筒井康隆のレビュー一覧

  • わたしのグランパ

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    購入済み

    こっちの表紙ものいぢさん

    角川のビアンカもそうだけど、こちらの表紙もいとうのいじさん。
    ヒロインはJC、のいぢさんたいへんよくわかっていらしゃる。女性ならではですね。
    中味は小気味いい系の筒井品質、嫌なことの一つ二つ忘れられます。程度によりますが。
    お好みで。

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    2024年05月12日
  • ジャックポット

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    大好き 
    読み終わりたくないからちびちび読んでは休憩してる


    読み終わった
    大好きなアーティストのライブに行った後のような読後感
    この先何回も読み返すと思うし、読むたびに元気づけられると思う

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    2024年05月24日
  • ビアンカ・オーバースタディ

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    購入済み

    安定の筒井品質

    白眉は俗物図鑑、七瀬sや旅のラゴスも割と好き
    な立ち位置の自分にとっては、十分に楽しめる内容でした。
    のいぢさんのイラストも素敵です。
    ハルヒより質感が良い。
    描き手の気合が入っているのが伝わってくる。
    中味は、比べちゃ失礼ってもんです。
    お好みで。

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    2024年04月16日
  • 残像に口紅を

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    1、2文字づつ使える文字数が減っていく言葉遊び的な要素の強い小説。
    使えなくなった文字を含む単語が存在しなくなるため、主人公が娘の名前、妻の名前と忘れていき、段々と孤独になっていく心情変化が良かった。
    1章の範囲では言葉遣いに違和感がほとんどなく、どのように文を構成しているのかが興味深かった。
    終盤の使える文字数が10文字程度の辺りからのスピード感が好き。

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    2024年04月03日
  • 聖痕

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    筒井康隆さんの作品は短編集しか読んだことがなく、初めて長編作品を読みました。
    ページにびっしりと書き込まれた難解な日本語たち。でも読んでいて全く苦ではない。(注釈の量すごいのにね)
    京極夏彦作品で何度も挫折している私でも、最後まで夢中で読み切りました。
    2月に村山由佳の二人キリを読んで、3月にこの本を読んで…意図したつもりはなかったけど、今年はチン切りに縁があるのかな?
    チン切りからはじまる物語とチン切りに終わる物語、どちらも人の性欲を描いた作品だけど、見方が全然違ってとてもおもしろかった。

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    2024年03月24日
  • 家族八景(新潮文庫)

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    著者の卓越したというか達観したというか、その人間観が現れた描写に舌を巻いた。テレパスによっていかにまありそうな家族模様が如実に表現されていて、とても面白かった。

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    2024年03月14日
  • 富豪刑事

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    ネタバレ

    あーーーおもしろ!最高。ミステリーにコメディを捻じ込んでるのに、力技かと思いきやかなり精密。さすが筒井さん。

    主人公の刑事・神戸大助はホテルオーナーの父である神戸喜久右衛門の財産を使って、難事件を解決していくという一風変わったミステリー。「富豪刑事の囮」「密室の富豪刑事」「富豪刑事のスティング」「ホテルの富豪刑事」の4本からなる。
    金はめちゃくちゃ使うが業務には真面目。富豪じゃないと思い付かない解決法ばかりで笑える。

    あと、時々筒井さんが読者に話しかけてくるのも掟破りで最高。このキャラクターも本当は濃密に紹介したいのだが、本筋と関係ないので割愛する、とか普通に書いてる。

    2005年にドラ

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    2024年03月13日
  • わたしのグランパ

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    真似できないカッコよさ

    表紙の女の子がかわいくて読みたくなった。
    今よく見るとグランパがその後ろにいる。
    気がついてないわけではなかったろうが眼中になかった。
    読後はグランパの方が心の大半を占めている。
    真似できそうにないカッコ良さだ。
    孫娘もなかなかしゃんとしていて、
    その目を通して語られるグランパはさらに魅力的だ。
    とんでもない展開とも思えなくもないが、先を読みたくさせる。
    『旅のラゴス』は読んでいた。冒険ものはおもしろい。
    それを日本の今ですると、ヤクザまがいになりそうだが、
    グランパは普通の人がなれないくらい真っ当な人だ。

