筒井康隆のレビュー一覧
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『怖いのは音が消える世界ではなく、作者の突出した語彙力なのではないか』
本作は五十音の“音”が消えていく世界を、あくまで実験的に描いた作品。
音が消えていくのだから、その世界において使われる言葉も段々と限られてくる。
例えば、“あ”という音が消えれば、『愛している』や『明日』と言った言葉は失われる。
だが、突然消える音に苦しみながらも、なんとか類似する言葉で物語を進められているのを見て、驚愕してしまった。
もちろん音が失われていくのだから、使用される言葉が難解になり続け、『あの言葉の代用か!』と考える時間が増える為、サクサクと読み進めることは難しくなる。
そして、それは非常に重い愛のメッ -
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作品紹介・あらすじ
91歳、最後の文豪の途方もない人生
「この自伝は極力、自分が見聞きし体験したことに限っている。」
生まれて最初の記憶、初恋、戦時中に過ごした幼年期、映画とジャズ漬けになった少年期、演劇に夢中になった青年期、同人雑誌から作家デビューし時代の寵児となり、断筆宣言を経て現在の活躍まで。最後の文豪、“笑犬楼”こと筒井氏が驚異の記憶力でつづる、濃密なるライフヒストリー!
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一時期、星新一氏のショート・ショートと筒井康隆氏の作品を交互に読むのが習慣になっていた。どちらの作品も大好きで、今でもたまに読み返すことがある。残念ながら星氏はすでに故人となってしまったが、筒井 -
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「もしひとつの言葉が消滅した時、惜しまれるのは言語かイメージか」
題名だけ知ってるいわずとしれた名作を読んでみよう第2弾!
まさに実験小説…!
いわゆるメタ的小説なんだけど、これが1995年に記されているのがすごい。
小説を読み慣れていないとめちゃくちゃ時間かかるし、消えていった言葉を模索しながら読んでたらとてもじゃないけど途中で投げ出してしまう、と思ってエンタメ小説として読み終えました。
老後に時間かけてつぶさに読みたい気もするけど、(余程の物好き、文学オタクでない限りは)そこまで検証して読むものでもないようにも思う。
解説では、小説内の五十音の定義・消失の流れについて細かに分析されてる -
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ネタバレ世界から1文字ずつ音が消えていく
あまりにもインパクトのある謳い文句の小説があると教えてもらってすぐに買った本。音が消えていってしまうから仕方がないのだけれど、とにかく出てくる言葉が難しい。まじで難しい。わからない言葉が多すぎて、ずっと読書のお供はグーグルレンズだった。(グーグルレンズがある便利な時代に生まれられた幸福を再認識した。感謝。)読み進めるのに頭も時間も使うから、まったくさくさく読めず、読む事自体疲れるのがわかっているからたまにしか読まずで、何年もかけて読む羽目になった。(勿論良い意味で)
ストーリーは正直突飛に感じてしまう部分もあったけれど、1989年に発売しているらしいので、 -
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ネタバレなんで裏表紙にメタ・ミステリーって書くんだよー。最後のちょっと感傷的な終わり方にもはまったから、何も知らずに読んでたら文句なしに★5つついたのにー。メタだってわかってたせいで、途中で”おれたち”って表現の不自然さに気がついたもんな。そのせいで最後の衝撃は絶対にちょっと薄れちゃってるって。とか言いながら、俺もここに書いちゃってるけど。とにかくミステリーに関しては、あとがきもオビの解説もない方がいいっていうのは、ある意味真実かもしれない。
基本的に、俺って密室トリックみたいな正統派のものより、叙述トリックみたいなメタな方が好きみたいだな。「十角館の殺人」に対する評価があれほど高いのも、生まれて -
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ネタバレ作者の破天荒かつ露悪趣味の作風が極めて目立つ作品集であった
第1作目の『九月の渇き』は読むも不快にさせる描写が多いながらもオチがアフターコロナを彷彿させ読み応えのある作品
