筒井康隆のレビュー一覧

  • 幻想の未来

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    怖めの輪廻の話が来ると分かっていながらも時の女神は妙にロマンチストと詩情が感じられて好きだった。
    白き異邦人もこれからくる未来を感じるけど昭和46年に書かれたのかと思うとはっとさせられた。

    0
    2018年11月18日
  • ビアンカ・オーバースタディ

    Posted by ブクログ

    80歳になんなんとする大御所作家が、ラノベを書くというそのことだけでも面白いが、さらにその内容も荒唐無稽で不謹慎、下品でくだらなくて、パロディやメタ的なのでたまらない。ぼくもビアンキ様に●●てもらいたい。

    0
    2018年11月03日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

    Posted by ブクログ

    "小松左京さんとも仲がよかったのでしょう。そうでないと、こんな小説書けません。
    「パチンコ必勝法」も楽しい一遍。楽しめる作品でした。"

    0
    2018年10月28日
  • 男たちのかいた絵(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    やの付く自由業につく登場人物たちの喜劇を描く連作
    よくよく思い返すと任侠モノ映画というのをみたことがないので
    この分野の味わいについて思い入れがないが
    示威暴力を生業とする場ならではの常識があって
    そこからのズレもまたその他一般との差異が広く楽しめるものかもしれない

    0
    2018年10月26日
  • 農協月へ行く

    Posted by ブクログ

    筒井康隆のスラップスティックな短編を集めたアンソロジー的な一冊。収録されているのは「日本以外全部沈没」、
    「農協月へ行く」を始めとする7作品。

    悪意とアイロニーに満ちた豊穣な言葉が過剰なまでに繰り返され、さらなる過剰を期待し、過剰さのエクスタシーに導く。これは我々はどこまでも過剰さを愛し、過剰さを追求することを止められないという資本主義経済のミラーか?

    0
    2018年10月20日
  • 読書の極意と掟

    Posted by ブクログ

    文庫化前の『漂流 本から本へ』を読んだ記憶あり、再読。
    あらためて筒井節を堪能する。
    有り余る才能があるのに、しっかし恨みの多い人だな。
    でも熱狂的なファンがいてセールスも好調ながら、権威的なところからの評価が低いからな。
    解説にもある通り日活ニューフェースに通らなくてよかった。役者になっていたら余技で小説を書いたとしてもこんなにたくさんは読めなかったしな。

    0
    2018年07月19日
  • 創作の極意と掟

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    筒井康隆さんが32種類のテーマを軸に、創作の秘密を書いた本。これを読むと、作家の人が何を考えて創作をしているのか、がわかって非常に面白いし、筒井さんの作家としての天才性が浮き彫りになって面白い。なるほど、こういう頭の構造の人が、ああいう芳醇な物語を紡ぎ出すのか、と納得しきりでした。創作を意識している人は読んで損なしな気がします。

    0
    2018年06月22日
  • ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    特異な物語展開のその自在というか奔放・・反復展開され変幻する物語世界(振幅)に惹きこまれた。正直途中退屈を感じることも多少あったけれど(失礼)。作家が誇示する小説の技量(語る力)、それは大した力業なのだがその強引さにどこまでつきあっていけるか?・・一方作家は読み手に対しそれをたくらんでいる?文学誌(「新潮」)に掲載された本作はそんな実験性に富むものでエンタメであるが読む人を選ぶ作品かと思う。著者の愛読者であっても好き嫌い(あるいは関心の強弱)が分かれるのでは?(そのところ『虚人たち』と似ているかも)。

    0
    2018年05月22日
  • 創作の極意と掟

    Posted by ブクログ

    小説作法書ではないと言っているが参考になる所も多い
    わざと展開を遅らせて気を持たせたりなど。
    基本的にその作品にあっていれば何でも良いというように思えた。
    実験的な小説についての解説がところどころにある。

    0
    2018年04月27日
  • 文学部唯野教授

    Posted by ブクログ

    もうこんな大学ないと思うのだが、それでも少しあってほしいと思うし、
    こんな教授いはしないと思うのだが、それでもいてほしいと思う。
    惜しむらくは、読者には前期の聴講しか許されていないことだ。

