筒井康隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
グランパから始まって、富豪刑事、家族八景ときて、時をかける少女。筒井康隆代表作(?)履修月間をひとまずこれで終えようと思う。一癖あったり、ちょっと古さを感じたりはしたが、それでもなんだかとにかくすごかった。日本の「SF御三家」の一人とされるとのこと。そうか、SFってまだまだ若いんだ。
以下備忘メモ(有名作品とは思うが、ネタバレややあり)。
■時をかける少女
こういう話なんだ。切なかった。しかしシンプルで良いSF。科学技術が発達しすぎてまともな職につくための教育期間がかかりすぎるという問題を抱えている未来(後に睡眠学習によって解決されるが)って初めて見た。
■悪夢の真相
まあまあ。
■果てしなき多元宇宙
ぶっとんだ場面転換、そして読者に語りかける作者、こういうのは好き。好きな男の子がいて、その子は優しいところが魅力なのに、不良学生なんかやっつけちゃうような「男らしさ」があったら良かったのにと思ってしまう心理と、そこからのまさかの展開。面白かった。 -
Posted by ブクログ
家政婦が超能力者なのである。主人公、火田七瀬は、高校を卒業したばかりの十八歳。精神感応能力者(読みは「テレパス」)で、他人の心のうちを読み取ることができる。この能力を人に知られないようにするため、ひとところに長くいることなく働ける仕事ということで、父の勧めに従い家政婦をしている。行く先々のお宅で、家族が互いに、あるいは七瀬に対して何を思い暮らしているのかが、詳らかにされる。
…という設定を生かして描かれる、八つの家庭の裏の顔だけでもじゅうぶん面白いのに、七瀬十八から十九、そして二十歳の年へと時が流れるにつれ、心も体も変化していく様をしっかり捉えているところがまた興味深い。主人公は超能力を持ついわばスーパーヒーロー的な特別な人物ではあるが、家族八景を描くという小説上必要な装置としてだけ存在させられているのではなく、この娘がどんなことに悩みどう変化していくのかを、作者は語る気のようだと感じられる。
このあと『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』と続く三部作であることはネットで読んで知っている。その昔、中学生か高校生のころ、なぜか『エディプスの恋人』だけ読んで、本当に意味不明で投げ捨てたのが私の初めての筒井康隆だった。ちなみに二回目の筒井康隆は先週読んだ『わたしのグランパ』だから、二十数年遠ざけていたことになる。七瀬の行く末に興味がわいてきた今なら読めるかもしれない。 -
Posted by ブクログ
グランパかっこいい!…って素直に思ってあげるけど、こういう爺さんになりたいという男のロマン的な感じなのだろうかなとも思う。グランマさんが、愛しているからこそそばにいられないという、そんな愛され方も含めて。
「こんな爺さんになりたい」と、「こんな爺さんがすてき」は、きっと微妙に違う。たとえば、バイオレントな要素は、私なら要らない。「こんな婆さんになりたい」を描いた『ぼくの(おれの?)グランマ』があったら読んでみたい。グランマの場合、「ぼくの」と孫息子に慕われる必要があるかどうか、そこから検討が必要だ。『わたしのグランマ』でいい気もする。男なら、女なら、と性別で考えている時点でもはや私も時代遅れなのだろうか。
終わり方は潔くて好き。 -
Posted by ブクログ
ほぼ50年前のショート・ショートは、今読むとどうなのか? といろいろ想像しながら手にしました。筒井康隆さんの作品は、初期作を何冊か大昔に読んだ記憶だけで、パロディやドタバタ喜劇、SFを得意としているイメージです。エンタメや純文学作品も手がけ、大分幅広い作風なのかな?
ブラック、ホラー、シュール、エロ、グロ、寓話、風刺‥、何でもありのイメージの34篇。いろんな芸人さんが次々登場し、漫才を披露しているような感覚でした。内容によって、或いは作品全体として好みが分かれるのではないでしょうか。
ただ、PCもケータイもない時代、漫才ブームも到来する以前に、よくもまぁこんなぶっ飛んだ話が書けたなと感心します。当時としては、過激な部類に属する作品群だったのではと推察します。刺激の強い星新一さん?といった感じでしょうか‥。
今は、様々なことに配慮を求められる時代なので、不適切扱いされる表現もあるやに感じました。筒井康隆さんは、時代を先取りしていたのかもしれません。人間観察力、洞察力に優れていなければ決して描けない世界が広がっている気がしました。
筒井康隆さんがこの後、谷崎潤一郎賞、川端康成賞、菊池寛賞、読売文学賞、毎日芸術賞などなど、多くの名作を発表した事実が信じられないのですが、機会を見つけ手にしてみましょうか‥。