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Posted by ブクログ
名探偵が大富豪なのである。主人公は神戸(かんべ)大助、まだ若手の、一介の刑事に過ぎないのだが、とにかく家が金持ちなのだ。時効真近の五億円強奪事件の犯人逮捕に、社長密室殺人事件のトリック解明に、五百万円の身代金のかかった誘拐事件の解決に、敵対関係にある暴力団同士の一触即発合同食事会の警備に、私財をいくら投じても良いのだ。
…という設定を生かした大助さんの人物像と捜査手腕を拝むだけでもじゅうぶん面白いのに、奥行きを感じさせるサブキャラ陣の描き方、実験性すらある思い切った省略話法、大胆にメタフィクションで遊ぶ語り口、そのどれもが効果的過ぎて、めちゃめちゃ楽しかった。
さらに、推理小説界に対してはきちんと仁義を切ってみせる律儀(?)な一面も感じられ…全方面抜かりなし。
短編四作で完結というこの規模感も、コンパクトで読みやすい反面もっと欲しくなってしまう物足りなさがあるが、この四作で変化するところと変化しないところのバランスが絶妙で、これはこれで完成なのだという説得力がある。完成とはいっても、何かの「原作」にしたくなる余地がたっぷりあって、ドラマ版もアニメ版も楽しそう(未見)。
筒井康隆ってよく知らなかったけれど、すごい人だということはわかった。
Posted by ブクログ
おびのりさんにお薦めをお願いしてもらった筒井康隆作品です。ありがとうございます!
紹介していただいたのはずいぶん前で、ずいぶん前に購入していたので、積読本に埋もれて探せなくて読むのが遅くなりました。最近、積読本をちょっとだけ片づけたのです。
キャデラックを乗り廻し、最高のハバナの葉巻をくゆらせた”富豪刑事”こと神戸大助が迷宮入り寸前の五億円強奪事件を、密室殺人事件を、誘拐事件を…次々と解決してゆく。金を湯水のように使って。靴底をすり減らして聞き込みに歩く”刑事もの”の常識を逆転し、この世で万能の金の魔力を巧みに使ったさまざまなトリックを構成。SFの鬼才がまったく新しいミステリーに挑戦した傑作ー文庫うらすじより。
主人公の刑事神戸大助はホテルオーナーの父である神戸喜久右衛門の財産を使って、難事件をお金をトリックに使って、じゃんじゃん解決していくという一風変わったミステリーですが小粋でとても面白いです。
時々、演劇を思わせるような演出場面があったり、ミステリーなのに笑いを誘うという筒井康隆氏の本領発揮のミステリーではないでしょうか。
特に最終話「ホテルの富豪刑事」は笑える展開が続きました。
文庫発行が昭和59年になっていますが、古臭さは全くありませんでした。
深田恭子主演でドラマ化というのも納得でした。
Posted by ブクログ
富豪が刑事という、あの作品を想い浮かべちゃう短編集。
時は、日本がバブルになる少し前、1970年代のオイルショックにより、
かなり景気が落ち込んでいた不景気の時代に、富豪の息子として、
育った、神戸大助は、大人になり刑事として働いていた。
そんな中で、富豪を活かしつつ、事件を解決していく。
あの作品ってのは、同時期に発表されているので、どちらが真似たって
ことはないのですが、富豪刑事がヒットしていたことで真似たエピソードを
描いていたりもします。 って、あの作品と濁す意味はないのですが、
週刊少年漫画で長年連載してた、派出所勤務の富豪・中川のことです。
これでもタイトルを隠すところは、いじらしいですかね(笑)。
4つのエピソードがあり、4つともだいぶ違ったトリックがあり、
作者の筒井康隆は、ミステリーは得意じゃないと発言されているようですが、
ミステリー好きも十分楽しめる作品じゃないかと思われます。
ドラマ・アニメ化もされていますが、そちらを見た人でも別物?
ってくらいに感じるかもしれません。
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