【感想・ネタバレ】ロートレック荘事件(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。ロートレックの作品に彩られ、優雅な数日間のバカンスが始まったかに見えたのだが……。二発の銃声が惨劇の始まりを告げた。一人また一人、美女が殺される。邸内の人間の犯行か? アリバイを持たぬ者は? 動機は? 推理小説史上初のトリックが読者を迷宮へと誘う。前人未到のメタ・ミステリー。

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きっと、「へぇ、ミステリーってそういう手法があるのか。じゃぁもう一捻りしたやつを書いてみせよう」って思って書いた作品なんだろう。
筒井さんは時々こんな感じで別ジャンルに手を出すのです。

謎解きではページ数まで明示して優しく解説してくれます。
ここまで丁寧に謎解きをしてくれるミステリーは初めて読みました。

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2025年11月29日

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ネタバレ

評価が難しい作品で、レビューでも色々突っ込まれています。なぜ★5にしたかというと、初心者にもやさしいことと、ミステリを趣味にしようと思うなら、できるだけ早い段階で読んでおいた方が良い作品だからです (名作だからというよりミステリ好きならどうせ一度は読むのだからという感じです)。あと個人的にはロートレックを選んだセンスが素晴らしいと思います。
他の人の感想を聞いたりサイトのレビューを見る前に、先ず読んでしまいましょう。
低評価の多くは、この作品のトリックを使った際の弱点にあるのですが、その後、その弱点に対応を効かせた作品が、色々な作家により産み出されています。個人的にはそれらが総合的にこの作品を超えているとは思わないのですが、かと言ってこの作品にも突出した魅力のようなものが足らない印象もあります。
ミステリは書き慣れていない作家のためか、建物の間取りの描写や伏線などがとても丁寧に書かれているので、初心者の方にはおすすめです。

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2025年02月11日

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読んでいる中で、何となく違和感がありました。しかし、この違和感は私の理解力の乏しさによるものだと思い、時間が経てば解決する気がしました。この違和感は作者の仕掛けたトリックが明かされる形で解消されました。
非常に面白い小説でした。ロートレックと恋模様というあまり聞かない組み合わせの中で起こる事件は非常に読み応えがありました。また、200ページちょっとと言う読みやすさも込みでとてもいい小説でした。

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2024年06月25日

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見事に騙された。「ロートレック壮」で次々と殺人が起こる、王道の展開のミステリだが、このトリックは予想できなかった。ラストのどんでん返しと、緻密に張られた伏線の回収に驚嘆。解説文も一読の価値あり。

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2024年06月19日

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ネタバレ

マジでやられたミステリ リスト作品

読みたい本も積読本も多すぎる
それゆえ再読というものを基本的にしないタイプだけれど、筒井康隆作品を集めるついでに買い戻した

前に読んでからゆうに10年は経っている
メイントリックは覚えている程度
どんな話だったか気になったのと薄めの文庫なのでサクッと読んでみた

初読時の混乱衝撃度は軽減していたが(え?君、だれ?)たしかに読んだ物語だと微かな記憶が蘇る感じが良かった

最終章はこんなに重かったっけ
救いのない結末だがきっちりハマってて腑に落ちる

再読して作品のイメージと評価が変わったなあ
一撃モノではない傑作


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2024年02月08日

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ネタバレ

 なんで裏表紙にメタ・ミステリーって書くんだよー。最後のちょっと感傷的な終わり方にもはまったから、何も知らずに読んでたら文句なしに★5つついたのにー。メタだってわかってたせいで、途中で”おれたち”って表現の不自然さに気がついたもんな。そのせいで最後の衝撃は絶対にちょっと薄れちゃってるって。とか言いながら、俺もここに書いちゃってるけど。とにかくミステリーに関しては、あとがきもオビの解説もない方がいいっていうのは、ある意味真実かもしれない。
 基本的に、俺って密室トリックみたいな正統派のものより、叙述トリックみたいなメタな方が好きみたいだな。「十角館の殺人」に対する評価があれほど高いのも、生まれて初めて読んだ叙述トリックのミステリーだということと無関係ではないと思うし。そういえば「殺人鬼」もそうだった。メタだと世界観をひっくり返してくれるという意味ではSFに近いということもあるのかなあ。メタじゃないやつで記憶に残っているのって「占星術殺人事件」ぐらいしかないものな。
 それにしても久しぶりの一気読みだった。他にもこういう話が読みたいよー。「フェミニズム殺人事件」はどうなんだろう。
 そういえば、何でロートレックなんだろう。単に著者の趣味なのかな。

