筒井康隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
97年までの作品はそれこそ全部読み尽くした筒井好きだったが、その後はぷっつりだった(満足してしまったのだ)。最近、筒井の名前を(時評含め、パプリカ、時かけetc)聞く事が多く、また読みたくなって、買った。
それぞれ何時ごろの作品か明示していないが、ほとんどは読んだ記憶があった。そういうものは冒頭の3行で思い出せた。筒井は、どれもが筒井の文体なのに、作品だけの文体がある。すごさだな、と思う。
『下の世界』の最後の一行に、ガツンといかれた記憶を思い出した――いまでは、トオルをまるで自分みたく感じる。『走る男』の、オリンピックの事務員に以前感じた索莫としたやるせなさを、「こうならないように時代をど -
Posted by ブクログ
「時をかける少女」を超えたジュブナイルというと似たような惹句だった「わたしのグランパ」はあまり印象に残る小説ではなかったんですが、これは傑作の言葉に偽りなしです。主人公の愛は12歳で母を失う。行方不明になった父を探す愛の旅が始まる。舞台は近未来と思われる日本。社会は治安が悪く、強盗・殺人が跋扈し、少女が一人で旅するには危険すぎる旅だった。そして、左手の不自由な少女のひだりがわには常に守ってくれるものがいた。特殊な能力を持った少女のロードノベルは、「時をかける少女」よりも「火田七瀬」シリーズを彷彿とさせたなぁ。テーマ的には別に珍しいことを書いている訳ではないんだけれど、「善意」と「悪意」について
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Posted by ブクログ
面白かった。流石筒井康隆。大学では英文学の教授、裏では小説家として文学理論を体現するような小説を書いている唯野教授の目を通して、ドロドロの大学内部の権力闘争とそれにまつわる珍事を描く。また各章のラストは唯野教授による文学理論講義で締めくくられているため、本作を読むだけで文学理論の概観を知ることができる入門書のようなものにもなっている。
ウィットに飛んだ言い回しも教養に支えられた作中で披露される文学知識も全て素晴らしい。サクサク読むことができる口当たりの軽さと裏腹に読むと本当に大学の講義を一期分聞き終えたかのような満足感も得ることができる。大学の内部事情に関してはかなり悪意的というかコメディ的に -
Posted by ブクログ
数十年ぶりに再読。最後に裏切られるタイプの小説なので、本来なら再読時には「答え合わせ」という楽しみがあるはずなのだが、残念ながら内容をすっかり忘れていて、ろくにできなかった(まぁ、最後には本文中で解説してくれるんだけども)。
館モノの体裁ではあるが、そこは筒井作品。読者への挑戦というよりも、文学への挑戦として読むべきだろう。要するにミステリーとしては反則的であり、これをミステリーと呼ぶべきではないという向きも多いかもしれない。しかし、私の読書歴の中では、しばらく離れていたミステリーを再び読むようになったきっかけとなった、思い出の一冊なのである。