筒井康隆のレビュー一覧
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本作は文学的実験である。しかし同時に娯楽小説でもある。実験の主たる手法は反復。
「おれ」は美術評論家で、母親と妻、幼い娘、出戻りの妹とその娘と先祖代々の家に住んでいる。ストーリーは「おれ」の本が売れたり家を建てたり画家と付き合ったりという美術評論家の日常であるが……
「ねえ。誰かが家の前で喧嘩してるよ」と妹が言いにくる。とばっちりを受けたら大変と家族を奥の部屋に避難させ、「おれ」は二階の窓から様子をうかがう。すると家の前ではやくざと大学生が喧嘩している。喧嘩がエスカレートして死人が出たところで、再び「ねえ。誰かが家の前で喧嘩してるよ」。とばっちりを受けたら大変と家族を奥の部屋に避難させ、 -
Posted by ブクログ
筒井康隆の傑作の1つである。登場人物の自我からの脱出の顛末。自我同士の絡まり合いとぶつかり合いによる、時空がねじれ合うドタバタなのに、不思議と最後までするすると読めてしまうのはタイトルにも有るサンバをはじめとした音楽的リズムの賜である。20年ぶりに再読したが相変わらず新鮮。自我により世界が想いのままにねじれのたうつのは、映画「マトリックス」「インセプション」の元ネタになったのではないかとの説もあるが、無いだろう。むしろ下地に有る夢野久作や、どっちが下地かわからないつげ義春の作品が時々フラッシュする。最後の論文のパロディがやや退屈と思ったところで、「これからがパロディでなく、これまでがパロディで
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Posted by ブクログ
表紙が素敵だったのとタイトルに惹かれて購入しました。
「愛のひだりがわ」というタイトルから、”愛”という
概念を主軸にしている内容と想像していたのですが、
とっても単純な意味でした♪
(勿論、概念の”愛”も大きなテーマの本です。)
そして、「愛のひだりがわ」の意味が分かった瞬間、
新幹線で読んでいたにも関わらず涙が我慢できませんでした。
タイトル一つでもこんなに意味があって、心を打たれるのは
さすが筒井先生です。本当に言葉が大好きなんだと思います。
今のままでは将来の日本は作中で描かれている様な
日本になるのだと思います。そうならないように…子供が
こんなに苦労したり悲しんだりする日本にならな