筒井康隆のレビュー一覧

  • 残像に口紅を

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     荒技です。すごいです。これを読んじゃったら、筒井康隆は天才だ、って素直に言えちゃう。
     文字が一つずつ消えて行く中で、物語を書くというのは、まあちょっと変わったことをやりたい作家なら思いつくだろうけど、ほんとにそれをやっちゃっうから(^^;)。途中でポルノもあるし。ラストは、まあこんなもんかなと思ったけど、ラストまでたどり着いたことがすごいです。
     これと「旅のラゴス」と両方書いちゃうんだから、やっぱ筒井康隆は偉大だ。

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    2025年08月12日
  • 時をかける少女

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     タイムリープものの『時をかける少女』、悪夢の原因を探る『悪夢の真相』、マルチバースを扱った『果てしなき多元宇宙』の三編が収録されていて、SFの2作品が面白く特に前者は長年読み継がれるのも納得する色褪せない名作だった。

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    2025年08月10日
  • 残像に口紅を

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    前情報無く手に取ったので(後にそれがとても幸運だったと知りました)、なんだこの新しい試みは...!と今までにないくらい読んでいてワクワクしました

    章が変わるごとに消えていて何度も何度も「これは何のことを言い換えているのか?」と数ページ読み返しました。それが楽しかった。

    後半、文字が少なくなりどうやって分として成り立たせるのか気になって最後まで読み進められました。

    読み始めのあの高揚感は皆さんにも感じていただきたいです。

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    2025年09月07日
  • 時をかける少女 (角川つばさ文庫)

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    ネタバレ

    時をかける少女は面白かったが、その後の短編集がちょっと訳わかんなかった。特に牛の話が意味不明すぎた。おちは姉の夢だったとかでもなく、結局牛のままで話が終わったのがわけわかんないと思った。時をかける少女は「君の名は」に似てる気がする。特に最後、記憶が消えてまた会えるよねみたいなところが似てた。

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    2025年08月02日
  • 銀齢の果て(新潮文庫)

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    将来のある若者の為に高齢者には殺し合いをしてもらいます
    老人版バトルロワイヤル(地区内対戦)
    もう、筒井康隆以外が書いたら大炎上でしょ
    これイイ話にしようとも出来るんだけど筒井康隆ですよ、しません
    だからこそ、長生きって悪なのかという問いが見えてくる。押絵が風刺画ですもん。お前らのけもんにするけどこうなればいいんか?おもろいか?
    あえてポップに書けるとこがまた素晴らしい

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    2025年07月21日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    ネタバレ

    もう夏が暑過ぎてどこにも出掛ける気になれず家で出来る趣味ないかなと久しぶりに読書始めました。

    叙述トリックが好きで以前から気になってたこれ。

    騙されないぞーと思いながら読んでたはずなのですがやっぱり種明かしされた時は?????ってなりましたよ。

    読んでてちょっと今これ誰が喋ってんの?って思う時あったんですけどやっぱり騙された

    最後の犯人の死刑にしてくださいって重い

    読み応えあり面白かった

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    2025年07月14日
  • 佇むひと リリカル短篇集

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    ネタバレ

    本好きの子からオススメされた。
    以下、好みの作品
    ●時の女神
    白いスーツ、長い髪、美しい女性に出会い忘れられない女性。子供のころ、思春期を経て3回目の再会を果たし結婚。幸福な生活を送る。「時を自由自在に、行ったり来たりできるの。(未来へも)あなたの将来を見るために(行ったことがある)」という妻は、娘を残して死去する。時が経ち妻そっくりに成長した娘は「結婚する人は、もう決まっているわ。会ってきた」と。
    ●走る男
    誰もオリンピックに関心を寄せない近未来。出場者は3名。その内の1人である主人公。途中で下水道で出会った女性と結婚しそのまま普通の生活を送る。晩年、衣類整理をしていると自分の鉢巻を見つけ、

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    2025年07月05日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    お手伝いさん七瀬の物語がこんなに広がりを持つとは!
    筒井康隆の語りは癖になる。
    第3作も読みます。、

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    2025年07月04日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    歳をとるのは悲しく虚しいことですね。
    正確には歳をとること自体よりも、それにより自分の能力の衰えることが怖い

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    2025年06月20日
  • 時をかける少女

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    ずいぶん前に映画を見たため内容をほぼ忘れており、また最近筒井康隆の小説に出会って面白さを体験し、1から読み返そうと思ったのがきっかけです。「見てから読む」派閥です。

    本編は3つのストーリーに分かれた短編集で、お馴染みの青春タイムトラベル『時をかける少女』を始め、般若の面、高所恐怖症の苦手を払拭するために、主人公が過去のトラウマを追求していく『悪魔の真相』、主人公の理想が現実になった世界へタイムトラベルする『果てしなき多元の宇宙』の3つが楽しめる。SF小説といえば筒井康隆という言葉を見かけるが、まさに体現するような小説だった。