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2025年11月06日

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ネタバレ

完全にやられた。見事なトリック。いや、トリックと言うのだろうか?ともあれ、とある事柄について完全に気付かぬまま作者に踊らされていたことに心底驚いた。お見事である。

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2025年10月02日

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ネタバレ

もう夏が暑過ぎてどこにも出掛ける気になれず家で出来る趣味ないかなと久しぶりに読書始めました。

叙述トリックが好きで以前から気になってたこれ。

騙されないぞーと思いながら読んでたはずなのですがやっぱり種明かしされた時は?????ってなりましたよ。

読んでてちょっと今これ誰が喋ってんの?って思う時あったんですけどやっぱり騙された

最後の犯人の死刑にしてくださいって重い

読み応えあり面白かった

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2025年07月14日

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ネタバレ

「ロートレック荘」という避暑地の別荘を舞台に若者たちが巻き起こす恋の駆け引きと、その結果としての悲劇を描く。ただの殺人事件ではない、ハンディキャップを背負った青年の屈折した想いに焦点を当てた青春ミステリ。
時に「アンフェアだ」とも批判される叙述トリックの金字塔だが、伏線が実はたくさん張ってあってフェアネスに配慮されていたと思う。トリックもさることながら、若者特有の不安定で荒々しい情動を切り出した青春小説として読むべき作品と感じた。

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2025年05月24日

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途中の読みにくいと感じていた部分も全て伏線。
充実した内容。
身体障害者についての文章について、作家がテーマの自主規制をしていることに対するアンチテーゼとして書いたのかもしれない。面白い。

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2025年05月13日

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 再読だが綺麗さっぱり記憶が消えていたので、こんな真相だったかと純粋に驚く。もっとミステリー初心者の頃に読みたかった。読みにくいと感じていたこともすべて伏線。動機もコナン君並みにぶっ飛んでるし、クローズドサークルでもなく警察が邸内を捜査している中次々と事件を起こすなどツッコミ所も多いが、それもまた本格の醍醐味。ロートレックの絵を親切にも載せてくれてはいるものの、絵にヒントが隠されている等の仕掛けはない。映像化不可能作品。

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2025年04月06日

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ネタバレ

 各登場人物の呼び方が、犯人を見つけるポイントとなる。一見すると犯人の行動だと思いがちだが、実は別の人物の行動だったというように、本作の叙述トリックは巧妙で秀逸である。本作の終盤では、犯人がどんな動機で、どのようにして殺人を実行したのかを具体的に書いてある。最後のページでは、犯人の心情が描写されており、犯人の背景をふまえると、なんともやるせないと思ってしまう。

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2024年11月24日

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①語彙★★★☆☆
流石筒井康隆先生と言わしめるほど、随所で的確に描写に使用する語句を使い分けていてなお、全体として堅すぎない読みやすい文体。語彙力豊富な日本語が染み渡る。
②登場人物数★★☆☆☆
資産持ちの男性陣と、芸術関係の男に求婚をほのめかす淑女3人+α。そこまで多くないので、サクサクと読み進めても人物関係は把握しやすい。
③1文感想
とりあえず一読して、「やられた!」と白旗あげるまでがセット。

