
Posted by ブクログ
六人の作家さんの六つのお話。それぞれ面白かった。それぞれ、それなりに高齢の方が主人公の話もありますが、自分もこんな生活になることもあるかも、と想いを巡らせました。
ひとりでも何かやりたいこと、目的を持って生活しようとしていれば、周りの人たちがいることで決してさびしくないのかも。そして自然体で生活を楽しめば良いんだなと思いました。
Posted by ブクログ
家事の合間や気分転換に
丁度良いアンソロジー
個人的には3作目
「永遠語り」が1番かな?
志村ふくみ さんを
モデルにしたのかな?と思ったり
ちょっと切ないような
感じも良かった
Posted by ブクログ
死別、離別、未婚。
一人暮らしになる理由は様々で、理由に関わらずそれぞれに様々な生き方がある、のは女性に関してはよく分かるんだけど、男性の場合は画一的な感じでしか思い浮かばないのは何でだろう。
いいじゃない
おひとりさまでいいじゃない、と改めて思わせてくれました。
恋をしても、新しく学びを始めても、それぞれその人がやりたいようにやれていたら、それでいいんですよね。
Posted by ブクログ
さくっと読める。
物語性を出すためか最初から一人が良くて悠々楽しんでる漫喫系がどうしても少ない気がしてそこがちょっと不満かも。
まわりのしがらみ描写多すぎておひとりさまってそんなに難易度高いっけ?という疑問はすごくある笑
そういう点から最後の最上階が一番好きかな。
Posted by ブクログ
テーマ、おひとりさま。
やはり老人が多いな、と。
もしくは、わりといい歳。
おひとり、と聞くと、どうしてもそういう想像ですし
わかりやすい状態、というのも。
一番最初の犬は、ちょっといいサービスだな、と。
現実にしようとすると、なかなか大変そうですが。
サードライフは、まさかそこまで考えて?! な話。
とはいえ、後を考えずに引っ込むと、確かに大変です。
Posted by ブクログ
全体的に、どのお話も良かったです。
『最上階』のようなご近所づきあいができればいいなぁと思いますが、私もオーナーと同じ考えで、"人との付き合いはシンプルな方がいい。深く付き合えば問題が出てくる。"にはとても共感します。
Posted by ブクログ
6人の人気女性作家が紡ぐ短篇集。テーマは年齢を重ねた女性の一人暮らし。気楽で自由と言いながらも生きてる以上いろんなことがある。ちょっと憧れるけどそんな未来が自分にあるとも思えなかったりして。すでに年は取ってるけど。
Posted by ブクログ
Audibleで。
続編が先だったので成る程成る程と思いながら進む。
特に「週末の夜に」はおひとり様の気軽さと憂いとがかなりぐっとくる。
おひとり様故何故か、周りとくに職場の人達に一線を引かれるつきあい方をされる。
どの年代のおひとり様も同じなのに歳を重ねると不遇な感じが否めない。
男女差もね。
結局、人はおひとり様だ。
この全てのお話のおひとり様たちは悩みながらもそれぞれ自分を好きだと言うのがいい。
Posted by ブクログ
結婚したとしても離婚や死別で
最後はひとりになる。
それでも周りの人と少しずつ関わりながら
生きていくのも悪くないと思えた。
私もリクと暮らしたい。
Posted by ブクログ
ひとりで生きていくことについて、最後はとても前向きに捉える主人公たちの物語は、読んでいて勇気をくれる、そんな暖かい気持ちになれるものでした。
シリーズモノみたいなので、他の物語も読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
結局、歳をほどほど重ねてきた頃には、人はひとりで生きていかなくてはならない覚悟をしなくてはならないってことなのかなー。その中で、他人や家族と上手く関わっていければ幸せだし。思うまま、自分勝手に生きたらいいのかなーと少し勇気をくれる本。たとえ歳をたくさん重ねても自分の人生、健康なうちはわがままいっぱいに生きたいなぁ。
「永遠語り」と「サードライフ」がよかった。
Posted by ブクログ
従来、配偶者や子の居ない老後は寂しいものとの先入観を持っていた。しかし読後は、そうであっても、ご近所や地域との関わり、おひとりさま向けのサービスを利用することにより、充実した日を送ることは可能であるとも思えた。
今は配偶者も子も欲しいと思うが、思い通りにいかない人生においておひとりさま生活が長くなったとしても、前向きに日々を楽しんで過ごせる心を持ちたいと思った。
Posted by ブクログ
ミドル〜シニア世代のシングル女性達を描いた6話の短編集。
どれもシングルの自由さやワクワクさと共に、シングルであるが故の孤独や寂しさもしっかり書かれていて、1人で生きていくということはやはり楽しいだけでは無いよなぁ……ときっと本作が伝えたい意図ではないとは思いながらも、少ししょんぼりとしてしまった。
ただ、全て女性作家が描くシングル女性ということで、逆に夢見がちではなくリアルな幸不幸がそこにはあるなと感じた。どんな状況でも、女性は自分の足で歩いていこうとするパワーがある。それを感じることが出来る作品だった。
Posted by ブクログ
ひとり住まいを楽しむ女性が主人公のアンソロジー。
ひとり住まいになったきっかけは様々だが、どの話からも悲壮感はあまり漂わず、各々が生活を楽しんでいる感覚が良い。
凛と強く生きていくバイタリティーに溢れた、いわゆる「ソロ活女子」よりは穏やかだけど、こういう単身女性の方がリアルなのかも。
松村比呂美さんの「最上階」が一番好き。マンションオーナーとして堅実に、かつ自由に暮らすおばあちゃんはかっこいい。