筒井康隆のレビュー一覧

  • 愛のひだりがわ(新潮文庫)

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    「時をかける少女」を超えたジュブナイルというと似たような惹句だった「わたしのグランパ」はあまり印象に残る小説ではなかったんですが、これは傑作の言葉に偽りなしです。主人公の愛は12歳で母を失う。行方不明になった父を探す愛の旅が始まる。舞台は近未来と思われる日本。社会は治安が悪く、強盗・殺人が跋扈し、少女が一人で旅するには危険すぎる旅だった。そして、左手の不自由な少女のひだりがわには常に守ってくれるものがいた。特殊な能力を持った少女のロードノベルは、「時をかける少女」よりも「火田七瀬」シリーズを彷彿とさせたなぁ。テーマ的には別に珍しいことを書いている訳ではないんだけれど、「善意」と「悪意」について

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    2011年08月19日
  • 虚航船団(新潮文庫)

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    筒井康隆2冊目。もはや空前絶後筒井康隆としか言いようがない、とことんオリジナルな天才的世界に感動、陥落。宇宙船団の一員である文具船の文房具たち、彼らにイタチ族24億が住む惑星クォールの殲滅指令が下されて…。言葉にするとシュールだが、読んでいると妙にリアル。

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    2020年12月18日
  • 夢の木坂分岐点(新潮文庫)

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    筒井康隆初体験。独特の文体、独特の世界。一人の主人公がいつの間にか違う名前・違う環境の人物へと「変容」していく、重層的なような単一的なような摩訶不思議な世界に、あっという間に引き込まれた。筒井康隆、強烈なオンリー・ワン。

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    2020年12月18日
  • 48億の妄想

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    マスコミが支配している近未来、
    全ては監視カメラによって見張られ放送されている。
    そんな世界に疑問を感じている、青年。

    今よりずっと前にかかれた本ですよ!衝撃受けました。

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    2009年10月04日
  • 俗物図鑑(新潮文庫)

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    あることをきっかけにヘンな評論家だけのプロダクション「梁山泊」を設立する男。それを取り巻く評論家たち。最初から壮絶な結末まで、男の生き様と強烈なマスコミ社会風刺の長編。

    昭和51年発行

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    2009年10月04日
  • モナドの領域(新潮文庫)

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    帯には「わが最高傑作」とあり、昨年(2024年)、テレビで見た「筒井康隆の世界 ~文学界の巨人 90歳のメッセージ~」でも(一番良い作品は何かと訊かれた)筒井康隆本人が「モナドの領域だろう」と言っていたと記憶している。が、私は、この序盤をさほど面白いと思わず、栞を挟んだまま本棚に置き去りにしていたのだった。
     が、公園、法廷、テレビショーとGODの劇場舞台が変わっていくにつれて、だんだんと面白くなってきた(私はその展開に「文学部唯野教授」を思い出していた)。最終盤、GODが去った世界の描写では、序盤のつまらない各シーンの人物たちをきっちりと拾い集めて物語を閉じる。GODを小説の作者「筒井康隆」

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    2025年12月30日
  • 筒井康隆自伝

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    幼少期から青年前期、作家としてデビューするまでの演劇青年の時代が特に興味深い。90歳を超えてなお、毒を失うことなく書き続ける作家魂がすごい。

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    2025年12月29日
  • 残像に口紅を

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    2年前くらいに読んだ本だけどすごく記憶に残っている本。
    文字を一つずつ消していくっていう取り組みが興味深いのはもちろん、三次元を生きる人間が小説で描かれるということの齟齬を描写してるのが一番おもしろかったᴗ ̫ ᴗ

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    2025年12月27日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    なんとまぁこの時代(30年以上前)にこのトリックを使った作品があるのかと。時代背景は今読めば当然にやや古く感じるところはあるが、ネット普及前で情報を入れずに読んだら、なお面白かったでしょうね。

    結末はなかなかやり切れないというか、読後感もまた悲哀有り。

    作中記載のとある一箇所にフェアかアンフェアか論争が起きそうですが、それも混みで味があって自分は好き。

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    2025年12月26日
  • 家族八景(新潮文庫)

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    まわりの人も私も、皆同じように、やばいこと、ゲスいこと、グロいこと、エロいこと、考えてるんだろう。
    世の中ってよくできてるなぁと思ったり、思えなかったり。

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    2025年12月22日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    ネタバレ

    旅人ラゴスの一生を描いたSF作品。

    SFなのに妙に現実世界に寄せて描かれており、世界には色々な環境があり、考え方があることを考えさせられる。

    終始一貫してラゴスの旅には目的と呼べるものがなく、旅に対しての結論も出ないまま終わるため、小説にエンタメ性を求めている層には刺さらないと思うが、

    人生というのは答えのない旅で、自分がどうありたいかを常に模索しつつ、その過程をどう楽しむのが大事ということを学べる作品だった。

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    2025年12月21日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    テレパス七瀬2作目。前回とガラリと変わり、ミステリーな感じ。超能力者数人と巡り合い、心の交流ができる人も。しかし、超能力者を抹殺しようとする組織が現れ死闘する。最後どうなったの?

