筒井康隆のレビュー一覧

  • 農協月へ行く

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    昭和54年5月30日 初版 再読
    古さを感じない短編。日本以外全部沈没、これを許可した本家の心の広さ。村井長庵の底知れぬ狂気。

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    2021年06月16日
  • 時をかける少女 (角川つばさ文庫)

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    よく作り込まれていて、次へ次へと読んでしまった
    読みやすいし、面白いし、なにより情景が浮かんでくるのですごくいい本だと思う。

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    2021年05月27日
  • ジャックポット

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    襖を開けたら雪崩を起こす押し入れの如きボキャブラリー倉庫を閉店特価セールの構えでPC炎上どこ吹く風と大放出する御大得意の言語スラプスティック。あわあわと巻き込まれ滑落に身を任せながら戯れに周囲の言葉たちを手にとれば韜晦の一皮裏に忍ばせきれぬ悲哀憤り諦観郷愁何やかんやでべっかんこ。

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    2021年05月16日
  • 短篇小説講義  増補版

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    創作者ならでは視点が興味深い。短編小説と長編小説、戯曲との違いなんてあまり考えたことがなかったなぁ。

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    2021年04月20日
  • 文学部唯野教授

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    ネタバレ

    その当時のアカデミアの人事というか人間関係はこういうところなのだろうか、、、と考えざるをえなかった。。。本当かウソなのかはこの小説を貸してくれた教授に聞いてみよう。
    授業形式で前半にアカデミア界隈の人間模様、後半に授業が盛り込まれ、知識も増やせた一冊であったように思う。

    以下読書メモ
    ーーーーー
    ・ひとに例外を許さない、個性を認めず独自の行動をさせない、そのかわりその人が自分のものとして負うべき苦しみや悩みや責任を忘れさせてくれるような存在を「世人」という。こういう世人と話すときの普通の会話や雑談や無駄話のことを『空談』といいます。これは『語り』の日常的な、非本来的なありかたで、語りというの

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    2021年04月13日
  • 笑うな(新潮文庫)

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    少しダークな感じのお話やショートショートが好きなので凄くよかった。
    忙しい日でも寝る前に数話読んで少しずつ読み進めていった。

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    2021年03月02日
  • 陰悩録 リビドー短篇集

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    "奇ッ怪陋劣潜望鏡"、これ昔読んでずっと記憶に残ってた短編。あらゆる水面から潜望鏡が伸びてきて覗かれる妄想譚。自分の中でキングの短編になってたけど筒井先生だったかと記憶を整理。

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    2021年02月15日
  • 農協月へ行く

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    "村井長庵"がハードなピカレスクもので、他の収録作と雰囲気異なる際立った傑作。孤島の無医村で藪医者がやりたい放題する内容だけど、悪辣ぶりが悪鬼そのもの。ラスト込みでけっこうお気に入り。

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    2021年02月15日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    日本沈没を真正面からパロディーにしてあり、とてもユーモラス。もっと内容を深く掘り下げてあるのかと思ったけど、短編という事であっさり終わり、続きは各自の妄想で、というところですかね。

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    2021年01月31日
  • 富豪刑事

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    富豪な刑事が、金を湯水のように使い事件を解決するという推理物で全4話。解説でもあるけど、4話それぞれ事件のタイプが異なり金の使い方も変わってきて飽きが来ない。

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    2021年01月31日
  • 時をかける少女

    ネタバレ 購入済み

    なんだか面白くなってきたところで,いきなり包丁で切り落とされてしまったような終わり方。
    もっとロマンスがあったり,すべてが繋がっていくのかと思った。
    淋しいのは,会えなくなることより,忘れられてしまうことより,忘れてしまうことかもしれない。

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    2021年01月13日
  • 文学部唯野教授

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    唯野教授個人は饒舌な小男、モラルも低くて女子生徒に手を出したりする俗っぽさ。周りのキャラクターも小便を漏らしたり、小狡い性格だったり、全然立派な人物はいない。
    大学教授たちの世界は政治根回し、足の引っ張り合いばかりで期待ほど勉強していない。
    でも講義はとても面白い。欄外に及ぶ知識の深さ、紹介される本は膨大で、文学理論は全てはわからないけど、読みやすく砕けた表現になっている。難しいから参考文献をもっと読んでもう少し知識が増えてから読んだらまた面白いかもな。
    毎章唯野をめぐるドタバタしたエピソードで始まり、講義で終わる話の型も決まっている。
    斉木が蟇目と衣服を調えながら研究室から出てきたあたりから

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    2021年01月04日
  • 定本 バブリング創世記

