筒井康隆のレビュー一覧
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グランパかっこいい!…って素直に思ってあげるけど、こういう爺さんになりたいという男のロマン的な感じなのだろうかなとも思う。グランマさんが、愛しているからこそそばにいられないという、そんな愛され方も含めて。
「こんな爺さんになりたい」と、「こんな爺さんがすてき」は、きっと微妙に違う。たとえば、バイオレントな要素は、私なら要らない。「こんな婆さんになりたい」を描いた『ぼくの(おれの?)グランマ』があったら読んでみたい。グランマの場合、「ぼくの」と孫息子に慕われる必要があるかどうか、そこから検討が必要だ。『わたしのグランマ』でいい気もする。男なら、女なら、と性別で考えている時点でもはや私も時代遅 -
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ほぼ50年前のショート・ショートは、今読むとどうなのか? といろいろ想像しながら手にしました。筒井康隆さんの作品は、初期作を何冊か大昔に読んだ記憶だけで、パロディやドタバタ喜劇、SFを得意としているイメージです。エンタメや純文学作品も手がけ、大分幅広い作風なのかな?
ブラック、ホラー、シュール、エロ、グロ、寓話、風刺‥、何でもありのイメージの34篇。いろんな芸人さんが次々登場し、漫才を披露しているような感覚でした。内容によって、或いは作品全体として好みが分かれるのではないでしょうか。
ただ、PCもケータイもない時代、漫才ブームも到来する以前に、よくもまぁこんなぶっ飛んだ話が書けたなと感 -
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【2024年108冊目】
精神医学研究所に勤める千葉敦子と時田浩作はノーベル賞の候補にもなるほど優秀な研究者だ。特に千葉敦子は夢探偵「パプリカ」としてさまざまな人達の夢に介在し、精神的な治療に務めてきた。だが、最新型の精神治療機器である「DCミニ」が発明されたことで、研究所で思わぬ騒動が起こり始める。
映画の原作ということで読みましたが、これは確かに映像化して〜ってなるよなと思いました。映画もかなり複雑だなとは思いながら見たのですが、原作の方が倍以上に複雑でした。夢か、現実か、夢であれば誰の夢の中なのか、鮮やかな描写が続く中でこっちの想像力が試される話でもありました。
映画もう1回見ようか -
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短編小説の名手である筒井康隆による短編小説の形式や手法の極意が述べられている一冊。今では古典として扱われている海外の名作短編を取り扱っており、作家がどのような思考をもとに作品を創作したか、理解することができた。短編小説の黎明期にあたって、海外の作家が道を切り開く軌跡をたどることができた。
世界的な作家も、作家人生のなかで一生に一度しか書けないほどに、生涯の代表作となる短編小説を作るというのは大変であることを痛感した。
現在の日本の文学に向けて提言もなされており、非常に興味深い内容となっている。
30年以上前に書かれた短編小説の創作論が、30年のときを経て、加筆修正により、新たに筒井康隆本人の作 -
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本屋でたまたま見かけたので「お!懐かしい!」と思い、購入した。以前、読んだがかなり昔。深田恭子主演のドラマを観て、面白かったから原作も読んだのだっけ。(私の王道パターン)なので2005年頃だったと思う。うわ!そんなに前だったのか!原作はもっともっと古く、1970年代頃に連載されていたらしいから背景も当然古風。『キャデラックを乗り廻し、最高の葉巻をくゆらせた“富豪刑事”』(あらすじ抜粋)とあるからどんな嫌味な富豪だよ、と勘違いするが、実際は品が良くて少し天然な好青年が主人公。本人は上品だが大金を大量にばらまき日本経済を激しく回しながら事件解決を実行する。もちろんファンタジー。でもこういう現実とは