筒井康隆のレビュー一覧

  • 俗物図鑑(新潮文庫)

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    接待担当課長の収賄、企業の養子社長の苦悩と蒸発(懐かしい。今なら失踪か)などに端を発した俗物的評論家を集めた梁山泊プロダクションを核として、当時のマスコミや急進的女性団体、世相に対する風刺を効かせたドタバタ劇を堪能した。亭主の失踪を追って妻が、俗悪評論家の犯罪行為の疑いを抱いて刑事が、吸い込まれるように梁山泊ビル内に囚われてからの籠城戦が本書の見せ場だ。456から463ページの街頭インタビューは、著者の痛烈なマスコミ・世論批判でもあり壮絶。享介の最期の回想シーンは演劇出身の著者らしい。

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    2023年11月30日
  • カーテンコール

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    著者が「これがわが最後の作品集になるだろう。」
    と言っているので、是非とも読んでみたいと買いました。「時をかける少女」、「パプリカ」など、有名作を続々と描き続けた、筒井康隆氏、彼の今までの創作活動を集約したような、作品が25編も描かれています。特に筒井ファンにオススメなのは、「プレイバック」です。彼が今まで創り上げた作品の登場人物たちが、作中に出てくるのです。
    もう一度、彼の過去の作品を読みたいと感じました。

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    2023年11月27日
  • 男たちのかいた絵(新潮文庫)

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    アブノーマルな性的嗜好をもつヤクザたちが登場する短編集です。

    「恋とは何でしょう」は、ヤクザのホモ・セクシャルな純愛をあつかった話です。「解説」の中島梓が、ヤクザ映画への偏愛を熱く語っていますが、そのような世界を筒井康隆が書くと、こういう作品になるのかという納得感があります。もっとも、著者ならではの過剰なエネルギーの横溢はあるものの、パロディ作家としての著者の手腕はこの作品にはあまり見られません。

    むしろそうした方面への期待は、「アイス・クリーム」という作品によって満たされるのではないかという気がします。幼少期の父子関係にトラウマをもつヤクザが登場する物語なのですが、彼の暴力性を露悪的に拡

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    2023年11月24日
  • 家族八景(新潮文庫)

    A

    購入済み

    面白かった

    面白かったかな、ドロドロとしてけして読後感がよいとはいえないけれど。
    クセになるといえばクセになるようなそんな本です。
    人間心理の醜さがこれでもかと押し寄せてくるので
    読むのに少々心の耐力が必要だけど。
    そして我が身を省みれば、人間なんてそんなものかもしれないとも思う。

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    2023年11月23日
  • 残像に口紅を

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    音が消えている中でもスムーズな語り口に驚く。読み続けていると夢の中に迷い込んだような、現実でも何か消えているけど私が忘れてるだけなのではないか、という不思議な気持ちになる。

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    2025年08月16日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    『七瀬ふたたび』のラストからどうなって本作に繋がったのか疑問に思いながら読み始めるも、次第に、そんなことは忘れ読み進める。ラストでなるほど納得の理由でうまく前作と繋がった。これにはまんまとやたれたという感じ。図形的な文章表現も出てきて前衛的。他の小説では見たことがない「赤字の文字」は極北と言えるのではないかと思う。

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    2023年11月12日
  • 家族八景(新潮文庫)

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    「七瀬シリーズ」の第1弾。

    18歳の火田七瀬は、生まれたときから他人の心のなかを読みとることのできるテレパスの少女です。彼女が、さまざまな家でお手伝いの仕事をすることになり、一見したところごくふつうの家庭生活を送っているような人びとのかくされた心理が彼女の能力によって読者の前にさらされていきます。

    SF的な設定を駆使して、人間心理の奥底にひそむどす黒い感情をあらわにしている作品で、著者らしいブラック・ユーモアが効いています。同シリーズ第2弾の『七瀬ふたたび』(新潮文庫)の「解説」を執筆している平岡正明は、本作を「逆ホーム・ドラマ」と呼んでいるように、昭和時代のホームドラマの裏面をえがいた作

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    2023年11月12日
  • 誰にもわかるハイデガー 文学部唯野教授・最終講義

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    ここまでシンプルにハイデガーを解説してポイントを外さないのは素晴らしい。死への先駆性について、解説の大澤真幸さんの文章と合わせて理解が深まった。

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    2023年11月04日
  • カーテンコール

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    筒井康隆の一応最後の作品という事ですが、
    どこか生涯を振り返る様な内容に感じました。
    プレイバック、川のほとり、離婚熱が
    特に良かった。

