筒井康隆のレビュー一覧

  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ラゴスの旅と人生を書いた話。
    物語は旅の途中から始まる。
    序盤で出会ったデーデという少女がこの先のラゴスの旅と人生に深く食い込んでくる。
    ラゴスは鉱山で七年奴隷に甘んじていたかと思えばポロではいつの間にか王になっている。妻が二人もできて子どもにも恵まれた。それなのに彼はまだ旅の途中にある。普通王になって妻子も出来れば旅は終わりそこに定住する人が大半だと思う。
    でもラゴスはポロを発つ。25年ぶりに故郷に帰ってもまた旅に出る。そこにはずっとデーデの影がついて回る。彼の旅は彼の人生そのものなんだろう。

    印象に残ったのはポロで読書三昧の生活をしていた時の「最先端の科学技術が一般庶民の生活感情と遊離す

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    2026年03月21日
  • ビアンカ・オーバースタディ

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    ☆2.5 涼宮ハルヒの影響
     ライトノベル読者の度肝をぬく始まりかたで、もはやエロなのだが、文章がうまいのですらすら読める。ラノベの文章はもっと粗雑だ。

     ヒロインのビアンカ北町の造形は一見奇妙だけど、涼宮ハルヒからの影響だと考へればいい。
     たとへば、第三章「怒りのスペルマ」のセリフだ。《わたしはずっと前、ちっちゃな頃から、宇宙人だの未来人だのが、わたしの前にあらわれてくれることを待ち望んでいたような気がするの》

     しかし内容は、SFの大家がものにしたといふこと以外、価値はない。最終的にカマキリvs人造カエル人間の戦ひになり、荒唐無稽なはなしになるだけだ。

     ラノベ好きがよんだら、卒倒

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    2026年03月22日
  • 残像に口紅を

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    ネタバレ

    同僚に勧められて。ギミックのある小説として紹介してもらい、試みとしてはかなり面白いし、自分の語彙力や注意力が試されるようで真剣に読んだ。
    初めに娘が三人消えてしまったけど、その後の展開で妻が妻という言葉によって存在が残るのなら、そもそも娘や長女という言葉が消えていない時点でいなくなってしまうのはおかしいのでは?と思ってしまい、やや不満を感じながら読み進めることに。音が消えていくことの実感としてのストーリー構成だとは思うが、娘たちはそんな簡単に失われる存在なの?とも納得できず。
    途中急に始まる官能小説には驚いた。確かに音とともに言葉やそのものが失われることで、どこまで男女の性愛を描けるかという実

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    2026年03月20日
  • 富豪刑事

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    ふざけてる筒井康隆。
    金で事件を解決するという設定の突飛さだけでなく、登場人物が読者に向かって喋りかけてきたりしてもうめちゃくちゃ。
    それが面白いのかと言われるとよく分からない。
    時間が解決すると飛び出してくる署長は愛らしくて仕方がない。おめでとさん。おめでとさん。

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    2026年03月17日
  • 残像に口紅を

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    ネタバレ

    言葉が一音ずつ消えていき、使える言葉が減っていく世界に、虚構とわかっていながら生きる、作家の佐治を描く。作品の内容というよりも、この題材を思いつき、最後まで書き切ったことに執念を感じた。全66章であるが、40章あたりまではさほど違和感なく読めていたのも、文才と工夫のなせる技だと感じた。

    最後についている、この小説を題材にした論文の要約も面白い。3箇所ほど誤って消えた文字を使っていたらしく、その少なさにも驚いた。

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    2026年03月15日
  • 筒井康隆自伝

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    近所からもらってきた子犬のチビの一件がほんとに辛い。
    今でいう動物虐待だね。
    箱に入れて神輿担ぎをしたり、さんざん遊んび倒してチビが悲鳴まじりの吠えたのでやめたって。
    次の朝、死んでたって。
    子どもって無邪気で残酷な生き物だよね。
    胸が傷んでそのあと読む気がすすまなかったよ。
    今でも胸が痛むとあったから、忘れられない痛恨の思い出なのだろう。

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    2026年03月10日
  • モナドの領域(新潮文庫)

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    物語の始まりからミステリーの世界へとグイグイ引き込まれていきます。中盤からは、哲学の世界に置いてけぼりにされそうでかなり困惑します。でも、終盤には本作の作者の顔もひょいと覗かせてくれます。全てを司っていたのは作者だったということか…。うわー、筒井さんは自由だわ、ホント。誰にもおもねることなく、忖度することなく、思う存分楽しんで書いている、というのが初読の感想でした。初読と書いたからにはなんだか二度目もありそうな気がしています。

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    2026年03月06日
  • 誰にもわかるハイデガー 文学部唯野教授・最終講義

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    ネタバレ

    読みやすいし、割とわかりやすかったと思う。
    90ページ以降よくわからなかったし、著者もよくわからないと言っている。
    解説は面白かったが、理解できない箇所もあった。
    次は新書とかでハイデガーについて読むかな。

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    2026年03月05日
  • 残像に口紅を

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    単純に言葉がひとつずつ減っていく。
    でも難しい言葉が多くて読みづらかったし、ストーリーもわけがわからなかった。

    作者の発想と、この作品を作り上げたことに対しては素晴らしいと思う。

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    2026年03月02日
  • 時をかける少女

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    思ってたより古典的な展開だった
    ただ、記憶のこととかそれまでの思い出を考えると切なさはすごいよなぁと思った
    記憶を消す時どんな風に思ったんだろうなとか余韻の残るラストだった
    映画とはちょっと違うらしい

