筒井康隆のレビュー一覧

  • 家族八景(新潮文庫)

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    「七瀬ふたたび」という題名だけは
    どこかしらで聞いていたから
    知っているつもりになっていた
    七瀬はシリーズものだと知って
    初めて読んでみた

    読み始めはなんでもないまるで
    「家政婦は見た」みたいな
    家政婦が心を読めたなら‥
    みたいな感覚で読んでいたが、
    じわじわと七瀬の可愛らしさと怖さと
    なんとも言えない感じが
    やめられなくなった
    最後の「亡母渇仰」で
    そうきたかあーとなって
    もう止まらない状態になった
    すぐに次読みますとも

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    2025年05月11日
  • カーテンコール

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    カーテンコールという本のタイトル通り、
    筒井康隆劇場の幕引きのような意味合いなのでしょうか
    息子さんとの夢での邂逅を書いた川のほとりや
    小さい頃の乳母との思い出を書いたお咲の人生、
    人魚と鮑の恋がかわいい横恋慕など掌篇小説25篇
    それぞれ趣が異なった小説でとても楽しめました
    昔の筒井さんのご本も読んでみよう

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    2025年04月29日
  • 時をかける少女 (角川つばさ文庫)

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     “時かけ”は、ふつうの角川文庫版で去年読んだが、子どもが角川つばさ文庫で読んで面白かったというので、“時かけ”終盤のみ再読と、その他の収録短編「時の女神」「姉弟」「きつね」を読んだ。
     「時をかける少女」は、未来の世界の話が興味深いのと、甘ずっぱい恋の味にキュン。時にはこういうのを読みたくなる。「時の女神」ちょっと怖かったが、愛…?「姉弟」これはつばさ文庫的にOKなのね、とか思う私の読み方がよろしくないのか。「きつね」短いながら可愛い(?)会話劇。子どもは、時かけときつね(並べるといよいよそばっぽいが)が面白かったとのこと。

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    2025年04月19日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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     再読だが綺麗さっぱり記憶が消えていたので、こんな真相だったかと純粋に驚く。もっとミステリー初心者の頃に読みたかった。読みにくいと感じていたこともすべて伏線。動機もコナン君並みにぶっ飛んでるし、クローズドサークルでもなく警察が邸内を捜査している中次々と事件を起こすなどツッコミ所も多いが、それもまた本格の醍醐味。ロートレックの絵を親切にも載せてくれてはいるものの、絵にヒントが隠されている等の仕掛けはない。映像化不可能作品。

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    2025年04月06日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    七瀬3部作の最後の本

    人の心が読める力を持つ七瀬

    2作目の最後で生き果てたと思いきや、唐突に普通にある高校の事務員として働く七瀬から始まる

    何だったんだろ?と思ったけど、それにも実は理由があった

    神ともいえる意志が七瀬の人生を翻弄する
    その意志は、全能の力を自分の夫と、特に息子のために使う

    神なのに、ものすごく自分勝手で、親バカの極致ではないか

    けど、中には嫉妬して相手を貶めたり、気に入らない物を殺したりする神もいる

    それは神じゃなくて、大きな意志と呼ぶ方があってるのかもしれない

    神について少し考えた一冊だった

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    2025年03月18日
  • 残像に口紅を

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    世界は文字でできている。
    そういっても過言ではない。
    文庫も良かったが、マンガでもとても深い内容でした。

    しかし、こんなことを考えている作家さんってすごすぎる。
    しかもこの考えをストーリーにしてしまうのだから。

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    2025年03月09日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    目まぐるしい展開。前作の家族八景とは少し趣が違っていて、ハラハラしながら読んだ。
    最後、あれはどうなんだろう。
    次作のエディプスの恋人も早く読みたいと思っている。

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    2025年03月08日
  • 笑うな(新潮文庫)

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    「百年の孤独」の解説が筒井氏で、久しぶりにあの文体に接して、やはり久しぶりに再読した次第です。
    高校時代、相当沼にハマり、新潮文庫を買い漁り読み漁り…その中でも大好きだった「男たちのかいた絵」「俗物図鑑」七瀬シリーズ…そしてこの、「笑うな」。
    やっぱり好きですね。
    このショートショート集の中でも好きなのが、表題作の「笑うな」、「トーチカ」「産気」「流行」。「傷ついたのは誰の心」は、あらためて読むと筒井版「藪の中」ですね。
    何でしょう、この独特のユーモア。やっぱり好きだなあ。
    この本、一生手放せません。

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    2025年02月14日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    久しぶりに壮大なSFの世界観に陶酔してしまった。筒井康隆先生はやはりSF御三家と称されるだけある。

    「彼」を包括する"意志"というものは宇宙、言ってしまえばこの世の全てとも言えるだろう。非常に不確実で抽象的な存在である。同時に「彼」という一人の人間に向けられた母性でもあるということ。この、明白なコントラストに筒井康隆の色が感じられた。

    記憶が薄れて来た頃にまた読みたい。

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    2025年02月12日
  • 銀齢の果て(新潮文庫)

