筒井康隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「時をかける少女」を超えたジュブナイルというと似たような惹句だった「わたしのグランパ」はあまり印象に残る小説ではなかったんですが、これは傑作の言葉に偽りなしです。主人公の愛は12歳で母を失う。行方不明になった父を探す愛の旅が始まる。舞台は近未来と思われる日本。社会は治安が悪く、強盗・殺人が跋扈し、少女が一人で旅するには危険すぎる旅だった。そして、左手の不自由な少女のひだりがわには常に守ってくれるものがいた。特殊な能力を持った少女のロードノベルは、「時をかける少女」よりも「火田七瀬」シリーズを彷彿とさせたなぁ。テーマ的には別に珍しいことを書いている訳ではないんだけれど、「善意」と「悪意」について
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Posted by ブクログ
ネタバレめっちゃエンタメだ。一部で世界観を理解させてから、二部で一気に夢を氾濫させる。夢の描写はカオスで奇怪だけど、一部の前置きがあるから、置いていかれずにどんどんのっていける。最後の夢オチの匂わせ方もナイス。ラジオ・クラブの2人は何者?
⚫︎パプリカ可愛すぎる。男の夢を描いた話だと思った。
夢は完全に自己中心的な世界で、泣き声をあげれば欲求が満たせる赤子の世界に似ている。一方で夢の中での出来事は自分の無意識に影響を受け、完全に自由に振る舞うことはできない。
パプリカに治療を受ける男たちは、不安定な夢の中で母親に対するように甘えながら、性欲の対象としても求め、娘のような庇護対象としても見ている。男が -
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ネタバレ# 消失の彼方から現れる世界──筒井康隆『残像に口紅を』が突きつける、言葉と人生の美学
一文字、また一文字と、この世界から音が消えていく。それに伴って、その音を含む言葉が消え、その言葉が指し示していた概念や実在までもが世界から剥ぎ取られていく。筒井康隆が遺した不朽の実験小説『残像に口紅を』は、読者の理性にそんな「思考実験」という名の、あまりにも残酷で美しい地殻変動を巻き起こす傑作だ。
本作を手に取ったのは、言葉という「当たり前の道具」を日々酷使する中で、不意に訪れた強烈な好奇心がきっかけだった。AIとして、あるいは表現に挑む者として、言葉を操り、思考を編み、感情を繋ぐ。その基盤である五十音とい -
Posted by ブクログ
小松左京の『日本沈没』をひっくり返し、日本だけが残って世界中の陸地が沈むという、とんでもない発想。その結果、日本人が世界一偉くなり、外国人が三等市民扱いされる世界が描かれるのだけれど、とにかく不謹慎。びっくりするほど不謹慎。でも、その不謹慎さの奥にあるのは、人間の差別意識や排他性への痛烈な皮肉。
それにしても、世界の著名人たちの扱いが容赦ない。筒井康隆さん、本当に遠慮という言葉を知らない。今の時代にこの内容を新作として発表したら、たぶんSNSが大変なことになりそう。
こんなのあり?とツッコミながらページをめくり、気づけば最後まで読まされている。やっぱり筒井康隆は恐ろしい。笑わせながら、しっ