筒井康隆のレビュー一覧

  • にぎやかな未来

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    筒井康隆のショート・ショート集。筒井康隆を読むならこの掌篇集から、の言葉通り非常に読みやすい。筒井康隆はアクが強いが、このショートショート集はそのアクの強さをアイディアの内に留めつつ、奇想天外なオチを置くことでよりショートしょーとらしさを際立たせている。ある種の様式美となった投げっぱなしオチも少ないため、とっつきやすい作品集だろう。SF色も強く、特にお気に入りなのは「ベルト・ウェーの女」で、ベルト・ウェーで見かける女性に恋した青年があの手この手で女性の正体を調べようとする話だが、徐々に明かされていく設定の一つが意外な角度でオチに繋がるという名作である。また断筆になった問題作「無人警察」も往年の

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    2019年05月28日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    筒井康隆お得意のスラップスティックなSF短篇集。「ヒノマル酒場」は土方のおっさんたちの下品さや関西系のマスコミに対する不信感などがとてもリアルで、そんな人間たちと異星人のファーストコンタクトという題材が非常に面白い。まさに狂騒的でこのドタバタ加減はこの作家にしか出せない味だろう。店じまいで話まで強引に畳んでしまうのも良い。個人的なお気に入りは「あるいは酒でいっぱいの海」で、海が酒になるという荒唐無稽なネタをストレートに描く度胸もさることながら、最後は酒そのものになってしまうという星新一のショートショートのような奇妙なオチも素晴らしい。あと「パチンコ必勝原理」のくだらなさも大好き。傑作は「農協月

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    2019年05月28日
  • 笑うな(新潮文庫)

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    出張先で買って空き時間に読んでいました。とてもちょうどよく面白かったです。
    クスッとなるのとヒエっとなるのとしんみりするのとふと考え込んでしまうのとが心地よいバランスでした。
    ショート・ショートってやっぱり好きだなぁ。

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    2019年03月25日
  • 佇むひと リリカル短篇集

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    はじめて筒井康隆を読んだ。星新一みたいなショートショート。とくに説明のない日常風味に(当然でしょ?という雰囲気で)異世界という世界観を理解させるのがうまい。それは星新一といっしょだが、星新一は現代からみた落語的なオチがつくのに対して、筒井康隆は異世界が異世界に閉じているままおわるのが新鮮だった。

    ショートショートはお話によって違う世界観を理解するので疲れる・・・

    印象に残った話

    ・わが良き狼
    物語になるような宇宙海賊が年をとって故郷に帰ってくる話。雰囲気的に宮崎駿のシャーロック・ホームズ思い出した。狼。。。

    ・母子像
    買ってきたさるのおもちゃが異次元空間に母子をひきずりこんでしまう話

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    2018年12月01日
  • 幻想の未来

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    ネタバレ

    怖めの輪廻の話が来ると分かっていながらも時の女神は妙にロマンチストと詩情が感じられて好きだった。
    白き異邦人もこれからくる未来を感じるけど昭和46年に書かれたのかと思うとはっとさせられた。

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    2018年11月18日
  • ビアンカ・オーバースタディ

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    80歳になんなんとする大御所作家が、ラノベを書くというそのことだけでも面白いが、さらにその内容も荒唐無稽で不謹慎、下品でくだらなくて、パロディやメタ的なのでたまらない。ぼくもビアンキ様に●●てもらいたい。

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    2018年11月03日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    "小松左京さんとも仲がよかったのでしょう。そうでないと、こんな小説書けません。
    「パチンコ必勝法」も楽しい一遍。楽しめる作品でした。"

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    2018年10月28日
  • 男たちのかいた絵(新潮文庫)

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    やの付く自由業につく登場人物たちの喜劇を描く連作
    よくよく思い返すと任侠モノ映画というのをみたことがないので
    この分野の味わいについて思い入れがないが
    示威暴力を生業とする場ならではの常識があって
    そこからのズレもまたその他一般との差異が広く楽しめるものかもしれない

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    2018年10月26日
  • 農協月へ行く

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    筒井康隆のスラップスティックな短編を集めたアンソロジー的な一冊。収録されているのは「日本以外全部沈没」、
    「農協月へ行く」を始めとする7作品。

    悪意とアイロニーに満ちた豊穣な言葉が過剰なまでに繰り返され、さらなる過剰を期待し、過剰さのエクスタシーに導く。これは我々はどこまでも過剰さを愛し、過剰さを追求することを止められないという資本主義経済のミラーか?