    ほかの2編も筒井康隆らしいと思った
    ファンタジーに理論が少し加わった感じがさすがだと思う

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    2026年02月28日
  • 残像に口紅を

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    「あ」や「ぱ」などの言語を順番に消しながら綴られる小説がどんなものか、気にならない訳が無い。
    いやー面白い企みだった。
    たかが一文字でしょ?ってならないのか。
    こんな回りくどい言い方しないと語れなくなる物事は、意外と多いだね。
    確かに文章としては読めるけど、風情が無くなるというか無粋なんだよなあ。
    それに消えた一文字に“人柄”や“品”が滲み出るとは知らなかった。
    通常なら感情が揺さぶられる場面でも、言語表現が雑なために笑ってしまう。
    これって文字を消す順番がめちゃくちゃ重要だから、そういうのを考えつつ文章も破綻させないようにしないといけないわけで…。
    ホントよく書こうと思ったよね。

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    2026年02月28日
  • 残像に口紅を

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    これはすごい本を読んでしまったな、というのが率直な感想。
    途中から、限られた音の中でもこんなに文章って書けるんだと驚きの連続でした。言葉が消えていって勝夫さんの記憶も曖昧になり、やや回りくどい言い回しになっているのを、これは何について言っているのかを推測するのが面白かったです。むしろ後半にかけて、自分が知らなかった言葉が散見できたりもして、ここでも筒井康隆さんの筆力に圧倒されました。

    筒井康隆さんの他の本も読んでみたくなりました。

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    2026年02月27日
  • 筒井康隆自伝

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    「原宿駅前の新居には毎夜のようにSF作家たちが押しかけて馬鹿話に夢中になった」「今から考えたら夢のような日日だったなあ。」(p107)
    この人の生きざま自体が文学だし歴史。濃密すぎる少年~青年・成年時代。ところどころで言及される作品も実に興味深い。

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    2026年02月27日
  • パプリカ

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    リマスター版の映画を観て、原作が気になり読んでみた。

    前半は映画と対比しながら研究所内の社内政治や粉川など様々な人物像が描かれており面白かった。

    後半のDCミニをめぐる戦いは正直読んでいて疲れてしまい、流し読みという感じだった。「夢を見ている感覚」としては面白かったのだが…

    最後の陣内と玖珂の会話も意味深で面白かった。一体どこまでが夢なんだ??

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    2026年02月21日
  • パプリカ

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    ネタバレ

    SF作品に触れるのがほぼ初めてだったので新鮮な楽しみがあった。夢の解像度が高くて、「人の顔が急に変わったり場所が急に変わったりすることあるよなぁ笑」と思いながら読んだ。
    パプリカは登場する男性ほぼ全員(女性の柿本さんもか)から寵愛を受けることになるが不思議とご都合主義のハーレムもの感はなく、皆から愛されて然るべきヒロインとして説得力を持っていた。各所で挟まれる性的描写も嫌な感じはせずむしろ美しく愛おしい場面として自然と受け止めることができた。
    最後の二人の会話も意味深で好きだった。顔が仏像を彷彿とさせるということは、またもや夢の侵食が始まっているということなのだろうか?それともこの場面が夢?一

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    2026年02月17日
  • 夢の木坂分岐点(新潮文庫)

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    久しぶりの筒井作品で、なかなか読む速度が上がらなかった。夢の木坂駅という分岐駅が象徴する夢と現実と虚構が入り交ざる作品だ。主人公も含め、登場人物の名前、会社での役職、境遇などがいつの間にか入れ替わっている。通底するのがサイコドラマという心理療法で、これは著者の得意分野だ。当を得た解説も良かった。しかし、この手の筒井作品は読み疲れるなあ……。

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    2026年02月16日
  • 残像に口紅を

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    私には、難しすぎた。
    が、状況を想像しながら、理解していく感じで、何か今までの小説とは違う気持ちになった。
    また、10年後くらいに読むとちゃんと読めそう。

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    2026年02月14日
  • カーテンコール

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    筒井康隆の最後のあいさつ、な本
    とても、とても難しい本と感じた。普通に読む分にはテンポ良く進む短編群、過去作を下回る出来
    しかし筒井康隆という作家、今までの作品、一緒に生きてきた作家を思うと…感慨深い本に変わる
    小川哲のStreet Fictionという番組でも語られていたが本人なりに思う所の蓄積で描かれた作品達なのだと思う
    優しい読者ほど刺さる本であるし、1作品としてただ読む読者にはこれで幕引いちゃうんですかと感じるだろうし。でもファン本だと言うには偉大すぎる作家の作品とも思うのです
    彼にしか書けない経験値から滲み出た本として、日本では評価されて欲しい

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    2026年02月12日
  • 筒井康隆自伝

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    卒寿も超えての自伝だが、かなり薄い。200頁もない。筒井康隆の人生がこの程度の紙幅で語り尽くせるわけもないのだが、もはや体力もないのだろうと思う。本書は「今後は自伝に書くような大きな変化はない」と結ばれる。まぁそうなんだろう。しかたがない。

    大江健三郎との近さは蓮實重彦との書簡でも多く語られていた。本書では、遅刻してきた大江が一切謝らなかったエピソードなども語られている。

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    2026年02月11日
  • 時をかける少女

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    映画が好きだから原作はどのようなものかと読んだけど、全然違った。みんな仲良いはずなのに他人行儀すぎん?100ページくらいしかないからけっこうあっさりだし、最後のお別れシーンも感慨深くない。よく映画をあんなに面白くできたと思う。

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    2026年02月06日