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    2023年11月04日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    超能力者は普通人から迫害される。国家的組織からの迫害追求の中で、道南大沼付近の山荘にテレパス・テレシネす・タイムトリップ・未来予知などの能力を持ったものが集まるが、抹殺されていく。

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    2023年11月04日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    七瀬3部作の最後。この世界、そして七瀬自身も神に操られた存在であると気付く。太母の意思で、七瀬は復活し、存在し、行動する。現実存在とは、そのような「神」的者のシナリオによって演じさせられているのだ。それを受け入れるしかない。七瀬は、エディプスの恋人を演じるしかない。

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    2023年11月04日
  • 銀齢の果て(新潮文庫)

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    笑いあり、感動あり、グロテスクあり、エロあり、全てを兼ね備えた作品なのでは?
    電車の中でニヤニヤしながら読んでしまった。

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    2023年09月27日
  • 創作の極意と掟

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    本当は単行本を再読したのだけど、感想を書きたくて文庫版で再登録。

    著者も言う通り、これは創作の指南書ではなく、作家・筒井康隆の創作秘話エッセイとでも言える本である。

    とはいえ、プロの作家が創作にどう向き合っているのかを知ることは、巡り巡って創作の在り方の道標になるのだと感じた。

    書くには読むべし、という当たり前に改めて気付かされる本でもある。

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    2023年09月22日
  • わたしのグランパ

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    ネタバレ

    薄いからすぐ読み終わった。
    面白かった。
    色んなところにある康隆節が感じられてよかった。

    ゴダケン結局何して刑務所行ったのかわからなかった。

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    2023年09月03日
  • くさり ホラー短篇集

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    ホラーとしてはそこまでの怖さはないけど、
    ショートショートとしての切れ味は抜群によかったので好き

    1ページものもあれば、
    30ページ強のものもあり、
    バリエーションに富んでる

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    2023年09月03日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    自分たちと違う、異端者は、排除していく
    迷惑かけないように、ただひっそり生きているだけなのに

    七瀬には、少ないけど、仲間ができました
    自分と同じ、苦しみを抱える、能力者たち

    ぼくは、となりに、七瀬が住んでいたら、やっぱり受け入れることができないのだろうか

    受け入れることはできなくても、お互い、干渉せす、暮らせたらいいのに、と思いました

    自分と違う人の苦しみを想像して、暮らせたらいいのに、と思うことも偽善なのかな

    でも、それが偽善なのだとしたら、偽善は本当に駄目なのかな、とそんなことを思いました

    七瀬3部作の中で、1番共鳴した、作品です

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    2023年07月21日
  • 時をかける少女 TOKIKAKE

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    ネタバレ

    映画は良かったが、コミカライズされて大事なシーンや名ゼリフなどが省略、改変されてしまい薄っぺらくなってしまった…。和子の「待ち合わせに遅れた人がいたら、走って迎えに行くのがあなたでしょ?」や浩介が自転車事故を起こして、千昭がタイムリープした下りや、ラストの「未来で待ってる」「すぐ行く、走って行く」が省略されたのが残念。これもコミカライズの宿命か。

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    2023年07月16日
  • パプリカ

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    ネタバレ

    映画はだいぶ前に観たことあったものの、読んでいるとやっぱりまた観たくなる。
    映画では特に千葉敦子が魅力的で不思議な女であるという印象だったが、実際は結構戸惑っていたり、葛藤しており、容姿の魅力をも武器にしているだけで人間らしい人間だったのだなと印象が変わった。
    敦子が強姦されそうになるも、やむ無しと素直に受け入れることにしたにも関わらず、敦子のことを愛しすぎて不能に陥り、この役立たず!せっかくその気になってやったのに、と怒っているのが面白かった。
    DCミニの欠陥や副産物がたくさん絡んできたのが面白かった。DCミニは使いすぎると睡眠が深くなりすぎてしまい、現実に戻ってくる(目覚める)のが困難にな

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    2023年07月19日
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    金田一秀穂さんは
    日本語は緊急事態に向かないと言う

    緊急事態を宣言します、には
    本当に緊急事態なの?

    緊急事態宣言を発出します、だと
    ああそうですかとどこか他人事

    日本語の得意は落とし所を探す事

    ロックダウンより20時閉店
    和を持って貴しとなす、それでいい

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    2023年06月27日
  • 富豪刑事

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    好きな作品。筒井康隆らしいユーモアがあると思う。細かいことは気にせず、設定とテンポの良い話を楽しむ本。いろいろつっこみながら読むのも面白い。もっと悪ふざけしてお金を使ってほしい。

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    2023年10月19日