筒井康隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文庫版の初版が1975年で、手元にある本は
2025年版 96刷
50年前からのロングセラー
七瀬3部作の1冊目
火田七瀬は生まれながらの超能力者
テレパシーで目前の人の心を読む事ができる
テレパスで有る事を隠し通すため、会社に勤めたりせず、住み込みのお手伝いさんとして、いろいろな家庭を渡り歩く七瀬
8つの家庭で働くなか、その家族たちの関係性や心理状態が明らかになっていく
この8家族、外見はふつうだが皆がみな、もう笑えるくらいドロドロでみにくい
若くて美しい七瀬の魅力のため、男性たちが好色の目を向け、分かっている事を相手に悟られない様に
切り抜けて行くのはハラハラしながらもおもしろい。
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Posted by ブクログ
誰もが一度はこんな力あったらいいな!と思ったことがあるのではなかろうか。
本書の主人公火田七瀬は他人の心が読めてしまうテレパス。
最初はワクワクした気持ちだったが、読み進めていくうちに他人の心が読めるのも辛いなと感じた。
例えば相手にプレゼントや何かしてあげた時に、「もしかして喜んでくれるかな?」と思う楽しさや不安がなくなってしまう。
その「もしかして」がなくなってしまうとつまらない。
きっと結婚や恋愛も難しいだろう。
これでは人間不信になってしまう。
人の心が分かるのも難儀だな。
タイトルの家族八景とは七瀬が家政婦として8組の家族の心に忍び寄って観察した様が描かれている。
家政婦というと中 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本好きの子からオススメされた。
以下、好みの作品
●時の女神
白いスーツ、長い髪、美しい女性に出会い忘れられない女性。子供のころ、思春期を経て3回目の再会を果たし結婚。幸福な生活を送る。「時を自由自在に、行ったり来たりできるの。(未来へも)あなたの将来を見るために(行ったことがある)」という妻は、娘を残して死去する。時が経ち妻そっくりに成長した娘は「結婚する人は、もう決まっているわ。会ってきた」と。
●走る男
誰もオリンピックに関心を寄せない近未来。出場者は3名。その内の1人である主人公。途中で下水道で出会った女性と結婚しそのまま普通の生活を送る。晩年、衣類整理をしていると自分の鉢巻を見つけ、 -
Posted by ブクログ
ずいぶん前に映画を見たため内容をほぼ忘れており、また最近筒井康隆の小説に出会って面白さを体験し、1から読み返そうと思ったのがきっかけです。「見てから読む」派閥です。
本編は3つのストーリーに分かれた短編集で、お馴染みの青春タイムトラベル『時をかける少女』を始め、般若の面、高所恐怖症の苦手を払拭するために、主人公が過去のトラウマを追求していく『悪魔の真相』、主人公の理想が現実になった世界へタイムトラベルする『果てしなき多元の宇宙』の3つが楽しめる。SF小説といえば筒井康隆という言葉を見かけるが、まさに体現するような小説だった。
私はが印象的だったのは『悪魔の真相』だ。苦手な物には過去のトラウ -
Posted by ブクログ
犬に噛まれて左腕が不自由になった少女、愛が父親を探して犬を連れて旅をする物語。ジュブナイルらしい平易かつ一昔前の教科書のような読みやすい文体でありながら、暴力が支配する近未来の日本の治安は非常に悪く、そんな世界を旅するいたいけな少女というコントラストが非常に良かった。まるでその道中はさながらRPGのように仲間との出会いと別れが描かれていて、誰かがいなくなれば誰かが助けてくれる風になるあたり、人との絆や「縁」というものを感じてしまう。子供でいる間は魔法に近い奇跡があったりするのだが、そうした時期を過ぎれば魔法はただの現実となり、主人公の世の中への解像度が上がる従ってその風景もより現実的に変わって