あらすじ
〈まったく信頼出来ない語り手〉による衝撃の超認知症小説「ペニスに命中」。太陽の黒点の異常、電子システムの異常、「お風呂が沸きました」等電子音声の異常、異常の連続を描く表題作。午後四時半を征伐に向かった男が国家プロジェクトに巻き込まれる「奔馬菌」。前人未踏のパラフィクションに挑む「メタパラの七・五人」。錯乱なのか預言なのか。天才筒井の進化が止まらない。衝撃の傑作10編。(解説・佐々木敦)
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面白かった。御歳でこれらを書いたのはすごい。やはり筒井氏の短編は読み進められさせるというか、アイデアに圧倒されて表現方法にも圧倒されることが多い。一番面白かったのは『ペニスに命中』、最も印象に残ったのは『メタパラの七・五人』。メタパラ、は本当に凄かったというか、突然自身の足場がなくなったような不安感とフィクションに入り込んでいく不思議さ、ワクワクさがあった。ペニスに命中は単純に面白かった。ただただ文を読んでいるだけで楽しい。飽きなかった。
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筒井は久しぶりだけど、やっぱり異常に面白い。よくわからないところも含めて面白いのはなぜなのか。どれも好きだけど、「不在」と「小説に関する夢十一夜」が好き。昔の筒井っぽい「教授の戦利品」も。最後のウクライナのエッセイでしみじみ。
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「筒井調」満載の短編集。メタ・パラフィクションもあって、堪能した。
ひとつ不思議なのが、エッセイの「ウクライナ幻想」が「付録」として掲載されていること。著者がその昔、旧ソ連を訪れたときの思い出を、イリヤ・ムロウメツの物語とともに書いている。
ただ、その中身はと言うと、「今はただ、不幸な戦いの中にあるウクライナの首都、あの伝統の町キエフに戦禍が及ばぬことを(後略・文中ママ)」とか、「日本贔屓のお嬢さんを持つプーチンに、自国民の大多数と欧米諸国との板挟み状態に立つ苦境を乗り越えて平和への道を探ってほしい(略)」などと書かれてあってザワザワさせられ、思わず奥付を何度も確かめた(文庫発行日は令和3年6月1日)。
「もしかして、内容を自動的に最新にする技術が使われてるのか?」などという妄想も抱いてしまったり……(紙の文庫です!)。
実は、単行本の発行が2015年。
つまり、ここに書かれているウクライナとロシアの争いは、2014年から始まったウクライナ紛争を受けてのもの。しかし、偶然とは言え、こんなところでまた、「筒井康隆の先見性」について考えてしまった。
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この歳でこのキレキレっぷり。さすがというしか。
どの短編も面白くて引き込まれる。
実験的且つブラックユーモアたっぷり。好物だらけで筒井康隆作品、何読んでも最高と思ってしまう自分が悔しいというか。こちらにもうちょっと考えさせる余裕くれよな、という感じ。
メタパラフィクション面白かったな、、
最後のウクライナは今思うと辛い
Posted by ブクログ
面白かったが難しかった。短編集なんだが、冒頭のペニスに命中がかなら、ドラスティックな内容で、お、この方向性の作品かな?と思ったが、後の話は千変万化。難しかった。読んでるうちに、いつのまにか作者の話になっているのが楽しい。油断すると、すぐに自分の話をする筒井康隆の作品は大好きだ。それにしてもこの作品の三字熟語の奇をちゃんと、読む人はいるのだろうか?いるんだろうけど。
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著者の作品を久しぶりに読みました。
全てにおいて言えることだけど、掴みどころのない内容になっているように思えた。
ナビのエラーは少しクスッと笑えました。
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わかるようなわからないような世界観。
途中止めしそうになったのを無理やり。
慣れてしまえば面白い世界観なのかもしれない。
三字熟語の奇がお気に入り。
Posted by ブクログ
ナンセンス/シュールな作品を集めた短編集。刊行時筒井は80歳とのこと。
表題作はコンピューターの反乱の一形態と言えるドタバタSFで、往年の筒井康隆で面白かった。他の作品のうちナンセンス/シュールなもので、作者が出てきたり、読者を巻き込もうとしたりはなかなか難しかった。