筒井康隆のレビュー一覧

  • 残像に口紅を
    ・筒井康隆氏の本をはじめて読んだ。
    ・有名な作品。ひとつずつ音が消失していく世界で、どう物語を展開するか。
    ・途中やや展開が単一で飽きる部分もあったが、最終章の音の少なさからの怒涛の表現は、圧倒される。
    ・登場人物が物語を展開しながら、自分が小説の中の人間だと自覚しメタ視点で話しかけてきたり、降りた...続きを読む
  • 残像に口紅を
    読むのにかなり時間がかかった
    もちろん相性もあると思うけど、1番はわたしの知識不足だと思う
    1文字ずつ平仮名が失われていく中で、作者の筒井さんの巧みな日本語で違和感なく読み進めていける
    同時に知らない言葉も多く、こんなにたくさんの表現があるのに限られた言葉で生活している自分を残念に思った

    「残像に...続きを読む
  • パプリカ
    アニメを先に見たことがあったので映像が再現できて楽しかった。後半のスピード感はジェットコースター。面白かった。
  • カーテンコール
    短篇集だけあって読みやすいが、内容は難しくて社会風刺的。2020年末から執筆した小説を集めた本らしく、時事的な話が多い印象。
    最初の方で読むのをやめかけたが、「楽屋控」「美夜禍」「夜は更けゆく」「手を振る娘」「文士と夜警」は読みやすかった。
    「プレイバック」は作者過去作品の登場人物や亡くなった小説家...続きを読む
  • 短篇小説講義  増補版
    短編小説の名手である筒井康隆による短編小説の形式や手法の極意が述べられている一冊。今では古典として扱われている海外の名作短編を取り扱っており、作家がどのような思考をもとに作品を創作したか、理解することができた。短編小説の黎明期にあたって、海外の作家が道を切り開く軌跡をたどることができた。
    世界的な作...続きを読む
  • カーテンコール
    掌篇の背景に死を思わせながら自身の生を見つめて言葉を紡いでいく。私たちの日常はひとつの物語に終始するのではなくルーティンな営みに励み時折妄想で多様な世界を旅する。心地良さで構成されている世界は理想郷ではなく思考停止した隷属社会であり、不快・苦悩を受け入れてこそ世界はときめきを宿すのではないか。と筒井...続きを読む
  • 残像に口紅を
    文字が無くなっていく、という事実をこんなにもゆるやかに感じることが出来ると思いませんでした。1ページ目から1文字失われた状態ではじまる物語は驚くほどに違和感のないものでした。
    私たちの生活は、以外にも今現在使用している言葉が少し無くなったって成り立つのだと実感したと共に、文字や言葉がより生活や芸術、...続きを読む
  • 時をかける少女
    昔からある名作、として初めて読んでみた。
    読んでみると、ごくごくオーソドックスな時間トリップものという印象。
    発表された当時としてはセンセーショナルだったのかなぁ
  • 残像に口紅を
    世界から言葉が一音ごとに消えていく話題作。
    そういう病気、そういう世界、とかではなくて、主人公≒作者がメタ的に消していく。その点と、普通にストーリーがあまり面白くなかったのが残念。誰か現代版でリメイクしてくれないかな。

    言葉が消えて不自由になっていくさまと、それに対しての主人公の切り抜け方は面白い...続きを読む
  • 富豪刑事
    本屋でたまたま見かけたので「お!懐かしい!」と思い、購入した。以前、読んだがかなり昔。深田恭子主演のドラマを観て、面白かったから原作も読んだのだっけ。(私の王道パターン)なので2005年頃だったと思う。うわ!そんなに前だったのか!原作はもっともっと古く、1970年代頃に連載されていたらしいから背景も...続きを読む
  • カーテンコール
    文壇の最古参、最長老となりつつある作者が、もはや何の遠慮もいらないとばかり、好き放題に書き散らかしたかのような小品集。

    着意だけで書かれ、落ちがない作品も散見される。

    もう長編は書かないのか。
  • カーテンコール
    40年來の、ほどほどファンです。七瀬シリーズが最も好きですが、ショートショート、特にジュブナイル向け短編中編小説こそ、は先生の良い面が凝縮されているように感じています。

    本作品は先生の「夢」を再現したかのような浮遊感を感じる作品が多いように感じましたし読者・特に昔からのファンに対するラストメッセー...続きを読む
  • カーテンコール
    今年で90歳の筒井さん。「最後の作品集」と言われたら、とりあえず読まないわけにいかない。さすがに昔ほどの毒はもうないけれど、レトロ感たっぷりで、ドタバタや批判精神も忘れない御大〝らしさ〟が散りばめられた走馬灯のごとき25篇。芳山和子や小松左京ら懐かしい面々が登場する「プレイバック」が感慨深かった。ほ...続きを読む
  • カーテンコール
    ”最後の作品集”と言いながら、今後も「最後最後詐欺」として恐らく作品を出してくれるであろう筒井康隆御大の最新短編集。

    25の超短編、すなわちショートショートを収めたものであり、エッジの効いたブラックユーモアはいまだに健在であり、読者を安心させてくれる。

    個人的に気に入ったのはコロナ禍の日本社会を...続きを読む
  • 旅のラゴス(新潮文庫)
    きちんとした感想は多くの方が書いて&考察もされていることと思うので、以下は個人的なメモ。

    複数の方のおすすめだった本書。
    筒井康隆かあ…と思いつつ手に取る。
    時かけ、は中学生で読み、家族八景と七瀬再びは大学生のときに読んだ。
    時かけは面白かったけど、七瀬シリーズは暗くてしんどかった気がする。

    ...続きを読む
  • 誰にもわかるハイデガー 文学部唯野教授・最終講義
    ハイデガーの解説本の中でもいちばんわかりやすいと言う評価の「ハイデガー『存在と時間』を解き明かすNHKブックス」を読んでみたものの、まったく理解出来なかったので、さらにわかりやすそうなこの本を読んでみました。

    結果は、理解出来たとまでは言えないけど、「なるほど、こういう風な事が言いたかったのね。」...続きを読む
  • カーテンコール
    25篇の掌篇集。
    言葉遊び、ナンセンス、奇想天外ごちゃ混ぜになった玉手箱。これで最後とは嘘か誠か?
    「附・山号寺号」の切れ味、さすが!
  • カーテンコール
    端々のワードセンスは流石と思いつつ、個人的には「夜を走る」が面白すぎたせいで、筒井先生の短編集に対する期待値が上がりすぎていたように思う。
    インタビューで御本人が「書く力が弱くなった」とおっしゃっているし、収録作品の内容からしても筒井先生なりの終活の一環のつもりなんだろうか。
    ちなみに御年89歳、う...続きを読む
  • 笑犬楼vs.偽伯爵
    口の汚い頑固な爺さん2人の罵り合いを期待していたのに、見事にうらぎられる!
    互いに気を遣い合うかの如き美辞麗句の数々!

    それにしても、蓮實さんが「◯◯させていただく」表現を連発していることに、ガッカリしました…。
  • 繁栄の昭和
    同タイトル作の短編を含む短編集。
    筒井康隆ワールドを短編集として味わえる!?ってな感じかな。
    SFやミステリーにユーモア作品に・・・なんか理解できなかった作品など
    個人的には、面白い作品と微妙な作品の集まりで全体的には面白いか
    というと微妙な気がしてなりません。

    複数の文芸誌に掲載された作品をまと...続きを読む