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2024年10月17日

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 ロートレックの作品が複数所蔵された『ロートレック荘』で起こる連続殺人事件を題材にした館ミステリーかと思いきや、思いがけない方向から殴られたような衝撃を受けた。かなりアンフェア寄りだけど自分は好きだった。

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2024年10月02日

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筒井康隆さんの作品を読んだのは、『富豪刑事』に次いで本書『ロートレック荘事件』が2冊目です。

本書は1990年に発表された作品ですが、当時かなり(ポジティブ/ネガティブの両面から)話題になったことを覚えています。(但し、その中身までは分かりませんでした)
当時はミステリーをよく読んでいたので、とても気になっていたのですが、34年後の2024年になってようやく手に取りました。

さて、読み終えた感想ですが、非常に面白く、作者の大胆かつ精巧な仕掛けに見事に騙され、ミステリー作品特有の快感に浸ることが出来ました。
読み進めていくと、違和感を覚えるいくつかの文章に出くわすのは確かですが、それでもギリギリのところでネタが割れないように書かれているのには感服しました。
とりわけ、1**ページに訪れる衝撃(□って誰?)と、第十七章からの真相解明には、(天才・鬼才と言われる)筒井さんの実力を垣間見ることが出来ました。
また、それだけでは終わらず、最終章には悲劇まで用意されているという贅沢な作品でした。

一方、なるほど、当時ネガティブな意見があったのは、これが原因なのか?
とも感じたのは事実(ロートレック荘である意味も)ですが、小説としては全く問題ないのでは、と私には思えました。

今年で90歳になられる筒井さんですが、あっと言わせるミステリーを発表してもらうと嬉しいですね。

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2024年06月27日

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最初はなんだか読みづらいなと思っていたけど
後半の怒涛の伏線回収からの前半の読みづらさが納得。

200ページちょっとでのこの展開
初めて筒井康隆ワールドに触れた。

面白い。

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2024年05月19日

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見事に騙されました。
最近はミステリをよく読むので、注意深く読んでいましたが、ある一行に衝撃を受けました。
最後に、犯人からとても丁寧な解説があるので安心して読んでください(笑)
きっと騙されます!

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2024年02月17日

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確実に再読を決めたのです!!!
お勧めしてくれたお友達人´∀`).☆.。.:*ありがとうですよ!11
確実に注意深く読んでいたつもりだったのですけど、全然甘かったああああああああ!!11

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2024年08月11日

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筒井康隆のミステリもの。「あれ?これってこういうこと?」って思ってた疑問がまさにトリックの根幹でした。途中で言及される絵画作品がちゃんとカラーで載ってるところ(特にトリックと関わってるわけでないのに)と最後に犯人視点で詳細にネタばらしがされているところが親切で良い。

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2025年11月28日

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事前情報は叙述トリックのみ。それ以外はノーガードで挑んであっさりKO。騙されたいのに騙されない様にきちんと読んだんだけど…ちゃんと騙されてスッキリ。内容が明瞭で読みやすい。

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2025年09月17日

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解決部分がページまで記載されている丁寧さ。読んでいくと違和感はけっこうはっきりしているので辿り着きやすいけれど、犯人がトリックをどうこうするよりも読者向けのトリックのほうが楽しいので良かった。

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2025年08月03日

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ネタバレ

素直な性格でないにも関わらず素直な読み方しかしないもんだから、叙述トリックということに全く気づかないまま最後まで来た。

謎解き編で細かい説明をしてくれてたが、それも含めて、後追いでやっとわかったという感じ。フェアかアンフェアかと聞かれたら、まぁ多分フェアだと答えると思うけど、実際読んで理解をしようと思うと、ちょっと苦労する(笑)

叙述トリックはおそらく好きだけど、多分ネタバレ等の解説読んだ上でもう1回読まないとあかん。楽しみ方として間違ってない気もするが、好きならばもう少しなんとかならんかなと自分で思うのである。

