くどうれいんのレビュー一覧
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ひとつひとつの話が全く別の顔なのに、作品としての一体感が凄い。上手く言語化できないのが惜しいです。
個人的に刺さったのは「背」「湯気」でした。
「好きだからこそ」の感情がすれ違う時、人は自分に立ち返り、相手を見つめようし、それでも見つめ切れずに破綻してしまう関係がある……そういうことを描いているのでしょうか?
本当にうまく言えないのですが、あくまでも私にはそんな感じがしました。
表題作「スノードームの捨てかた」はなんとなく「東京タラレバ娘」をイメージしながら読みました。何かあると三人で集合!して打ち明けあう関係。そういうのがなかった自分には少し羨ましかったです。
「川はおぼえている」は何 -
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素晴らしい読書体験をさせてもらった。
書き表したい比喩の言葉が浮かびそうで浮かばない。そんな自分の語彙力やセンスのなさに打ちひしがれながらも、この本を読む事でそのセンスの限界をどうにか拡張しようと助けてくれている気がして励まされる。
なぜ、自分は本を読んでいるのか。その一つの理由として、誰かが悲しんでいる時、辛い時にそっと無言で差し出してあげられるような言葉を探しているのだと思う。
いつもなら自分の行動に対して、「誰かのために」というのは、あまりにも横柄で、客観視できていないと思えてしまい、言葉にも文字にもできないが、今日は確信を持って書き記そう。
くどうさんの言葉が自分の心を軽快にしてくれた -
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ネタバレどれもエモ深かった✨
【川はおぼえている】
夜の川はときどき鱗のように光る。二度と同じ水は流れないはずなのに、川を見て何か
を思い出すとき、わたしたちは川の何を見ているのだろう。←ささった!
【背】
美術館の監視係は、防犯カメラの監視係に見られていた。そんなきっかけで始まる恋なのかと思いきや、やがて「見られる」ことのストレスやまとわりつくものについての話に。着地点が分からずおもしろかったし小川洋子みを感じた。(背筋をのばしている描写の意味はなんなのだろうか、本人の生きている実感のためか、もしくは今でも見られる恐怖が意識が残っているのか) -
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歌人のくどうれいんさん、染野太朗さんのお二人の往復歌集。
内容は「恋」一色。
タイトルも『恋のすべて』
ⅠとⅡ、二つのパートがあり、Ⅰは始まったばかりの恋から恋の最中。
Ⅱは終わってしまう恋。
歌集中程にはお二人が同じものをテーマに贈り合う贈答歌もあります。
くどうれいんさんはまだお若い歌人の方で「きゃー」と何だか顔を赤らめたくなるような恋心の歌がたくさんありました。
気持ちや情景が想像できるわかりやすい歌が多かったです。
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Ⅰ
真実はいくつもあっていいと思ういちども触れずに選ぶアボカド くどうれいん
だきしめられてお湯だった思いだすわたしお湯だった、どう -
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やっぱりくどうれいんさんが好きだなぁと思うのは
エッセイも詩も小説も、どれもが特別な日だけが大切じゃなくて毎日の中に特別を見つけ出すのが上手でそれが心地良い
今回は小説なのでいつも読んでるエッセイではなくフィクションが効いていて春のうたたねの時に見る夢のようなどことなく現実と夢の境目がすこしぼんやりした不思議な感覚。
1話目の三人の幼馴染の女の子達が大人になってもよく集まっている。あの頃のまま子どもで同じ制服をきて同じ教室にいたわけではなく大人になって皆あらゆる人生を送っている。社会人として独身でいる主人公のエミ、結婚をしてママのサラサ、婚活をがんばって破談になったレイカ。
私達も大人になれ -
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ネタバレ◾️record memo
ライダースの高齢女性は、
「ハッハー!ざんねん、みんなの期待の分重くなったわ」
と手を叩いて喜び、二百三十八グラムのまま購入してくださった。その、みんなの期待の分重くなった、というのが面白くいまでも忘れられずにいる。
そしてその冬、わたしはだれも信用できなくなって部屋から一歩も出られなくなり、店長にもだれにも連絡せず無言でサラダやさんのアルバイトを辞めた。
本当はだれかのきもちを推し量ることがいちばん苦手だ。悩んでいる人にも、その一歩先の言葉を促すような寄り添った声をかけることができない。
わたしはよくはかりかたを間違ってとても嫌われてしまったり、目の前から -
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この本が大好き。もうほんとに大好きだ。玲音さんの感性。失恋したとき、大切な人が何かを失ったとき、大切な人が、幸せそうに笑っているとき。生きていて宝物のような瞬間を、綺麗で、丁寧で、それでいて新鮮で、ありのままのその瞬間を全部閉じ込めたような言葉で表現している。一瞬一瞬が全部宝物。この本を読んでいると、大好きな人たちの顔、大好きな人たちとの時間、自分にとってかけがえのない時間たちがとっても呼び起こされる。どの話も大好きだけれど、「冬のタクシー」がやっぱり心に残る。どこにいても涙が止まらないとき、遠い誰かが救いあげてくれる瞬間。そして自分自身も、そんな人でありたいと、強く、優しく願いながら、実際に
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恋の海に溺れてしまいそう。
一つの言葉をテーマに繰り広げられる短歌の世界。男性、女性、それぞれの歌人の思いを読むことができる魅力。工夫された装丁。言葉のテーマが変わるごとに、ページのデザインが変わる。この変化が、別世界に読者をいざなうきっかけにもなっている。色調はモノトーン。なんて素敵なんだろう。
恋愛中の感情は、本当に複雑。それを31文字で凝縮させてしまうことの不思議。読むことで、込められた思いが溶け出すようで、幸福感に浸れました。
くどうれいんさん、1994年生まれ。染野太郎さん、1977年生まれということで、少しばかり時代の空気感の違いも感じられました。
実際にお二人が喫茶店で詠