くどうれいんのレビュー一覧
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出てくるエピソード的に、20代~30代くらいの女性に特に刺さるエッセイ集だと思う。どの作品も短く読みやすい。
文庫版あとがきにて作者が語っていたように、コンビニに入るとまず栄養ドリンクコーナーに行ってしまうような人、本屋が開いている時間に立ち寄ることが出来ない忙しい人がどうかこの本に出会えますように。
日常への些細で強烈な違和感と、自分を作り上げてきた環境への愛着と、プライドと劣等感と反骨精神と、あらゆるものがぐちゃぐちゃになっている。
でも作者の目から見る世界は美しくて優しくて愛しい。
エッセイというものをこれまで食わず嫌いしていたけど、出会えてよかった。 -
Posted by ブクログ
良かった。凄く凄くパーソナルな部分にぶっ刺さる作品だった。
作者のくどうれいんさんとは1歳違いで、盛岡市で中学3年生だった時に震災に遭ったので境遇としては非常に似ている。3月11日は入試が終わり早めの帰宅ができたので自宅にいるときに地震が発生した。沿岸の様子は電波が悪い中ガサガサな画質の携帯のワンセグで観たのが初めてだった。ついこの間家族で釣りに行った場所がどんどん黒い波にのまれているのを見て衝撃だった。困ったことと言えば、電気、水道が止まったことと、ガソリンスタンドが長蛇の列になるので朝五時から父と並んだこと。あとは部屋がめちゃくちゃになったことくらいだろう。
それから高校生になって、 -
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またまた、れいんさんの本を。
大学生の私は、まだ心も幼くて、他人を信用できていないところがある。
就活、大学生活、友達関係、美味しいもの。まさに現在進行形で私の生活を彩っているものだ。れいんさんも大学生活の頃の話をよくエッセイで取り上げていて、ああ、そうだよな、私もだよ。と心の中でずっと思っている。れいんさんの実家は岩手県で、私の暮らす場所とはずいぶんと離れたところで、東北の生活に想いを馳せることがしばしばある。遠く離れたところでも私を繋いでくれる本という媒体は、私の心の支えになり、私とれいんさんにとっての架け橋でもある。れいんさんと大学の授業の影響で、詩が最近気になっている。やってみようかな -
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くどうれいん『氷柱と声』講談社文庫。
第165回芥川賞候補作。
冒頭に主人公の加藤伊智花の通う盛岡の高校の名称が大鵬高校とあり、もしやと思い、ウィキペディアを検索すると、やはり自分の母校の卒業生だった。これまで母校出身の有名人といえば、ザ・グレート・サスケくらいしか居なかったのだが、作家まで輩出するとは時代は変わったものだ。
本作は、恐らく著者の実体験に基づくものではなかろうか。そして、この著者はかなりの正直者だと思う。東日本大震災で直接被害を受けたことよりも二次的な被害の方を重要視して、それを小説の世界に表現しているのだ。無論、直接被害を受けた方々も大変な思いをしたことだろう。しかし、 -
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コーヒーにミルクを入れるような愛というタイトルが、なんでかわからないけどとっても好きだった
作中の「ミルク」を読んで、夫やペットや色んな人と出会うことで、昔からコーヒーみたいに苦く尖って生きてきた私が、穏やかにまろやかに人に優しくなってきた日々を思い浮かべて、タイトルの真意はわからないけど、ああなるほど、と妙に納得した
自分の気持ちを知ること、素直になること、優しくすることが苦手で、それに気がついているのに昔の自分とのギャップでうまく立ち回れなくて、拗らせすぎて人付き合いもどんどん苦手になってきていることを日々痛感している最近。れいんさんの周りにはたくさん人がいてほんとうに羨ましいし微笑ましい -
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コラボって素晴らしい!
くどうれいんさんの本で未読だった本書。
FM岩手の「まるふく」ってラジオ番組でも聴き知っていた作品。
最近読んだ
「水歌通信」は、東直子さんとのコラボ。
東直子さんいいわぁ。って。
ラジオ番組の
「まるふく」は、阿部沙織さんとコラボ。
阿部沙織さんは、FM岩手の神だな。いいわぁ。
この二人のかけ合いは、最強。って。
そして、今作は、
俳優「戸塚純貴」さんとコラボ。
戸塚純貴さんの1枚の写真
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くどうれいんさんが小説を創作。
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その小説世界の戸塚純貴さんが
「返事」の形で小説返し。
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写真
この繰り返しの15編
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おもしろい!
それぞれ、2、3 -
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この本は、
目の前で、著者がサインしてくれた「正真正銘」のサイン本である。
れいんさんは、作品ごとに印鑑を作っているようで、サイン会の机の上には、たくさんの印鑑が置かれていた。自作の印鑑?だと思う。
「レ印」と言うらしい。
(後にラジオで聴いた。)
作品ごとにお父さんが彫って作ってくれるらしい。
目の前で、サインを書いてもらった本を読んだのは、初体験なのかもしれない。
いくつになっても、初体験は待っているんだなぁ…
サイン会は、講演会のあと行われた。
講演会に来ていたれいんさんの衣装?は、
しゃけ色で、袖口が広がってるヒラヒラの服。
しゃけの妖精みたいだな、と思いました。
著者の「あ