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日本SFの黎明期における同人誌〈NULL〉の創刊と、その掲載作「お助け」が江戸川乱歩に発見されての商業デビュー。『時をかける少女』などのヒットや「浸透と拡散の時代」を経て、エンタメ小説黄金期における大活躍と断筆宣言。そして日本文学界の大家となり「最後の長篇」の執筆に至るまで――半世紀を超える作家生活を自ら語り明かして第50回星雲賞を受賞した豪華インタビュー集、新規対談を加えて待望の文庫化。
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Posted by ブクログ
筒井康隆作品との出会いは、中学生の時のNHK少年ドラマシリーズの「タイムトラベラー」。原作は「時をかける少女」。やはりファーストコンタクトしたテレビドラマの方にイメージが固定されがちで、その後に読んだ文庫本からはあまり感動を得られなかった記憶がある。しかし、他の文庫本を読み進めるに連れて、どんどん筒...続きを読む井ワールドに引き込まれていった。 今回の本では、今まで知らなかった、というよりも読者が知り得なかった情報、つまり制作サイドの貴重な情報が得られた。これまでも制作関連情報は各種雑誌の特集・あとがき等で断片的に公開されてきたが、これだけ多くの内幕が判ると、更に作品の理解度が高まる。 作品リストは、これまで何度も形を変えて公開されてきたが、今回も出版した単行本・文庫本等を中心にまとめられているが、作品一つ一つを中心に纏めたリストをそのうち自分で作ろうかと思っている。ただ、その前に十分に調査して無駄な作業をしないようにしよう。
第一世代はものが違うな。面白くて一気読み。筒井康隆はあたりハズレが多い印象だったが、どこかで未読作をまとめて読みたいな。
実はわたし、筒井康隆って『時をかける少女』しか読んだことがないのに、なぜか手に取って一気読み。面白かった〜。 黎明期のSF話は、たぶん星新一や小松左京のほうからは読んだことがあるけど、筒井康隆視点だといっそうハチャメチャ。筒井が会社をやめて自分のオフィスを持ったとき、その向かいのビルにある会社に偶...続きを読む然、眉村卓が務めていたとか、神話的すぎる(笑) 凄まじい執筆エネルギーと速筆ぶりにも驚かされた。あと、語りの面白さ。何度も声に出して笑ってしまった。これに関しては日下三蔵さんの引き出し方のうまさと、絶妙なまとめ方のおかげでもあるのでしょう。私にとっては、筒井康隆への入り口になりそう。最低限、48億と、只野教授ぐらいは読まなくちゃ。あと、竹書房から出た短編集と。
2014年から2017年くらいにかけて行われた筒井康隆が自作について語るトークショーや対談集をまとめた一冊。筒井康隆の素晴らしい記憶力と、インタビュアーである編集者の博覧強記ぶりによって、どのように名作の数々が生まれたのかを知ることができるし、当然その誕生の背景も様々な面白おかしいエピソードに彩られ...続きを読むている。 個人的に一番面白かったのは2008年に発表された「ダンシング・ヴァニティ」の誕生秘話であった。本作は”差異と反復”という言葉そのものであるように、ストーリーが微妙に差異を孕みつつ繰り返す反復されて生きながら進んでいく。 その背景には、新潮社に対して試しに原稿料を半額で良いと言ったら、先方が思いのほか喜んで半額が通ってしまったために、「半額なら手抜きでいいか」となったエピソードがあるという。手抜きをするためにコピー&ペーストで作れる小説を書きつつ、それが意外にも良い出来になるという点に、御大の作家としての力量を感じざるを得ない良いエピソードであった。
けっこう今までの日記などでの言及と異なるコメントがある(たとえば『フェミニズム殺人事件』に成立についてのコメントは『幾たびもDIARY』でのコメントとニュアンスどころではない差があると思う)のが気になった。基本はトークショーの文字起こしだし、普通にいろんなこと忘れていて当然だと思うので、そのこと自体...続きを読むは問題ないとは思うが、この本のコメントだけを典拠になんか判断されちゃうとよくなさそうね。著作リストは単行本からちゃんとこの文庫時にまで更新されてます。リストによると『現代語裏辞典』は文庫の方が項目が多いらしい。
日下三蔵氏との対談・インタビューで構成される。日下氏の知識がすごい。本人でさえ思い出せない短編のタイトルがぱっと出てくる。
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筒井康隆、自作を語る
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