筒井康隆のレビュー一覧

  • 笑うな(新潮文庫)

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    「百年の孤独」の解説が筒井氏で、久しぶりにあの文体に接して、やはり久しぶりに再読した次第です。
    高校時代、相当沼にハマり、新潮文庫を買い漁り読み漁り…その中でも大好きだった「男たちのかいた絵」「俗物図鑑」七瀬シリーズ…そしてこの、「笑うな」。
    やっぱり好きですね。
    このショートショート集の中でも好きなのが、表題作の「笑うな」、「トーチカ」「産気」「流行」。「傷ついたのは誰の心」は、あらためて読むと筒井版「藪の中」ですね。
    何でしょう、この独特のユーモア。やっぱり好きだなあ。
    この本、一生手放せません。

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    2025年02月14日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    久しぶりに壮大なSFの世界観に陶酔してしまった。筒井康隆先生はやはりSF御三家と称されるだけある。

    「彼」を包括する"意志"というものは宇宙、言ってしまえばこの世の全てとも言えるだろう。非常に不確実で抽象的な存在である。同時に「彼」という一人の人間に向けられた母性でもあるということ。この、明白なコントラストに筒井康隆の色が感じられた。

    記憶が薄れて来た頃にまた読みたい。

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    2025年02月12日
  • 時をかける少女

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    先日、さてさてさん なおなおさんとタイムトラベルの話で盛り上がったことから、懐かしいこの作品を読みたくなった。

    いくつも映像化されている作品だが、私は細田守監督のアニメ映画が好き。
    この原作もうんと昔に読んだはずだが、こんなにシンプルだったんだと、少し驚いた。
    私の頭の中で勝手に上書きされていた感じかな。

    そうそう、〝ラベンダーのかおり〟に憧れを抱いたな。
    あの頃は、どんな花だろう?って思った。

    今読むとセリフの言い回し等に時代を感じ、ちょっと笑える。
    でも青春の、胸の奥がつんとする気持ちは昔も今も変わってなくて、やっぱりキュンとしちゃう。

    シンプルなストーリーだからこそ色んな作品に生

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    2025年02月01日
  • 家族八景(新潮文庫)

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     人が、目に見える形では表さない、内に秘めているちっぽけなプライドや他人を見下す優越感、思い込み、それらを主人公のテレパシー能力を通して視覚化した作品だった。
     内に秘めているものがその人の性格なのか、内に秘めようと努力する姿勢がその人の性格なのか。

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    2025年01月17日
  • パプリカ

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    気はしっかり持とうってことだな。

    面白いが、もっともっと早く中高くらいで出会っていたら、どハマりして筒井康隆全部読みたい!ってなってたかも。ポケットには底があるから。

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    2025年01月07日
  • 時をかける少女

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    「時をかける少女」
    原田知世や尾道を思い出すのか、細田守のアニメか、NHKの学園ドラマか。
    いずれにしても甘酸っぱいセピア色の風景が、心に広がる。

    ラベンダーという植物を知り、北海道の美瑛に憧れ、「ラベンダーの香り」「ラベンダー色」に特別感を抱き、アイスクリームやアロマをありがたくいただく。
    この小説以前と以降では、まるでタイムトラベルで別の世界に入り込んだみたい(ちょっと大袈裟)……。

    今で言う“ヤングアダルト小説”ではあるが、描かれる現代と未来では、必ずしも未来が良いとは限らない。
    人類の進歩がもたらし、失うものはなにか、ちょっと考えるのも良いかも。

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    2025年01月03日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    SFの神様 『筒井康隆さん』による超能力を
    題材としたSF小説。シリーズ物の第2弾で
    前作は『エディプスの恋人』どちらも傑作です。

    あいての思考を読み取る能力をもった主人公
    「七瀬」はその能力ゆえに命を狙われます。
    ある列車の中、似た能力をもつ3歳の少年との
    出会いで物語は大きく動きだす…というお話。

    人智を超えた能力ではなく、日常から大きく
    はみ出さない程度の能力を用いて物語を展開
    させていくプロセスにとても魅力を感じる本作。

    異能力×筒井康隆 が、かけあわされれば
    些細な日常すら壮大なSFになり得るんだと
    感じさせてもらえる作品です。ぜひ読んでみてね。

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    2025年01月01日
  • 文学部唯野教授

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    学生時代に買ってまだ本棚にあったのを再読。

    唯野教授の講義という形で文学理論が分かりやすく解説されている。
    印象批評からロシア・フォルマリズム、記号論や構造主義などが取り上げられており、文学理論概説として役には立つ。

    なにぶん30年近く前の本なので、今の最新の文学理論に言及している筈もなく、今はもっと色々な理論が出ているのだろうが、少なくとも今の私は文学理論よりも世界情勢や現代社会の仕組みの方に興味を引かれるみたいだ。

    前よりも小説を読まなくなったしな…。

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    2024年12月22日
  • 笑犬樓よりの眺望

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    筒井康隆さんの小説以外の文章を初めて読んだ。
    たまにこういう思考の主人公が出てくる短編を書いているが、自分がモデルだったんだな。

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    2024年12月20日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    4.0

    ラスト数ページが全て。
    こう来ましたか!
    という驚きとともに子寂しい読後感。
    賛否両論あるだろうが、40年以上前の作品ってことを考えると凄いなと

