筒井康隆のレビュー一覧
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ネタバレすごく意欲のある取り組みで面白かった
こんな作品がかなり前に出ていたなんて……
こんなに実験的な作品だとは思っておらず、タイトルの印象から男女の恋愛関係が主題なのかと思っていた。
中身を開くと挑戦的な設定に取り組む主人公が不思議な世界観の中で奮闘するという感じで、「パプリカ書いた人だな〜」という印象を受けた。主人公と友人の取り決めたルールが拡張されて、物語内の登場人物・世界にも影響が出るというのが面白い
中盤あたり、主人公の私小説っぽくなるシーンでは胸にくるものがあった。言葉を削られないと重大な事項、センシティブな事項に言及できない、というのはなんとなくわかる気がする。選択肢が絞られたが故 -
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コロナ禍の時期に書かれた全14編の短編集。いくつかは普通の小説(解説の小川哲のいう「小説空間」の立ち上がる小説)だが、大半は、言葉遊びメタ私小説群。実在の人物も、架空の人物も、「老年の希望の星筒井康隆」をやっている「筒井康隆」なんかも混然となったメタ世界。カッパッパルンパッパとか、コロコロコミックコロコロコロナとか、終いにゃ首尾よくラ・シュビドゥンドゥン(作詞・作曲:筒井康隆)ときたもんだ。いや、ラ・シュビドゥンドゥンは終いではなく、冒頭一作目「漸然山脈」に出てくるのだった。
しかし、この「ラ・シュビドゥンドゥン」、楽譜も載っているけれども、私は五線譜は読めない。どんな雰囲気の曲なのかは…Yo -
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ネタバレ筒井康隆自伝の続編として読んだ。2022年の年末から2025年の年末にかけての日記のようなものである。主に新潮の雑誌「波」に掲載された文書や書評などを集めたものである。文章の半分以上は何を食べたかの記録であり、その美食ぶりが凄まじい。一人数万円の食事はなんとも思っていないようである。実際、どこそこのレストランで何を食べて支払いがいくらであったかが詳細に綴られている。美食をした翌日などであっても簡単な食事で済まそうという気はさらさらないらしく、連日の美食三昧である。作品内で1年間で貯金が1000万円減ったという件があるが、収入は3000万円ともあり、4000万円使ったのか1000万円使ったのかは
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使える音が徐々に減っていく小説。音が消えるとそれを使うものが 実際に消えて行ってしまう世界。
読むのにかなり体力が必要だった。はじめはほとんど違和感なく進んでいくからいいのだけど、だんだんと難しい単語が増えていくから何を言いたいのかじっくり考えて辞書を引いていかないといけなかった。でもそれが楽しかった。
この本の後に読む本はいつもよりもサクサク読めると思う。トレーニングだ。
かなりメタ的な視点が含まれていて、作中の主人公が始めの方でいっていた現実と虚構が同時に起こっている感覚が少しわかった。
言葉が減ると登場人物の性格も変わっていくのが顕著に表れていて、人のパーソナリティと言葉が密接に関わっ -
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コピー&ペースト小説、漫☆画太郎小説、はたまた何度も見るが微妙に細部が違う夢小説、サザエさん小説、走馬灯小説、エンドレスエイト小説 形容できません
多分、真面目な読者程序盤早々に面を食らって本を閉じるか呆れると思うけれど、よく耳にする日本音楽を頭に浮かべて欲しい。恐らく同じ単語は繰り返されているし、何なら背景に流れる音楽は何周か同じフレームが流れているはず。そのガワを文学に取り入れたのがこの作品だと思う
物語、ストーリーテリングより技法運営を見る本、だろか。
何か20年後くらいの僕の頭の中、見え方はこうなっているような気がして。そんなこと考えながら読んでいたら本編339頁に4時間もかかりまし -
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ネタバレ職場の人に借りたもの。
筒井康隆は名前だけ知っている状態だったが、たいへん面白い。主人公の七瀬がいろんな家庭で人の心を覗き見るオムニバス形式。
夫婦や家族の在り方は、どの時代も似たようなものなのかもしれないと思えた。
好奇心で家庭に踏み込む七瀬を無鉄砲に感じたり、でも年頃の女の子らしいと感じたり、能力のせいか歳のわりに達観している様子も受けとめやすかった。
続編を見たくなった。
ちょくちょく表れる男性の欲望は、女性からするとやはり狂気で気持ちが悪く、恐ろしい。
「水蜜桃」は特にだった。自分も10代、20代の頃はよく変な男の目線や言葉に傷ついてきたが、素晴らしく気持ち悪い性欲を表現しているなと -
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マルチバース(という言葉)もインターネットもない頃に、これらがもたらした世界の中での自我というものが表現されていて凄いと思うし、終章に出てくる、「はっきりした本物などはない、それらもパロディ(模倣)である」という感覚も、生成AI作品時代を予見しているようだ。
著者の描く、非現実的な光景やドタバタの状況は、読んでいて「何が描かれているか」がわかりやすく伝わってきてストレスがないのを実感した。これは説明が筋道だって的確だからだろうと思う。
違和感を覚えた世界からの脱走という切り口での自我からの逃走というテーマが最後まで明確に貫かれていて、少し理屈っぽいというか、全編ドタバタではあるものの、個人