残像に口紅を

残像に口紅を

817円 (税込)

4pt

「あ」が消えると、「愛」も「あなた」もなくなった。ひとつ、またひとつと言葉が失われてゆく世界で、執筆し、飲食し、交情する小説家。筒井康隆、究極の実験的長篇。

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残像に口紅を のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年04月03日

    1、2文字づつ使える文字数が減っていく言葉遊び的な要素の強い小説。
    使えなくなった文字を含む単語が存在しなくなるため、主人公が娘の名前、妻の名前と忘れていき、段々と孤独になっていく心情変化が良かった。
    1章の範囲では言葉遣いに違和感がほとんどなく、どのように文を構成しているのかが興味深かった。
    終盤...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月26日

    筒井康隆さんにだから出来た小説だと思う。
    設定が入り込みやすくてページをめくる手が止まらなかった。
    英語ではできない作品だと思う。
    日本語の多様さが顕著に現れている作品。

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    Posted by ブクログ 2023年11月06日

    こんなに音が失われているのに、第三部に入るまではしっかりと物語が綴られていて驚いた。正直正しい音で読めていたかわからない。わからない言葉も沢山あった。しかしこんなにも言葉の言い換え、代用は可能なのか。
    音が消えると思い出も消える。こんなに悲しく気高い実験だったとは。

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    Posted by ブクログ 2023年11月02日

    『物語を超越した最早研究の一種のよう』

    まさに上記の通り
    読み進めるにつれその思いが強まる
    感嘆というかなんというか、圧巻

    また本の内容と題名がマッチしすぎている

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    Posted by ブクログ 2023年10月15日

    日本語の素晴らしさを改めて感じることができる小説。
    少しずつ日本語の音が消えてく物語を描いているが、英語等の他の言語ではあり得ない、日本語ならではの表現。翻訳すら不可能。日本人にしか読むことのできない本。
    別に話の内容が面白いわけではないが、素晴らしいので是非一読して欲しい。

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    Posted by ブクログ 2024年02月28日

    難しい内容だった。
    第二部までは、本当に言葉が失われているのか疑うほど、自然な文章だと感じた。言葉が失われていく中で、登場人物たちの言葉が荒々しくなっていく過程が面白い。第三部からは音が失われているのを実感出来た。また、メタ的発言をしている場面があり、面白かった。

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    Posted by ブクログ 2024年02月18日

    壮大な言語実験。

    音がひとつずつ消えていく...。
    「あ」が無くなれば「愛」も「あなた」もなくなる。
    そんな世界での物語。

    官能と自伝のシーンは、
    言葉遊びの達人ならではの文章でした。

    佐治勝男、
    言うまでもなく筒井康隆の「ことば力」に脱帽です。

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    Posted by ブクログ 2024年02月02日

    究極の実験的長篇小説、まさにこの小説のジャンル分けをすれば「実験的小説」に行き着く。虚構と現実をテーマとし、作者と主人公と登場人物と読者の境界線をあやふやにに進めるストーリーが秀逸であった。文字が消えていくことによる喪失感と残像の温かさを味わえる。次はどの文字が消えるのかと考えること、逆に読み返して...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月03日

    読み進めるほどに、これ最後どうなるんだろうドキドキという感情が高まる、そんな小説でした。

    話自体は作家先生がいろんな人といろいろするという、なんとも平凡な話なんですが、一つずつ文字が消えていくという仕掛けが面白い。
    物語のその文字を使った名前の人やものは消えるのはもちろん、この小説で使われる文字も...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月20日

    少しずつ「音(おん)」が消えていく虚構(=現実)の世界。音が消えていくに従ってそれが表す存在も消えていく。作家である主人公は、限られた音でどこまで物語を綴れるのか。
    正に筒井康隆ワールド。

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