筒井康隆のレビュー一覧
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大富豪の父を持つ刑事・神戸大助が、湯水のようにお金を使って事件を解決する推理小説仕立てのエンターテーメント。トリックだって金で解決する振り切ったミステリー。
父親は、過去悪徳を重ね富を得た事を後悔していて、息子が正義の為に、資金を使う事に、大喜び。全面協力体制。刑事・大助のキャラも良いの。温厚でいたって健全。愛車がキャデラックで、多少高級スーツを着用するけど。金銭感覚が幅広いというだけ。
好みは、“密室の殺人事件”のような、赤字会社作るためにエキスパート集めてダンピングしまくるも、結局黒字化してしまい、父が憤怒するパターン。ドラマ化では、このパターンを多用してたと思う。
原作は4編それぞれお金 -
Posted by ブクログ
ネタバレテレパスである火田七瀬は、私立高校の事務員として、突然存在する。彼女自身、現在の自分に疑問を持たない。彼女は、ひとりの男子高校生に興味を持つ。彼の周囲では、たびたび不思議な現象が起こる。そして、理由もわからぬまま、少年に惹かれていく。
彼の父親と会い、彼を巡る強い意思の存在を知ることになる。それは、かつて少年の母親だった女性の意思だった。母親は、選ばれし大宇宙の支配者となりその意思は宇宙に偏在しているのだった。
少年の母親の意思は、七瀬の肉体を一時的に支配して、息子と肉体関係を持つ。その刹那に、七瀬は宇宙意思の感覚を経験する。そして、七瀬によるその世界観の表現となる。
壮大なファンタジーに行き -
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「筒井康隆」の『恐怖』を読みました。
「筒井康隆」の作品は、本年3月に読んだ『日本以外全部沈没』以来ですね。
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姥坂市で起きた連続殺人事件。
犯人の狙いはどうやら、町に住む文化人を皆殺しにすることらしい。
「次に殺されるのは俺だ」、作家の「村田勘市」は次第に半狂乱に追いつめられていく。
一体犯人は何者なのか?
謎解きのサスペンスに加え「恐怖とは何か?」という人間心理の奥底にせまる異色傑作ミステリー。
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「筒井康隆」作品って、10代の頃に読んだSF作品のイメージが強いのですが、本作品は恐怖を題材とした -
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「筒井康隆」のパニック短篇集『日本以外全部沈没』を読みました。
1960年代から1970年代にかけて発表された作品の中からパニックモノの短篇やショートショート作品を再録した作品なので、むかーし、読んだことのある作品も含まれていましたが、ほとんど内容は忘れてしまっているので、新たな作品として楽しめました。
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地球規模の地殻変動で、日本を除くほとんどの陸地が海没してしまった。
各国の大物政治家はあの手この手で領土をねだり、邦画出演を狙うハリウッドスターは必死で日本語を学ぶ。
生き残りをかけた世界のセレブに媚びを売られ、すっかり舞い上がってしまった日 -