    0
    2018年04月05日
  • 愛のひだりがわ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    筒井さんにしては微妙という感想を多く見ますが、私は好きです。ジュブナイルということでバッドエンドはありえないと思ってましたが、世界観はかなりハードボイルド。暴力が溢れているし、ときには殺人まで起こります。

    ただ、タイトルの示すとおり、ひだりがわに誰かがいつもいて守ってくれる、やさしさが伝わってくるお話です。

    ラストがとっても印象的。筒井さんが淡々と書くので、あっさりしていますが、何度か読み直して目頭が熱くなりました。

    0
    2018年04月01日
  • 48億の妄想

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まるで今のインスタ至上主義な世の中を描いているような作品。誰もが他者の「まなざし」を意識してお芝居をするかのように日常生活をつくり、有名人になることや承認されることしか考えてない。その世界の先になにがあるか。これを40年以上も前に、31歳で書き上げた筒井康隆は天才だ…。

    0
    2018年01月09日
  • 笑うな(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    短編34編。中には見開き2ページというすごい(?)ものもあったが、どれも面白い。落語にインスパイアされたオチに、相変わらずのドタバタナンセンスに、思わずニヤリとさせられた。解説の横田順彌は管見にして知らず。ハチャハチャSFには興味がないが、明治研究の著書は読んでみたい。

    0
    2017年12月16日
  • 農協月へ行く

    Posted by ブクログ

    その昔、中学生か高校生のころ読んだ記憶があって、40年ぶりに再読してみた。農協のおかれた状況は異なっているとはいえ、農協をベンチャー企業とでも置き換えて読めばやっぱり笑っちゃう。人の本質って変わらないよね。「不幸なやつがいるために自らは幸福だといって喜ぶ」この真実を言い切れるのは筒井先生だけだと思うのだ。

    0
    2017年12月04日
  • 男たちのかいた絵(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    同時に『プリズンホテル』を読んでいることはセレンディピティと言えるかも。しかし、著者の描くヤクザの世界はかなり倒錯している。いきなりのホモ。そして終いには獣姦だ。各短編のタイトルもふるっていて良かった。

    0
    2017年11月26日
  • 夢の木坂分岐点(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    虚構の中の夢、夢の中の虚構
    入れ子になった世界に迷い込んだ意識は深く進むことはあっても遂に基底的な現実に戻ることはない仮にそこが現実だとしても
    とにかくメタメタメタ
    唯一の救いは夢の中の秩序だろうか

    巻末の解説が非常にわかりやすかった

    0
    2017年11月12日
  • 48億の妄想

    Posted by ブクログ

    筒井作品は高校生の頃にはまり込んで読んだ。第一部でマスコミ、特にテレビに踊らされている送受信双方の人間模様がシニカルに書かれている。昭和51(1976)年に設定された本作品は、その10年前の1965年に出版された。近未来を描いたものだが、21世紀に生きる我々の目から見ても笑うに笑えない部分がある。そして第二部の韓国と日本の海戦で、TVで見たフィクションとしての戦争と現実の戦争がいかに乖離しているかを通して、TVの虚構性を浮き彫りにしている。高校生だった自分よ、果たして理解して読んでいたのか?

    0
    2017年08月19日
  • 笑うな(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    グロい(;゚Д゚)と思いながらも読んでしまう話もあり、惹きつけられた。
    最後の一文で笑ってしまう話もあり、電車の中で読んでたら危なかったかも笑

    0
    2017年07月04日
  • 笑うな(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ブラックユーモア主体の短編集。寓話の駝鳥、郷愁が優しい座敷ぼっこ、厨二病どっぷりのトーチカ、禁忌の末世法華経など表現に幅がありすぎるのにどれもきちんと作家らしさが立っていて素晴らしい。どの話もオチてるのかそうでないのか、という〆方が小粋ですき。

    0
    2017年05月07日
  • 銀齢の果て(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    老人版バトル・ロワイアルって言われるこの作品。リアルなんだけども、老い先短いってことが、生への執着の薄さにつながっているような気がして、映画で見たバトル・ロワイアルに比べると物足りなかったなーとも思う。
    しかし、多かれ少なかれ、この手の姥捨山的な扱いは、自分な年とった時にはあるものだろうなとも思う。覚悟していきたい。

    0
    2017年05月07日