筒井康隆のレビュー一覧

  • 48億の妄想

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    ネタバレ

    まるで今のインスタ至上主義な世の中を描いているような作品。誰もが他者の「まなざし」を意識してお芝居をするかのように日常生活をつくり、有名人になることや承認されることしか考えてない。その世界の先になにがあるか。これを40年以上も前に、31歳で書き上げた筒井康隆は天才だ…。

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    2018年01月09日
  • 笑うな(新潮文庫)

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    短編34編。中には見開き2ページというすごい(?)ものもあったが、どれも面白い。落語にインスパイアされたオチに、相変わらずのドタバタナンセンスに、思わずニヤリとさせられた。解説の横田順彌は管見にして知らず。ハチャハチャSFには興味がないが、明治研究の著書は読んでみたい。

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    2017年12月16日
  • 農協月へ行く

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    その昔、中学生か高校生のころ読んだ記憶があって、40年ぶりに再読してみた。農協のおかれた状況は異なっているとはいえ、農協をベンチャー企業とでも置き換えて読めばやっぱり笑っちゃう。人の本質って変わらないよね。「不幸なやつがいるために自らは幸福だといって喜ぶ」この真実を言い切れるのは筒井先生だけだと思うのだ。

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    2017年12月04日
  • 男たちのかいた絵(新潮文庫)

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    同時に『プリズンホテル』を読んでいることはセレンディピティと言えるかも。しかし、著者の描くヤクザの世界はかなり倒錯している。いきなりのホモ。そして終いには獣姦だ。各短編のタイトルもふるっていて良かった。

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    2017年11月26日
  • 夢の木坂分岐点(新潮文庫)

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    虚構の中の夢、夢の中の虚構
    入れ子になった世界に迷い込んだ意識は深く進むことはあっても遂に基底的な現実に戻ることはない仮にそこが現実だとしても
    とにかくメタメタメタ
    唯一の救いは夢の中の秩序だろうか

    巻末の解説が非常にわかりやすかった

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    2017年11月12日
  • 48億の妄想

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    筒井作品は高校生の頃にはまり込んで読んだ。第一部でマスコミ、特にテレビに踊らされている送受信双方の人間模様がシニカルに書かれている。昭和51(1976)年に設定された本作品は、その10年前の1965年に出版された。近未来を描いたものだが、21世紀に生きる我々の目から見ても笑うに笑えない部分がある。そして第二部の韓国と日本の海戦で、TVで見たフィクションとしての戦争と現実の戦争がいかに乖離しているかを通して、TVの虚構性を浮き彫りにしている。高校生だった自分よ、果たして理解して読んでいたのか?

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    2017年08月19日
  • 笑うな(新潮文庫)

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    グロい(;゚Д゚)と思いながらも読んでしまう話もあり、惹きつけられた。
    最後の一文で笑ってしまう話もあり、電車の中で読んでたら危なかったかも笑

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    2017年07月04日
  • 笑うな(新潮文庫)

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    ブラックユーモア主体の短編集。寓話の駝鳥、郷愁が優しい座敷ぼっこ、厨二病どっぷりのトーチカ、禁忌の末世法華経など表現に幅がありすぎるのにどれもきちんと作家らしさが立っていて素晴らしい。どの話もオチてるのかそうでないのか、という〆方が小粋ですき。

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    2017年05月07日
  • 銀齢の果て(新潮文庫)

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    老人版バトル・ロワイアルって言われるこの作品。リアルなんだけども、老い先短いってことが、生への執着の薄さにつながっているような気がして、映画で見たバトル・ロワイアルに比べると物足りなかったなーとも思う。
    しかし、多かれ少なかれ、この手の姥捨山的な扱いは、自分な年とった時にはあるものだろうなとも思う。覚悟していきたい。

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    2017年05月07日
  • 佇むひと リリカル短篇集

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    リリカル…今さっきその意味を調べてみたんですけれども、なんでも「叙情的」だとかそんな意味らしいのですけれども、果たしてその意味するところが本書の個々の短編に当てはまっているかと言えば…どうでしょう!?

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、切ない…みたいな読後感に浸る短編もありましたけれども、基本的には筒井氏の想像力と言いますか、よくこんなお話思いつくな…とまあ、解説の小池真理子さん?と似たような感想になりましたねぇ…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    僕も小池さん同様、ラストの「母子像」とかいう短編に恐怖と凄い…といった感嘆の思いを抱きましたね! 設定もさることながら主人公の男の感じている

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    2017年01月07日
  • 虚航船団(新潮文庫)

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    筒井康隆の才気が爆発し、「全体小説」の如く、日本を含む現実世界をカリカチュアライズした傑作。

    「私とは何か?」という問いを各人が持ち、不可思議な行動を取り続ける擬人化させた文房具の世界は、あたかも吉本隆明の詩作に出てくる以下の言葉を想起させる。

    「ぼくが真実を口にすると ほとんど全世界を凍らせるだらうといふ妄想によつて ぼくは廃人であるさうだ」
    (吉本隆明「廃人の歌」 「転位のための十篇」より)

    何から何までが狂っていて、にも関わらずこれが架空の世界とも思えない現実性があるところが恐ろしい。

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    2016年11月20日
  • 夢の木坂分岐点(新潮文庫)

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    世界に存在していると確認できるのは「私」という存在の精神だけである。これは独我論の基本認識であるが、しかしその「私」が唯一の存在であるということまでを独我論は示すものではない。もし仮に「私」という精神を表象する人間が複数人存在し、それぞれ固有の世界で生きているとしたら?

