筒井康隆のレビュー一覧

  • 誰にもわかるハイデガー 文学部唯野教授・最終講義

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    すごい面白い。御大の真の狙いがどこにあったのかを想像するのも楽しい。この切れ味と凄さはネオ高等遊民さんですら難しいのではないか。いや本業の専門家では無理か...

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    2026年03月27日
  • 残像に口紅を

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    ことばが世界から無くなっていき、半分以上のことばが無くなってきたところから、自伝を始めた。「ことばが少ないからこそ自伝を綴れる様になった」とあり、制限されている中で、自由な時にできなかった事が出来るようになる事もあるんだなぁと改めた。最後になくなることばはなんだろう...

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    2026年03月27日
  • 残像に口紅を

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    TikTokでも話題になっていたし、筒井康隆も何冊か読んでいたので気楽な気持ちで読み始めたが、言葉がなくなっていくなかで言い回しが難解になり特に中盤は読むのに体力を使った。しかし作者の語彙力には感服した。

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    2026年03月27日
  • 残像に口紅を

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    ネタバレ

    森見登美彦さんのような不可思議さがある。独自のワールドすぎて途中ついていけなくなりそうだった。使える文字が制限されていく世界を描いている作者の大変さの方に意識が持って行かれてしまった。

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    2026年03月25日
  • 時をかける少女

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    表題『時をかける少女』他2編。学習研究社の1965年「中三コース」、1966年「高校一年コース」に連載される。1983年角川映画の原田知世、主演が有名である。芳山和子がテレポーテーションとタイムリープするお話し、その能力は、同級生の深町一夫が関係していた。40年前の中高生には驚きの展開だったのかな。

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    2026年03月24日
  • ビアンカ・オーバースタディ

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    ☆2.5 涼宮ハルヒの影響
     ライトノベル読者の度肝をぬく始まりかたで、もはやエロなのだが、文章がうまいのですらすら読める。ラノベの文章はもっと粗雑だ。

     ヒロインのビアンカ北町の造形は一見奇妙だけど、涼宮ハルヒからの影響だと考へればいい。
     たとへば、第三章「怒りのスペルマ」のセリフだ。《わたしはずっと前、ちっちゃな頃から、宇宙人だの未来人だのが、わたしの前にあらわれてくれることを待ち望んでいたような気がするの》

     しかし内容は、SFの大家がものにしたといふこと以外、価値はない。最終的にカマキリvs人造カエル人間の戦ひになり、荒唐無稽なはなしになるだけだ。

     ラノベ好きがよんだら、卒倒するのではないか。
     ラノベの集合知をあぶり出したやうな存在かもしれず、しかし、私にとってはぬるい毒のやうな印象で、しかしそれでも島田雅彦のラノベとくらべると圧倒的に成功してゐるのだが。

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    2026年03月22日
  • 富豪刑事

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    ふざけてる筒井康隆。
    金で事件を解決するという設定の突飛さだけでなく、登場人物が読者に向かって喋りかけてきたりしてもうめちゃくちゃ。
    それが面白いのかと言われるとよく分からない。
    時間が解決すると飛び出してくる署長は愛らしくて仕方がない。おめでとさん。おめでとさん。

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    2026年03月17日
  • 筒井康隆自伝

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    近所からもらってきた子犬のチビの一件がほんとに辛い。
    今でいう動物虐待だね。
    箱に入れて神輿担ぎをしたり、さんざん遊んび倒してチビが悲鳴まじりの吠えたのでやめたって。
    次の朝、死んでたって。
    子どもって無邪気で残酷な生き物だよね。
    胸が傷んでそのあと読む気がすすまなかったよ。
    今でも胸が痛むとあったから、忘れられない痛恨の思い出なのだろう。

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    2026年03月10日
  • 時をかける少女

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    映画と違うのね。映画で主人公が訪ねる、ちょっと事情を分かってそうな美術研究員の若い時の話という感じがする。