    #共感する #カッコいい #アツい

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    2024年03月12日
  • カーテンコール

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    ネタバレ

    「文学やるなら常識捨てて、世間の糾弾身に引き受けて、何でも書くのがまともな作家」(コロナ追分より)

    「これがおそらくわが最後の作品集になるだろう」帯に大きくそのように書かれている筒井さんの作品集。1934年生まれの89歳。2020年末~23年、86歳〜89歳までの25作品が収録されている。
    巨匠であり、文豪。書き上げ、出版していただけたことがファンとして嬉しい。
    SF、ブラックユーモア、ドタバタ劇など、多彩な“筒井ワールド”がギュッと詰め込まれている。

    「書いている最中から、『もうこれ以上ないな』と思った」
    「書いたら面白そうだという着想はあるけど、書く前や書きかけて、『ああ、これ前に書い

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    2024年03月01日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    ネタバレ

    マジでやられたミステリ リスト作品

    読みたい本も積読本も多すぎる
    それゆえ再読というものを基本的にしないタイプだけれど、筒井康隆作品を集めるついでに買い戻した

    前に読んでからゆうに10年は経っている
    メイントリックは覚えている程度
    どんな話だったか気になったのと薄めの文庫なのでサクッと読んでみた

    初読時の混乱衝撃度は軽減していたが(え?君、だれ?)たしかに読んだ物語だと微かな記憶が蘇る感じが良かった

    最終章はこんなに重かったっけ
    救いのない結末だがきっちりハマってて腑に落ちる

    再読して作品のイメージと評価が変わったなあ
    一撃モノではない傑作


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    2024年02月08日
  • 時をかける少女

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    テレポ、タイムリープ系物語か。
    この手の、2周目の人生とかデジャヴ系の設定は、よくある手法として珍しくもなく色々と見かけるけど、1967年の新作としては斬新なSFだったことでしょう。
    しかもこの、時をかける少女は、メインではなく短編集の中の1作品なのに(知らんかった!)、漫画化され映像化され、
    カタチを変えながらリバイバルされて、いまなお舞台とかで上演されてるのってすごい。
    もはや時かけ過ぎ!
    初めて映画化されたのは自分が生まれた年のこと。
    もはや古典!
    主題歌も、ええなぁ耳に残る普遍的なメロディで、さっすがユーミン。
    もはやクラシック!

    ケン・ソゴルが「原則として過去の時代の人に未来のこと

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    2023年12月31日
  • 時をかける少女 (角川つばさ文庫)

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    ネタバレ

    言わずと知れたSFの名作。挿絵の和子の制服はセーラー服ではなく、ブレザーとリボンだが、まるで違和感がない。一夫の説明も今の時代でも納得いくものだし、これが昭和に書かれたものだとは信じられない。「時の女神」もタイムトラベルもので、時間移動を繰り返す一人の娘。謎も残しつつ、余韻が味わえる。「姉弟」と「きつね」は、少々切なさがある。

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    2023年12月30日
  • 短篇小説講義  増補版

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    かなり前に書かれた筒井さんのこの小説執筆論が、令和の時代に小説家になろうとする人間に、とても参考になる。

    昨今、小説投稿サイトの増加などに伴い、小説を書く人は激増している。新人向けの小説コンテストも多く、規模の大小を問わなければ、投稿できるコンテストは毎月十件くらいあるのではないか、と思う。

    そのような環境の中で、短編小説のあり方はまさに多様化していて、筒井さんが言う「小説は自由だ」との主張は説得力を増している。

    この本で紹介されている事例は海外作家のものが多いがゆえに、短編小説における様々な試行錯誤の事例が、テーマ選定、文章の構造の斬新さ、という視点に偏っていることは否めない。

    令和

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    2023年12月28日
  • 文学部唯野教授

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    筒井康隆のブラックユーモア小説。架空の大学「早治大学」文学部英米文学科の唯野教授を中心とする露悪的な大学組織のドタバタ劇と、唯野教授による文学理論の講義が交互に進んでいく。

