筒井康隆のレビュー一覧
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世界からだんだんと文字が減っていくという実験的な内容の作品。読み進めていくにつれて使える文字が減っていくが意外と読めるなと。代用できる表現が日本語には多くあるんだなと実感できた。最初の方は無くなった文字と使われてる表現を照らし合わせこの単語を言いたいんだなと考察してたけど後半からはそんなこと考えれなくなった。奥さんの名前が使えなくなるけど妻という言葉は使えるからその人がぼやけて見えるみたいな表現は面白かった。後半は当たり前だけど似たような語を使うからリズムはいいけど読みにくい。
本の終わりにこの作品の考察をしてる内容があるけど、そこも興味深かった。 -
Posted by ブクログ
TikTokでもバズっていた筒井康隆の実験的小説。徐々に言葉が消えていくという設定を小説の中でどのように再現するのか気になっていたが、主人公の小説家が自身のいる世界を虚構だと捉えることで突飛な設定を可能にするメタフィクショナルな世界観だったことに驚いてしまった。物語が進むにつれて言葉が消えていき、その単語がないと成立しない概念も合わせて消えていく様はさながら前衛劇のような感じでありとてもシュールで面白い。
すでに消えたはずの単語が地の文でうっかり出てしまっていたり、後半にかけてはやや冗長ではあったものの、その試みは誰にも真似できず、まさに筒井康隆にしかできない芸当であろう。 -
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知らない土地の風景を見る。知らない土地の風俗を体験する。そして知らない文化で育った未知の人と交流をする。旅は擦り切れた日常をアップデートする有効な手段のひとつだ。ラゴスはそんなつもりで旅に出たわけではないかもしれないけど、もしかしたら何かを変えること、何かが変わることを求めて旅に出たのかもしれない。
もし退屈さやかわり映えのなさが日常の主導権を握っていたら、ひとは旅の途中で目にするひとつひとつ光景に驚いたり心を動かされることに懐かしさや新鮮さを感じるのかもしれない。振幅が大きいほど、これまでの埃をかぶっていた日常が綺麗に磨かれる気がするものだ。もしラゴスにインタビューする機会があれば、是非その -
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1972年『家族八景』その後シリーズは『七瀬ふたたび』『七瀬 時をのぼる』『七瀬 森を走る』と続き、2010年『七瀬ふたたび』が映画化された。因みに1965年『時をかける少女』は1983年映画化、2006年アニメーション映画化、そして2010年リメークで映画化された。筒井康隆と言えば、七瀬シリーズより圧倒的に『時をかける少女』が有名である。
精神感応能力者/テレパスという異能力を持って生まれた七瀬は、自身の力を隠すために住居を転々とするお手伝いさんとして働いている。小説では8つの各章ごとにトラブルを抱えた家族のお話が展開される。七瀬の父がESPで高得点を出してはいるが能力者ではない件や、七瀬 -
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『七瀬ふたたび』からの繋がりが全くなく、唐突に学校篇が始まった。冒険的でハードボイルドな前作とは異なり、いきなりミステリー小説のような調査が始まり、あの緊迫感はどこに消えたのかと戸惑い、置いていかれる思いがした。
これまで物語の舞台は家族から国へと広がってきたが、本作では宇宙や神にまで拡大した。さらに置き去りにされた感覚を覚える。
しかし、前2作との繋がりを探しつつ「これは一体何の話なのか」と思いながら読み進めると、最後の最後で一気に収束していった。
自分の感情や記憶までもが宇宙意志に関与されていることに気づく不幸。恋に落ちることを「心を奪われる」と表現することはあるが、そこに第三者の意 -
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よく文房具にここまで個性を持たせられるよなぁ。頭の中どうなってんの?!?
第一章では狂気の文房具軍団のメンバーが次々に現れオモローと読み進めるものの、第二章に入ったところで鼬族の歴史が全然頭に入ってこなくて、第二章はほぼ読んでない。
鼬族の数が多すぎてうんざりしてね、誰が誰かもわからんくなるし、ここを読みきった人ほんとに尊敬する。でも正直、第二章を飛ばして第三章を読んでも全然大丈夫だった。(読んでないくせに言う〜)
第三章からはまた狂気の文房具軍団も登場するし、結末が気になるから読んだけど、まあ筒井康隆の小説なら他にもいっぱい面白いのあるし、あえてこれを勧めることはないかな。
でもね、狂気の -
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筒井康隆初期のショートショート
いつも読み終えたらバーコードからここに登録するのだけれど、バーコードがない
180円。POSシステムのない昭和54年の本
昔はよくあったタイトルオマージュの洒落た表題作や、理屈はあれど完全におちゃらけであろう「ケンタウロスの殺人」、もはや落語のような「体臭」
全30編(+ケンタウロスの殺人解明1編)
初読時はスラーっと読んで「ふむ」程度だったのだけれど、ショートショートが最近ないせいかこのテンポ感で読める筒井節は一周し、ようこんなん真面目に書くなあと楽しめた
にしても1番驚いたのは本編でなく解説山野さん
この人一体いつからここにいるの、これ一応初版やぞ……