    私はが印象的だったのは『悪魔の真相』だ。苦手な物には過去のトラウ

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    2025年06月16日
  • 虚人たち 新版

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    ネタバレ

    文章が一切書かれていないページ、現実か虚構なのかわからない曖昧な世界観、本作の主人公が小説の主人公を意識しているというメタ的な表現など、小説の形式を破った独特の作品である。

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    2025年06月07日
  • 家族八景(新潮文庫)

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    テレパスの少女・七瀬が住み込みのお手伝いとして働く家庭が、七瀬の影響で崩壊する話。『笑ゥせぇるすまん』みたいな感じ。
    どの家庭も人間関係がいちいちグロテスクで、旦那は基本的に浮気し、奥さんは旦那を馬鹿にしくさっている。
    七瀬もそこそこ酷い目に遭うけど、別に同情とかする気にもならない。そこも喪黒福造。
    シリーズものだが、純粋な短編集としても8本全部ハズレがない。

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    2025年06月09日
  • 愛のひだりがわ(新潮文庫)

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    犬に噛まれて左腕が不自由になった少女、愛が父親を探して犬を連れて旅をする物語。ジュブナイルらしい平易かつ一昔前の教科書のような読みやすい文体でありながら、暴力が支配する近未来の日本の治安は非常に悪く、そんな世界を旅するいたいけな少女というコントラストが非常に良かった。まるでその道中はさながらRPGのように仲間との出会いと別れが描かれていて、誰かがいなくなれば誰かが助けてくれる風になるあたり、人との絆や「縁」というものを感じてしまう。子供でいる間は魔法に近い奇跡があったりするのだが、そうした時期を過ぎれば魔法はただの現実となり、主人公の世の中への解像度が上がる従ってその風景もより現実的に変わって

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    2025年06月03日
  • わたしのグランパ

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    作中に存在する人間同士のまっとうな倫理規範のようなものは、現在では失われてしまっているので、いまはなかなかこう簡単に片付くことはないんだろうな…と思いつつも、それが存在した時代の話として非常に懐かしく読んだ。面白かった。簡単に片づけてくれるおじいちゃんの格好良さと、格好良いだけではない部分どちらもよかった。

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    2025年05月28日
  • カーテンコール

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    広範な知識とあらゆる分野の蘊蓄が迸り出てくる短編が25本.素晴らしいと感じた.どれもさらりと読めるが、ニヤリとさせる部分も多く、それぞれの内容を長年の経験と散策で掴み取ってきた過程が楽しめた.「コロナ追分」の小唄のようなリズムで次々にフレーズが出てくる創作力は文章作成力というより、閃き力の賜物だと感じた.面白かった.

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    2025年05月26日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「ロートレック荘」という避暑地の別荘を舞台に若者たちが巻き起こす恋の駆け引きと、その結果としての悲劇を描く。ただの殺人事件ではない、ハンディキャップを背負った青年の屈折した想いに焦点を当てた青春ミステリ。
    時に「アンフェアだ」とも批判される叙述トリックの金字塔だが、伏線が実はたくさん張ってあってフェアネスに配慮されていたと思う。トリックもさることながら、若者特有の不安定で荒々しい情動を切り出した青春小説として読むべき作品と感じた。

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    2025年05月24日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    七瀬三部作を読み切った。
    1作目はおどろおどろしく、2作目はエンタメ小説、3作目の本作は作者が自分自身のために書いたような難解な小説だった。
    難解ではあるけれど、考察がとてと面白い。
    まだ読み終わった直後であり、自分の考察がまとまっていないので、ゆっくりまとめていこう。
    七瀬三部作は父のおすすめで読んだので、父と意見交換をすることが楽しみ。
    七瀬三部作、特にエディプスの恋人は同じ小説を読んだもの同士で意見交換するまでが楽しみ方のセットと感じた。
    週末、父の意見交換をすることが本当に楽しみだ。

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    2025年05月14日
  • 堕地獄仏法/公共伏魔殿

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    SF短編集にハマって、この筒井康隆氏の短編集をも手に取って読んでみた。

    まず物騒なタイトル、中身もまあ物騒(社会通念的に?)だった。

    これが50年前くらいに書かれていたのかと思うとかなりの慧眼、未来視でもしたのかと思うほどだった。解説にもあるように、人間の本質が変わらないということだろう。

    気に入ったのは「いじめないで」「一万二千粒の錠剤」の二つ。
    「うるさがた」「懲戒の部屋」などは読んでて没入し、かなりイラついた(これはかなりいい意味で)。

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    2025年05月14日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    途中の読みにくいと感じていた部分も全て伏線。
    充実した内容。
    身体障害者についての文章について、作家がテーマの自主規制をしていることに対するアンチテーゼとして書いたのかもしれない。面白い。

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    2025年05月13日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    すごい!前作とは違う大迫力の展開
    七瀬のテレパスに加えて
    透視、予知、念動力、タイムトラベラー
    次々と出てくるは出てくるは‥
    もうやりたい放題といった感じ
    頼むからもうやめて〜
    何度も叫びたくなった
    これでまだ続きがあるなんて‥

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    2025年05月12日