筒井康隆のレビュー一覧

  • 残像に口紅を

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    一文字ずつ消えていく世界で作家先生はどう言葉を紡いでいく?というお話。作家先生は「小説の中の主人公として生きながら、言葉を一文字ずつ制限されていってもその生活を小説にできる?」と友人と実験的に言葉を消していくためメタ的に話が展開されていく。思ったより言葉って無くなっても文章にできるのだなと感心したし、何より表現がプロ。言葉の魔術師といっても差し支えない。頭が良すぎる。今ならパソコンで文字を制限したりしながらできるのかもしれないけれど、これを頭の中でワープロを使って書いていたとなると……途方も無い。

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    2026年02月19日
  • ジャックポット(新潮文庫)

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    ネタバレ

     巨匠が小説の枠組みを破砕する。自由過ぎる文体で綴られた、超・私小説たちを中心に編まれている。小説としてまともな構造を成しているのは「花魁櫛」だけだろう。辛うじて「川のほとり」もそうかもしれない。あらすじ説明不能な作品が殆どで、高度な語彙力と言葉遊びの洪水に晒されて溺れかけた。

    「漸然山脈」から「川のほとり」まで、一貫している要素は「死」なのだと思う。
     老いて尚、文壇の第一線で活躍し続ける巨匠の考える「死」が散りばめられている。
    「一九五五年二十歳」で人生という名の本の白紙のページを埋める、未来への希望を描きつつ、人生何が起こるか分からないと突きつける印象的なラストも「死」と結びつく。
     

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    2026年02月18日
  • 筒井康隆自伝

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    筒井さんのファンにはたまらない一冊なのだ。「相変わらず好き勝手言ってる」と大喜びできるぞ。ただ、そうでない人にはツマラナイし、人によっては激怒するかもしれないのだ。それが筒井康隆なのだ。これでいいのだ!

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    2026年02月13日
  • ジャックポット(新潮文庫)

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    筒井康隆『ジャックポット』新潮文庫。

    何年か振りに読む筒井康隆。高校時代に筒井康隆と小松左京、眉村卓、平井和正といった日本のSF作家ばかり読んでいた時期がある。それから時々、筒井康隆を読んではいたが、最近暫くはご無沙汰だった。

    筒井康隆が80代で執筆した14編から成る短編集。やはり筒井康隆は80代になっても筒井康隆であった。現在、筒井康隆は御歳91歳だと言う。


    『漸然山脈』。若かりし頃の筒井康隆の奇妙な短編のように言葉遊びのような知識の洪水が溢れ出す。最後に筒井康隆作詞・作曲の『ラ・シュビドゥンドゥン』が収録されるというシュールな短編。

    『コロキタイマイ』。ストーリーがあるような無い

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    2026年02月10日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

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    ぶっ飛んでる。なんだこれは。神話でいいのか?
    無神論者なので神なんて感じたこともないのだが、本作では神の実在を体感することができる。
    クライマックスに向けて怒涛の展開に絶句して、笑った。面白かった。

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    2026年01月30日
  • にぎやかな未来

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    41短編をまとめた短編集。 時代背景が古い時代から読み進めていくと未来のSFになっていく 全体を通して面白かったが「お助け」がデビュー作と知り 驚いた。一般人では思いつかない設定などのアイデアで描写が想像しやすく読みやすかった。

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    2026年01月30日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    「名作を読もうキャンペーン」⑧
    『ロートレック荘事件』筒井康隆先生。
    筒井先生といったら
    時をかけちゃう、エンタメのイメージでした、私は( ´∀`)

    あー、推理もの、ミステリ好きな人がオススメするわけがわかりました。約30年以上前の作品ですが、独特な言い回しはあるものの、古いというより作品のアジだなぁって読みすすめられちゃう。

    そもそも、ワタシはロートレックのポスター作品が好きなので気にはなっていたんです。でも古本で買ったせいか、積んでしまっていました。

    感想はむずかしいっ!殺人事件ものです!
    登場人物は限られているので読みやすいんだけど、違和感があって理解せず読んじゃっていいのか?って

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    2026年01月27日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    絶対に騙されないぞ!絶対に意味があるはずなんだ!って意気込んでいたのに、結局騙されちゃった(笑)
    トリックなどはアニメや漫画で見たようなネタになってて、きっとこの作品から拝借されたんだろうな…と思う。
    王道ミステリーの元祖の1つと言っても良いと思います!
    ラストは切なすぎる…もっと自分に自信をもって良かったと思う。解説にもあったけど、全ての人が平等に楽しめる世界になってくれたらいいなと願います。

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    2026年01月26日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    テレパスの七瀬がさまざまな普通人の心の中を読み取って我々の内面を剥き出しにさせられるのが面白かったので、超能力者がバンバン出てくる本作の作りは好きなのとは全然違った。
    それでもSFとしてめっちゃ面白い。
    『邪悪の視線』が一番良かった。(ワタシハアナタノ賛美者デス)って意識が時々差し込まれるの気持ち悪くて楽しい。