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    2024年11月30日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    旅+書&異国は面白い 面白かった。昔の、どこか異国の中東あたりにいる主人公が旅をする話。主人公が知的で読書家でもあったことがなおさら面白さを増した。また一生、旅をし続けることも。軽めのSFでちょうどいい感じ。

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    2026年03月14日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    3.9

    一作目とがらっと違う作風だが、
    七瀬の成長が随所に感じられ嬉しい。
    最終作、どのように展開していくのか楽しみ

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    2024年11月16日
  • にぎやかな未来

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    ブラックユーモアに溢れたショートショート。
    ディストピアを描いたものが多かった印象。
    「亭主調理法」「マリコちゃん」「お助け」には少しゾクッとさせられた。
    表題作の結末も面白い。
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    巨匠・筒井康隆の、とびっきりブラックで笑える掌篇集。解説・星新一。

    「超能力」「星は生きている」「最終兵器の漂流」「怪物たちの夜」「007入社す」「コドモのカミサマ」「無人警察」「にぎやかな未来」など、41篇の名ショートショートを収録。

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    2024年11月12日
  • 定本 バブリング創世記

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    何かしらの概念が爆発した。どの枠にも当てはまらない「筒井康隆」というジャンル。表題作、読んでてわくわくが止まらなかった。

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    2024年10月22日
  • 時をかける少女

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    ネタバレ

    筒井康隆の小説を、実は初めて読んだ。
    時をかける少女については映画すら観たことがない。そんな私のレビューです。

    時をかける少女はもっと長編小説だと思っていた。意外と30分くらいで読めてしまった。そして文庫本に他の短編小説も2篇収録されているとは知らなかった。

    「時をかける少女」については、もっともっと最近の作品だと思っていたので登場人物の名前の古さや言い回しの古さに最初は戸惑った。でも、文体は読みやすいし、心理描写には親しみがもてた。これくらいの長さの小説にしては話の構成起承転結がしっかりされていて、読みやすいとも思う。続編ないのかな?と一瞬思ったが、あの終わり方なら、続編がない方が良さそ

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    2024年10月05日
  • モナドの領域(新潮文庫)

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    バラバラ殺人事件をきっかけにして、美大教授の肉体を借りた神様に近い存在、自称 GOD が現れる(大文字3字だが、ジー・オー・ディーでなく、ゴッドと読んでいいのか不明)。

    GOD は、未来に関することを除き、人々のあらゆる質問に答えを与える。
    これによって GOD はあらゆる物事を時間を超えて理解し人智を超越した存在、創造主であることが明るみになってゆき、人々は GOD が神に近い存在、創造主であることを信じざるを得なくなる。
    こうして、ごく一般の人々に加え、警察、弁護士、裁判官、マスコミをどんどん巻き込んでゆく。

    GOD は人間の生み出した「哲学」を媒介とすることで、人々の質問に答え、ま

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    2024年08月14日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    筒井先生のノリノリ時代の作品を集めた一冊。「パニック短編集」というより、「スラップスティック短編集」?
    「アフリカの爆弾」を半世紀ぶりに読みました。いわゆる「差別用語」も頻出なので、今とのなっては新作として発表できないかもしれません。面倒なところもある世の中となりました。
    「ヒノマル酒場」を筆頭に、「新宿祭」「農協月へ行く」あたりが好み。

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    2024年08月06日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    めちゃくちゃ面白かった!!20年以上前に見た、木曜の怪談のドラマの展開が細かく思い出せる!あれは、だいぶ原作に準拠した作りだったのか。

    主人公の火田七瀬が、テレパス(心を読む)能力を持つことで、社会に折り合いをつけるべく旅を続ける話。50年前の作品とは思えないぐらい瑞々しい作品だった。これは、もう一つのSFの完成系なのでは?と思うぐらい。

    早く次の筒井康隆作品を読みたい!!

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    2024年07月17日
  • パプリカ

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    映画版の方が見ていたとはいえ、やや厚めだったため、覚悟をして手を出したのですが、ちょうどお風呂に浸かりながら読みやすい(風呂でいつも読んでいる)章立てで、ストーリー立ても常に何かしら動いている感じなので、飽きずに最後まで読み通すことができました。
    夢と現実が混じる荒唐無稽なシーンはもちろん楽しく、そこに行きつくまでの過程も、細かい部分は適当に処理して、まあまあ納得感のある情報だけはもらえていたので、かなりスッと頭に入ってくる感じがしました。
    ラストの流れも解釈は色々ありそうですが、筒井先生のいたずら心のひとつかな、とも解釈しました笑

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    2024年07月16日
  • 誰にもわかるハイデガー 文学部唯野教授・最終講義

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    ハイデガーの入門編として、100分de名著や新書と合わせて読みたい本。入門書を読むたびにハイデガー特有の言葉に辟易するが、具体的なストーリーと合わせて説明されると、なるほどそうだったのか、とわかったような気になる。ここでいうわかったということとか、ハイデガーを入門するということとか、どうも死を隠す空談のように思えるが(死は入門してはくれない!)、自分勝手に理解するというのもまた違う話なので、死を眼の前にしながら恐る恐る入門するというなんとも不思議な感じだ。まぁ解説にもあるが、時にはユーモアも必要だろう。

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    2024年06月26日