筒井康隆のレビュー一覧

  • 筒井康隆、自作を語る

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    筒井康隆作品との出会いは、中学生の時のNHK少年ドラマシリーズの「タイムトラベラー」。原作は「時をかける少女」。やはりファーストコンタクトしたテレビドラマの方にイメージが固定されがちで、その後に読んだ文庫本からはあまり感動を得られなかった記憶がある。しかし、他の文庫本を読み進めるに連れて、どんどん筒井ワールドに引き込まれていった。
    今回の本では、今まで知らなかった、というよりも読者が知り得なかった情報、つまり制作サイドの貴重な情報が得られた。これまでも制作関連情報は各種雑誌の特集・あとがき等で断片的に公開されてきたが、これだけ多くの内幕が判ると、更に作品の理解度が高まる。
    作品リストは、これま

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    2020年09月27日
  • わたしのグランパ

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    いやあ爺ちゃんカッコいいなあ。これに尽きる。
    理不尽な相手には断固として引かない。腕も立つが、何より度胸が据わっている。
    あまり使われなくなった言葉だが、硬骨漢という表現がぴったりだ。

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    2020年09月25日
  • 筒井康隆、自作を語る

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    第一世代はものが違うな。面白くて一気読み。筒井康隆はあたりハズレが多い印象だったが、どこかで未読作をまとめて読みたいな。

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    2020年06月15日
  • 筒井康隆、自作を語る

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    実はわたし、筒井康隆って『時をかける少女』しか読んだことがないのに、なぜか手に取って一気読み。面白かった〜。

    黎明期のSF話は、たぶん星新一や小松左京のほうからは読んだことがあるけど、筒井康隆視点だといっそうハチャメチャ。筒井が会社をやめて自分のオフィスを持ったとき、その向かいのビルにある会社に偶然、眉村卓が務めていたとか、神話的すぎる(笑)

    凄まじい執筆エネルギーと速筆ぶりにも驚かされた。あと、語りの面白さ。何度も声に出して笑ってしまった。これに関しては日下三蔵さんの引き出し方のうまさと、絶妙なまとめ方のおかげでもあるのでしょう。私にとっては、筒井康隆への入り口になりそう。最低限、48億

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    2020年06月06日
  • おれの血は他人の血

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    あぁ…面白かった、と。

    さすが筒井先生と言わざるを得ない。

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    2020年01月26日
  • 老人の美学(新潮新書)

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    言葉を噛んでしまう。言い間違える。同じ事を二回言いがち。物覚えが悪い思い出せない。忘れ物はするなといってもする。この症状はすでに自覚しており、ああ家族や他人様の迷惑にならぬ様留意しよう。とは言えども現実は容赦無く私に試練をくだす。ままならぬ。そこで怒り出すと尚立場が危うくなる。はたから見れば八つ当たりして大人気ないじゃん誤解だ己に腹が立っているんじゃと言い訳も通用しなくなり冤罪じゃ私は無実なんじゃと弁解しても頑固爺の烙印を押される顛末を迎えようとしている。ならば、この本を読んで処世術の一つとして美学を確立しよう。さすれば、おじいちゃんという暖かさが伴う受け皿が待っているかもしれぬ。なに決して忖

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    2020年01月12日
  • にぎやかな未来

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    SF短編を基調とした何でも短編

    筒井康隆は初めてだったが、短編集ということもあって、彼独特の世界観を存分に楽しめた。主人公がおかしいかと思えば実はおかしいのは世界だったり、おかしな世界観でありながら実はただの現実だったり、冗談かと思えば本気だったり。冒頭からの怒涛の掌返しに、思わず舌を巻いた。秀逸なSFの世界観にはため息をもらし、ちょっとした皮肉や子供らしい可愛らしさもには頬を緩め、淡白な狂気に触れるとページを繰る手が止まる。それでいて、どの物語もオチは一貫してキレイ。十人十色の筒井康隆アンソロジーだった。

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    2019年12月16日
  • 愛のひだりがわ(新潮文庫)

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    ◯児童書としても進められる内容。構成としてはかなり王道のストーリー。
    ◯文章表現は一時代前のように感じるが、情景がスッと頭に描ける平易さや、一人称の語りによる演出とはいえ巧み。
    ◯しかし何故だろう、歳をとったせいか、こういった本で涙腺を刺激されるようになった。

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    2019年12月03日
  • 文学部唯野教授

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    何度読んでも蜂巣川教授のくだりで大笑いしてしまう。滑稽でみっともなくて大真面目にどうしようもない人間たちが右往左往している、問答無用で面白い話。また、章末の講義や会話中の知的な言葉遊びが愉快。

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    2019年09月14日
  • 笑うな(新潮文庫)

