あらすじ
「おもしろいから書くのではない、書いているからどんどんおもしろいことが増える」
小説、エッセイ、短歌、絵本と幅広い創作で注目される作家、くどうれいん。その創作の原点は日記にあった。そんな彼女の日記を一年分まるごと初公開するのが本書である。仕事から私生活まで、愉快なことも苦しいことも、真正面から受け止めて、描ききる。日々の短文日記=「日記の練習」とそれをもとにしたエッセイ「日記の本番」をとおして浮かび上がる、みずみずしくも生々しい、作家くどうれいんの一年。
くどうれいんさんの日々を少しのぞかせてもらっているだけなのに、なぜか自分の日々の解像度が上がるかもしれない。
くどうさんに寄り添えるような、それでいて突き放されているような。そんな不思議な気持ちになる本です。
文中、くどうさんはさも「当然知っているでしょう」と言わんばかりに、たくさんのお友達の名前を特に説明なく出してきます。「私、もしかしてくどうれいんさんのお知り合いだったのかもしれない!」と途中錯覚してしまったほどです。
でもそれでいて、日記の途中途中に、「なんでも書くと思うなよ」、「見せたい気持ちじゃない」というような言葉も現れてきて、「あ、これがくどうさんの魅力なのかもしれない」と。飼い猫のようにフレンドリーで気ままに見えてその実、たくさんの複雑な気持ちが混在している、そんな魅力がこの作品では垣間見えます。
日々は人間生きているうえでなんとなくのっかっているものですが、それを何らかの形で残してあげようとするだけで、今まで見えていなかった彩りが見えてくるものなのかもしれない、と思わせてくれる。
日記への薦めが押しつけがましくないこの本は、もしかしたらあなたの日々の彩りの一つになるのかもしれません!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
昔から日記文学を読むのが好きですし、書くのも好きでしたが、この日記もとても好きです。ただ、くどうれいんさんの場合はその日記からエッセイを一本生み出せていると思うとすごいな、うらやましいなと思いました。
Posted by ブクログ
読んでいてとても気持ちのいい文章でした
くどうれいんさん
知ってはいましたが初めましての作品
面白いと話題だったので
エッセイというものもほぼ初めてだけど
手にとってみました
そしたらなんと面白いことか
言葉をいろいろ知っている
ものの見方がなんか違う
こういう考え方、モノの見方があるんだなぁ
言葉を知っているとその分、
見方や考え方も増えるのかな
と気持ちよく読めました
ふとしたひと言や
旦那さんとのやり取りも
くすっとしてしまう
こんな夫婦に憧れました
他の作品もぜひ読みたいです
なんならもう買いました
Posted by ブクログ
これを読んでわたしも日記を付け始めました。
いつも日記なんて続かないのに、今回はかれこれ長く続いています。
きっと皆さんも日記が書きたくなりますよ。
Posted by ブクログ
自分自身これまで日記を何度か書いていたことがあるが、1年も続いたことがない。大体3ヶ月ほどで途絶えてしまう。
「日記の練習」というタイトルに惹かれ、手に取ってみた。
書けない日があってもいい。その日感じたこと、ちょっと心が動いたことを書き留めてみたいと思った。
本作の中に登場する旦那さんは一緒にいるとポジティブになれる素敵な方だと思った。
Posted by ブクログ
最高じゃん!
自分のための日記なのにこんなに面白おかしく文章書くの?
最高のご自愛じゃん!
視点も、もちろんおもしろい。
日記って、負の感情を吐き出すものっていうイメージがあったけど、こういう日記もいいなぁ
くどうれいんさん、
大ファンになった。
Posted by ブクログ
人気のエッセイストが、どんなふうにしてエッセイを書いているのか気になった購入した本。
内容は、4月から始まって翌年の3月まで、1ヶ月ごとに日記と、章末にエッセイ(日記の本番)という構成で書かれている。
この本を読んで、今までエッセイがうまく書けなくてモヤモヤしていたが、それが晴れた気がした。
日記って、こんなに自由でいいんだ!!
