筒井康隆のレビュー一覧

  • ウィークエンド・シャッフル

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     人生で暫定一位の短編集かもしれません。突拍子のないドタバタ系から、切ない話、純文学寄りのものから、現代への鋭い風刺まで、様々な角度から短編を楽しめました。毛色の違う収録作たちに共通しているのは、等身大の精神を描いているところだと思います。現実味はないかもしれないけど、どこか血の通った作品はとても好きです。表題作のようなトンデモ展開も、しっかりとまとまったストーリーに昇華できる筒井康隆…本当にすごいです。
     こんなに笑った短編集は初めてだし、こんなに観念を揺さぶられた短編集も初めてです。収録作は全部良かったですが、特に良かったのは『如菩薩団』と表題作、あと『犬の町』ですね。

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    2025年04月07日
  • パプリカ

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    映画のパプリカは夢探偵として見る奇妙な精神分裂患者の夢(奇妙な平沢進先生の音楽を載せて)が印象的であり、主人公としてパプリカにスポットが当てられている気がした。
    ダリの絵を見て感動するように、支離滅裂でストーリー性のない不安を煽られるような夢には何か惹きつけられるものがある。
    解読不可能なものに圧倒させられたい気持ちが私のSF好きに繋がっているのかも。
    自分の人生において何度も夢に出てくるような強烈な意味を持つものってなんだろう。わんちゃん、絵、Tube、本棚etc
    自分を含め色々な人が夢で葛藤している様子を映画化してほしいな。無意識に自分が秘めている気持ちが夢に現れるのには神秘性を感じること

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    2025年03月04日
  • 家族八景(新潮文庫)

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    テレパスの七瀬がお手伝いさんとして家庭を転々と渡り歩く物語。
    手塚治虫の漫画を読んでるような、ミステリーと人間の黒さが面白かった。

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    2025年02月28日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    SF小説でもなく、かと言ってファンタジーでもなく、しいて言えば最上級のなろう小説。子供の頃から神話の英雄譚や冒険小説に憧れ、長じてもなお、ビルドゥングスロマンを求めてなろう小説を読み漁るぼくに刺さらない訳もなく。
    最大の賞賛を込めて言うが、高校生の頃に夏休みを丸ごと捧げて、昼も夜もなく夢中でなろうの超巨編を読み通した時のあの感動を思い出した。しかもたった250ページで。久方ぶりの満足感。

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    2025年12月30日
  • 富豪刑事

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     大富豪の刑事が有り余るお金を湯水の如く使って事件を解決していく。4編の短編それぞれに違ったミステリ的趣向が凝らされていてとても面白かった。登場人物の個性も際立っていて、時折クスリとさせられるユーモアが絶品である。実験的な書き方が楽しい「富豪刑事のスティング」がお気に入りだ。

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    2025年02月19日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    ネタバレ


    今までにない読書体験だった。
    ラストにとんでもない視点が提示されて、初めて本当の意味でタイトルの意味がわかる。
    七瀬は『エディプスの恋人』を演じさせられる為にこの世に再創造された存在である、ということに気づくなんて読者の誰も想像できなかったんじゃないかな。
    智広の身勝手に超能力を信頼している人間性に個人的にはずっと注目していたし、七瀬がそれとどう向き合うのか、そして七瀬が一人の人間として、「火田七瀬」として、自分自身とどう向き合うのか楽しみにページを繰っていたわけだけど、ここに帰着させるのかという。
    最初は超自然的ミステリー的な始まり方なんだけど、後半の展開がすごい。
    七瀬が頼央(智広の父親

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    2025年02月15日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    ネタバレ

    評価が難しい作品で、レビューでも色々突っ込まれています。なぜ★5にしたかというと、初心者にもやさしいことと、ミステリを趣味にしようと思うなら、できるだけ早い段階で読んでおいた方が良い作品だからです (名作だからというよりミステリ好きならどうせ一度は読むのだからという感じです)。あと個人的にはロートレックを選んだセンスが素晴らしいと思います。
    他の人の感想を聞いたりサイトのレビューを見る前に、先ず読んでしまいましょう。
    低評価の多くは、この作品のトリックを使った際の弱点にあるのですが、その後、その弱点に対応を効かせた作品が、色々な作家により産み出されています。個人的にはそれらが総合的にこの作品を

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    2025年02月11日
  • 文学部唯野教授

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    小説であり文学史である

    書名は知っていて、もっと前に他の人が言っているのを聞いていた。ようやく読んでみた。自分は文学批評もしてみたいと思っていたので、小説部分に笑ったり面白がったりしながら、批評に関する流れや解説が読めてためになった。

    #タメになる #笑える

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    2025年02月04日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    個人的に、エディプスの恋人の登場人物のイメージ像が伊藤潤二作品の画風にぴったり合う。(七瀬→富江さん、香川智広→四つ辻の美少年)
    香川くんの名前(普通)がかけがえのないすばらしいもののように思える七瀬が普通の女の子みたいで可愛いすぎる。
    筒井康隆の意外なまで(宇宙はさほど話の舞台にならないから)真摯な宇宙への畏怖がある。
    エディプス(男の子が母親を慕い父親に反感を覚える傾向であるエディプスコンプレックスから来ている)(=智広)
    エディプスの恋人(=火田七瀬)

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    2025年01月19日
  • 家族八景(新潮文庫)

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    知り合いに薦められて筒井康隆さん初読。
    全然関係ないのに、なぜか俳優の筒井道隆さんが浮かんでしまい今まで未読だったけど、かなり毒が効いていて面白かった。
    個人的には初期の乙一さんを思い出したけど、全然違うかも。
    ちなみに筒井道隆さんも好き。あすなろ。

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    2025年01月04日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    七瀬シリーズの第二弾

