筒井康隆のレビュー一覧

  • 銀齢の果て(新潮文庫)

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    【本の内容】
    増大した老齢人口調節のため、ついに政府は70歳以上の国民に殺し合いさせる「老人相互処刑制度」を開始した!

    和菓子司の隠居、宇谷九一郎の住む宮脇町には、もと自衛官、プロレスラー、好色な神父など「強敵」が犇めいている。

    刃物と弾丸が飛び交い、命乞いと殺し合いの饗宴が続く。

    長生きは悪なのか?

    恐怖と哄笑のうちに現代の「禁断の問い」を投げかける、老人文学の金字塔。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後

    0
    2014年10月03日
  • 大いなる助走

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    ただただ辛かった。映像化できたら面白いかもしれないなどと妄想。筒井康隆の恨み辛みとともに、創作者の自省のバイブルとなるべき一作だろう。などと理論武装して、自己防衛を図る僕もまた矮小な創作者崩れの一人でしかないのだろう。またこのように客観的な文章を装うことで、自分はこいつらとは違うのだ、などと逃げていることにもなる。そして、こんな文章を付け足すことで自分はまたこのような文章を書く人間とは違うという(以下略)
    このように読んだ人間を泥沼に叩き込む問題作である。
    これは僕の想像なのだが、この作品はプロットを考えずに書き出したのではないだろうか。
    唯一嫌悪感を持たなかった登場人物は時岡。

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    2014年09月04日
  • 佇むひと リリカル短篇集

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    【本の内容】
    ささやかな社会批判をした妻が密告により逮捕され、土に植えられてしまった。

    次第に植物化し、感情を失っていく妻との切ない別れは…。

    宇宙の伝説と化した男が、二十年ぶりに帰ってきた。

    かつて賑やかだった鉱山町の酒場、冒険をともにしたロボット、人妻となった愛しの彼女。

    郷愁にみちた束の間の再会は…。

    奇想あふれる設定と豊かな情感が融け合う不思議な作品群。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    筒井康隆さんの短篇集『佇むひと』は、その独特の世界観にただただ圧倒された一冊です。

    なかでも表題作の、生きたまま道路に植えられ、人々の目に晒されながら段々と植物化していく妻とその夫の小説

    0
    2014年09月04日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

    sam

    購入済み

    筒井さんは予定通り?

    「家族百景」から始まった「テレパス 七瀬シリーズ」の3作目で(恐らく)最終章。1章の時に筒井さんはこの結末をすでに組み立てていたのかが気になります。だとしたら、やっぱり恐るべし筒井康隆。単なる超能力ものではない、「精神小説」とも呼ぶべき新分野だと思いました。

    ただ、近年の筒井さんは精神分析の記述とストーリーテラーとしての巧みさのバランスがやや崩れて、難解な記述が多く、正直ついていけない作品もチラホラ。本作品はギリOKと言う感じです。

    しかしシリーズ全体として見ると、少女に近かった七瀬が「大人の女」になり、同時にそのテレパスとしての精神世界も成長して行く過程での「気付き」を描いた本作

    1
    2014年05月20日
  • 脱走と追跡のサンバ

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    たぶん初めて買った筒井康隆の本で、『筒井順慶』に続いて読んだ二冊目の本。中学生でこれ読んでわかった/面白かったのかなぁ。
    今読んでみると『同時代ゲーム』以降の大江健三郎に通じるような自己参照を含むメタフィクションといった趣もあって興味深い。

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    2017年10月10日
  • 文学部唯野教授

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    改めて筒井康隆の偉大さを思い知らされました。
    徹底的にパロディ路線かと思いきや、講義では真面目に文学論を唯野教授にさせています。
    第7講の記号論に間違いがあると批評家が書いていたと筒井先生は書いているが、小説に目くじら立てるのもねぇ。
    でも文学論はわかりやすく、面白いです。こんな教授だったら文学部に行きたいと思うかも。小説と筒井流文学論解説が読めるのはお得かも。

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    2014年03月04日
  • 銀齢の果て(新潮文庫)

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    この筒井ワールドは空想ではなくなった…
    筒井康隆のお見事な筒井ワールドでまたまた楽しませてもらいました。でも今のアベさんを見ていると、この筒井ワールドは空想ではなく、想像の世界にまでは近づいてきたように感じます。
    山藤章二さんの挿絵はいかにも登場人物の香りがして作品世界を理解するのに大いに役立ちました。

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    2015年03月18日
  • 出世の首 ヴァーチャル短篇集

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    ネタバレ

    フィクションを読む楽しさを思い出させてくれた。どのお話を読んでも人が詰まっている。(でも説教がましいところが全くない。)だからまた読んでしまうな。

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    2014年01月04日
  • ロートレック荘事件(新潮文庫)

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    確実に再読を決めたのです!!!
    お勧めしてくれたお友達人´∀`).☆.。.:*ありがとうですよ!11
    確実に注意深く読んでいたつもりだったのですけど、全然甘かったああああああああ!!11

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    2024年08月11日
  • 銀齢の果て(新潮文庫)