でも、私は日記にできるほどの体験も経験もしていないので、これからはアクティブに行動しようと思う。
Posted by ブクログ
よく呑み、よく泣き、よく爆笑する。そんな著者の日常が印象的でした。自分は若い頃に比べて爆笑することが少なくなっているし、数少ない爆笑も何がおもしろかったのか覚えてない。。そういうことを忘れないうちに日記に書くとおもしろいだろうなあと思いました。
本書は日記の指南書というよりは、読ませるための日記。各所で出てくる著者の脳内ツッコミのユーモアセンスがすばらしく、笑えます。
Posted by ブクログ
兼業作家から専業作家へと歩み始めたタイミングからスタートした「NHK出版本がひらく」というウェブマガジンでの日記の連載を書籍化した作品。
日記の練習と日記の本番という2つの要素で構成されている。
10代の頃から日記を書き続けているくどうさん。
それなのに、日記は「続けるもの」ではなく、続く日記なんて面白くない。毎日欠かさず書こうと思ったことは一度もない…そんな日記の紹介にびっくりした。
くどうさんにとって日記は「日々の記録」ではなく、「日々を記録しようと思った自分の記録」で、できる日とできない日の緩急が自分らしく、ノートがなくても、ブログがなくても、日記は死ぬまで勝手に書くものだと思っている…という考えに日記に対して気負った思いで取り組んでいたのかもと考えを改めた。
「書くと生活はおもしろくなるということをひとりでも多くの人にわかってほしい」というのをきっかけに始まったこの日記の連載は、日記に挫折した人に向けて、日記との新しい向き合い方を教えてくれる。
「日記の練習」という日記の断片が、エッセイのような物語のような、ひと月を振り返った長めの日記の「日記の本番」へと姿を変えていくのも楽しんで欲しい。
この本を読んで、読み始めて日記を再開したけれど、あとがきを読むとちょっと思うところがあった。
それは本文をちゃんと読んでから読んでみて欲しい。
Posted by ブクログ
久しぶりにリアル店舗に行き、久しぶりに実用書ではない本を手に取った。
日記の練習というタイトル、そのままの内容。あとがきを読むと「仕事としての日記」あったが全くそんなことを感じさせない。リアルな体験日常を書いているからだと思う。
小説家こんな風に思ったまま書くのだから、一般人私はもっと自由に表現して良いのだと思った。
会社員から小説家になった筆者の心の動きに激しく同感。会社員からフリーランスへの転身理由に、「人付き合いが嫌だから」を挙げる人が多い印象を持っている。筆者も私はそうではない。仲間を見つけられて嬉しい。
Posted by ブクログ
繊細な部分が垣間見えて心配にはなるけれど、読者としては楽しく詠ませていただきました。そしてくどうれいんさんの素直な感じとかがすごく魅力的だなぁと思いますます好きになりました。
Posted by ブクログ
この本は、
目の前で、著者がサインしてくれた「正真正銘」のサイン本である。
れいんさんは、作品ごとに印鑑を作っているようで、サイン会の机の上には、たくさんの印鑑が置かれていた。自作の印鑑?だと思う。
「レ印」と言うらしい。
(後にラジオで聴いた。)
作品ごとにお父さんが彫って作ってくれるらしい。
目の前で、サインを書いてもらった本を読んだのは、初体験なのかもしれない。
いくつになっても、初体験は待っているんだなぁ…
サイン会は、講演会のあと行われた。
講演会に来ていたれいんさんの衣装?は、
しゃけ色で、袖口が広がってるヒラヒラの服。
しゃけの妖精みたいだな、と思いました。
著者の「あとがき」がスゴく好きだ。
あとがきが、エッセイ調でいい。
あとがきだけのエッセイ集を出しても売れるぞとアドバイスしたくなる。
「くどうのあとがき」
そして、あとがきのあとがきが読みたい…
日付と日記が書かれる、「日記の練習」
その月のまとめ的なエッセイの「日記の本番」
この繰り返しで綴られる。
読み始めは、この練習部分があまりにも完成されてなく、「うーん…なんかちがう」と思ったけど、読み進めるにつれ、慣れてきて。