    前作の家政婦の視点での家族ドラマの短編集とは打って変わり今作はサスペンスタッチのエンターテイメント小説へと変化している
    作中で登場する超能力による駆け引きはジョジョ4部や岸部露伴などの異能力ものを彷彿させるが、テレパシーという意識感応能力がゆえに視覚演出としてはかなり地味ではある
    だがそれが小説という媒体だからこそ伝わるスリリングかつエキサイティングな演出に我々読者の心を魅了させる事に成功が出来てると言える
    しかもただハラハラドキドキする娯楽小説ではなく闇の組織や超能力者の苦悩や差別などを実社会の人間の暗部をオブラートに伝えているところは作者の力の入りようも凄まじく最終

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    2024年12月16日
  • パプリカ

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    ネタバレ

    夢の、支離滅裂なのになぜか自分は納得しているような不思議な感じがそのまま表現されていた。
    特に、後半は夢の中に入ったり、現実世界に戻ったり、夢が多重構造をしていたりで、ぐるぐるとスピード感を持って世界が入れ替わるのが読んでいてとても楽しかった。

    敦子が性に奔放で、イケメンと言うよりは冴えない地味な男性やおじさんに好意を抱きがちなのは違和感が少しあると思って読み進めていた。
    しかし、敦子自体が誰かの夢の登場人物であると考えると納得したし、なんならおじさんの理想のセラピストはきっと敦子みたいなキャラクターに他ないとさえ思う。

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    2024年11月30日
  • 銀齢の果て(新潮文庫)

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    「非常におもしろかった」と言えば、その人間性を疑われ兼ねないが、非常におもしろかった。筒井康隆氏の作品はいくつか拝読したが、『シルバー世代のバトルロワイヤル』というあらすじを読んで本作『銀齢の果て』を本屋で探し続けた挙げ句、見つけることは叶わず、結局はネットで購入して読むに至った。
    本作は場面転換や日付の移り変わりがあるにもかかわらず、章で区切ったりはされておらず、そのせいで読む手を止めることができなかった。これ程、1作を早く読んだのは初めてである。

    内容は至って分かりやすい、老人の殺し合いであり、酷く趣味が悪いことであると思う。しかし、狂気じみた殺し合いだけでなく、しっかりとした設定や殺し

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    2024年11月17日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    ノリオ、ヘンリー、ヘニーデ姫など登場人物の色が強く出ていて素敵。
    七瀬が彼らをどんどん味方につけていく展開もワクワクする!
    彼女の相手に超能力を知られてはいけないが、自分は断片的に相手の情報を読み取れる前提(ルール?)があるから、その中で道を切り開いていくのが面白い。

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    2024年10月24日
  • パプリカ

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    映画はまだ観ていないけれど、原作ということで読んでみた!
    普通に面白かった!でも映画の方が面白いらしいから、早く映画を観たい。
    YouTubeで見た理事長の発狂シーンや素敵な戯言がいつ出てくるのかと心待ちにしていたのに、結局最後まで出てこなかった。かなしい、、、
    キャラクターが良かった!特にパプリカと玖珂。能勢と粉川も好き。副理事長や小山田も読んでいて不快になるタイプの悪役ではなかった。

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    2024年10月05日
  • 笑うな(新潮文庫)

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    めちゃくちゃ癖のある短編集(はちゃめちゃSFってジャンルらしい)。
    表題作の「笑うな」は、読んで爆笑した。本を読んでここまで笑い転げたことはないくらい笑った。
    他の作品も、面白かったり面白くなかったり、色々。ちゃんと面白くない作品もあるから、この作品は面白いのかどうか分からないギャンブル性みたいなのも楽しかった。
    個人的には、「傷つけたのは誰の心」、「ある罪悪感」、「赤いライオン」、「駝鳥」、「トーチカ」あたりが面白かった。「産気」は、最後の方まで面白かったのに、オチが本当に残念。
    本全体で見たら、色んな感情になれて面白かったから星5。
    そういえば、世にも奇妙な物語っていう番組に世界観が似てい

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    2024年08月05日
  • パプリカ

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    30年ぶりに読んだが面白かった。こんな前に今でも目新しく感じる精神科領域の物語を書くなんて、筒井氏は流石だと思った。
    映画も見てみたい。

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    2024年06月02日
  • 時をかける少女

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    話題になっているのはたびたび目にしていました。
    SFものでレトロな文体です。
    時をかける少女がひとつのお話だけじゃないことを知り、びっくりしました。

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    2024年05月24日
  • 富豪刑事

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     名探偵が大富豪なのである。主人公は神戸(かんべ)大助、まだ若手の、一介の刑事に過ぎないのだが、とにかく家が金持ちなのだ。時効真近の五億円強奪事件の犯人逮捕に、社長密室殺人事件のトリック解明に、五百万円の身代金のかかった誘拐事件の解決に、敵対関係にある暴力団同士の一触即発合同食事会の警備に、私財をいくら投じても良いのだ。
     …という設定を生かした大助さんの人物像と捜査手腕を拝むだけでもじゅうぶん面白いのに、奥行きを感じさせるサブキャラ陣の描き方、実験性すらある思い切った省略話法、大胆にメタフィクションで遊ぶ語り口、そのどれもが効果的過ぎて、めちゃめちゃ楽しかった。
     さらに、推理小説界に対して

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    2024年05月23日
  • わたしのグランパ

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    購入済み

    こっちの表紙ものいぢさん

    角川のビアンカもそうだけど、こちらの表紙もいとうのいじさん。
    ヒロインはJC、のいぢさんたいへんよくわかっていらしゃる。女性ならではですね。
    中味は小気味いい系の筒井品質、嫌なことの一つ二つ忘れられます。程度によりますが。
    お好みで。

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    2024年05月12日