筒井康隆のレビュー一覧
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実はわたし、筒井康隆って『時をかける少女』しか読んだことがないのに、なぜか手に取って一気読み。面白かった〜。
黎明期のSF話は、たぶん星新一や小松左京のほうからは読んだことがあるけど、筒井康隆視点だといっそうハチャメチャ。筒井が会社をやめて自分のオフィスを持ったとき、その向かいのビルにある会社に偶然、眉村卓が務めていたとか、神話的すぎる(笑)
凄まじい執筆エネルギーと速筆ぶりにも驚かされた。あと、語りの面白さ。何度も声に出して笑ってしまった。これに関しては日下三蔵さんの引き出し方のうまさと、絶妙なまとめ方のおかげでもあるのでしょう。私にとっては、筒井康隆への入り口になりそう。最低限、48億 -
Posted by ブクログ
言葉を噛んでしまう。言い間違える。同じ事を二回言いがち。物覚えが悪い思い出せない。忘れ物はするなといってもする。この症状はすでに自覚しており、ああ家族や他人様の迷惑にならぬ様留意しよう。とは言えども現実は容赦無く私に試練をくだす。ままならぬ。そこで怒り出すと尚立場が危うくなる。はたから見れば八つ当たりして大人気ないじゃん誤解だ己に腹が立っているんじゃと言い訳も通用しなくなり冤罪じゃ私は無実なんじゃと弁解しても頑固爺の烙印を押される顛末を迎えようとしている。ならば、この本を読んで処世術の一つとして美学を確立しよう。さすれば、おじいちゃんという暖かさが伴う受け皿が待っているかもしれぬ。なに決して忖
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購入済み
SF短編を基調とした何でも短編
筒井康隆は初めてだったが、短編集ということもあって、彼独特の世界観を存分に楽しめた。主人公がおかしいかと思えば実はおかしいのは世界だったり、おかしな世界観でありながら実はただの現実だったり、冗談かと思えば本気だったり。冒頭からの怒涛の掌返しに、思わず舌を巻いた。秀逸なSFの世界観にはため息をもらし、ちょっとした皮肉や子供らしい可愛らしさもには頬を緩め、淡白な狂気に触れるとページを繰る手が止まる。それでいて、どの物語もオチは一貫してキレイ。十人十色の筒井康隆アンソロジーだった。
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10代の頃、一度読んだが、当時は面白いとは思わなかった。しかし再読は一気読み。
おそらく戦争というものへの知識というか、イメージというか何かが不足していて、この本を消化できなかったものと思われる。
馬頭星雲系に属する、顔が犬に似た人間の世界は、より文明が進んだ地球人類が関与した事も一因となり、全面戦争状態となる。
戦争に入用となる物資を軍人に売る商売をしている、「戦争ばあさん」とその4人の息子。
しかしその戦争が、長男・次男・三男を次々とばあさんから引き離していく。
長男は戦争で富豪となり、次男は反政府の農民軍を率いるリーダーとなり、ばあさんの元に残ったのは、馬鹿で喋る事の出来ない、末っ子のみ -
全てにおいて強烈!
是非々々一回は読むべき本、しかし、二回読む本ではありません。
人間の汚さが、あまりにも“露骨に”書かれ過ぎてます。
まるで、目の前に「膓」をぶちまけられた感覚…。
私の読書歴の中でも読後の不快感は断トツのトップ…。
でもあえて、その「不快感」を感じる価値がある本です。
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Posted by ブクログ
本書が単行本で出たときに買ったのだが、積ん読になったまま幾星霜。
宇宙を航行している大船団がある。その一宇宙船に船団司令部より指令が下る。使命は惑星クォール全居住民の殲滅。
鼬族の人口爆発により彼らによる犯罪が頻発。特に凶悪な鼬族約千名を3度にわたり惑星クォールに流刑にして約千年。鼬族は惑星クォールで文明を再び発展させ、刑紀九九九年に到り、「大空からの殺戮者」が襲来する。
そういう話なのだが……
なのだが……
まずコンパスが登場する。なぜなら、指令が下る船というが文具船だからである。船長は赤鉛筆で、副船長がメモ用紙、繊維じゃなくて船医は紙の楮(こうぞ)先生だったりする。文房具は生 -
Posted by ブクログ
文壇をテーマにした小説らしいということで読み出したがすでにそうしたものには『大いなる助走』がある。うろ覚えで恐縮だが新進作家が文壇の俗物どもにいいようにされて最後にぶち切れて文壇皆殺しをはじめるといった話でなかったか。筒井康隆ともあろう者が同じようなものを書くとも思えぬ。と読み出してみると似たエピソードが導入となっている。つまり私小説を書いている同人誌作家が文壇の前衛作家を狙って爆弾事件を起こすというのが冒頭。しかし本書のテーマは「文壇」ではなく「文学」なのだ。
そこで書評の導入もこんな風に路線変更。
私は週に1回だが、少々遠方に仕事に行っている。これまで自家用車で行っていたが、諸般の