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    2025年12月17日
  • 家族八景(新潮文庫)

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    テレパスの能力を持つ、火田七瀬シリーズの最初の作品。お手伝いとして各家庭を転々としながら暮らしている。
    七瀬以外の登場人物はたいてい醜い欲や感情に塗れていて、悲劇的な結末を迎える人も少なくない。
    いろんな家庭の人物の考えが覗けているようで楽しく読めたが、七瀬の苦しみを見て、テレパス的な能力があったら生きづらいだろうなというなんとなくの想像がより強固になった。

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    2025年12月17日
  • 残像に口紅を

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    字が一字ずつ減っていくなかで、いかに表現できるか試した実験的な作品。「あ」がなければ、「あなた」がなくなり、「ありがとう」がないので、感謝するという言い回しになる。さらにどんどん字がなくなるなかで、情事の様を描写してみたり、講演してみたり、作者はかなり楽しんでいそう。どんどん字が消えていくわりに、そんなに違和感がないところがすごい。ただしわりと内容はない。仕方ない。

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    2025年12月15日
  • 筒井康隆自伝

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    比較的淡々と事実を連ねているようでもあるが、やっぱり面白い。単純な出来事も、往年の若い頃の筒井康隆氏がいかにも書きそうな内容・文体で書いてこられると、やはりそう来たかとそれだけでファンは大喜びしてしまう。
    どちらかといえば、幼少年期〜青年前期ころまでがあまり発表されていない内容なので、興味の対象が大変興味深い。さらに、そういう若い時期を経ているからこそ、あの作品群が生まれてきたのだとも納得させられるものがあった。
    しかし、御大のことだから、自伝に書くことと決して書かないことは、ちゃんと計算し尽くしているのだろう。
    おっさんには幾重にも楽しめる本なのは間違いない。

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    2025年12月06日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    ラゴスの生涯をかけたひとり旅。
    ラゴスの何事にも囚われず自由な生き方、好奇心の探求は誰もが羨ましく感じるのでないだろうか。
    そんな自分の心に正直に生きたラゴスの半自叙伝的な物語。

    物語は突然高度な文明を失った代償として、人々が超能力を獲得しだした世界。
    ラゴスの生涯をかけた旅の目的はなにか?という話。

    旅先での出会いや別れ、特別な体験は退屈な日常から解放されスリリングで魅力的だ。
    二度も奴隷になったり、一国の王様になったりと波瀾万丈でジェットコースターのよう。
    羨ましいことに行く先々で女性から好意を寄せられる。奴隷は羨ましくないけれど。
    旅先での面白いというか哀れなエピソードは壁抜けの能力

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    2025年12月01日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    ラノベ。
    こんな優しい感じの物語を筒井康隆さんが書いたことに驚きました。
    いい意味でらしくない作品です。

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    2025年11月29日
  • 残像に口紅を

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    手元に五十音表を書き、それを少しずつ黒塗りしていく読書は結構楽しかった。自分の世界だと何が消えるかなぁと考えるのも楽しみだった。勝夫の最初の家族が消えた時、かすかに残る記憶をたどっていくところが切ない。瑠璃子が出てきたあたりからは、ちょっとな〜。

    先日小川洋子さんの「密やかな結晶」を読み、世界から少しずつものが消えていく話を読んだところだったが、この小説は似た設定でありながら、全く、本当に全く違う話だった

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    2025年11月23日
  • 旅のラゴス(新潮文庫)

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    最終章まで読み進め、読み終わる=旅が終わるのを寂しく思った。
    世界について多くは語られていないところがよい。想像の余地があり、広がりがある。
    スカシウマが崖から〇〇する章が一番ワクワクした。
    転移、動物と心を通わせる、といった力が出てくるが、魔法のようではなく、一種の得意分野のように描かれているのが印象的。
    過酷だが美しいのだろうな、と思われる世界。読み耽った。

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    2025年11月22日
  • モナドの領域(新潮文庫)

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    筒井康隆作品が好きで手に取った。
    なかなか難しい。
    セリフの半分も理解できていないけれど、筒井さんらしいラストで好きだ。
    物語を陰から眺めていたはずなのにある瞬間突然主人公と目があってどきりとする感じ。
    これがあるから次も手に取るんですよね

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    2025年11月17日