筒井康隆のレビュー一覧

  • 読書の極意と掟

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    読書の極意と掟 筒井康隆著
    48億の妄想が筒井康隆さんとの出会いでした。
    筒井康隆さんのバックボーンを勉強せずに購読しました。
    当時の執筆内容が、現代の日本とアジアの緊迫した状況と重なっていることに先見の明を感じたことはいうまでもありません。

    そこで、手にしたのがこの小説です。
    筒井康隆さんが何を購読し、何を見出したのか?
    一冊ずつ約2ページで紹介しています。

    筒井康隆さんが好きならば、ぜひ手にとって欲しいです。

    三島由紀夫著「禁色」。
    筒井康隆さんが打ちのめされたとありました。
    「作家になるにはそれなりの修行が必要である。」

    プロの世界で長きにわたり価値を提供するひとは、デビュー前から確固たる意志と観察があると読みとけます。

    #読書好きな人とつながりたい。

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    2020年04月04日
  • 老人の美学(新潮新書)

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    ネタバレ

    年寄嗤うな、明日の自分。
    孤独に耐えることは老人の美学か
    ちょいワル老人はなぜか魅力的だ
    「老人は汚い」と言われないために
    老人が死を美的に迎え入れる方法

    メメント・モリ 悟りきった老人のことば

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    2020年02月26日
  • 文学部唯野教授

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    唯野教授の大学内に渦巻く人間関係や忖度や僻み妬みなどが筒井御大独特の文体で可笑しく描かれている。蟇目が狂った時のカオスは最高だった。各章の終盤に必ず唯野教授の文学論が展開される。私には内容はよく分からなかったが、文学論をこんなに展開できるのも筒井さんの凄いところだと思う。

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    2020年02月24日
  • 笑うな(新潮文庫)

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    筒井康隆が読みたくて著者名からなんとなく見つけた一冊。SFでショートショートなだけあって星新一と似てるなと思う作品もあったけど、こちらの方がブラックユーモアが鋭く、「傷ついたのは誰の心」「セクション」が衝撃的だった。

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    2020年02月19日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    スラップスティックな11の短篇を収録。ドタバタながらも風刺の効いた作品ばかりで、クスッと、ときにワハハと笑いながら読み進めることができましたが、特に以下の作品がおもしろかったです。

    ・ヒノマル酒場:マスコミを信用しない酔客たち。マスコミ不信はそんな昔からあったとは。カオスな展開がとっても好き。
    ・農協月へ行く:「農協ツアー」なるものを初めて知りました。成金たちが騒ぎ立てる姿はヒノマル酒場と同様、カオスです。
    ・人類の大不調和:大阪万博(1970年)に突如出現する殺戮されるベトナム人や飢餓のアフリカ人たち。世界中の負の側面に翻弄される展開に、万博に対する皮肉を感じざるを得ません。

    読み終えて改めて感じる著者のセンス。引き続き筒井作品を読んでみようと思わせる作品でした。

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    2020年01月06日
  • 短篇小説講義  増補版

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    本来小説は何を書いても良い最も自由な形式の文学であったが、近年(これが出版されたのは1990年)短篇小説が「お稽古事」とかし、決まりやルールを守ることが重要視されいる。では決まり事も何もなかったはずの短篇小説が生まれた当時の短編はどうやって生み出されたのか。それを探るため、岩波文庫の短編集を虚心に読み返し、自分の鑑賞眼のみで小説を批評し、その作品が何もルールのないところから生み出されたのか、それとも既存の詩や戯曲の影響を受けていたのかを探る本である。

    それぞれ短編を上げて、テーマや技法について論じるが、テーマはそれを語る作家の数だけあるわけで自然と話は技法に向く。
    紹介された短編で既読なのは「アウルクリーク橋の一事件」のみ。他の本は知らないが、この本を短篇小説の紹介本の視点で読むと、いづれも興味深い作品で読みたいと思わせる。

    短篇小説講義の表題にもっともかなっていたのはエンタメの技法を解説したローソン「爆弾犬」だろう。ギャグの解説はともすれば寒くなりがちだがこの爆弾犬は解説越しでも面白い。

