筒井康隆のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
1968年『にぎやかな未来 』は、筒井康隆の商業誌第一作の1960年『お助け』を含む、全41篇の名ショートショートを収録。あとがき解説には、あのショートの大家、星新一が投稿を寄せている。「彼こそが、わが国はじめての真の意味の大衆作家である」と締めくくる。著者の短編集は家の本棚に揃っているので、これからまだまだ再読が続く。
41編の中、マイベストショートショート『腸はどこへいった』は、いまだに覚えていた作品であり、一番印象に残っていた。内容は実にくだらないのだが、そこが良い。あることがきっかけで、半年便通と尿意が無い青年のお話しである。この異常事態でも青年の体調がすこぶる良好なのは、彼の腸が「 -
Posted by ブクログ
『富豪刑事』は著者ならではのドタバタ感は否めない、4編のユーモアミステリー小説である。一方、超能力少女七瀬が活躍する『家族八景』は、家族の秘密を暴くなど...わりとしっかりした推理小説風だった。やっぱり好みは、一日の長があるユーモア小説かな。
主人公の刑事大助が富豪でなければいけない理由はちゃんとある。豪邸で超有名人を呼びパーティを開いてみたり、小規模とは言え会社を突然設立してみたり、500万円の札束をばらまいてみたり、ホテル一棟やくざの貸し切りにするなど。金にモノを言わせて難事件を解決するのだった。しかしスカットするほど痛快ではないのはなぜなのだろう、ストーリーがつまらないんだよね。 -
Posted by ブクログ
七瀬シリーズ3部作、1972年『家族百景』1975年『七瀬ふたたび』1977年『エディプスの恋人』完結。手元に3部作全て揃っているので完結編が楽しみである。1部では家政婦の七瀬が悪党と闘いながら成長するお話しで、本作2部では能力者たちを狙う謎の組織との対決で幕を閉じる。そして七瀬は...3部作の大逆転を期待する。
全体的に粗さが目立つストーリー展開である。能力者同士の出会いが不自然で、更に七瀬の成長をエロ描写で語らせるのは無理がある。なにより、七瀬たちを追い詰める謎の組織が突然現れて、読者を置いてけぼりにする。話としては面白いんだけど...その辺どうでしょう。