くどうれいんのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
活字が苦手で本と向き合う私にはやはりくどうれいんさんは優しくて手に取りやすい
氷柱の声は震災の話を綴っているけど、震災と言いきれないような被害しか受けてない私はあまり躊躇いなく手に取ってしまった
この本に限らず、くどうさんの本に出てくる登場人物をみんな愛することができる
あの人あの後どうなったんだろう、あの人とくどうさんはまだ繋がりあるのかな、と気になることがある
そういう風に出てくる人物たちを読み手が愛せるように書けるのもくどうさんの素敵なとこなんじゃないかと私は思う
震災を体験した、と言い難い私は、そういうかんじなんだ、そういうこともあるんだ、やっぱり大変なんだなあ、と思った
言葉にすればすごくペラペラな感想だけど、本当にそう思った
特に中鵜の記事は胸がぎゅっとなったし、蝋燭や海の話も心が痛くなった
無理に克服する必要は無いと思うけど、そうやって日常で時折苦しくなるんだな、と
震災の時にも辛い思いをして、その後も思い出す度に心が重くなるのは、なんというか、言語化が難しいけど、震災って災害だから仕方ないのにトラウマにもなり得て、うーん、震災を体験したと言えない程度の私はやはり言葉にすると薄くて、言葉にしていいと思えないな
でも、中鵜の話は本当に胸がぎゅっと苦しくなった
鴨しゃぶにでてくる松田も好き
トーミがぱかっと笑うのも好き
くどうさんから投げられた『 マイボール』を私はぎゅっと抱きしめました -
Posted by ブクログ
くどうれいんさんのユニークな日常を綴ったエッセイ。
物事に対しての視点がとても独特で、その世界観を覗けるのが楽しい。くどうれいんさんの本を読むのは2冊目だけど、やっぱり友達にはなれないタイプ(わたしは萎縮してしまうと思うし、あちらもわたしみたいなタイプには興味ないだろうと思うから)だなと思うと同時に、彼女の感性と言語力に毎度感銘を受ける。ご自身も言っている通り「ちょっと捻くれている」ところがまた面白い。
眉間から血が出た話なんて、凡人にとっては小さなことだけど、あんなに壮大で面白い話に持って行ける筆力。声出して笑ってしまった。
ひとつの話の中にいくつか関連するエピソードが詰まっていたりして飽きずに読める良質なエッセイ。しんどいときにも笑わせてくれる。 -
Posted by ブクログ
本当に普通の日記だった。
少し作者と自分のテンションが合わないかな。本人は本当はそんなに明るい人ではないのに、読ませる、読んでもらうために面白おかしく表現しているように私には読めた。そこのギャップが苦しかった。ただ、それが作家という職業だし、彼女が持つスキルによって書けるものなのだろう。そしてそれこそが、色々な人に好かれる彼女の魅力なのだろう。
覚えていられる事は書かない、は日記を書く上でいい考えだなと思った。その意識と、書くことで毎日が面白くなる、が合わさればきっと彼女みたいに明るい人になれるのかな。人を気に入るのが上手い、とても羨ましい長所だ。
この作者の作品を読むのは初めてなので、他の作品も読んで彼女の考えや人となりをもっと知ったらまた感想も変わってくるのかな。いくつか気になるタイトルがあるから読んでみよう。
唐揚げとステーキの折衷案には納得。 -
Posted by ブクログ
俳優戸塚純貴さん×作家くどうれいんさんのコラボ。15編のショートストーリーと、それぞれのショートストーリーに出てくる登場人物を思わせる戸塚さんの写真が挿入されていて、とても素敵な一冊だった!
戸塚さんくどうさんと同郷のものとしては、知っている場所が写真に載っていたり、耳馴染みのある場所が文中に登場してきて嬉しかった〜♪
(kawatokuの看板とか、わんこそばの風景や川沿いの風景などなど…)
また、くどうさんの描いた登場人物と、その本編の登場人物を受けて戸塚さんが連想して創作した物語が「登場人物超過」として描かれていて、同じストーリーであるはずなのに、くどうさん目線と戸塚さん目線の違いがすごく面白く、短編に深みを感じた♪
特に好きだったのは「#4八木」「#5めぐちゃん」「#8よっくん」「#11高橋優穂」「#13和葉」の5つのストーリー。どれも2〜3ページでサクサクと読める内容。
あとがき部分、貪欲なくどうさんと飾り気のない戸塚さんの対比がすごく面白くて、一冊を通してお二人の魅力を強く感じた。これからもお二人のことを応援していきたいと思う♪ -
Posted by ブクログ
くどうれいん初作品として、短歌でもエッセイでもなく小説のこちらを手に取ってしまった どう考えても逆…!
日常の一瞬に小さく爆ぜる感情の火花を、語りすぎない文章で巧みに拾い上げている 必要最低限の言葉で読み手の共感を刺せるのはさすが歌人だなと感じた
表題作のタイトルも良い
では物語はどうかというと、正直作品によってまちまちかも
扱っているテーマや人物設計は魅力的なのだけど、行動や思考が若干台本めいて感じられるものもあった
(特に『背』など、私の読み込みが足りないのか唐突な拒絶にびっくりした)
短歌も読んでみようかな エッセイは合う合わないがあるので慎重に 読めたら嬉しい -
Posted by ブクログ
ネタバレ◾️record memo
とにかく、長らくわたしは(たのしそうだからやろう)という思考回路よりも(いまここでわたしがこれをしたら何人がわたしを嗤うだろう)という思考回路のほうがうんと太い人生を送ってきたのだ。学生時代からたのしそうな流行りごとがあると、やったこともないくせに(はいはい)とばかにしてきた。そうやって、パンケーキもハロウィンもタピオカもアイドルも流行りの当時は体験せず、二十歳を過ぎてから(やっぱりやってみたかった)とこそこそやり、その魅力を知るのだった。
右は「んぎ」、左は「んだり」だと言ったくせに、「んだぎ!」と言ったりするからたまったもんじゃない。どっちなの!とハンドルを握って笑いながら怒るわたしに早川さんは「どっちでも着くからだいじょぶだ」と笑うのだった。
さっき豪雨の中、車で右折して、早川さんのことを思い出した。「どっちでも着くからだいじょぶだ」って、また言ってほしい。
落ち込んだらまた札幌へ行こう。そして市営地下鉄に乗るのだ。ぐおん、と引っ張られるようなスピードと窓から入ってくる風に振り落とされて、改札を出る頃にはぴかぴかのごきげんになる。
まずはラジオが好きになった。一時間のラジオ番組は通勤の行き帰りでちょうど一本分になるから、一週間に五本のラジオを聴くことができる。しかし残業が続くようになると、へとへとになってからも人の声を聞くのがすこし疲れるようになった。
神様、いまわたし、恵比寿ガーデンプレイスにいます。そう神様に報告したい気持ちになった。わたしには東京のきらきらした場所に行ったときだけ報告するための都合のいい神様がいて、高島屋やGINZA SIXにいても同じように報告したくなる。
わたしが泣こうとしているここよりももっと深く暗い底があることも知っていて、つくづく中途半端で甘えた自分に嫌気がさした。
わたしはぼんやりと外を眺め、腰をしっかり椅子に預けて、その気になればグリーン車に乗ってしまうことのできる自分に満足した。毎回グリーン車が当たり前になるような思い上がった未来があってはいけないと思いつつも、いま自分のお金で自分を守ることが出来ているという状況がこころからうれしかった。