あーータイトル通り、練習だもんな。
まんまの、なんにも整わせてない素(モト)
だもんな。
ん?!この「モト」まで見せてくれるなんて、もはやサービスだなと思うようになった。
本番は、さすが、エッセイになってるから、バッチリ読み応えアリ。
特に11月
12月の、書くことへの葛藤。伝わる。
3月が良かったです。
しょわしょわしょわ…。
えんぴつを削る音。
この人の書く擬音も絶妙でやっぱり凄いなぁと
唸る。
著者のあまのじゃくさも余すことなく味わえる素晴らしい作品。
気楽に、日記を始めよう。
読まれなくてもいい文
とか
誰かに読まれるためのブログ
とか
いずれにしても
書くことへのモチベが上がりました
Posted by ブクログ
くどうれいんの文章が好き。
けど、仲良くはなれないんだろうなぁ。自分があまりに大阪人っぽい、セカセカした性格だからか、実際に近くにいるともどかしい気持ちになってしまうかもとおもった。それでも読みたくなるから不思議。良いエッセイだ。
Posted by ブクログ
私自身、10代から日記をつけていますが、大人になりにつれて途切れ途切れになることが多くなり、これでいいのか?と自信をなくしていました。れいんさんの日記を読んで、それも含めて自分なんだと、なんだかほっとしました。日常の忘れてしまいそうなくらい些細なことが愛おしくなる一冊でした。
Posted by ブクログ
日記を書きたくなる本。人の日記を読むのは面白い。
自分が思うこと、その時思っていてもきっと後には忘れてしまうこと、日記に書いてみたくなった。読み返すときっと面白いんだろうなと思った。
今のところ、全然日記書けてないけど
Posted by ブクログ
歌人、小説家、エッセイストとして活躍している著者の日記。2023.4~2024.3まで1年ぶん。
自分が書く日記は、考えやアイデアを記録するものとなっているのだが、この本を読んで、日常で感じたことを書き留めておくのもよいな、と思った。
Posted by ブクログ
「文学作品」という感じではないけど、人に薦めたい一冊。
好きなフレーズが多すぎた。必死にメモした。
毎日日記を書く私自身が一番共感したのは「日記を書くことが出来る日というのは、一日に起こることが日記に適切なサイズの日だよなあ」この一文。
Posted by ブクログ
わたしの身に起きるすべての事柄は、書くために起きていることじゃない。
書かない私で私のみに起きる全てをしゃぶり尽くしたい。という感覚は私にもあるかもなーと思った
日記書いてないけど
Posted by ブクログ
読みやすく、言葉やオノマトペが秀逸。
日記をつけるということは本当に必要かどうかは別として、何となくエッセイを書いている気分になれる趣味の一つでもあるんだなあ、って思うことができました。
Posted by ブクログ
著者のことは知らないが、話題になっていたので読んだ。
エッセイとも知らず読んだがおもしろかった。
くどうれいんさんの年齢、性別、どういった本を書く人なのかも知らないまま読んだが、言い回しが楽しい箇所がときどきあり、自分も使ってみたくなった。
「おねがいしたいことがあるんだけど」「ミュージカル調で言って」と言われたので、くるりと回りながら「洗濯機を〜回し、回し、回し、干し〜て〜」とか、家族に対してすぐ使いたい。
一口欲しいなと思っていたハーゲンダッツを「お食べ」と差し出してくれた相手にがばっ!と前のめりになってカップを掴んだら、
「くどう選手、いまのは速かったですね」「もう一度スローで見てみましょう」とゆっくり前のめりになりカップを掴み直すのもやりたい。
でも使うには、小学生の娘にミュージカルとスポーツ実況がどんなものかという元ネタを知識として知ってもらわないと、と
子育てタスクが生まれたり、思わぬ影響を私に与えた。
Posted by ブクログ
日々の出来事や感じたことをとりあえず書き留める形で「日記の練習」パートが進み、1ヶ月ごとにその月にあったことを一つの流れで清書した「日記の本番」パートがまとめられている。
