筒井康隆のレビュー一覧
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昭和46年(1971年)発売の作品集。
いや〜色褪せない。
ドタバタやグロ、シュールとかが得意な筒井さんだけど、こんなめちゃくちゃリリカルで感傷的な作品も書けるの凄すぎる。
表題作『幻想の未来』はあまりにも壮大なスケールで美しい。
当時、冷戦下だったから地球の未来がわからない中で常に想像力を働かせていたんだなと想像する。
放射能と炭素熱で破壊された核戦争後の大都会。極限状況で出逢った二人は子をもうけた。
時がたち、過酷な環境に淘汰されながら、適応するために変異を続ける生命体。地球上の意思ある生命体は朽ち果て、意識の集合体だけが残る世界で生きていくことができるのか。
やがて他の惑星から -
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ネタバレすごい本を読んだ。
描写について。主人公の思考で本ができているが、私より遥かに目的論的な世界観で生きており、私とは異なる感性を持った思考体であることを意識させられる。自分がそう思っただけなのに、〇〇であることを伝えるために〇〇はある。みたいなことすぐ言う。面白い。もちろん実験的な構成とか描写が私を感動させた理由だけれど、それを私が書くほどには掴めきれておらずなんと書いたらいいのかわからないからとりあえず描写について気づいたことを書いた。
ストーリーとは関係のない描写ばかりだなとは思っていたが、文章の量と小説内の時間を比例させようとしていたのには気づかなかった。悔しい。妙に印象的な立小便の件と -
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同名小説のコミカライズ。
自身が創作の中の人物であることに気がついてしまった主人公が、文字が1つずつ消えていく世界で生きていく。
小説では書かなければそこにあろうとなかろうと気にならないけど、マンガである以上は失われたものは描くこともできないので、コミカライズする上でとても苦労したろうな……
「自分が創作の中の人物だと気付く」というメタフィクションだが、マンガであるが故にそこから一歩踏み込んで「自身が原作のあるマンガの登場人物である」ことにも気付かせるのは素晴らしい展開。その媒体でしかできないことをやるのはメディアミックスの基本にして理想系だなあと。
終盤、文字が少なくなってきてからの展開は小 -
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人生で暫定一位の短編集かもしれません。突拍子のないドタバタ系から、切ない話、純文学寄りのものから、現代への鋭い風刺まで、様々な角度から短編を楽しめました。毛色の違う収録作たちに共通しているのは、等身大の精神を描いているところだと思います。現実味はないかもしれないけど、どこか血の通った作品はとても好きです。表題作のようなトンデモ展開も、しっかりとまとまったストーリーに昇華できる筒井康隆…本当にすごいです。
こんなに笑った短編集は初めてだし、こんなに観念を揺さぶられた短編集も初めてです。収録作は全部良かったですが、特に良かったのは『如菩薩団』と表題作、あと『犬の町』ですね。 -
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映画のパプリカは夢探偵として見る奇妙な精神分裂患者の夢(奇妙な平沢進先生の音楽を載せて)が印象的であり、主人公としてパプリカにスポットが当てられている気がした。
ダリの絵を見て感動するように、支離滅裂でストーリー性のない不安を煽られるような夢には何か惹きつけられるものがある。
解読不可能なものに圧倒させられたい気持ちが私のSF好きに繋がっているのかも。
自分の人生において何度も夢に出てくるような強烈な意味を持つものってなんだろう。わんちゃん、絵、Tube、本棚etc
自分を含め色々な人が夢で葛藤している様子を映画化してほしいな。無意識に自分が秘めている気持ちが夢に現れるのには神秘性を感じること -
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ネタバレ
今までにない読書体験だった。
ラストにとんでもない視点が提示されて、初めて本当の意味でタイトルの意味がわかる。
七瀬は『エディプスの恋人』を演じさせられる為にこの世に再創造された存在である、ということに気づくなんて読者の誰も想像できなかったんじゃないかな。
智広の身勝手に超能力を信頼している人間性に個人的にはずっと注目していたし、七瀬がそれとどう向き合うのか、そして七瀬が一人の人間として、「火田七瀬」として、自分自身とどう向き合うのか楽しみにページを繰っていたわけだけど、ここに帰着させるのかという。
最初は超自然的ミステリー的な始まり方なんだけど、後半の展開がすごい。
七瀬が頼央(智広の父親 -
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ネタバレ評価が難しい作品で、レビューでも色々突っ込まれています。なぜ★5にしたかというと、初心者にもやさしいことと、ミステリを趣味にしようと思うなら、できるだけ早い段階で読んでおいた方が良い作品だからです (名作だからというよりミステリ好きならどうせ一度は読むのだからという感じです)。あと個人的にはロートレックを選んだセンスが素晴らしいと思います。
他の人の感想を聞いたりサイトのレビューを見る前に、先ず読んでしまいましょう。
低評価の多くは、この作品のトリックを使った際の弱点にあるのですが、その後、その弱点に対応を効かせた作品が、色々な作家により産み出されています。個人的にはそれらが総合的にこの作品を -
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七瀬シリーズの第二弾
前作の家政婦の視点での家族ドラマの短編集とは打って変わり今作はサスペンスタッチのエンターテイメント小説へと変化している
作中で登場する超能力による駆け引きはジョジョ4部や岸部露伴などの異能力ものを彷彿させるが、テレパシーという意識感応能力がゆえに視覚演出としてはかなり地味ではある
だがそれが小説という媒体だからこそ伝わるスリリングかつエキサイティングな演出に我々読者の心を魅了させる事に成功が出来てると言える
しかもただハラハラドキドキする娯楽小説ではなく闇の組織や超能力者の苦悩や差別などを実社会の人間の暗部をオブラートに伝えているところは作者の力の入りようも凄まじく最終 -
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「非常におもしろかった」と言えば、その人間性を疑われ兼ねないが、非常におもしろかった。筒井康隆氏の作品はいくつか拝読したが、『シルバー世代のバトルロワイヤル』というあらすじを読んで本作『銀齢の果て』を本屋で探し続けた挙げ句、見つけることは叶わず、結局はネットで購入して読むに至った。
本作は場面転換や日付の移り変わりがあるにもかかわらず、章で区切ったりはされておらず、そのせいで読む手を止めることができなかった。これ程、1作を早く読んだのは初めてである。
内容は至って分かりやすい、老人の殺し合いであり、酷く趣味が悪いことであると思う。しかし、狂気じみた殺し合いだけでなく、しっかりとした設定や殺し