くどうれいんのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「新しい法律ができた。」という一文から始まる短編小説が25編載っています。
25人の書き手が、もしこんな新しい法律ができたら、という視点でお話を綴ります。
「新しい法律」ができた理由がそれぞれ興味深いです。
例えば、
・金子玲介さん「ルパちゃん」では、「少子化対策」のために「子どもがわりに人口知能を搭載したぬいぐるみを所持することを禁止する法律」ができます。
・日野瑛太郎さん「推し活制限法」では、「推し活にハマり過ぎて身を持ち崩す人が出た」ために「推し活への課金上限を制定する法律」ができます。
(わたしが、ぜひ読んでみたいと思っていた、くどうれいんさんの場合は、)
・くどうれいんさん「ショ -
Posted by ブクログ
新しい法律ができた、から始まる物語を色んな書き手が描く1冊。
新しい法律ができているわけだから、世界設定がSFっぽかったりディストピア感を感じるものがあったりして、楽しく読めた。
その他にも、ぞっとする物語、切なくなる物語、短い中でミステリーのような作りになっている物語…
叙述トリックが含まれているものや、ばかばかしいと思ってしまうような内容の法律が大真面目に取り扱われる物語など、本当に色んな味がする1冊。
なかでも殺人を罰する法律が"新しい"法律として制定される「もう、ディストピア」が特に良かった。
有り得ないはずの世界に説得力があって冷たい汗をかく。
「ルパちゃ -
Posted by ブクログ
ネタバレはじめてのくどうれいんさんの作品。
震災。そして、コロナ今はみんないろんな所でいろんなその災いにたいする思いが交錯する。
読みながら「おかえりモネ」にこんな感じあったなあと思っていたら、後書きにその朝ドラが重なっていることを知り、そうなんだと。
なにかがあった時、さまざまなシーンや、立場で思いは違う。本当に言語化してしまうとなぜかひとくくりになってしまう。思いを混めて描いた絵の捉え方も大多数の捉え方が主流になって、書き手の思いが置いてきぼりになることもある。
それがすごくスンとくる物語でした。「いまは人生がちゃんとマイボールになっているから大丈夫。やれることをやれるようにやるしかない。やること -
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Posted by ブクログ
作家と会社員、二足の草鞋でとにかく忙しいくどうれいんさん。
忙しい!!と叫びながら疾風のように駆けつつ、時折くるくるとターンしていくような、威勢のよさと繊細な感受性を兼ね備えたキュートなエッセイだった。
くどうれいんさんの喜怒哀楽ってなんでこんなに可愛らしいのだ。おどけた感じの文体がとても魅力的。
ここ最近は、私もとにかく仕事と家事と子育てのもろもろ(PTA活動スポ少の当番習い事の送迎その他よくわからない付き合い)で忙しくて、自分の時間なんてほとんどとれなくて、本当にしんどかった。
薄い文庫本一冊を読み切るのにほとんど一ヶ月かかってしまった。
でもこの薄さがちょうどよくて、小さなカバンにだっ