筒井康隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かつて人文学徒だった者の一人として、一度は読んでおかねばならないと思っていた作品をようやく。いや面白かった。さほど学業に熱心な学生というわけでもなかったけれど、それでも学生時代にかじったあれこれの断片を少々思い出した。
全編を通して繰り返されるHIV患者への差別、女性差別、同性愛差別の描写にはずいぶん辟易したものの、ここまでくるともはや潔い。良くも悪くも(良くはないか)そういう時代だったのだろうと感じた。
筒井康隆氏の作品は『家族八景』を遠い昔に読んだ気がする……程度にしか触れてこなかったけれど、とんでもなく軽妙な語り口でぐいぐいストーリーを牽引していって、倫理的にどうだとか登場人物に共感でき -
Posted by ブクログ
ネタバレ作中で言及している通り、英語などではこうはいかないでしょう。自分自身を形容するだけで何十通りの言い換えができるのは、改めて特異かもしれません!
有名すぎる実験小説ですが、やっと読めました!
半分くらい減っても、文章を読めるレベルで紡いでいける凄まじい筆力。
特に情事を、限られた文字数であんなに艶やかに描写できるのが驚嘆しました。普通にえっちでした
最後の数十ページ、読みにくさが優ってくると、読み進めるのが辛くなってきて、なかなか骨が折れたのですが……ここをおざなりにすると、それはそれで実験としては失望されると思うので難しいところですね。 -
Posted by ブクログ
ページを追うごとに、音が一つずつ消えていくという独特の仕掛けが印象的な作品でした。完全にランダムではなく、構成を考えて選ばれているのだろうなと思いつつ、中盤までは意外と普通に読めてしまう日本語の柔らかさに驚かされました。
物語の展開には「これはこの流れに必要なのかな?」と感じる場面もありましたが、この作品はストーリーそのものより“言葉が減っていく”という体験を味わうことが中心なのだと理解。文章が少しずつ不自由になっていく感覚は、ちょっとしたパズルのようでもあり、日本語って本当に面白いなと改めて思いました。
読んでいてふと、藤子不二雄先生のSF短編集に出てきそうな題材だな、とも。アルファベッ