人の日記はなかなか見れないので、その人の人生をのぞいているような感じで面白かった。
- 日記はその1日の「あとがき」だったのかもしれない。
Posted by ブクログ
何度か日記には挑戦しているものの、途中でやめてしまって続いた試しがない。日記を書く習慣は何かといいとX(旧Twitter)でも見たし、人の日記を堂々と読めるなんて面白いと思った。
最初の書き出しから、私の日記の概念とくどうさんの概念では大きな違いがあると思った。
むらがあるからこそ、私らしい。でもできれば書きたいという気持ちを持ち続けてほしい。書くと生活は面白くなる。
当初は成長のためとか、仕事のためとか思って日記に興味を持っていたけれど生活を面白くするための日記を私も書いてみたくなりました。
Posted by ブクログ
れいんさんとミドリさんのやりとりが好き。ミドリさんはかけてほしい言葉の斜め上というより、頭を悩ませていることに対しての考え方を変えるような言葉をれいんさんにかけているところに惹かれているのだと思う。
特に強く共感したのは、一度「花をプレゼントして欲しい」と言ってしまったら、今後もらう花がすべて、言われたからプレゼントしたんでしょ、と思ってしまうという日記だ。わかりすぎる。
Posted by ブクログ
この本をきっかけに日記を書き始めた。
毎日欠かさずに書くなんてことはできないけど、それで良いんだ!
出来事ではなく、思ったことを自分だけの日記にしたためる。その時々の感情を残しておくのは、思っていた何倍も良い。
Posted by ブクログ
ずっと「日記書きたいなぁでも続かないし…」というモヤモヤを抱えて生きていた私、この作品を読んでガラッと日記への向き合い方が変わったと思います。
くどうさんの日記が1年分載っている贅沢な本。
日記書き始めるきっかけになる。くどうさんのように日記書いてみたいな、書いてみようかなって憧れと行動力を与えてくれる本でした。
この本を読み始めてから、作家さんのエッセイみたいに日記を書くのが楽しくて、本で読んだことがあるだけの普段使わない言葉を使ってみたり、おしゃれな言い回しを使ってみたりして、それが案外楽しい。色んなきっかけをありがとうございました♪
Posted by ブクログ
れいんさんの「日々を記録しようと思った自分の日記」は、れいんさんの日記であり、真似はできないし、良いとかあんまりだとかは言えない。
ただ、新鮮だった。
私は、「日々の記録」をしないと忘れてしまうので、淡々と記録する。
たんすの中はきれいに整頓できていないけど、毎日おんなじことをすることで、心が安定する。
どちらも日記であり、どっちでも良いと思いたい。
Posted by ブクログ
独特のセンスと感性、そして豊かな語彙力で内容は面白いのだけど、それにわたしが興味がないのがだめだ。人の日記におそろしく興味がないのを忘れていた…
p.24 「着ているものを『それちょうだい』ってお金払って自分のものにするなんて、なんだかとても富豪のするようなことをしてしまった」と言うと「わたしはこの服を着たかったんじゃなくて見たかったのかもしれない、あなたが着てくれればわたしはそれをたくさん見れるってことで、こんな最高なことってないですわ」と、似合う似合うとめまくってくれた。アイヤー!というかんじがしてうれしい。たくさん着よう。
p.83 7月26日
手続き、手続き、手続き、ソフトクリーム、手続き、トムヤムクンフォー、手続き、帰宅。新しい苗字で呼ばれてもすぐに「はーい」と立ち上がることができない。花をいただきすぎてテレフォンショッキングのようなリビング。たくさんのメッセージ
結婚した実感がなく「へ~」「ふ~ん」とまだ思っている。今井さんから「しあわせ者!」と言われてうれしかった。へへ、あっしがしあわせ者でごぜえやすと思う。結婚した人に「おめでとう」と言うことにざらっとした違和感を覚えていたので(結婚していないわたしがおめでたくないわけじゃないんだよなあ、とずっと思っていた)、これからはしあわせ者!と言おうと思う。