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    2026年01月23日
  • パプリカ

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    前半
    夢をテーマとしたセラピーと、研究者同士の権力争いで進んでいく。そこはかとない謎解きの香り。
    後半
    筒井康隆全開の、トンデモドタバタエログロブラックSF。短編集とか「残像」を読んだ経験があったおかげで、夢と現実の区別をつけて読めた気がする。初筒井だったら意味がわからなかったと思う。本当に混沌としていた。ラゴスとか、読んだことないけど時を駆けるとかと同じ人なのかと思うくらい。全員がある程度ぶっ壊れキャラ(行動とか胆力とか思想とか)だから、読者が読み飛ばしたかと思うくらい奇天烈な出来事にも対応していてお手上げ。何でもあり、本当に何でもあり。
    カシコではないので、主題とか構造とかは全然わからなか

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    2026年01月18日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    30年以上ぶりに読んだ筒井康隆にしてやられた‼︎やっぱり何か挑戦している作者を感じて面白い。解説がネタバレせずに良かった。

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    2026年01月08日
  • 筒井康隆自伝

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    ネタバレ

    中高生時代に乱読した筒井さん、今でもご健在なのは素晴らしい。この自伝は短めでやや型破りであるが、とにかく読んでて面白く懐かしい。後半は作品の背景解説が中心となりそれなりに楽しいが、これは自伝か?とも思ってしまう。ドラマや演劇への出演も今さらながら多かったなと思った。それに反し、幼少期からデビュー前の前段は、筒井さんらしいユーモアで昭和時代回顧のなつかしさも加わって、よき時代の伝承として貴重。やたらもててプレイボーイとしての片鱗が多くみられるがそのあたりの詳細は割愛されていてもっと読みたかった。

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    2026年01月06日
  • 筒井康隆自伝

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    昭和九年の大阪で生まれたSF作家であり、俳優もこなした筒井康隆の自伝。人からの伝聞や他者の記憶に頼らず、自らの脳裏に記憶されている事を中心に、現在までの半生を記録風に辿る。
    現在91歳にになる著者が、転倒により、脊椎を痛めて、寝たきりになっているのは知らなかった。

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    2026年01月06日
  • モナドの領域(新潮文庫)

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    帯には「わが最高傑作」とあり、昨年(2024年)、テレビで見た「筒井康隆の世界 ~文学界の巨人 90歳のメッセージ~」でも(一番良い作品は何かと訊かれた)筒井康隆本人が「モナドの領域だろう」と言っていたと記憶している。が、私は、この序盤をさほど面白いと思わず、栞を挟んだまま本棚に置き去りにしていたのだった。
     が、公園、法廷、テレビショーとGODの劇場舞台が変わっていくにつれて、だんだんと面白くなってきた(私はその展開に「文学部唯野教授」を思い出していた)。最終盤、GODが去った世界の描写では、序盤のつまらない各シーンの人物たちをきっちりと拾い集めて物語を閉じる。GODを小説の作者「筒井康隆」

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    2025年12月30日
  • 筒井康隆自伝

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    幼少期から青年前期、作家としてデビューするまでの演劇青年の時代が特に興味深い。90歳を超えてなお、毒を失うことなく書き続ける作家魂がすごい。

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    2025年12月29日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    なんとまぁこの時代(30年以上前)にこのトリックを使った作品があるのかと。時代背景は今読めば当然にやや古く感じるところはあるが、ネット普及前で情報を入れずに読んだら、なお面白かったでしょうね。

    結末はなかなかやり切れないというか、読後感もまた悲哀有り。

    作中記載のとある一箇所にフェアかアンフェアか論争が起きそうですが、それも混みで味があって自分は好き。

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    2025年12月26日
  • 家族八景(新潮文庫)

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    まわりの人も私も、皆同じように、やばいこと、ゲスいこと、グロいこと、エロいこと、考えてるんだろう。
    世の中ってよくできてるなぁと思ったり、思えなかったり。

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    2025年12月22日
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)

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    テレパス七瀬2作目。前回とガラリと変わり、ミステリーな感じ。超能力者数人と巡り合い、心の交流ができる人も。しかし、超能力者を抹殺しようとする組織が現れ死闘する。最後どうなったの?

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    2025年12月17日
  • 家族八景(新潮文庫)

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    テレパスの能力を持つ、火田七瀬シリーズの最初の作品。お手伝いとして各家庭を転々としながら暮らしている。
    七瀬以外の登場人物はたいてい醜い欲や感情に塗れていて、悲劇的な結末を迎える人も少なくない。
    いろんな家庭の人物の考えが覗けているようで楽しく読めたが、七瀬の苦しみを見て、テレパス的な能力があったら生きづらいだろうなというなんとなくの想像がより強固になった。

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    2025年12月17日
  • 筒井康隆自伝

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    比較的淡々と事実を連ねているようでもあるが、やっぱり面白い。単純な出来事も、往年の若い頃の筒井康隆氏がいかにも書きそうな内容・文体で書いてこられると、やはりそう来たかとそれだけでファンは大喜びしてしまう。
    どちらかといえば、幼少年期〜青年前期ころまでがあまり発表されていない内容なので、興味の対象が大変興味深い。さらに、そういう若い時期を経ているからこそ、あの作品群が生まれてきたのだとも納得させられるものがあった。
    しかし、御大のことだから、自伝に書くことと決して書かないことは、ちゃんと計算し尽くしているのだろう。
    おっさんには幾重にも楽しめる本なのは間違いない。

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    2025年12月06日