    今回の増補版で追加された筒井康隆自身の手による短編「繁栄の昭和」は、この解説がなければ自分の経験からでは十分に読み取れなかっただろう。戦後数十年の高度経済成長期も、江戸川乱歩に親しんでいたわけでもないからだ。この一篇はたしかに解説に足る新しさと現在的かつ普遍のテーマを扱っていて面白い。解説のおかげで知識不足でも楽しめた。

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    2019年12月04日
  • 大いなる助走

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    ネタバレ

    大衆文芸の最高峰・直木賞。それを受賞できなかったのはブンガクではなくSFだったからなのか? 文壇の内部では、このように恐ろしく湿った世界なのだろうか? 地方の同人主催者・保叉(ルビなし。なんと読むのだろう?)のアドバイスを受けて書いた小説が思わぬ反響を呼ぶことになった市谷くん。直廾賞候補になり、職も全財産も投げうって工作をした挙句の落選。彼は破綻の人生を選択してしまう。演劇・ドラマの脚本仕立てで進行する物語に、ついつい市谷くんの気持ちに入れ込んでしまった。

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    2019年09月22日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    筒井康隆の作品は、鹿爪らしく批評したりランク付けしたりするにはそぐわないでしょう。その視点、着想、想像力、エグさを堪能すればOK。

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    2019年07月27日
  • にぎやかな未来

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    筒井康隆のショート・ショート集。筒井康隆を読むならこの掌篇集から、の言葉通り非常に読みやすい。筒井康隆はアクが強いが、このショートショート集はそのアクの強さをアイディアの内に留めつつ、奇想天外なオチを置くことでよりショートしょーとらしさを際立たせている。ある種の様式美となった投げっぱなしオチも少ないため、とっつきやすい作品集だろう。SF色も強く、特にお気に入りなのは「ベルト・ウェーの女」で、ベルト・ウェーで見かける女性に恋した青年があの手この手で女性の正体を調べようとする話だが、徐々に明かされていく設定の一つが意外な角度でオチに繋がるという名作である。また断筆になった問題作「無人警察」も往年の管理社会への警鐘を鳴らしつつ、諦観を引きずる余韻もいい。表題作「にぎやかな未来」はディックの「CM地獄」を思い出す過剰広告社会という内容で、アイディアは同じながらも描いている社会像が違うため、その差異を楽しめる。またラストの「静寂」というオチは日本的で面白く、さらに周囲が騒がしい「にぎやかな未来」では永遠に手に入らないものとして象徴的に扱われている。一日でサクッと読めるショートショート集である。

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    2019年05月28日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    筒井康隆お得意のスラップスティックなSF短篇集。「ヒノマル酒場」は土方のおっさんたちの下品さや関西系のマスコミに対する不信感などがとてもリアルで、そんな人間たちと異星人のファーストコンタクトという題材が非常に面白い。まさに狂騒的でこのドタバタ加減はこの作家にしか出せない味だろう。店じまいで話まで強引に畳んでしまうのも良い。個人的なお気に入りは「あるいは酒でいっぱいの海」で、海が酒になるという荒唐無稽なネタをストレートに描く度胸もさることながら、最後は酒そのものになってしまうという星新一のショートショートのような奇妙なオチも素晴らしい。あと「パチンコ必勝原理」のくだらなさも大好き。傑作は「農協月へ行く」だろう。まず農協団体の田舎丸出しの方言が鼻につくほどリアルで、描写がとにかくいやらしい。下衆い人間たちに接するサービス業の苦労や苛立ちもヒシヒシと伝わってくる。宇宙人とのファーストコンタクトをするのが田舎者というネタは面白いが、それ以上にそのネタを成立させるための細部へのこだわりが凄まじい一本である。核武装する未開の土人を描いた「アフリカの爆弾」も、白人を金づるにするため、あえて文明を隠して土人らしく振る舞うという強かさが描かれており、どの短篇もネタ周りの舞台設定に凝っている。筒井康隆らしい短篇集だといえよう。個人的にはファンタジーよりパニック・SF要素の強いこの短篇集のほうが好みである。

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    2019年05月28日
  • 笑うな(新潮文庫)

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    出張先で買って空き時間に読んでいました。とてもちょうどよく面白かったです。
    クスッとなるのとヒエっとなるのとしんみりするのとふと考え込んでしまうのとが心地よいバランスでした。
    ショート・ショートってやっぱり好きだなぁ。

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    2019年03月25日
  • 佇むひと リリカル短篇集

