筒井康隆のレビュー一覧

  • 笑うな(新潮文庫)

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    筒井康隆氏の世界に対する観察眼とそれを文章に叩き込む際のユーモア、遊び心に胸打たれた。
    読んでいると、本当につい笑ってしまう。その度に表題の『笑うな』が効いてくるような短編集だった。
    創作という世界の自由さ、新鮮さ、それを筒井さんが気取らずにスッと差し出してくれているようで、とても温かく希望的な気持ちになった。
    全ての息苦しさは、そのままユーモアになるのだと、そう筒井さんが語り掛けて下さった気がする。

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    2026年07月08日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    めっちゃ面白い。ラストも希望もあるし、切なさもあるし良い。筒井康隆の世界に連れて行く文章力が◯。旅物短編集だけど、そうじゃなくて、ちゃんとストーリーとしてラゴスの人生が、この小説の世界への影響が絵が描かれている。もう少しこの世界に浸りたかった

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    2026年06月20日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    30年前の小説ですが本当に最後まで面白かったです。最初の車での会話シーンは何か違和感があるなと思ってましたが、話が進むに連れてそれも薄れていき、最後の方で「えっ」となって何回もページをめくりました。

    最近の叙述トリックはハイレベルなものが多いですが、これは今読んでも良くできているので、当時なら更に衝撃を受けそうです。

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    2026年06月19日
  • ジャックポット(新潮文庫)

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    小川哲の解説で正気に戻り、言葉を取り戻す。

    筒井のことを「常に前衛でいなければならないという古臭い執念に取り憑かれた人」と評した親友も、もう十三回忌も過ぎてしまった。

    濃厚な死。言葉遊び。諧謔。

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    2026年06月12日
  • 残像に口紅を

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    音が消え、言葉が消え、存在が消える。
    前半は何が消えたのだろう、と前のページに振り戻りながら、消えたものを推察しながら読み進めた。
    後半はもはや消えすぎているので、哲学的というか詩的な文章。それでも、言葉ってこんなにもあるんだと驚き。

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    2026年06月09日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    1巻よりも、より疾走感があり面白かった。
    敵が謎すぎる。
    「タイムトラベラー」「テレパス」「テレキネシス」の最強無敵の超能力者集団に勝てるのは何故??何者?
    次巻も気になる。

    七瀬と、恒夫が相思相愛だったの悲しかったなあ……

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    2026年06月08日
  • 筒井康隆、九十歳のあとさき―老耄美食日記―

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    ネタバレ

    おどろきの日記文学。9歳年下の奥様との美食の毎日は食欲の深さとしての業を感じる。都会の高級料理店での相場は理解できないが、毎日の料理代としてはあり得ないレベル感。こんな食事を摂っていて長生きできるのはほんと羨ましい。老耄の境地での美食の極地を感じた。合間に入るエッセイ等も深い味わい。長年のファンとしてこの本を読めたことに幸せを感じた。

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    2026年05月19日
  • 筒井康隆自伝

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    どこかで評判を聞いていたことを思い出し読んでみた。
    幼少期の記憶が鮮明であることに驚かされる80年以上前のことを、家の配置やら人の名前などよく覚えているもんである。また、学生時代は可愛い女の子がいたとか、誰と仲が良かったとか誰とは仲が悪かったとか、覚えているエピソードなど単なる起こった出来事の羅列なのでそれほど面白くはなかった。ところが中学に入ってから映画やら演劇やら熱を上げるものが出てきて俄然面白くなって来る。教師も相性の良い人と悪い人がいた様でその中間というのは印象が残らないのだろう。
     さらに本を書き出してからは、勢いが止まらない。SFの黎明期が関西の書き手によって担われていたこともわか

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    2026年05月13日
  • 筒井康隆、九十歳のあとさき―老耄美食日記―

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    ■はじめに
    近ごろ、雑誌特集や新書で「日記」をテーマにしたものをよく見かける。何が火付け役なのか調べてみるも、これだ!という決定打は見当たらず、最近静かなブームとなっているZINE文化の影響説まで飛び出す始末。ともあれ、“日記界隈”がにわかに騒がしい。

    そんな中、本書の著者 筒井康隆は1975年から「公開日記」を続けている大ベテラン。年季の入り方が違う。しかも連載開始時、〈おれの公開日記では、他に類例のない料理の値段を書くこととする〉と高らかに宣言。

    以降2024年3月、神戸の自宅で転倒する前日まで、その日記は続く。はたして齢九十を超えた大作家は、いかなる晩餐を重ね、どんな日々を送っていた

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    2026年05月10日
  • 不良老人の文学論(新潮文庫)

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    筒井康隆『不良老人の文学論』新潮文庫。

    91歳の筒井康隆が創作秘話、畏友交流、文学的信念などを綴るエッセイ&書評集。

    高校時代から大学時代に筒井康隆の作品を読みまくっていたが、ユーモラスでぶっ飛んだ小説とたまにシリアスなSF小説を書く変わった作家だなと思っていた。その後、何時の間にか文豪と呼ばれる偉い作家となり、文庫本の解説や様々な文学賞の選考を務めていたことには驚いた。