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    先に「敵」の話を書いた。
    いわゆる老人小説への興味を覚えていた時に手に取った2冊目の筒井作品である。

    こちらは筒井康隆的ドタバタが存分に楽しめる、老人同士が殺害し合う、いわゆる「バトル・ロワイヤル」のパロディだ。

    しかし、本家の設定が絵的(”想定読者層”)な問題もあるのか当然ながらフィクションの枠から出得ないのに対し、こちらは行き過ぎた老人保護政策、年金問題、積み重なる財政負担を解消する手立てとして相互自殺補助”政策”という、あながち・・・?な設定であるのが面白い。

    「敵」に現れていたような主人公の深い思索、老人時間とも呼べるような緩慢な死へむかって流れるゆったりしたものとはまったく逆ベ

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    2013年09月22日
  • 時をかける少女

    Posted by 読むコレ

    初めて原作を読みましたが、角川の映画は説明に必要な描写がなく、テーマが変わってしまってると感じました。
    筒井節が気持ち良い小説でした。
    「悪夢の真相」、「果てしなき多元宇宙」も私好みでした。

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    2013年08月15日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    「日本沈没」を読む以上これも読まねばなるまい、という妙な理由で読んだ。「以外沈没」などいくつかの短編は再読だと思うが…なにせ15年くらい前の記憶なのではっきりしない(^^;)
    作られた当時の社会背景を反映してる作品も多いのですが…それを含めて興味深い。ヒノマル酒場のひねくれているものの痛烈なマスコミ批判は今の時代にも通じる。
    社会問題を扱っているように見える作品でも、結局は「社会を回している人」に注目して問題をえぐり出す。SFと一緒くたにしてしまいがちですが、ほんと幅のあるジャンルなんだな~、と改めて実感させられた一冊でした。

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    2013年07月04日
  • エディプスの恋人(新潮文庫)

    購入済み

    読了。

    これはまた凄いテーマを当てはめて来たなという感じ。前2作も裏側にあったのかな?この反則技は好きです。七瀬シリーズ満足な完結の仕方。電子化は無理かと思ったらその手があったか。

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    2013年07月04日
  • 家族場面

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    笑どころはありつつもシリアスな短編集でした。文学色強め。
    死刑執行の行く先を描いた「天の一角」は今まで読んだ筒井の短編の中でかなり好きな作品になった。

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    2013年05月02日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    誇張表現あり、どたばたあり、超展開ありな短編集。
    表題以外も面白い作品がそろっていて、読んでて飽きない。農協がものすごく悪者扱いされているところに時代を感じます。マスコミの表現も、昔からあんな感じなんですね。
    「あるいは酒でいっぱいの海」はタイトルから4ページで終わる構成までが美しくて好き。

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    2013年03月24日
  • 虚航船団(新潮文庫)

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    分厚かったなぁ。 読んだのは中学校時代。筒井康隆の本を片っ端から読んでいた時代でしたが、なかなか難易度が高かった。

    3部構成。
    1部、宇宙船内部 登場人物が全員キチガイww
    2部、地球っぽい星の世界史
    3部、一部と二部の融合

    いやー、読み応えが凄い。
    難易度が高いけど世界史が好きならついていける。

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    2013年03月02日
  • 銀齢の果て(新潮文庫)

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    エンターテイメントに振り切れた筒井康隆の快作。オブラートに包むことなく『バトル・ロワイアル』的状況設定を模倣し、老人たちに殺し合いさせるというかなりエッジの効いた作品。

    全編を通して高齢社会日本に対する痛烈な風刺となっているが、それ以上にサバイバル小説としてのストーリー展開だったり人物描写が面白い、と思わせるところがスゴイ。(人物描写に関しては完全にキャラ重視という感じだが。)

    物語のテンションの高さと、叩きつけている風刺の極端さのバランスが非常にうまく取れている作品。

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    2012年12月22日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    短編集ってあんまり好きじゃなくて、手にとっても最初の数話で飽きてしまうことが多々あるのですが、これは不思議と苦もなく読めました。
    電車の中で読むのにちょうどいい軽さとでも言いましょうか。
    シニカルな笑いのセンスが個人的にツボでした。

    『あるいは酒でいっぱいの海』『ヒノマル酒場』『パチンコ必勝原理』『日本列島七曲り』『アフリカの爆弾』あたりが好きです。
    とくに『あるいは〜』は4ページしか無いのに最高です!!

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    2012年10月23日
  • 陰悩録 リビドー短篇集

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    筒井康隆まじパネエ

    内容に触れるのが難しい(性的な意味で)のでもどかしい。
    性に関するくっだらないアイデアを大真面目に具現化するところが笑いを誘う。ブラックでセクシャルな笑いに満ちたSF短編集。ただそれだけに留まらず、性的な笑いを社会現象の描写にまで昇華させるのは見事。良い意味で酷い小説。

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    2012年08月11日
  • ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)

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    先の読めない「コピー&ペースト」手法が面白い。
    ドタバタ感が筒井作品らしくて好み。繰り返される文章がくせになる。

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    2012年06月07日