筒井康隆のレビュー一覧

  • 筒井康隆、九十歳のあとさき―老耄美食日記―

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    ネタバレ

    おどろきの日記文学。9歳年下の奥様との美食の毎日は食欲の深さとしての業を感じる。都会の高級料理店での相場は理解できないが、毎日の料理代としてはあり得ないレベル感。こんな食事を摂っていて長生きできるのはほんと羨ましい。老耄の境地での美食の極地を感じた。合間に入るエッセイ等も深い味わい。長年のファンとしてこの本を読めたことに幸せを感じた。

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    2026年05月19日
  • 筒井康隆自伝

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    どこかで評判を聞いていたことを思い出し読んでみた。
    幼少期の記憶が鮮明であることに驚かされる80年以上前のことを、家の配置やら人の名前などよく覚えているもんである。また、学生時代は可愛い女の子がいたとか、誰と仲が良かったとか誰とは仲が悪かったとか、覚えているエピソードなど単なる起こった出来事の羅列なのでそれほど面白くはなかった。ところが中学に入ってから映画やら演劇やら熱を上げるものが出てきて俄然面白くなって来る。教師も相性の良い人と悪い人がいた様でその中間というのは印象が残らないのだろう。
     さらに本を書き出してからは、勢いが止まらない。SFの黎明期が関西の書き手によって担われていたこともわか

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    2026年05月13日
  • 筒井康隆、九十歳のあとさき―老耄美食日記―

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    ■はじめに
    近ごろ、雑誌特集や新書で「日記」をテーマにしたものをよく見かける。何が火付け役なのか調べてみるも、これだ!という決定打は見当たらず、最近静かなブームとなっているZINE文化の影響説まで飛び出す始末。ともあれ、“日記界隈”がにわかに騒がしい。

    そんな中、本書の著者 筒井康隆は1975年から「公開日記」を続けている大ベテラン。年季の入り方が違う。しかも連載開始時、〈おれの公開日記では、他に類例のない料理の値段を書くこととする〉と高らかに宣言。

    以降2024年3月、神戸の自宅で転倒する前日まで、その日記は続く。はたして齢九十を超えた大作家は、いかなる晩餐を重ね、どんな日々を送っていた

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    2026年05月10日
  • 不良老人の文学論(新潮文庫)

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    筒井康隆『不良老人の文学論』新潮文庫。

    91歳の筒井康隆が創作秘話、畏友交流、文学的信念などを綴るエッセイ&書評集。

    高校時代から大学時代に筒井康隆の作品を読みまくっていたが、ユーモラスでぶっ飛んだ小説とたまにシリアスなSF小説を書く変わった作家だなと思っていた。その後、何時の間にか文豪と呼ばれる偉い作家となり、文庫本の解説や様々な文学賞の選考を務めていたことには驚いた。

    筒井康隆の宗教観と『エディプスの恋人』や『モナドの領域』の創作秘話が語られる。様々な宗教から得た知識と考察から独自に宇宙論を構築していたようだ。

    筒井康隆は小松左京の知識力を畏怖し、大江健三郎や開高健を尊敬し

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    2026年05月05日
  • にぎやかな未来

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    ショートショートって限界があるよなとか思いながら読んでましたが、読み進めるうちにそんなことはないなと思えてくる、そんな作品でした。
    出版年はかなり昔ですが、今でも通用するようなテーマが多く、人間って今も昔も変わらないんだなと気付かされる。
    最後の解説の著者がサプライズ感あって良かった。

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    2026年05月03日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    ファンタジー小説の中だと一番好きな作品で読むたびにワクワクする。
    ラゴスは勿論のこと、各エピソードに出てくる登場人物もそれぞれキャラクターが際立っていて読んでいくうちに自然と顔立ちや雰囲気が思い浮かんでくる。
    まさに「旅のラゴス」だと思える最後のお話も印象的だけど、やっぱりお気に入りはオチを知ってても読むたびに笑える壁抜け芸人の話。

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    2026年04月29日
  • 筒井康隆自伝

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    筒井康隆先生による自伝。
    読んでた時に筒井康隆だから何かあるはずと深読みしすぎだけど、流石のエッセイ。
    幼少年期から中年期まで、筒井康隆先生が筒井康隆先生であるのがわかる一冊。