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    おもろかったなぁ。まず老人相互処刑制度の略称がシルバー・バトルなの人の命が掛かってる割にコミカル過ぎるし。一面に象出てきた時は外出中やったけど面白すぎて声出た。ほかにも「なんでそうなるねん」って場面が所々あって、笑いながら楽しく読めた。語り口調はコミカルだけど、散り際は呆気なくて淡白なのが良い塩梅で好きだった。

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    2025年02月02日
  • 時をかける少女

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    先日、さてさてさん なおなおさんとタイムトラベルの話で盛り上がったことから、懐かしいこの作品を読みたくなった。

    いくつも映像化されている作品だが、私は細田守監督のアニメ映画が好き。
    この原作もうんと昔に読んだはずだが、こんなにシンプルだったんだと、少し驚いた。
    私の頭の中で勝手に上書きされていた感じかな。

    そうそう、〝ラベンダーのかおり〟に憧れを抱いたな。
    あの頃は、どんな花だろう?って思った。

    今読むとセリフの言い回し等に時代を感じ、ちょっと笑える。
    でも青春の、胸の奥がつんとする気持ちは昔も今も変わってなくて、やっぱりキュンとしちゃう。

    シンプルなストーリーだからこそ色んな作品に生

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    2025年02月01日
  • 銀齢の果て(新潮文庫)

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    老人であることは悪なのか、平等や差別とは何かを読者に考えさせる一冊。(深刻すぎない描写)
    シルバー相互処刑内容についての記載が割合多く、I度読んだので満足。
    登場人物全員よくいるじじばばなのに、全員が見事に交代交代主人公になるところが秀逸。

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    2025年01月21日
  • 家族八景(新潮文庫)

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     人が、目に見える形では表さない、内に秘めているちっぽけなプライドや他人を見下す優越感、思い込み、それらを主人公のテレパシー能力を通して視覚化した作品だった。
     内に秘めているものがその人の性格なのか、内に秘めようと努力する姿勢がその人の性格なのか。

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    2025年01月17日
  • パプリカ

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    気はしっかり持とうってことだな。

    面白いが、もっともっと早く中高くらいで出会っていたら、どハマりして筒井康隆全部読みたい!ってなってたかも。ポケットには底があるから。

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    2025年01月07日
  • 時をかける少女

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    「時をかける少女」
    原田知世や尾道を思い出すのか、細田守のアニメか、NHKの学園ドラマか。
    いずれにしても甘酸っぱいセピア色の風景が、心に広がる。

    ラベンダーという植物を知り、北海道の美瑛に憧れ、「ラベンダーの香り」「ラベンダー色」に特別感を抱き、アイスクリームやアロマをありがたくいただく。
    この小説以前と以降では、まるでタイムトラベルで別の世界に入り込んだみたい(ちょっと大袈裟)……。

    今で言う“ヤングアダルト小説”ではあるが、描かれる現代と未来では、必ずしも未来が良いとは限らない。
    人類の進歩がもたらし、失うものはなにか、ちょっと考えるのも良いかも。

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    2025年01月03日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    SFの神様 『筒井康隆さん』による超能力を
    題材としたSF小説。シリーズ物の第2弾で
    前作は『エディプスの恋人』どちらも傑作です。

    あいての思考を読み取る能力をもった主人公
    「七瀬」はその能力ゆえに命を狙われます。
    ある列車の中、似た能力をもつ3歳の少年との
    出会いで物語は大きく動きだす…というお話。

    人智を超えた能力ではなく、日常から大きく
    はみ出さない程度の能力を用いて物語を展開
    させていくプロセスにとても魅力を感じる本作。

    異能力×筒井康隆 が、かけあわされれば
    些細な日常すら壮大なSFになり得るんだと
    感じさせてもらえる作品です。ぜひ読んでみてね。

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    2025年01月01日
  • 文学部唯野教授

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    学生時代に買ってまだ本棚にあったのを再読。

    唯野教授の講義という形で文学理論が分かりやすく解説されている。
    印象批評からロシア・フォルマリズム、記号論や構造主義などが取り上げられており、文学理論概説として役には立つ。

    なにぶん30年近く前の本なので、今の最新の文学理論に言及している筈もなく、今はもっと色々な理論が出ているのだろうが、少なくとも今の私は文学理論よりも世界情勢や現代社会の仕組みの方に興味を引かれるみたいだ。

    前よりも小説を読まなくなったしな…。

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    2024年12月22日
  • 笑犬樓よりの眺望

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    筒井康隆さんの小説以外の文章を初めて読んだ。
    たまにこういう思考の主人公が出てくる短編を書いているが、自分がモデルだったんだな。

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    2024年12月20日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    4.0

    ラスト数ページが全て。
    こう来ましたか!
    という驚きとともに子寂しい読後感。
    賛否両論あるだろうが、40年以上前の作品ってことを考えると凄いなと

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    2024年11月30日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    ネタバレ

     各登場人物の呼び方が、犯人を見つけるポイントとなる。一見すると犯人の行動だと思いがちだが、実は別の人物の行動だったというように、本作の叙述トリックは巧妙で秀逸である。本作の終盤では、犯人がどんな動機で、どのようにして殺人を実行したのかを具体的に書いてある。最後のページでは、犯人の心情が描写されており、犯人の背景をふまえると、なんともやるせないと思ってしまう。

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    2024年11月24日