    本書はそうした一種の思考実験を、虚構の小説世界における「虚構内存在」である主人公の意識を複数に分散させることで示そうとする。読んでいるうちに、「なぜ私という存在が唯一しか居ないと言い切れるのか」という不安を感じながら、作品世界を楽しむことができる。

    小説の主要なテクニカルタームである心理学的ロールプレイについては、初期作品

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    2016年11月12日
  • 佇むひと リリカル短篇集

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    筒井康隆氏らしいシニカルさを備えつつも哀愁漂う短編集である。技法はいわゆる擬人化や象徴化といった凡庸なものだが、小説の表現手段を知り尽くしており、例えば表題作『佇むひと』のように退廃したやや悲観的な未来像と相まって、読者に不思議な感情を起こさせる(この感情がリリカルというものか)。

    個人的に好きな作品は『わが良き狼』『白き異邦人」で、『旅のラゴス』を思い起こさせる作品であった。

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    2016年11月01日
  • にぎやかな未来

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    皮肉っぽいラストとショートの読みやすさがよかった
    ものすごいショートでシンプルな到着とかはそれこそあーと思ったら終わってた

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    2016年10月04日
  • 文学部唯野教授

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    本気の実験的な小説って好きなんです。
    作家の教養がビンビンに伝わってきて、それでいて知識のひけらかしになってないから、作品に緊張感が保たれています。

    「もっと勉強しましょうね」

    唯野教授の学生に向けたこの言葉は、作家、批評家、ひいては我々のような読者にも向けられた言葉なのだと思います。

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    2016年08月14日
  • 虚航船団(新潮文庫)

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    十数年ぶりに再読。今回はまだおぼろげな当時の記憶が残っていたので第三部のメタをまだなんとか読めなくもなかったけど、あと10年後くらいたったら、ダンテの神曲についてるような注釈がないと読めなくなりそう。

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    2016年06月07日
  • 聖痕

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    グルメ旅団が遠征グルメ旅行に行く件、まず和歌山は有田川ではじまり、新潟ではいごねり、のっぺ、おけさ柿など名物がずらずらーっとでてきて妙にウケました。センセーショナルな出だしで結構旅情もあり、読みやすい。

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    2016年01月29日
  • 文学部唯野教授

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    『文系学部解体』という新書の中で紹介されていたので読んでみた。予想外の面白さ。

    唯野教授の、教授としての一面と、作家としての一面のどちらがメインなんだろう?と思いながら読んでいたのだけど。
    彼が、教授でありながら覆面作家として実践を行い、そうしてある種の知的権力を持ちながら論の確立を行いたいという野望にハッとさせられた。

    なるほど。しかし、教授として作家になる風当たりの強さも何だか、分かる。
    この二重構造にハマってしまった。

    教授パートでは、こんな風に書いていいの?と思うくらいハードに教授会を描いているが、対する唯野教授の講義部分は魅力的で、文学批評というものの整理が為されている。(って

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    2016年01月18日
  • 俗物図鑑(新潮文庫)

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     ドタバタでグロテスクで、読んでいる最中何度か吐き気がした…けど面白かった!エリート意識や選民意識が強くいっぱしの批判を口にする評論家、体面ばかり気にする警察、センセーショナルであればそれでいいメディアと、それを何の考えもなしに面白がるだけの大衆など、あらゆる方面に向けて皮肉がききまくっていて痛快。ブラックユーモアに顔をしかめたり笑ったりしながらも、自分が作中に描かれている大衆とどこが違うのか、もしかすると一緒じゃないだろうかと考えてしまう。

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    2017年12月18日
  • 邪眼鳥

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     父精一の死を受けて四人の子が父の面影、父への欲望を追い求めて時空をも超えて彷徨うお話。語り手が非常に分かりにくく変化し、そのうえ登場人物たちの時間にズレが生じたりもするのだから、兄弟たちが翻弄されついには亡霊になってしまうことに、読み手である私も妙に共感できた気がした。最終的に亡霊にならずじまいの春子が不気味で、その美貌すらもどこか恐ろしく感じる。私には難解でしっかりと理解できた気はしないけど、面白い作品だった。

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    2015年12月19日