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    2018年10月20日
  • 読書の極意と掟

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    文庫化前の『漂流 本から本へ』を読んだ記憶あり、再読。
    あらためて筒井節を堪能する。
    有り余る才能があるのに、しっかし恨みの多い人だな。
    でも熱狂的なファンがいてセールスも好調ながら、権威的なところからの評価が低いからな。
    解説にもある通り日活ニューフェースに通らなくてよかった。役者になっていたら余技で小説を書いたとしてもこんなにたくさんは読めなかったしな。

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    2018年07月19日
  • 創作の極意と掟

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    ネタバレ

    筒井康隆さんが32種類のテーマを軸に、創作の秘密を書いた本。これを読むと、作家の人が何を考えて創作をしているのか、がわかって非常に面白いし、筒井さんの作家としての天才性が浮き彫りになって面白い。なるほど、こういう頭の構造の人が、ああいう芳醇な物語を紡ぎ出すのか、と納得しきりでした。創作を意識している人は読んで損なしな気がします。

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    2018年06月22日
  • ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)

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    特異な物語展開のその自在というか奔放・・反復展開され変幻する物語世界(振幅)に惹きこまれた。正直途中退屈を感じることも多少あったけれど(失礼)。作家が誇示する小説の技量(語る力)、それは大した力業なのだがその強引さにどこまでつきあっていけるか?・・一方作家は読み手に対しそれをたくらんでいる?文学誌(「新潮」)に掲載された本作はそんな実験性に富むものでエンタメであるが読む人を選ぶ作品かと思う。著者の愛読者であっても好き嫌い(あるいは関心の強弱)が分かれるのでは?(そのところ『虚人たち』と似ているかも)。

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    2018年05月22日
  • 創作の極意と掟

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    小説作法書ではないと言っているが参考になる所も多い
    わざと展開を遅らせて気を持たせたりなど。
    基本的にその作品にあっていれば何でも良いというように思えた。
    実験的な小説についての解説がところどころにある。

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    2018年04月27日
  • 文学部唯野教授

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    もうこんな大学ないと思うのだが、それでも少しあってほしいと思うし、
    こんな教授いはしないと思うのだが、それでもいてほしいと思う。
    惜しむらくは、読者には前期の聴講しか許されていないことだ。

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    2018年04月05日
  • 愛のひだりがわ(新潮文庫)

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    筒井さんにしては微妙という感想を多く見ますが、私は好きです。ジュブナイルということでバッドエンドはありえないと思ってましたが、世界観はかなりハードボイルド。暴力が溢れているし、ときには殺人まで起こります。

    ただ、タイトルの示すとおり、ひだりがわに誰かがいつもいて守ってくれる、やさしさが伝わってくるお話です。

    ラストがとっても印象的。筒井さんが淡々と書くので、あっさりしていますが、何度か読み直して目頭が熱くなりました。

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    2018年04月01日
  • 48億の妄想

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    ネタバレ

    まるで今のインスタ至上主義な世の中を描いているような作品。誰もが他者の「まなざし」を意識してお芝居をするかのように日常生活をつくり、有名人になることや承認されることしか考えてない。その世界の先になにがあるか。これを40年以上も前に、31歳で書き上げた筒井康隆は天才だ…。

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    2018年01月09日
  • 笑うな(新潮文庫)

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    短編34編。中には見開き2ページというすごい(?)ものもあったが、どれも面白い。落語にインスパイアされたオチに、相変わらずのドタバタナンセンスに、思わずニヤリとさせられた。解説の横田順彌は管見にして知らず。ハチャハチャSFには興味がないが、明治研究の著書は読んでみたい。

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    2017年12月16日
  • 農協月へ行く

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    その昔、中学生か高校生のころ読んだ記憶があって、40年ぶりに再読してみた。農協のおかれた状況は異なっているとはいえ、農協をベンチャー企業とでも置き換えて読めばやっぱり笑っちゃう。人の本質って変わらないよね。「不幸なやつがいるために自らは幸福だといって喜ぶ」この真実を言い切れるのは筒井先生だけだと思うのだ。

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    2017年12月04日
  • 男たちのかいた絵(新潮文庫)

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    同時に『プリズンホテル』を読んでいることはセレンディピティと言えるかも。しかし、著者の描くヤクザの世界はかなり倒錯している。いきなりのホモ。そして終いには獣姦だ。各短編のタイトルもふるっていて良かった。

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    2017年11月26日
  • 夢の木坂分岐点(新潮文庫)

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    虚構の中の夢、夢の中の虚構
    入れ子になった世界に迷い込んだ意識は深く進むことはあっても遂に基底的な現実に戻ることはない仮にそこが現実だとしても
    とにかくメタメタメタ
    唯一の救いは夢の中の秩序だろうか

    巻末の解説が非常にわかりやすかった

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    2017年11月12日