筒井康隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「筒井康隆」の『富豪刑事』を読みました。
『恐怖』に続き、連続して「筒井康隆」作品ですね。
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キャデラックを乗り廻し、最高のハバナの葉巻をくわえた"富豪刑事"こと「神戸大助」が、迷宮入り寸前の五億円強奪事件を、密室殺人事件を、誘拐事件を……次々と解決してゆく。
金を湯水のように使って。
靴底をすり減らして聞き込みに歩く"刑事もの"の常識を逆転し、この世で万能の金の魔力を巧みに使ったさまざまなトリックを構成。
SFの鬼才がまったく新しいミステリーに挑戦する。
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Posted by ブクログ
帯に「最初で最後、最強の人生論!」とあったのだが、そこまで肩肘張っておらず、ライトなエッセイ。
(ご本人も「後記」で「語るべきテーマはまだまだある」と書かれているし、「最後」というのは言い過ぎでは…)。
「敵」「わたしのグランパ」「愛のひだりがわ」といった筒井作品の内容にも言及があるので、お好きな方は是非。
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と、ここまで書いた後、Wikipedia を見て知ったのだが、この本が出た翌年、ご子息の筒井伸輔氏が亡くなっている。この本の中に、「菅原文太さんのは交通事故で一人息子を亡くしている。もう七十歳近くだったから、これはずいぶんつらかっただろう。小生にも一人息子がいるから、それがど -
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購入済み
ちょっと微妙
本文を読み始めてすぐに叙述トリックが分かってしまった。
先に分かると伏線が大体回収できるはずなのにとにかく文章がややこしくて分かりずらいしレビューでアンフェアと言われているのがよく分かる。
殺人のトリックもトリックといえるのかどうか。
主人公が同情の余地はあるけれど最後までひとりよがりで自己中なのが分かった。
最後まで読むことはできたので星3つです。 -
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Posted by ブクログ
実在論という観点から超能力を相対化したんかもしれん。
形而上的な存在が世界を操ってるんだとしたら、超能力者もそうでないやつも吹けば飛ぶような存在として大した違いはないと。
サブカルとカウンターカルチャーの違いを影山民夫さんが話しているYouTubeを見たけど、日本はカウンターカルチャーは無くてサブカルが群居していると指摘していた。
サブカルとしてのSFがメインストリームになりかけてた時代なんだとしたら、なんとなくわかるけど、多分その時代は大人の話として聞いてた俺は、やっぱり超能力者という設定にピンとこない。
ただ「家族八景」からみるとスケールが格段大きくなっているのは間違いなく、先生の本 -
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ネタバレ「長生きは罪である」と法制度が出来「処刑」を宣告され、しかも「70歳以上老人同士のバトルで」施行というブラックユーモア小説。
いただけるか、いただけないか読んでみました。
ブラック過ぎて、のけぞりましたがほんとうのこともたくさんあり、笑えて、うなずいて、しかし、ちょっぴりもの悲しくなりました。いえ、すさまじい殺し合いの闘争がではありません。それは笑ってしまえばいいフィクションです。
帯にある「後期高齢者医療制度という老人いじめ政策を予見した小説」ではあるような、でもそれを「いじめ」と取るかどうか、むしろそれを「すすめないとこうなる小説」のようです。
政府の作る制度は必ず裏がある -
Posted by ブクログ
ネタバレ筒井ワールド全開の私小説的短編集。
・漸然山脈
・コロキタイマイ
・白笑疑
・ダークナイト・ミッドナイト
・蒙霧升降
・ニューシネマ「バブルの塔」
・レダ
・南蛮狭隘族
・縁側の人
・一九五五年二十歳
・花魁櫛
・ジャックポット
・ダンシングオールナイト
・川のほとり
の14編収録。
最後の「川のほとり」の昨年早世した息子との夢の中での対話小説は感動的だし、中長編でもイケそうな気がしたが、それ以外は小説とは言えないと思いました。
ただ、テーマ(大衆文化、フランス文学、哲学、戦争、ジャズ、演劇、映画、マスコミなど)がしっかりしているものは十分読み応えのある筒井的文化論になっていると思います。