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2025年05月03日

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浜口重樹は少年時代、不幸な事故により下半身の成長が止まってしまいました。時は流れ、彼らが少年時代に親しんでいた別荘は木内文麿という男の手にわたります。そこには、木内が蒐集したロートレックの絵画が多く保管されていることから、「ロートレック荘」という異名をとるようになります。

木内は重樹たちをロートレック荘に招待し、木内の娘である典子と、その同窓生である牧野寛子、立花絵里の三人の若い女性たちとのヴァカンスをすごしますが、彼女たちは何者かによって次々に殺害されていきます。

典型的な叙述トリックが用いられている作品ですが、物語の最後でくどいほどにトリックの解説がなされているのは、ミステリ小説としてきっちりつくり込んでやろうという著者の律義さが感じられます。

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2025年01月01日

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SFの巨匠がミステリーを書くとこんな感じなんだ〜
すごくシンプルで面白みがありました。
ページ数も少なく、すぐ読み終えました。
ちょっとネタバレかも知れませんが
図注意!!

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2024年10月19日

Posted by ブクログ

郊外の洋館に集まった、将来を約束された青年・美女達。
優雅なバカンスの最中、銃声が鳴り響き1人の美女が殺される。

パプリカの作者がこんな○○トリック小説を書いていたとは驚き。

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2024年09月19日

Posted by ブクログ

筒井康隆といえば探偵ナイトスクープの人というイメージだったけど、こんなテクニカルな作品を書いていたのか、、!と驚いた。

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

典型的な叙述トリックを使った見事なミステリでした。
中盤でトリックには気づいてしまい、最後の騙された!体験が出来なかったのが残念です。
あまり推理小説を読まない人にはオススメしやすい短さで、ミステリ入門編にはもってこいかと思います。

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2024年07月11日

Posted by ブクログ

最初から「ん?」って引っかかってて、
種明かしされても
「いや、そうだと思ってたよ」
ってのが素直な感想。

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2024年06月18日

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筒井先生はミステリーも書いてたのね
殺人事件だけど、エンタメよりのミステリー
騙されました!快感!
後半はくどいほどの解決編で、作為をフルオープンされて清々しい

なぜロートレック絵画としたのか?
ネットで調べると納得。

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2024年04月23日

Posted by ブクログ

すすめるときは何も言はずに
 最初から構へて読んだせいかも知れない。横しぐれと比べると横しぐれの方がおもしろく、驚きはなかった。
 私は犯人が誰でもいいやと投げやりになってしまって、種が明かされても、ふうんさうなのかとしか思はなかった。
 筒井康隆がよくないのではなく、私としてはどうやら単に叙述トリックがくだらないのだと思った。
 ただし東野圭吾の『超・殺人事件』にある「超犯人当て小説殺人事件(問題篇・解決篇)」は作中で叙述トリックだと明記してをり、好きである。

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2025年01月07日

購入済み

ちょっと微妙

本文を読み始めてすぐに叙述トリックが分かってしまった。
先に分かると伏線が大体回収できるはずなのにとにかく文章がややこしくて分かりずらいしレビューでアンフェアと言われているのがよく分かる。
殺人のトリックもトリックといえるのかどうか。
主人公が同情の余地はあるけれど最後までひとりよがりで自己中なのが分かった。
最後まで読むことはできたので星3つです。

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2021年11月13日

ネタバレ 購入済み

ロートレック荘事件

叙述トリックのお勧め本としてサイトで紹介されていたので購入して読みました。
叙述トリックの内容としては意外性があり楽しめましたが、ミステリとしては微妙でした。
謎解き要素が薄く感じてしまったので叙述の意外性だけでなくミステリとしてのトリックの部分もしっかり用意されてるともっと楽しめたと思います。

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2020年10月05日

購入済み

うーん…

以前にこの本のメイントリックと同じようなトリックを用いた本を読んでいたこともあって
かなり序盤でメイントリックが分かってしまった。
それでもまだどんでん返しがあるかも…と読み進めたが、想像していた通りのトリックで終わってしまったので残念。

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2023年09月28日

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