筒井康隆のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
精神病患者の夢の中に入り込んでトラウマや恐怖の原因などを特定して解決するサイコセラピストが主人公。
こちらの小説の方が前に作成されているが、夢の中に入り込むというコンセプトがクリストファーノーランのインセプションに似ている。
設定だけでなく、徐々に現実と夢の境目が分からなくなるという展開も似ているが、ノーラン曰くパプリカを元にしたわけではないとのこと。
夢という幻想的な環境を主軸にしつつも一方で病院内でのポスト争いという熾烈な現実のストーリーも並行して進む。そんな厳しい現実の逃避先としての夢というものを表現したかったのかもしれない。
世界観にハマって割とすぐ読み終わった。 -
Posted by ブクログ
11話の短編集。誘拐の連鎖の果てに乱交、重なった家屋を建てた二家族が乱交、浴室で金玉が抜けなくなるバカ、新婚夫婦と潜望鏡の歪な関係、自慰行為で空間移動、ハイジャック犯と狂喜乱舞する乗客、尻から生まれた桃太郎、近藤勇の尻を掘る土方歳三、ホテルの壁から時空を超えて、秘書二人を孕ませる、テレビと現実の境を越える。以上簡単な紹介でした。
3話目の『陰悩緑』浴槽に金玉を覚えていたので、多分この本は読んでいる。印象に残ってるのが金玉の話とは...読書ってなんなん。今回は『郵性省』美女の大便はでかい、その理由は見た目に意識が集中し過ぎることで、肛門が弛緩するらしい。筒井康隆おもしろすぎだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ巨匠が小説の枠組みを破砕する。自由過ぎる文体で綴られた、超・私小説たちを中心に編まれている。小説としてまともな構造を成しているのは「花魁櫛」だけだろう。辛うじて「川のほとり」もそうかもしれない。あらすじ説明不能な作品が殆どで、高度な語彙力と言葉遊びの洪水に晒されて溺れかけた。
「漸然山脈」から「川のほとり」まで、一貫している要素は「死」なのだと思う。
老いて尚、文壇の第一線で活躍し続ける巨匠の考える「死」が散りばめられている。
「一九五五年二十歳」で人生という名の本の白紙のページを埋める、未来への希望を描きつつ、人生何が起こるか分からないと突きつける印象的なラストも「死」と結びつく。
-
Posted by ブクログ
数年前に読んだ本です。一言で言うなら、「圧巻」でした。文を締める時の余韻が忘れられず、今でも頭に残っています。
「あ」が世界から消えてしまうと、「ありがとう」等の言葉が使えなくなります。それと同時に、その概念すらも世界から消えていきます。そんな中、筆者の巧みな語彙で世界が違和感なく進んでいくさまに、1種の痛快さすら覚えました。1文字ずつ世界から文字が消えていく中で、世界からその文字を使った概念が消えていく中で、筆者は何を残そうとしたのか...考えてみたら、面白いかもしれないですよ。
1つ惜しかったのは、「展開がやや平坦だった」ということです(ここではネタバレは伏せます)。TikTok等の宣 -
Posted by ブクログ
筒井康隆『ジャックポット』新潮文庫。
何年か振りに読む筒井康隆。高校時代に筒井康隆と小松左京、眉村卓、平井和正といった日本のSF作家ばかり読んでいた時期がある。それから時々、筒井康隆を読んではいたが、最近暫くはご無沙汰だった。
筒井康隆が80代で執筆した14編から成る短編集。やはり筒井康隆は80代になっても筒井康隆であった。現在、筒井康隆は御歳91歳だと言う。
『漸然山脈』。若かりし頃の筒井康隆の奇妙な短編のように言葉遊びのような知識の洪水が溢れ出す。最後に筒井康隆作詞・作曲の『ラ・シュビドゥンドゥン』が収録されるというシュールな短編。
『コロキタイマイ』。ストーリーがあるような無い -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて筒井作品を読んでみたが、不思議な小説だった。
SFと呼ばれてはいるが、本作はどちらかと言うとファンタジー。マテ茶が出てくるのでおそらく南米あたりで、時代的には高度文明が滅びた後の、風の谷のナウシカのような、電気が発明される以前の頃という設定だ。
不思議だったのは、物語ではラゴスが一番最初に好かれたデーデという少女に、ラストにわざわざ会いにいくというエンディング。色々成し遂げて、歳もとり、もはや教祖にもなり得るような偉大な存在になっていたラゴスが、最終的に求めたのは少女デーデ。これが何を意味するのか、正直分からなかった。よく分からなかったが、氷の女王となった彼女は、ラゴスをおそらく待ち続け -
Posted by ブクログ
ネタバレラゴスという人物について、この人はすごく頭がいい印象を受けた。自分のことを俯瞰してみることができて、周囲の人の人間関係も割と注意深く観察して、人となりを自分の中で落とし込んでいた。奴隷になりながらも、その中で自身のできることを発揮して、監視からある程度の信頼を得るのもこの人の知識があったからこそ。「知識」に対しては貪欲で、それを追い求めて旅を続けてきた。帰郷してからも、自分が学んだことを故郷や人のために教え、広めていた。基本的には、書物を読んでいただけなのに、医学や歴史、経済、政治と幅広い分野で知識を身につけている様子だったから、これもある種ラゴスの超能力なのかと思った。知ることには貪欲だった
-
Posted by ブクログ
前半
夢をテーマとしたセラピーと、研究者同士の権力争いで進んでいく。そこはかとない謎解きの香り。
後半
筒井康隆全開の、トンデモドタバタエログロブラックSF。短編集とか「残像」を読んだ経験があったおかげで、夢と現実の区別をつけて読めた気がする。初筒井だったら意味がわからなかったと思う。本当に混沌としていた。ラゴスとか、読んだことないけど時を駆けるとかと同じ人なのかと思うくらい。全員がある程度ぶっ壊れキャラ(行動とか胆力とか思想とか)だから、読者が読み飛ばしたかと思うくらい奇天烈な出来事にも対応していてお手上げ。何でもあり、本当に何でもあり。
カシコではないので、主題とか構造とかは全然わからなか