筒井康隆のレビュー一覧
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読書の極意と掟 筒井康隆著
48億の妄想が筒井康隆さんとの出会いでした。
筒井康隆さんのバックボーンを勉強せずに購読しました。
当時の執筆内容が、現代の日本とアジアの緊迫した状況と重なっていることに先見の明を感じたことはいうまでもありません。
そこで、手にしたのがこの小説です。
筒井康隆さんが何を購読し、何を見出したのか?
一冊ずつ約2ページで紹介しています。
筒井康隆さんが好きならば、ぜひ手にとって欲しいです。
三島由紀夫著「禁色」。
筒井康隆さんが打ちのめされたとありました。
「作家になるにはそれなりの修行が必要である。」
プロの世界で長きにわたり価値を提供するひとは、デビュー前から確固たる意志と観察があると読みとけます。
#読書好きな人とつながりたい。 -
Posted by ブクログ
スラップスティックな11の短篇を収録。ドタバタながらも風刺の効いた作品ばかりで、クスッと、ときにワハハと笑いながら読み進めることができましたが、特に以下の作品がおもしろかったです。
・ヒノマル酒場:マスコミを信用しない酔客たち。マスコミ不信はそんな昔からあったとは。カオスな展開がとっても好き。
・農協月へ行く:「農協ツアー」なるものを初めて知りました。成金たちが騒ぎ立てる姿はヒノマル酒場と同様、カオスです。
・人類の大不調和:大阪万博(1970年)に突如出現する殺戮されるベトナム人や飢餓のアフリカ人たち。世界中の負の側面に翻弄される展開に、万博に対する皮肉を感じざるを得ません。
読み終えて改めて感じる著者のセンス。引き続き筒井作品を読んでみようと思わせる作品でした。 -
Posted by ブクログ
本来小説は何を書いても良い最も自由な形式の文学であったが、近年(これが出版されたのは1990年)短篇小説が「お稽古事」とかし、決まりやルールを守ることが重要視されいる。では決まり事も何もなかったはずの短篇小説が生まれた当時の短編はどうやって生み出されたのか。それを探るため、岩波文庫の短編集を虚心に読み返し、自分の鑑賞眼のみで小説を批評し、その作品が何もルールのないところから生み出されたのか、それとも既存の詩や戯曲の影響を受けていたのかを探る本である。
それぞれ短編を上げて、テーマや技法について論じるが、テーマはそれを語る作家の数だけあるわけで自然と話は技法に向く。
紹介された短編で既読なのは「アウルクリーク橋の一事件」のみ。他の本は知らないが、この本を短篇小説の紹介本の視点で読むと、いづれも興味深い作品で読みたいと思わせる。
短篇小説講義の表題にもっともかなっていたのはエンタメの技法を解説したローソン「爆弾犬」だろう。ギャグの解説はともすれば寒くなりがちだがこの爆弾犬は解説越しでも面白い。
今回の増補版で追加された筒井康隆自身の手による短編「繁栄の昭和」は、この解説がなければ自分の経験からでは十分に読み取れなかっただろう。戦後数十年の高度経済成長期も、江戸川乱歩に親しんでいたわけでもないからだ。この一篇はたしかに解説に足る新しさと現在的かつ普遍のテーマを扱っていて面白い。解説のおかげで知識不足でも楽しめた。 -
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筒井康隆のショート・ショート集。筒井康隆を読むならこの掌篇集から、の言葉通り非常に読みやすい。筒井康隆はアクが強いが、このショートショート集はそのアクの強さをアイディアの内に留めつつ、奇想天外なオチを置くことでよりショートしょーとらしさを際立たせている。ある種の様式美となった投げっぱなしオチも少ないため、とっつきやすい作品集だろう。SF色も強く、特にお気に入りなのは「ベルト・ウェーの女」で、ベルト・ウェーで見かける女性に恋した青年があの手この手で女性の正体を調べようとする話だが、徐々に明かされていく設定の一つが意外な角度でオチに繋がるという名作である。また断筆になった問題作「無人警察」も往年の管理社会への警鐘を鳴らしつつ、諦観を引きずる余韻もいい。表題作「にぎやかな未来」はディックの「CM地獄」を思い出す過剰広告社会という内容で、アイディアは同じながらも描いている社会像が違うため、その差異を楽しめる。またラストの「静寂」というオチは日本的で面白く、さらに周囲が騒がしい「にぎやかな未来」では永遠に手に入らないものとして象徴的に扱われている。一日でサクッと読めるショートショート集である。
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筒井康隆お得意のスラップスティックなSF短篇集。「ヒノマル酒場」は土方のおっさんたちの下品さや関西系のマスコミに対する不信感などがとてもリアルで、そんな人間たちと異星人のファーストコンタクトという題材が非常に面白い。まさに狂騒的でこのドタバタ加減はこの作家にしか出せない味だろう。店じまいで話まで強引に畳んでしまうのも良い。個人的なお気に入りは「あるいは酒でいっぱいの海」で、海が酒になるという荒唐無稽なネタをストレートに描く度胸もさることながら、最後は酒そのものになってしまうという星新一のショートショートのような奇妙なオチも素晴らしい。あと「パチンコ必勝原理」のくだらなさも大好き。傑作は「農協月へ行く」だろう。まず農協団体の田舎丸出しの方言が鼻につくほどリアルで、描写がとにかくいやらしい。下衆い人間たちに接するサービス業の苦労や苛立ちもヒシヒシと伝わってくる。宇宙人とのファーストコンタクトをするのが田舎者というネタは面白いが、それ以上にそのネタを成立させるための細部へのこだわりが凄まじい一本である。核武装する未開の土人を描いた「アフリカの爆弾」も、白人を金づるにするため、あえて文明を隠して土人らしく振る舞うという強かさが描かれており、どの短篇もネタ周りの舞台設定に凝っている。筒井康隆らしい短篇集だといえよう。個人的にはファンタジーよりパニック・SF要素の強いこの短篇集のほうが好みである。
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はじめて筒井康隆を読んだ。星新一みたいなショートショート。とくに説明のない日常風味に(当然でしょ?という雰囲気で)異世界という世界観を理解させるのがうまい。それは星新一といっしょだが、星新一は現代からみた落語的なオチがつくのに対して、筒井康隆は異世界が異世界に閉じているままおわるのが新鮮だった。
ショートショートはお話によって違う世界観を理解するので疲れる・・・
印象に残った話
・わが良き狼
物語になるような宇宙海賊が年をとって故郷に帰ってくる話。雰囲気的に宮崎駿のシャーロック・ホームズ思い出した。狼。。。
・母子像
買ってきたさるのおもちゃが異次元空間に母子をひきずりこんでしまう話。夫は懸命に取り戻そうとするが・・・。めっちゃくちゃ怖くなった。総毛立った。