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    タイトル作品を含めた筒井康隆作品集。なんというか、この人はまさに「天才」というよりは「奇才」と呼ぶべき人なのかもしれないと改めて思う。ストーリーとしての面白さを持ったまま、文学を、日本語を、常識をことごとく(いい意味で)おちょくってくる。評判高い「鍵」もさることながら、個人的には「死にかた」「三人娘」あたりもとても良かった。一見荒唐無稽なストーリーの中に、何か人間の本質をえぐるような、そんなエッセンスが散りばめられている。
    今では問題視されるような表記もたくさんあるけど、ある意味これも筒井康隆節といえばそうなわけで。本好きは、一度読んでおいて損はないと思う。

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    2020年12月12日
  • 定本 バブリング創世記

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    1ページ目を見た瞬間に、え!?え!?となった笑

    全編通して、一周回ってナンセンス、みたいなものが根底にあって、筒井さんらしさ炸裂だった。

    「鍵」については、青春という切り口からどんどんホラーな方向に流れていって、「世にも奇妙な物語」でドラマ化されたというのも納得できる。

    「三人娘」は当初未完だったそうだが、完結版が掲載。サラリーマンというものを徹底的にバカにしている感じがおもしろい。

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    2020年11月28日
  • 富豪刑事

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    読んだのは1978年出版のものですが、内容は同じだと思うのでこちらに感想を。
    アニメを見て原作を手に取りましたが、神戸大助という名の刑事が富豪であること以外は全くの別物で驚きました。
    (一番最初だけ登場人物がどんどん出てきて混乱しましたが)小説も読みやすくて面白かったです。
    コメディ色が強く楽しく読めたので、ドラマで見たいなと思う小説でした。(ドラマ未視聴)
    個人的には人にオススメできる一冊です。

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    2020年11月03日
  • 富豪刑事

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    さすが「SF御三家」の一人!
    ミステリー作家ではない事を逆手に取った書き方!面白い!
    別に映像化などは、意識してないかもしれんけど、これが映像化された時、どうなるか思い浮かべてしまう。
    (実際に、テレビでは、深キョン主演で映像化。アニメにもなった)
    富豪刑事…金に物を言わせて解決するとか笑けるけど、誰も困らんのならアリやと思うわ。
    もっと大きな事件にお金使う方が良いのかもしれんけど、こういう普通の事件に使うからこそ面白いんやろな。
    各話とも、吉本新喜劇のように同じ流れで始まる。で、富豪刑事がお金を…
    まっ!弱い人の為にドンドンお金使ってな!

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    2020年10月27日
  • 時をかける少女 (角川つばさ文庫)

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    ネタバレ

    学校の図書室で見つけたらしい。
    私も読むのは初めてだったので、二人で和子がどうなるのだろう、理科室で見た影は何なのだろうと結末を迎えるのを楽しめた。

    娘が途中、鋭い推理を言っていたのに忘れてしまった…。

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    2020年10月25日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    「残像に口紅を」で筒井先生熱が呼び戻されたのだけど、一気に読んでしまってすぐに冷めてしまうのももったいないので、ちょっと時間をあけてこの本を本棚から引っ張り出してきた。
    どの小説もアイロニカルで痛快。1960~70年代の日本をシニカルにとらえているのだけど、当時から50年以上経ってもその皮肉が色褪せてないのがすごい。50年経った今なら、当時をふり返ってシニカルに書くことはたやすいだろうけど、筒井先生は当時同時進行でそれをやってのけてるのがすごい。
    そして、50年経った今の日本に対しても、これらの小説にこめられた皮肉がそのまま適用できてしまうかもと感じられ、とっても反省させられたりもした。

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    2020年09月18日
  • 筒井康隆、自作を語る

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    2014年から2017年くらいにかけて行われた筒井康隆が自作について語るトークショーや対談集をまとめた一冊。筒井康隆の素晴らしい記憶力と、インタビュアーである編集者の博覧強記ぶりによって、どのように名作の数々が生まれたのかを知ることができるし、当然その誕生の背景も様々な面白おかしいエピソードに彩られている。

    個人的に一番面白かったのは2008年に発表された「ダンシング・ヴァニティ」の誕生秘話であった。本作は”差異と反復”という言葉そのものであるように、ストーリーが微妙に差異を孕みつつ繰り返す反復されて生きながら進んでいく。
    その背景には、新潮社に対して試しに原稿料を半額で良いと言ったら、先方

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    2020年08月15日
  • 老人の美学(新潮新書)

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    やや枯れた、しかし安定した筒井康隆節のエッセイ。

    本人85歳になって、自分に生じた変化を淡々と書いていく様が感慨深い。

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    2020年08月07日