    筒井康隆の宗教観と『エディプスの恋人』や『モナドの領域』の創作秘話が語られる。様々な宗教から得た知識と考察から独自に宇宙論を構築していたようだ。

    筒井康隆は小松左京の知識力を畏怖し、大江健三郎や開高健を尊敬し

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    2026年05月05日
  • にぎやかな未来

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    ショートショートって限界があるよなとか思いながら読んでましたが、読み進めるうちにそんなことはないなと思えてくる、そんな作品でした。
    出版年はかなり昔ですが、今でも通用するようなテーマが多く、人間って今も昔も変わらないんだなと気付かされる。
    最後の解説の著者がサプライズ感あって良かった。

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    2026年05月03日
  • 筒井康隆自伝

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    筒井康隆先生による自伝。
    読んでた時に筒井康隆だから何かあるはずと深読みしすぎだけど、流石のエッセイ。
    幼少年期から中年期まで、筒井康隆先生が筒井康隆先生であるのがわかる一冊。

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    2026年04月25日
  • 笑いの力

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    シンポジウムの文字起こしなので読みやすい。
    いくつか印象的な話もあり有意義だった。
    血糖値などは興味深く、子どもの表情については二十年後の今はどうなのだろうかと思ったり。有意義な内容だった。

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    2026年04月20日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    新たな景色に触れ、知らない学問を修める。人生の旅の中で自分はどれだけ老後に語り合える話を身につけることができるだろうか。今は家にいながら色んなことを知れる世の中で、現地に赴く意義は昔よりは薄れているかもしれないが、やはり行かなければわからないことは存在し続ける。自分の知識欲が刺激される良い小説であった。
    中高生以来の再読となったが、その時どんな気持ちでこの本を読んだのか、それがその後の人生にどう影響したか。詳細を覚えているわけではなかったが、登場人物の名前や壁抜けは印象に残っていた。さながら昔に立ち寄った集落を再訪したかのように。

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    2026年04月05日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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     本当に不思議で独特の世界観であり、私の冒険者心を大きくくすぐる作品でありました。

     どちらかと言うと海外ファンタジーのような物語なので、海外作品派の私には比較的読みやすい作品でありました!

     主人公である旅人のラゴスが行く先々で巻き起こす不思議なエピソードが、短編形式で語られて行くと言うもの。

     彼が旅先で出会う登場人物達はそれぞれが色んな特殊能力を持っており、それを使った事でどんな結末を迎える事になってしまったのか…ちょっとした人生の教訓の様なものも詰まっていたりして、とても興味深く読めました! 

     主人公のラゴスは、まさに我々地球を旅する冒険者達の姿そのものであると、私は感じまし

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    2026年04月04日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    読書とは娯楽のひとつである。しかし、その中で、ただの娯楽ではなく、人生にとって心に残る素敵な作品に出会えたらなんと幸せなことだろう。筒井康隆の『旅のラゴス』を読み、まるでラゴスと共に旅をしているかのような体験をした。

    物語の中では笑えることや素敵な経験、時には辛く悲しい出来事もあるが、主人公ラゴスは常に前向きで、感情に振り回されることはない。その姿勢によって、読んでいる私自身も人生を前向きに考えようという気持ちになれる。

    ラゴスの旅は現実ではありえない壮大さや奇想天外さに満ちている。しかし読んでいるうちに、自分の人生と重ねて考える瞬間もある。周囲の人々がラゴスを囃し立て、ラゴス自身は手を貸

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    2026年03月26日
  • 筒井康隆自伝

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    兎も角もよくぞ書いてくださいました。それだけです。ファンがしみじみありがたく読む書。筒井未読者は代表作あらかた経巡った後にお越しくださいませ。

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    2026年03月15日
  • 筒井康隆自伝

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    ネタバレ

    たぶん十代の中頃に出会った『旅のラゴス』がnfmとなって読書対象ではなくなっていたが、『虚航船団』と出会って『旅のラゴス』を再読し、未熟な読み手であったことを痛感した。

    自伝というのは、小学校の頃のご近所さんを書くものだっただろうか。やけに詳しく語っているが、『虚航船団』を書いた作家だから鵜呑みにはできない。
    小学生から高校生までの一人称をおれ、大学時代をぼくとあらわす。社会人になってまたおれ。作家の自伝といえば、前半生なら大学時代がいちばん濃くなりそうなものだがあっけない。ほうぼうで語り尽くしているのだろうか。手塚治虫との遭遇やらDAICONのくだりなども、そういうこともありましたくらいな

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    2026年02月24日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    犯人は分かっていたのに、こんなからくりがあったなんて…!
    ・初のトリックが読者を迷宮へと誘う
    ・前人未到のメタ・ミステリー
    裏表紙のあらすじを読んで、「真相を解明してやるぞ」と心して挑んだ。
    なのに、終盤で凄く驚いたし、作者のミスリードにまんまと引っかかったのは私です。いやぁ、面白かった…!

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    2026年02月14日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    1行の衝撃!という触れ込みのミステリーは他にもあるが、その走りが本書なのか?
    独白という形でネタばらしまで丁寧にされているところが新鮮だった。

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    2026年02月01日