『天の一角』では一転させて社会派というべき作品ではあるが、その内容はかなりブラック
現在のネット民における死刑肯定論者に一石を投じるような作品で現在読んでも色褪せない
後半の『妻の惑星』、『家族場面』は虚構と現実と私小説とごった混ぜにした様なカオスチックな内容となっており、そのストーリーの内容は何とも理解し難い話になっているが、その異常な内容こそが魅力となっており理解しがたいながらも読み応えのあり奇妙な読書体験ができる -
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読む前は小難しい文学のお話が最初から最後まで続くのかと思っていたが、大学教授たちのドタバタ劇場があちこちで展開されるスラップスティックな小説だった。ブラックユーモアに溢れ、象牙の塔ともいわれるアカデミズムの世界を痛烈に批判。大学教授というと自分を律して研究に打ち込むイメージが先行するけど、小説内に登場する教授たちは欲深くて嫉妬深くて非常識でドジでマヌケで愛すべきおじさんたちばかりだ。
各章の前半部分はMrビーンが出てきそうなコメディー。後半では唯野教授による文学、哲学の授業という緩急のある構成。読み進むうちに筒井康隆の世界にどんどん引き込まれていくが、なにぶん無教養のため唯野教授の授業が難しす -
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何という壮大なラストなんだ。
読み終えたけど凄すぎて言葉が出ない。
第一作『家族八景』の家政婦から始まって、
第二作『七瀬ふたたび』で超能力での戦い、
そして本作、全てを超えて宇宙?、神?、精神世界とスケールが大き過ぎて頭が追い付かない。
テレパスを持った家政婦からこんなラストを誰が想像できるだろうか。
本書を読んでいてずっと気になっていたことがある。
まずタイトルのエディプスとは何だろう?
そして二作目の超能力暗殺集団と、ラストで七瀬はどうなったんだ?
エディプスとは調べればすぐ分かった。
ギリシャ神話の『オィディープス王』の物語に因んで名付けられたようだ。(オィディープスが父を殺し実 -
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ついに、あの七瀬が帰ってきた!
美しきテレパス火田七瀬が。
本書ではどんな七瀬が見られるか読む前から期待で胸がいっぱいだ!
地ひびき。震動。
横なぐりの衝撃。
傾く車体。悲鳴。 ガラスの割れる音。
冒頭から何やら物騒で波乱の予感、物語は汽車のなかから出発し凄絶な旅に出る。
今回の話は凄い展開で別の物語のようだった。
まさかお手伝いさんの話からここまでスケールの大きい物語になるとは思いもよらなかった。
何が凄いかというと、前回と打って変わっていろいろな超能力者が登場するところ。
まるで映画のX-メンのよう。
それぞれの超能力者がどんな役割りを果たすのか、敵なのか?味方なのか?。
なんか -
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小説内小説?かなり実験的な小説だった。
現実も人間が捉えた形でしか存在しないのだから、現実とフィクションの境目ってないのでは?という問いから始まり、小説家が書いたものが現実であるというテイで物語が進む。
前半はワードだけ隠されたクイズみたいになってかなり頭を使った。途中から諦めた。
表題のフレーズが出てくる箇所は主人公のちょっとキモめの感傷といった感じだった。
小川洋子の密やかな結晶を先に読んでしまったのでそちらのことを考えてしまった。
後半は抒情詩みたいで味わい深かった。制限があると文章はより美しく、真に迫った感じになる。
終わりがとても良い。終わりがとても良い。 -
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七瀬3部作の2冊目
読心力を持ち20歳になって美しく成長した
火田七瀬
ここではお手伝いさんを辞めている
母の住む家へ向かう途中の列車の中から始まる
その列車の中で3歳の男の子ノリオと遭遇
ノリオもテレパスで、心を読む事が出来るため、
継母に疎まれ虐められていた
同じ列車内で、強力な予知能力を持つ岩淵恒夫
とも知り合い、事故で転覆する列車から3人だけは恒夫の予知力で助かる
七瀬は3歳ノリオを保護して二人で生活している
その後知り合う透視能力を持ち悪用して邪悪な心を持つ西尾と戦い勝つ
念動力を持つヘンリーは、七瀬の味方
漁(すなどり)藤子17歳はタイムトラベラーで七瀬の親友となる
いろいろ