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    はじめて筒井康隆を読んだ。星新一みたいなショートショート。とくに説明のない日常風味に(当然でしょ?という雰囲気で)異世界という世界観を理解させるのがうまい。それは星新一といっしょだが、星新一は現代からみた落語的なオチがつくのに対して、筒井康隆は異世界が異世界に閉じているままおわるのが新鮮だった。

    ショートショートはお話によって違う世界観を理解するので疲れる・・・

    印象に残った話

    ・わが良き狼
    物語になるような宇宙海賊が年をとって故郷に帰ってくる話。雰囲気的に宮崎駿のシャーロック・ホームズ思い出した。狼。。。

    ・母子像
    買ってきたさるのおもちゃが異次元空間に母子をひきずりこんでしまう話。夫は懸命に取り戻そうとするが・・・。めっちゃくちゃ怖くなった。総毛立った。

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    2018年12月01日
  • 幻想の未来

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    ネタバレ

    怖めの輪廻の話が来ると分かっていながらも時の女神は妙にロマンチストと詩情が感じられて好きだった。
    白き異邦人もこれからくる未来を感じるけど昭和46年に書かれたのかと思うとはっとさせられた。

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    2018年11月18日
  • ビアンカ・オーバースタディ

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    80歳になんなんとする大御所作家が、ラノベを書くというそのことだけでも面白いが、さらにその内容も荒唐無稽で不謹慎、下品でくだらなくて、パロディやメタ的なのでたまらない。ぼくもビアンキ様に●●てもらいたい。

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    2018年11月03日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    "小松左京さんとも仲がよかったのでしょう。そうでないと、こんな小説書けません。
    「パチンコ必勝法」も楽しい一遍。楽しめる作品でした。"

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    2018年10月28日
  • 男たちのかいた絵(新潮文庫)

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    やの付く自由業につく登場人物たちの喜劇を描く連作
    よくよく思い返すと任侠モノ映画というのをみたことがないので
    この分野の味わいについて思い入れがないが
    示威暴力を生業とする場ならではの常識があって
    そこからのズレもまたその他一般との差異が広く楽しめるものかもしれない

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    2018年10月26日
  • 農協月へ行く

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    筒井康隆のスラップスティックな短編を集めたアンソロジー的な一冊。収録されているのは「日本以外全部沈没」、
    「農協月へ行く」を始めとする7作品。

    悪意とアイロニーに満ちた豊穣な言葉が過剰なまでに繰り返され、さらなる過剰を期待し、過剰さのエクスタシーに導く。これは我々はどこまでも過剰さを愛し、過剰さを追求することを止められないという資本主義経済のミラーか?

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    2018年10月20日
  • 読書の極意と掟

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    文庫化前の『漂流 本から本へ』を読んだ記憶あり、再読。
    あらためて筒井節を堪能する。
    有り余る才能があるのに、しっかし恨みの多い人だな。
    でも熱狂的なファンがいてセールスも好調ながら、権威的なところからの評価が低いからな。
    解説にもある通り日活ニューフェースに通らなくてよかった。役者になっていたら余技で小説を書いたとしてもこんなにたくさんは読めなかったしな。

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    2018年07月19日
  • 創作の極意と掟

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    ネタバレ

    筒井康隆さんが32種類のテーマを軸に、創作の秘密を書いた本。これを読むと、作家の人が何を考えて創作をしているのか、がわかって非常に面白いし、筒井さんの作家としての天才性が浮き彫りになって面白い。なるほど、こういう頭の構造の人が、ああいう芳醇な物語を紡ぎ出すのか、と納得しきりでした。創作を意識している人は読んで損なしな気がします。

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    2018年06月22日
  • ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)

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    特異な物語展開のその自在というか奔放・・反復展開され変幻する物語世界(振幅)に惹きこまれた。正直途中退屈を感じることも多少あったけれど(失礼)。作家が誇示する小説の技量(語る力)、それは大した力業なのだがその強引さにどこまでつきあっていけるか?・・一方作家は読み手に対しそれをたくらんでいる?文学誌(「新潮」)に掲載された本作はそんな実験性に富むものでエンタメであるが読む人を選ぶ作品かと思う。著者の愛読者であっても好き嫌い(あるいは関心の強弱)が分かれるのでは?(そのところ『虚人たち』と似ているかも)。

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    2018年05月22日