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    2026年04月25日
  • 笑いの力

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    シンポジウムの文字起こしなので読みやすい。
    いくつか印象的な話もあり有意義だった。
    血糖値などは興味深く、子どもの表情については二十年後の今はどうなのだろうかと思ったり。有意義な内容だった。

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    2026年04月20日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    新たな景色に触れ、知らない学問を修める。人生の旅の中で自分はどれだけ老後に語り合える話を身につけることができるだろうか。今は家にいながら色んなことを知れる世の中で、現地に赴く意義は昔よりは薄れているかもしれないが、やはり行かなければわからないことは存在し続ける。自分の知識欲が刺激される良い小説であった。
    中高生以来の再読となったが、その時どんな気持ちでこの本を読んだのか、それがその後の人生にどう影響したか。詳細を覚えているわけではなかったが、登場人物の名前や壁抜けは印象に残っていた。さながら昔に立ち寄った集落を再訪したかのように。

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    2026年04月05日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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     本当に不思議で独特の世界観であり、私の冒険者心を大きくくすぐる作品でありました。

     どちらかと言うと海外ファンタジーのような物語なので、海外作品派の私には比較的読みやすい作品でありました!

     主人公である旅人のラゴスが行く先々で巻き起こす不思議なエピソードが、短編形式で語られて行くと言うもの。

     彼が旅先で出会う登場人物達はそれぞれが色んな特殊能力を持っており、それを使った事でどんな結末を迎える事になってしまったのか…ちょっとした人生の教訓の様なものも詰まっていたりして、とても興味深く読めました! 

     主人公のラゴスは、まさに我々地球を旅する冒険者達の姿そのものであると、私は感じまし

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    2026年04月04日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    読書とは娯楽のひとつである。しかし、その中で、ただの娯楽ではなく、人生にとって心に残る素敵な作品に出会えたらなんと幸せなことだろう。筒井康隆の『旅のラゴス』を読み、まるでラゴスと共に旅をしているかのような体験をした。

    物語の中では笑えることや素敵な経験、時には辛く悲しい出来事もあるが、主人公ラゴスは常に前向きで、感情に振り回されることはない。その姿勢によって、読んでいる私自身も人生を前向きに考えようという気持ちになれる。

    ラゴスの旅は現実ではありえない壮大さや奇想天外さに満ちている。しかし読んでいるうちに、自分の人生と重ねて考える瞬間もある。周囲の人々がラゴスを囃し立て、ラゴス自身は手を貸

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    2026年03月26日
  • 筒井康隆自伝

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    兎も角もよくぞ書いてくださいました。それだけです。ファンがしみじみありがたく読む書。筒井未読者は代表作あらかた経巡った後にお越しくださいませ。

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    2026年03月15日
  • 筒井康隆自伝

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    ネタバレ

    たぶん十代の中頃に出会った『旅のラゴス』がnfmとなって読書対象ではなくなっていたが、『虚航船団』と出会って『旅のラゴス』を再読し、未熟な読み手であったことを痛感した。

    自伝というのは、小学校の頃のご近所さんを書くものだっただろうか。やけに詳しく語っているが、『虚航船団』を書いた作家だから鵜呑みにはできない。
    小学生から高校生までの一人称をおれ、大学時代をぼくとあらわす。社会人になってまたおれ。作家の自伝といえば、前半生なら大学時代がいちばん濃くなりそうなものだがあっけない。ほうぼうで語り尽くしているのだろうか。手塚治虫との遭遇やらDAICONのくだりなども、そういうこともありましたくらいな

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    2026年02月24日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    丸く輪になって異動する転移、人や動物の心と繋がる同化、念じて空中を飛ぶ力などSFらしい発想も効果的で単純な物語の中にある夢や希望が、窮屈な人生の中で見る、小さな夢の物語になっていた。
    ラゴスは北に向かって旅に出る。その途中の出来事や目的地についてからの生活などがやはり愉快な筒井SFだった。