    文学理論目当てで手に取ったが、筒井康隆のナンセンスで下品なユーモアが面白くかなり自分好みの内容だった。

    文学理論の方は、印象批評、新批評、ロシア・フォルマリズムまでは簡単だし、いかにも文学理論らしくて面白いのだが、第4講からはまるきり現代思想の話に。門外漢ゆえ分からないが文学理論ってこんなに思想にベッタリなんだろうか。ちなみに現代思想の解説としては、他の新書や一般書と比べてもかなり分かりやすいと思う。

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    2023年12月20日
  • パプリカ

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    Wikiによれば、筒井康隆は1965年に関西から東京に転居し、そこから本格的に作家活動を展開したらしい。第一短編集「東海道戦争」は1965年の発行ということなので、かれこれ60年近く前のことだ。最新の短編集「カーテンコール」は、2023年11月の発行、60年近くを経て、なお現役の作家であるという怪物のような人だ。ちなみに、1934年9月生まれなので、現在89歳。
    私自身は、筒井康隆の作品は中学生から高校生の頃によく読んでいた記憶がある。それ以来、遠ざかったいたので、50年近くぶりに筒井康隆の本を読んだことになる。

    主人公の千葉敦子は、精神医学研究所に勤めるノーベル賞候補の研究者であり、また、

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    2023年12月18日
  • 富豪刑事

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    タイトルと”筒井康隆の推理小説”に興味を惹かれて読んでみた。富豪刑事と聞いてなんでも金で解決する成金の卑しい刑事を想像してたけれど、自分の予想を遥かに超えた大大大金持ちで拍子抜けするような展開ばかりでおもしろかった。推理小説にしては怪しい犯人は常に1人しかいないんだけど、そのトリックを解く過程が好きな人は楽しめるかもしれない。筒井康隆の文中に挟む言い訳のような吐露も個人的に新鮮で、こういう作者の正直な胸中があからさまに書かれたおかげでちょっとクスッと笑える、おおらかな推理小説に感じた。

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    2023年12月04日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

    A

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    面白かった

    面白かった。
    前作では、人間の心理を描写するための表現上のツールとして
    テレパスが使われている印象だったが
    今作では、打って変わって、
    能力者バトルのような活劇
    超能力者の葛藤、超能力者同士の協力と対立などがあり
    とても面白かったです。

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    2023年11月30日
  • 聖痕

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    ネタバレ

    素晴らしい読書体験だった。

    幼少期に生殖機能を暴漢に奪われ、煩悩を知らずに育つ貴夫と周囲を描いた、一族の栄枯盛衰ストーリー。

    古風な語彙が非常に多く、最初は戸惑うが、段々とその文章に引き込まれてこうあるべきだと錯覚させられる。日本語の奥ゆかしさと、貴夫の聖人伝が融合して、難解だが居心地の良さを与えてくれる。

    終盤の仇敵を赦す場面などは、キリストそのものではないか。神々しい貴夫の姿が私に想起させられた。貴夫が作中で教祖と揶揄される、そして現実となるのは無理のないこと。

    貴夫一族がどのような未来を辿るのか、私の妄想は膨らむばかりである。

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    2023年11月26日
  • 堕地獄仏法/公共伏魔殿

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    ネタバレ

    モナドの領域同様、こっちも御書印巡りのときに買ったやつだったはず。モナドよりだいぶ昔のはずだが。
    こっちはSF短編集だった。小説の背景設定を見ると、だいぶ昔に書かれたものっぽくはあった。1964年から78年の作品。

    ・いじめないで
    出力が穴開きテープというだいぶ古いタイプの人工知能と、世界崩壊後に唯一生き残った男性がやり広げるドタバタ喜劇というか。酒をかけられたり、部品を破壊されそうになり怯える機械と、どんどん酔っ払っていく男性。そして最後には全部埋もれて終わり。登場人物が二人というミニマルな話。

    ・しゃっくり
    タイトルを見ただけでは内容が思い出せなかったが、交差点にいた主人公だけじゃなく

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    2023年11月26日
  • モナドの領域(新潮文庫)

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    それらしい事を言ってネタバレするのはイヤなので詳しくは書かない。
    とにかく面白かった。やはり筒井先生は最高だって事かな(笑)

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    2023年11月24日