筒井康隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
筒井康隆作品との出会いは、中学生の時のNHK少年ドラマシリーズの「タイムトラベラー」。原作は「時をかける少女」。やはりファーストコンタクトしたテレビドラマの方にイメージが固定されがちで、その後に読んだ文庫本からはあまり感動を得られなかった記憶がある。しかし、他の文庫本を読み進めるに連れて、どんどん筒井ワールドに引き込まれていった。
今回の本では、今まで知らなかった、というよりも読者が知り得なかった情報、つまり制作サイドの貴重な情報が得られた。これまでも制作関連情報は各種雑誌の特集・あとがき等で断片的に公開されてきたが、これだけ多くの内幕が判ると、更に作品の理解度が高まる。
作品リストは、これま -
購入済み
いやあ爺ちゃんカッコいいなあ。これに尽きる。
理不尽な相手には断固として引かない。腕も立つが、何より度胸が据わっている。
あまり使われなくなった言葉だが、硬骨漢という表現がぴったりだ。 -
Posted by ブクログ
実はわたし、筒井康隆って『時をかける少女』しか読んだことがないのに、なぜか手に取って一気読み。面白かった〜。
黎明期のSF話は、たぶん星新一や小松左京のほうからは読んだことがあるけど、筒井康隆視点だといっそうハチャメチャ。筒井が会社をやめて自分のオフィスを持ったとき、その向かいのビルにある会社に偶然、眉村卓が務めていたとか、神話的すぎる(笑)
凄まじい執筆エネルギーと速筆ぶりにも驚かされた。あと、語りの面白さ。何度も声に出して笑ってしまった。これに関しては日下三蔵さんの引き出し方のうまさと、絶妙なまとめ方のおかげでもあるのでしょう。私にとっては、筒井康隆への入り口になりそう。最低限、48億 -
Posted by ブクログ
言葉を噛んでしまう。言い間違える。同じ事を二回言いがち。物覚えが悪い思い出せない。忘れ物はするなといってもする。この症状はすでに自覚しており、ああ家族や他人様の迷惑にならぬ様留意しよう。とは言えども現実は容赦無く私に試練をくだす。ままならぬ。そこで怒り出すと尚立場が危うくなる。はたから見れば八つ当たりして大人気ないじゃん誤解だ己に腹が立っているんじゃと言い訳も通用しなくなり冤罪じゃ私は無実なんじゃと弁解しても頑固爺の烙印を押される顛末を迎えようとしている。ならば、この本を読んで処世術の一つとして美学を確立しよう。さすれば、おじいちゃんという暖かさが伴う受け皿が待っているかもしれぬ。なに決して忖
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購入済み
SF短編を基調とした何でも短編
筒井康隆は初めてだったが、短編集ということもあって、彼独特の世界観を存分に楽しめた。主人公がおかしいかと思えば実はおかしいのは世界だったり、おかしな世界観でありながら実はただの現実だったり、冗談かと思えば本気だったり。冒頭からの怒涛の掌返しに、思わず舌を巻いた。秀逸なSFの世界観にはため息をもらし、ちょっとした皮肉や子供らしい可愛らしさもには頬を緩め、淡白な狂気に触れるとページを繰る手が止まる。それでいて、どの物語もオチは一貫してキレイ。十人十色の筒井康隆アンソロジーだった。
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Posted by ブクログ
10代の頃、一度読んだが、当時は面白いとは思わなかった。しかし再読は一気読み。
おそらく戦争というものへの知識というか、イメージというか何かが不足していて、この本を消化できなかったものと思われる。
馬頭星雲系に属する、顔が犬に似た人間の世界は、より文明が進んだ地球人類が関与した事も一因となり、全面戦争状態となる。
戦争に入用となる物資を軍人に売る商売をしている、「戦争ばあさん」とその4人の息子。
しかしその戦争が、長男・次男・三男を次々とばあさんから引き離していく。
長男は戦争で富豪となり、次男は反政府の農民軍を率いるリーダーとなり、ばあさんの元に残ったのは、馬鹿で喋る事の出来ない、末っ子のみ -
全てにおいて強烈!
是非々々一回は読むべき本、しかし、二回読む本ではありません。
人間の汚さが、あまりにも“露骨に”書かれ過ぎてます。
まるで、目の前に「膓」をぶちまけられた感覚…。
私の読書歴の中でも読後の不快感は断トツのトップ…。
でもあえて、その「不快感」を感じる価値がある本です。