    彼の旅の目的は、北の大陸に先人たちが残した文化が、膨大な書物になって盆地の建物に眠っているということを学校で習い、それを読むことが目的だった。

    今ある転移、同化、予知などの能力は先人が滅びた後に獲得した人々の智恵だった、そうした力を使いながら北の大陸に向かう。途中に出会う壁抜け男や、似顔絵書き、時には盗

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    2026年02月15日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    好きなひとがこの本はファンタジーだと言って貸してくれた。
    夢のようなメルヘンで楽しい世界を想像して開いてみたけど、人間の嫌な部分だったり現実味のある家族の軋轢だったりが淡々と書かれていて、これはファンタジーなのかと同じところを何度も読み返したりする。
    そういえば転移したり、馬が空を飛んだり、ものすごくファンタジー。ものすごくファンタジーなのに、それを超えるくらいの現実があった。

    [王国への道]は知識欲が刺激されて自然と読むスピードが上がる。学ぶことは楽しいことだともっと早くに気づいていればな、と今になって思ったりする。
    ラゴスが得た知識を明確に良い方向にしか使わないのが良かったし、ニキタとカ

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    2026年02月09日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    初、筒井康隆作品。
    読んだのは大分前なので、内容は正直朧げだけど受けた衝撃はよく覚えている。
    こんなに面白い小説あるのか!と思った記憶。

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    2026年01月30日
  • パプリカ

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    4年越しに再読。
    年始に映画のリマスター版がたまたまやっていて、そういえば原作はどうだったかなと思った時、不思議なくらい覚えていなかった。夢みたいに。
    物語の序盤では、能勢や粉川らの治療のために夢の中の世界でパプリカが縦横無尽に動き回っている感じが印象的だった。一方で小山内と乾が暴走を始め、夢と現実が入り混じるようになってくると能勢や粉川、さらにはラジオ・クラブの玖珂と陣内でさえも夢と現実を行き来して彼らと戦う。夢と現実の混交が始まった直後は各々が今目の前の世界が夢か現実かを区別することに躍起になっていたが、徐々にその境目を探すことはなくなり、さらには夢と現実の行き来に対しての抵抗というか、躊

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    2026年01月30日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    筒井康隆といえば…であがる作品って
    どれなんだろう。

    わたしは、
    ・時をかける少女
    ・パプリカ
    ・家族八景
    ・残像に口紅を

    くらいしか読んだことなかったから
    筒井康隆には そういうイメージがあった。
    現代文とは少し離れていて 一見すると読み難さみたいな雰囲気があるのに 気付いたら夢中で読まされていて、
    夢で見るような抽象的な思想や思考を文体化、
    半ばから後半にかけて熱量をしっかりあげてくるのに 決して大多数が望むだろうと思われる終わり方はしてくれない…。
    そういうイメージ。

    本書も例にもれず ぐんぐん読まされて
    久々に 小説・文学を読んでる! と思わされた。
    けれど筒井康隆の作品だから

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    2026年01月29日
  • パプリカ

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    何度か読んでいる。
    最近夢日記をつけてみたけど3日でやめた。夢って囚われてそのことに昼間の起きてる間にも心がそちらを向いてしまって、あの夢の細部を知りたいってなって惹かれる時間が増えて。
    このお話しみたいに、夢と現実の境がなくなったり、他人の夢が流れ込んだりしたらおかしくなってしまうのでは?みたいな。脳のチリチリした感じを味わえてくせになってしまう。
    パプリカは男性はみんな好きになっちゃう魅力的な女の子が出てきたり後半ぐわあーんった意味がわからなくなっていったりするこの構成自体が夢みたいで、夢って都合よくてでも都合よくならなくてわけわかんなくて突然終わったりするよねみたいな温度感自体が通じちゃ

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    2026年01月27日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    1つの別世界を立ち上げる程の壮大なSFでありながらも、その現実との距離感が絶妙で、ラゴスの世界に集中できた。
    特にその地で得たかけがえのないもの、それを大切にしたいという気持ちは偽りなくあるが、旅を続けるしかない。そこに人生の意味を見出だすラゴスの姿勢には一歩退いて読むことができないほど惹き付けられた。
    人の世界には、社会がある。社会には人間関係があって、そこには責任があって、皆日々その中で悩みながら生きている……そういった場所から1度ゼロになって飛び出してみる。そうして見えた世界をこの物語は見せてくれた。
    日々の生活に風穴をあけるような、そんな痛快な旅の楽しさが良く感じられる読書の時間だった

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    2026年01月22日