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    短編集。
    一番初めに収録されていたのが、表題の「笑うな」。これを読んだだけでこの本を書いた人間が天才なのだと分かるはずだ。誠実に今の時代にSFを書くとこうなる、というのを教えてもらった気分。

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    2019年05月24日
  • 銀齢の果て(新潮文庫)

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    社会がああだこうだ施策を練る。それに盲目的に従っていいのだろうか。無視するだけじゃ社会不適応者だけど、反抗するのはいいじゃないか、その中に人権をうたう国民の権利が含まれている。声をあげよう。SNS上の揚げ足取りは半熟未熟!と蹴散らそう。快活な惨劇が社会の病理をえぐり出す傑作。

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    2019年02月26日
  • 笑うな(新潮文庫)

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    同じような各編様々な趣向凝らした短編集として
    先に読んだ『冷蔵庫より愛をこめて』と比較してしまうと
    どちらが優れているか明確
    小説の評価軸というものを感じてしまう
    比べてはいけないかどうかはもどかしい

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    2018年10月26日
  • 文学部唯野教授

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    学会学閥を題材にしたコメディと
    文学評論史に対する演説が噛み合わさった著者ならではの作品
    文学部に限らず文系学問に縁がないが
    いずれにせよ学問じたいが大変なものだとはたからみて思う
    そうでないものが大変でないということではないのだろうけれども

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    2018年10月20日
  • 虚航船団(新潮文庫)

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    作者は後にイタチ科惑星の“ファウナ”に、「ラッコ忘れた」と言ってゐるが、例へラッコもふもふが21世紀初頭に辛うじてあったやうな状態でも別にいいと思ふ。
     メタフィクションとして、選挙カーががなる人の名前らしきものが出て来る他、ホチキスが放つ針をカタカナに見立て
     ココココココココココ
    といふ表現が出て来る。

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    2018年02月13日
  • 文学部唯野教授

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    やはり筒井康隆は天才だなと思う。ややっこしい批評理論とその背景にある哲学を小説仕立てで騒乱の中でさらりと総覧させてくれる。もちろんこれは筒井康隆の読みであり理解であるにしても批評理論というものをよく描けているような気がする。読んで感じた一定の印象は今後、いい意味で役に立つと思う。

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    2017年12月18日
  • アホの壁(新潮新書)

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    ネタバレ

    アホの冒頭から読みだすと頭に全く入ってこないことも
    後半から読みだすと頭に入って来るのかもしれませんよ。

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    2017年11月12日
  • 馬の首風雲録

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    10代の頃、一度読んだが、当時は面白いとは思わなかった。しかし再読は一気読み。
    おそらく戦争というものへの知識というか、イメージというか何かが不足していて、この本を消化できなかったものと思われる。
    馬頭星雲系に属する、顔が犬に似た人間の世界は、より文明が進んだ地球人類が関与した事も一因となり、全面戦争状態となる。
    戦争に入用となる物資を軍人に売る商売をしている、「戦争ばあさん」とその4人の息子。
    しかしその戦争が、長男・次男・三男を次々とばあさんから引き離していく。
    長男は戦争で富豪となり、次男は反政府の農民軍を率いるリーダーとなり、ばあさんの元に残ったのは、馬鹿で喋る事の出来ない、末っ子のみ

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    2017年11月27日
  • 笑うな(新潮文庫)

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    再読。
    しかも、以前持っていて売られてしまい、探していたら古本屋で見つけた。
    やっぱり、表題作は何度読んでも笑える。
    小1の娘に読んであげたら、笑っていた。
    こういう本はすごい。

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    2018年03月20日
  • 聖痕

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    筒井氏の作品はできる限り読むようにしているが、近年の作品でも好きなのが本書。

    主人公はじめ家族に起こった出来事や、その当時実際に起こった出来事を述べる部分が多く、個別の場面の描写が密にされることはあまりない。
    筒井氏は、「省略」や「時間経過」についての技法にかねてから取り組んでいたが、本書はその一つの到達点ではないか。

    くどくどと心理描写を重ねるのとは正反対の文体だが、読んでいてわずか数語の文字列に心を揺さぶられるところがあった。
    これは表面的に真似をしようとしてもできない、巨匠の名人芸である。
    ただただ、感服。

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    2016年08月13日
  • 大いなる助走

    全てにおいて強烈!

    是非々々一回は読むべき本、しかし、二回読む本ではありません。
    人間の汚さが、あまりにも“露骨に”書かれ過ぎてます。
    まるで、目の前に「膓」をぶちまけられた感覚…。
    私の読書歴の中でも読後の不快感は断トツのトップ…。
    でもあえて、その「不快感」を感じる価値がある本です。

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    2016年05月12日