筒井康隆のレビュー一覧
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人生で暫定一位の短編集かもしれません。突拍子のないドタバタ系から、切ない話、純文学寄りのものから、現代への鋭い風刺まで、様々な角度から短編を楽しめました。毛色の違う収録作たちに共通しているのは、等身大の精神を描いているところだと思います。現実味はないかもしれないけど、どこか血の通った作品はとても好きです。表題作のようなトンデモ展開も、しっかりとまとまったストーリーに昇華できる筒井康隆…本当にすごいです。
こんなに笑った短編集は初めてだし、こんなに観念を揺さぶられた短編集も初めてです。収録作は全部良かったですが、特に良かったのは『如菩薩団』と表題作、あと『犬の町』ですね。 -
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映画のパプリカは夢探偵として見る奇妙な精神分裂患者の夢(奇妙な平沢進先生の音楽を載せて)が印象的であり、主人公としてパプリカにスポットが当てられている気がした。
ダリの絵を見て感動するように、支離滅裂でストーリー性のない不安を煽られるような夢には何か惹きつけられるものがある。
解読不可能なものに圧倒させられたい気持ちが私のSF好きに繋がっているのかも。
自分の人生において何度も夢に出てくるような強烈な意味を持つものってなんだろう。わんちゃん、絵、Tube、本棚etc
自分を含め色々な人が夢で葛藤している様子を映画化してほしいな。無意識に自分が秘めている気持ちが夢に現れるのには神秘性を感じること -
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ネタバレ
今までにない読書体験だった。
ラストにとんでもない視点が提示されて、初めて本当の意味でタイトルの意味がわかる。
七瀬は『エディプスの恋人』を演じさせられる為にこの世に再創造された存在である、ということに気づくなんて読者の誰も想像できなかったんじゃないかな。
智広の身勝手に超能力を信頼している人間性に個人的にはずっと注目していたし、七瀬がそれとどう向き合うのか、そして七瀬が一人の人間として、「火田七瀬」として、自分自身とどう向き合うのか楽しみにページを繰っていたわけだけど、ここに帰着させるのかという。
最初は超自然的ミステリー的な始まり方なんだけど、後半の展開がすごい。
七瀬が頼央(智広の父親 -
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ネタバレ評価が難しい作品で、レビューでも色々突っ込まれています。なぜ★5にしたかというと、初心者にもやさしいことと、ミステリを趣味にしようと思うなら、できるだけ早い段階で読んでおいた方が良い作品だからです (名作だからというよりミステリ好きならどうせ一度は読むのだからという感じです)。あと個人的にはロートレックを選んだセンスが素晴らしいと思います。
他の人の感想を聞いたりサイトのレビューを見る前に、先ず読んでしまいましょう。
低評価の多くは、この作品のトリックを使った際の弱点にあるのですが、その後、その弱点に対応を効かせた作品が、色々な作家により産み出されています。個人的にはそれらが総合的にこの作品を -
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七瀬シリーズの第二弾
前作の家政婦の視点での家族ドラマの短編集とは打って変わり今作はサスペンスタッチのエンターテイメント小説へと変化している
作中で登場する超能力による駆け引きはジョジョ4部や岸部露伴などの異能力ものを彷彿させるが、テレパシーという意識感応能力がゆえに視覚演出としてはかなり地味ではある
だがそれが小説という媒体だからこそ伝わるスリリングかつエキサイティングな演出に我々読者の心を魅了させる事に成功が出来てると言える
しかもただハラハラドキドキする娯楽小説ではなく闇の組織や超能力者の苦悩や差別などを実社会の人間の暗部をオブラートに伝えているところは作者の力の入りようも凄まじく最終 -
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「非常におもしろかった」と言えば、その人間性を疑われ兼ねないが、非常におもしろかった。筒井康隆氏の作品はいくつか拝読したが、『シルバー世代のバトルロワイヤル』というあらすじを読んで本作『銀齢の果て』を本屋で探し続けた挙げ句、見つけることは叶わず、結局はネットで購入して読むに至った。
本作は場面転換や日付の移り変わりがあるにもかかわらず、章で区切ったりはされておらず、そのせいで読む手を止めることができなかった。これ程、1作を早く読んだのは初めてである。
内容は至って分かりやすい、老人の殺し合いであり、酷く趣味が悪いことであると思う。しかし、狂気じみた殺し合いだけでなく、しっかりとした設定や殺し -
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めちゃくちゃ癖のある短編集(はちゃめちゃSFってジャンルらしい)。
表題作の「笑うな」は、読んで爆笑した。本を読んでここまで笑い転げたことはないくらい笑った。
他の作品も、面白かったり面白くなかったり、色々。ちゃんと面白くない作品もあるから、この作品は面白いのかどうか分からないギャンブル性みたいなのも楽しかった。
個人的には、「傷つけたのは誰の心」、「ある罪悪感」、「赤いライオン」、「駝鳥」、「トーチカ」あたりが面白かった。「産気」は、最後の方まで面白かったのに、オチが本当に残念。
本全体で見たら、色んな感情になれて面白かったから星5。
そういえば、世にも奇妙な物語っていう番組に世界観が似てい -
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名探偵が大富豪なのである。主人公は神戸(かんべ)大助、まだ若手の、一介の刑事に過ぎないのだが、とにかく家が金持ちなのだ。時効真近の五億円強奪事件の犯人逮捕に、社長密室殺人事件のトリック解明に、五百万円の身代金のかかった誘拐事件の解決に、敵対関係にある暴力団同士の一触即発合同食事会の警備に、私財をいくら投じても良いのだ。
…という設定を生かした大助さんの人物像と捜査手腕を拝むだけでもじゅうぶん面白いのに、奥行きを感じさせるサブキャラ陣の描き方、実験性すらある思い切った省略話法、大胆にメタフィクションで遊ぶ語り口、そのどれもが効果的過ぎて、めちゃめちゃ楽しかった。
さらに、推理小説界に対して -
購入済み
こっちの表紙ものいぢさん
角川のビアンカもそうだけど、こちらの表紙もいとうのいじさん。
ヒロインはJC、のいぢさんたいへんよくわかっていらしゃる。女性ならではですね。
中味は小気味いい系の筒井品質、嫌なことの一つ二つ忘れられます。程度によりますが。
お好みで。