筒井康隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「あ」や「ぱ」などの言語を順番に消しながら綴られる小説がどんなものか、気にならない訳が無い。
いやー面白い企みだった。
たかが一文字でしょ?ってならないのか。
こんな回りくどい言い方しないと語れなくなる物事は、意外と多いだね。
確かに文章としては読めるけど、風情が無くなるというか無粋なんだよなあ。
それに消えた一文字に“人柄”や“品”が滲み出るとは知らなかった。
通常なら感情が揺さぶられる場面でも、言語表現が雑なために笑ってしまう。
これって文字を消す順番がめちゃくちゃ重要だから、そういうのを考えつつ文章も破綻させないようにしないといけないわけで…。
ホントよく書こうと思ったよね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレSF作品に触れるのがほぼ初めてだったので新鮮な楽しみがあった。夢の解像度が高くて、「人の顔が急に変わったり場所が急に変わったりすることあるよなぁ笑」と思いながら読んだ。
パプリカは登場する男性ほぼ全員(女性の柿本さんもか)から寵愛を受けることになるが不思議とご都合主義のハーレムもの感はなく、皆から愛されて然るべきヒロインとして説得力を持っていた。各所で挟まれる性的描写も嫌な感じはせずむしろ美しく愛おしい場面として自然と受け止めることができた。
最後の二人の会話も意味深で好きだった。顔が仏像を彷彿とさせるということは、またもや夢の侵食が始まっているということなのだろうか?それともこの場面が夢?一 -
Posted by ブクログ
筒井康隆の最後のあいさつ、な本
とても、とても難しい本と感じた。普通に読む分にはテンポ良く進む短編群、過去作を下回る出来
しかし筒井康隆という作家、今までの作品、一緒に生きてきた作家を思うと…感慨深い本に変わる
小川哲のStreet Fictionという番組でも語られていたが本人なりに思う所の蓄積で描かれた作品達なのだと思う
優しい読者ほど刺さる本であるし、1作品としてただ読む読者にはこれで幕引いちゃうんですかと感じるだろうし。でもファン本だと言うには偉大すぎる作家の作品とも思うのです
彼にしか書けない経験値から滲み出た本として、日本では評価されて欲しい
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Posted by ブクログ
何を書いてもネタバレになりそうなのだが、とりあえず人間っぽいが人間らしきものが(あまり)出てこない、宇宙からの惑星侵略系SF。3章だてになっていて、それぞれ視点が大幅に異なる。1章目は文房具たちの乗った宇宙船の様子、2章目は惑星クオールの歴史、3章目は、これらが相混じり合った戦争の話である。
1章目はつらつらと乗船している文房具の説明がしてあるが、みんな気が狂っている(そう紹介されている)。
2章目は地球史みたいなクオール史。この惑星の住人はイタチだが、起きていることは人間のそれをなぞっているよう。地球史にしてはエログロを丁寧に記載しているのは著者の好みと思われる。ではこのクオール史を書いた -
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ネタバレ何十年ぶりかで筒井康隆の本を手に取った。
本の帯に「TikTokで話題!」などと書いてあり、そう言えば読んだことなかったな。と思って読んでみた。
世界からどんどん文字が消えていき、その文字で表されていたものは表現できなくなり、表現できなくなると消滅する。
例えば、「ぱ」という字が消えると、「パン」の存在が消えるので、こうなる。
「おれたちは中年だからね。起きてすぐのお茶漬ってのはうまいものさ。でも若いひとなどは違うだろうね。柔らかく、口と胃に軽い、すばらしい食べものを食べるだろう。君も好きで、よく食べていた筈じゃないか。でもその食べものは、この物語からはもう失われたんだ。君は二度と、今君が