くどうれいんのレビュー一覧
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ネタバレ◾️record memo
今になって思う、あの大きな輪の中に(なーにが友達だよ)と思っていた人が何人いただろう。わたしはそういう人ともっと仲良くなるべきだった。わたしにとっての「友達」は、そういう、繋いだ手から抜けたらステージの上にいる先生が「そこ!」と怒るような、むさ苦しくて窮屈で退屈な言葉になってしまった。友達だから。友達なのに。そんなつまらない絆物語に、自分の人生を添わせてたまるか。
人生はドラマではないが、シーンは急にくる。わたしたちはそれぞれに様々な人と、その人生ごとすれ違う。だから、花やうさぎや冷蔵庫やサメやスーパーボールの泳ぐ水族館のように毎日はおもしろい。どれを掴むのか迷 -
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ー湯気を食べるー
「多少口の中をやけどしようとも出来上がったら即食べたいし、食べてほしい。料理は盛られて置かれた瞬間が最も旬で最もおいしいと信じている。」
めちゃくちゃ共感!いきなり胃袋をつかまれた。
とある大好きな書店でみつけちゃいました。書名が素敵すぎませんか。
食に関する本当においしそうなエッセイばかり。
むちん、とか、ぶりん、とか、音までおいしい。
そんななか、これ、なんか良かったですね。
ー自炊は調律ー
「わたしの自炊は、趣味ではない。調律だ」
「自炊できないと自虐されても、わたしはあなたを笑って赦せない。わたしが自炊を好きになったのは、自分で作るしか自分を調律する方法がなかった -
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くどうれいんさんの食にまつわるエッセイ
「嫌いな人はいるかもしれないけどわたしは好き」という感想に傷ついたほやのお話を読んで思ったが、
こういう感想がわたしは嫌いだし、実際ににれいんさんも傷ついていた。
その枕詞うまいと思ってるのかな?だとしたら枕詞あまり使わない方がいいよって思った。
れいんさんの言う通り枕詞として成り立たない枕詞な
いらない。
「私は好き」でいいと思う。
ちなみに、わたしは宮城でほやを食べて以来めちゃくちゃほや美味しくて好きなんだけど……って笑ってしまった
他にも「ねぎととろ」の話にあった「つらさに寄り添うのはつらさだ」という言葉は読んでいて胸がギュッとなった。
仕事で -
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くどうさんの嘘のような本当の人間関係のエッセイ。
どのエピソードも面白すぎで、くどうさんの自分を素直に出している生き方に面白い人たちが引き寄せられるんだろうなと思った。
タイトルのうたうおばけは、工藤さん友達多そうっすよね、かわいい子いたら紹介してほしいという、少しウザイ男性知人に対し、うたうおばけとか紹介しようかといい、けむに巻く。うたうおばけどは、学生時代、二人きりの部屋で唐突にパーカーを反対向きに着て、ギターを持って、歌を歌った友人が言った一言からきている。想像するだけで面白い。
英語のバナナが、ビニィニィでもバナナに聞こえることを発見し、ギャルとギャルとしばらく爆笑する話や、振ら -
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兼業作家から専業作家へと歩み始めたタイミングからスタートした「NHK出版本がひらく」というウェブマガジンでの日記の連載を書籍化した作品。
日記の練習と日記の本番という2つの要素で構成されている。
10代の頃から日記を書き続けているくどうさん。
それなのに、日記は「続けるもの」ではなく、続く日記なんて面白くない。毎日欠かさず書こうと思ったことは一度もない…そんな日記の紹介にびっくりした。
くどうさんにとって日記は「日々の記録」ではなく、「日々を記録しようと思った自分の記録」で、できる日とできない日の緩急が自分らしく、ノートがなくても、ブログがなくても、日記は死ぬまで勝手に書くものだと思っている… -
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ネタバレくどうれいんは、歌人で、
しかも、本書が初小説だそうです。
感性ひかる、六つの短編が入っています。
どれも、
くどうれいんの特徴の
こまかな描写や所作、微妙な感情の
ゆれを文章でつづっています。
その中でもわたしは、
「いくつもの窓」という作品が気に入りました。
…保険の外交三年目の女性は、あるときに自分で作って、
お客さんに配る「かっきーつうしん」のチラシをくしゃくしゃにして捨てられてしまいます。
そのショックな出来事が発端で、激務だった仕事を辞めることにします。
そして、
辞めたあとも辞めたことに悩みながら、携帯電話の写真を消去することから始まり、部屋の断捨離に取り組みます。
当 -
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初めて買ったくどうれいんさんの本。
しかもサイン本。
ずっと積読…というか飾ってたんだけど、無償にエッセイを読みたくなって開いてみた。
れいんさんの「ともだち」をテーマにした、嘘のような本当の日々。
あったかいなぁ。
れいんさんはともだちをいい人というけれど、たぶんれいんさんがいい人だから、いい人なともだちが集まるんだろう。
そんなれいんさんを挟んで繋がるともだち同士の交流も、いい人過ぎて楽しい。
そして何より、ミドリさんとの話が好きだった。
れいんさんを好きなミドリさん。
やり取りが素敵過ぎて、ずっと2人の会話を聞いていたかった。
ミドリさんは、いまれいんさんの旦那さんになって -
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さすがです。
粒ぞろいの短編小説6編。
エッセイの瑞々しい表現は、そのままに。
小説の方が、しっとりと落ち着きがある印象。
エッセイが陽で、小説は陰。とまで言わないまでも、深部に降りていって苦労した感じが伝わる。
表題の「スノードームの捨て方」とあるように、
『捨てる』が底辺に流れてる。
ネタバレ
どの作品も良さがあるのですが…
特に
「鰐のポーズ」
がなんと言うか「うーん」となった。
読後の余韻。良いうーん。
ぶっちゃけても、理解し合えないこともある。わかってもらえないこともある。先輩のトーンダウン。人間関係の終わり方。触れてほしくない真実。なかなか珍しいパターンの短編。
そのほか