筒井康隆のレビュー一覧
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ネタバレラゴスの旅と人生を書いた話。
物語は旅の途中から始まる。
序盤で出会ったデーデという少女がこの先のラゴスの旅と人生に深く食い込んでくる。
ラゴスは鉱山で七年奴隷に甘んじていたかと思えばポロではいつの間にか王になっている。妻が二人もできて子どもにも恵まれた。それなのに彼はまだ旅の途中にある。普通王になって妻子も出来れば旅は終わりそこに定住する人が大半だと思う。
でもラゴスはポロを発つ。25年ぶりに故郷に帰ってもまた旅に出る。そこにはずっとデーデの影がついて回る。彼の旅は彼の人生そのものなんだろう。
印象に残ったのはポロで読書三昧の生活をしていた時の「最先端の科学技術が一般庶民の生活感情と遊離す -
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☆2.5 涼宮ハルヒの影響
ライトノベル読者の度肝をぬく始まりかたで、もはやエロなのだが、文章がうまいのですらすら読める。ラノベの文章はもっと粗雑だ。
ヒロインのビアンカ北町の造形は一見奇妙だけど、涼宮ハルヒからの影響だと考へればいい。
たとへば、第三章「怒りのスペルマ」のセリフだ。《わたしはずっと前、ちっちゃな頃から、宇宙人だの未来人だのが、わたしの前にあらわれてくれることを待ち望んでいたような気がするの》
しかし内容は、SFの大家がものにしたといふこと以外、価値はない。最終的にカマキリvs人造カエル人間の戦ひになり、荒唐無稽なはなしになるだけだ。
ラノベ好きがよんだら、卒倒 -
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ネタバレ同僚に勧められて。ギミックのある小説として紹介してもらい、試みとしてはかなり面白いし、自分の語彙力や注意力が試されるようで真剣に読んだ。
初めに娘が三人消えてしまったけど、その後の展開で妻が妻という言葉によって存在が残るのなら、そもそも娘や長女という言葉が消えていない時点でいなくなってしまうのはおかしいのでは?と思ってしまい、やや不満を感じながら読み進めることに。音が消えていくことの実感としてのストーリー構成だとは思うが、娘たちはそんな簡単に失われる存在なの?とも納得できず。
途中急に始まる官能小説には驚いた。確かに音とともに言葉やそのものが失われることで、どこまで男女の性愛を描けるかという実 -
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「あ」や「ぱ」などの言語を順番に消しながら綴られる小説がどんなものか、気にならない訳が無い。
いやー面白い企みだった。
たかが一文字でしょ?ってならないのか。
こんな回りくどい言い方しないと語れなくなる物事は、意外と多いだね。
確かに文章としては読めるけど、風情が無くなるというか無粋なんだよなあ。
それに消えた一文字に“人柄”や“品”が滲み出るとは知らなかった。
通常なら感情が揺さぶられる場面でも、言語表現が雑なために笑ってしまう。
これって文字を消す順番がめちゃくちゃ重要だから、そういうのを考えつつ文章も破綻させないようにしないといけないわけで…。
ホントよく書こうと思ったよね。 -
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ネタバレSF作品に触れるのがほぼ初めてだったので新鮮な楽しみがあった。夢の解像度が高くて、「人の顔が急に変わったり場所が急に変わったりすることあるよなぁ笑」と思いながら読んだ。
パプリカは登場する男性ほぼ全員(女性の柿本さんもか)から寵愛を受けることになるが不思議とご都合主義のハーレムもの感はなく、皆から愛されて然るべきヒロインとして説得力を持っていた。各所で挟まれる性的描写も嫌な感じはせずむしろ美しく愛おしい場面として自然と受け止めることができた。
最後の二人の会話も意味深で好きだった。顔が仏像を彷彿とさせるということは、またもや夢の侵食が始まっているということなのだろうか?それともこの場面が夢?一 -
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筒井康隆の最後のあいさつ、な本
とても、とても難しい本と感じた。普通に読む分にはテンポ良く進む短編群、過去作を下回る出来
しかし筒井康隆という作家、今までの作品、一緒に生きてきた作家を思うと…感慨深い本に変わる
小川哲のStreet Fictionという番組でも語られていたが本人なりに思う所の蓄積で描かれた作品達なのだと思う
優しい読者ほど刺さる本であるし、1作品としてただ読む読者にはこれで幕引いちゃうんですかと感じるだろうし。でもファン本だと言うには偉大すぎる作家の作品とも思うのです
彼にしか書けない経験値から滲み出た本として、日本では評価されて欲しい