くどうれいんのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
良かった。凄く凄くパーソナルな部分にぶっ刺さる作品だった。
作者のくどうれいんさんとは1歳違いで、盛岡市で中学3年生だった時に震災に遭ったので境遇としては非常に似ている。3月11日は入試が終わり早めの帰宅ができたので自宅にいるときに地震が発生した。沿岸の様子は電波が悪い中ガサガサな画質の携帯のワンセグで観たのが初めてだった。ついこの間家族で釣りに行った場所がどんどん黒い波にのまれているのを見て衝撃だった。困ったことと言えば、電気、水道が止まったことと、ガソリンスタンドが長蛇の列になるので朝五時から父と並んだこと。あとは部屋がめちゃくちゃになったことくらいだろう。
それから高校生になって、 -
Posted by ブクログ
くどうれいん『氷柱と声』講談社文庫。
第165回芥川賞候補作。
冒頭に主人公の加藤伊智花の通う盛岡の高校の名称が大鵬高校とあり、もしやと思い、ウィキペディアを検索すると、やはり自分の母校の卒業生だった。これまで母校出身の有名人といえば、ザ・グレート・サスケくらいしか居なかったのだが、作家まで輩出するとは時代は変わったものだ。
本作は、恐らく著者の実体験に基づくものではなかろうか。そして、この著者はかなりの正直者だと思う。東日本大震災で直接被害を受けたことよりも二次的な被害の方を重要視して、それを小説の世界に表現しているのだ。無論、直接被害を受けた方々も大変な思いをしたことだろう。しかし、 -
Posted by ブクログ
コラボって素晴らしい!
くどうれいんさんの本で未読だった本書。
FM岩手の「まるふく」ってラジオ番組でも聴き知っていた作品。
最近読んだ
「水歌通信」は、東直子さんとのコラボ。
東直子さんいいわぁ。って。
ラジオ番組の
「まるふく」は、阿部沙織さんとコラボ。
阿部沙織さんは、FM岩手の神だな。いいわぁ。
この二人のかけ合いは、最強。って。
そして、今作は、
俳優「戸塚純貴」さんとコラボ。
戸塚純貴さんの1枚の写真
↓
くどうれいんさんが小説を創作。
↓
その小説世界の戸塚純貴さんが
「返事」の形で小説返し。
↓
写真
この繰り返しの15編
↓
↓
↓
おもしろい!
それぞれ、2、3 -
Posted by ブクログ
この本は、
目の前で、著者がサインしてくれた「正真正銘」のサイン本である。
れいんさんは、作品ごとに印鑑を作っているようで、サイン会の机の上には、たくさんの印鑑が置かれていた。自作の印鑑?だと思う。
「レ印」と言うらしい。
(後にラジオで聴いた。)
作品ごとにお父さんが彫って作ってくれるらしい。
目の前で、サインを書いてもらった本を読んだのは、初体験なのかもしれない。
いくつになっても、初体験は待っているんだなぁ…
サイン会は、講演会のあと行われた。
講演会に来ていたれいんさんの衣装?は、
しゃけ色で、袖口が広がってるヒラヒラの服。
しゃけの妖精みたいだな、と思いました。
著者の「あ -
Posted by ブクログ
◼️ 自分で作ったごはんが、自分の人生を肯定してくれることがある
くどうさんの新作!楽しみにしていました。
「桃を煮るひと」では、かろやかで踊るような言葉がたくさん並んでいた印象でした。
食事がテーマのエッセイという軸はそのままに、今回はさらに一歩二歩踏み込んだ人生観が描かれていて、しみじみと沁みる場面が多くありました。
全編通して感じたのは「自分の行動の本質を考えること」の大事さ。
「自炊は調律」は何度も噛み締めて読みたいエピソードでした。
ー(お店のようなご飯が作れた時の)自分の人生をまるごと肯定できるような喜び
ー家で作るものがいちばんおいしい、と思ったことがある人にしか掴めない人生 -
Posted by ブクログ
ネタバレくどうれいん先生の小説。これまでエッセイは読んだことがあるが小説は初。
「スノードームの捨て方」と「鰐のポーズ」での対比を感じた
恋愛をメインで話さないから上手くいってる友人関係と、興味ない恋愛や話せない恋愛をしているから昔の友人と会ってもつまらない人々
後者のほうが現実的だと感じるのは、自分の現状もそうだからかな
最後の「いくつもの窓」の話もとても素敵だった。
絵に自信を持って良い額縁をつけると、より絵は綺麗になる。というのは人間にも当てはまるなと(自信を持つ→ブランド品を着る→より自信になるみたいな)
ゆえに最後の終わり方はとても綺麗だった -
Posted by ブクログ
好きな食べ物を前にして思わずテンションが上がったり、ひと口食べて「うま!」と声が出てしまったり。そんな、食べることのまっすぐな喜びがぎゅっと詰まっている一冊だった。
本当に美味しそうに、楽しそうに、嬉しそうに食べる著者の姿に、「食べるっていいな」「ちゃんと食べるって元気になれることなんだな」と思える。
「湯気がむわむわ」「むちんとした白身」みたいな擬音や表現も可愛くて、読んでいるだけで温度や手触りまで伝わってくるような豊かさがある。
日本酒について「料理をより美味しく感じさせる」という言葉には強く共感。
さらに“合間に飲むお冷の美味しさ”に触れているのが新鮮で、「わかる!」と嬉しくなった -
Posted by ブクログ
ネタバレおなじみの一行目一緒ショートショートのシリーズ。今回は初読みの作家さんが多かった気がする。特に最初の方、ロボットとかAIとかが続いて、大丈夫かいな、と思ったけど、真梨幸子さんや東川篤哉さんはちゃんと違うテイストで来ててさすがと思った。殺人が罪ではないという世界から、死刑等の罪になるという法律ができた、という大沼紀子「もう、ディストピアじゃん」は皮肉が効いてて特に印象的。面白かった。五十嵐律人「革命夜話」も違う切り口でとても良かった。敗戦後の混乱の中、食うにも困っている頃に、理想を夢見て日本国憲法を作った人がいたんだ、ということに改めて気付かされたわ。ありがたいことだ。