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    2026年03月08日
  • モナドの領域(新潮文庫)

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    物語の始まりからミステリーの世界へとグイグイ引き込まれていきます。中盤からは、哲学の世界に置いてけぼりにされそうでかなり困惑します。でも、終盤には本作の作者の顔もひょいと覗かせてくれます。全てを司っていたのは作者だったということか…。うわー、筒井さんは自由だわ、ホント。誰にもおもねることなく、忖度することなく、思う存分楽しんで書いている、というのが初読の感想でした。初読と書いたからにはなんだか二度目もありそうな気がしています。

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    2026年03月06日
  • 誰にもわかるハイデガー 文学部唯野教授・最終講義

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    ネタバレ

    読みやすいし、割とわかりやすかったと思う。
    90ページ以降よくわからなかったし、著者もよくわからないと言っている。
    解説は面白かったが、理解できない箇所もあった。
    次は新書とかでハイデガーについて読むかな。

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    2026年03月05日
  • 時をかける少女

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    思ってたより古典的な展開だった
    ただ、記憶のこととかそれまでの思い出を考えると切なさはすごいよなぁと思った
    記憶を消す時どんな風に思ったんだろうなとか余韻の残るラストだった
    映画とはちょっと違うらしい

    ほかの2編も筒井康隆らしいと思った
    ファンタジーに理論が少し加わった感じがさすがだと思う

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    2026年02月28日
  • 筒井康隆自伝

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    「原宿駅前の新居には毎夜のようにSF作家たちが押しかけて馬鹿話に夢中になった」「今から考えたら夢のような日日だったなあ。」(p107)
    この人の生きざま自体が文学だし歴史。濃密すぎる少年~青年・成年時代。ところどころで言及される作品も実に興味深い。

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    2026年02月27日
  • パプリカ

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    リマスター版の映画を観て、原作が気になり読んでみた。

    前半は映画と対比しながら研究所内の社内政治や粉川など様々な人物像が描かれており面白かった。

    後半のDCミニをめぐる戦いは正直読んでいて疲れてしまい、流し読みという感じだった。「夢を見ている感覚」としては面白かったのだが…

    最後の陣内と玖珂の会話も意味深で面白かった。一体どこまでが夢なんだ??

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    2026年02月21日
  • パプリカ

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    ネタバレ

    SF作品に触れるのがほぼ初めてだったので新鮮な楽しみがあった。夢の解像度が高くて、「人の顔が急に変わったり場所が急に変わったりすることあるよなぁ笑」と思いながら読んだ。
    パプリカは登場する男性ほぼ全員(女性の柿本さんもか)から寵愛を受けることになるが不思議とご都合主義のハーレムもの感はなく、皆から愛されて然るべきヒロインとして説得力を持っていた。各所で挟まれる性的描写も嫌な感じはせずむしろ美しく愛おしい場面として自然と受け止めることができた。
    最後の二人の会話も意味深で好きだった。顔が仏像を彷彿とさせるということは、またもや夢の侵食が始まっているということなのだろうか?それともこの場面が夢?一体この小説のどこまでが現実だったのだろうか?と考えさせられる。

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    2026年02月17日
  • 夢の木坂分岐点(新潮文庫)

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    久しぶりの筒井作品で、なかなか読む速度が上がらなかった。夢の木坂駅という分岐駅が象徴する夢と現実と虚構が入り交ざる作品だ。主人公も含め、登場人物の名前、会社での役職、境遇などがいつの間にか入れ替わっている。通底するのがサイコドラマという心理療法で、これは著者の得意分野だ。当を得た解説も良かった。しかし、この手の筒井作品は読み疲れるなあ……。

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    2026年02月16日
  • カーテンコール

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    筒井康隆の最後のあいさつ、な本
    とても、とても難しい本と感じた。普通に読む分にはテンポ良く進む短編群、過去作を下回る出来
    しかし筒井康隆という作家、今までの作品、一緒に生きてきた作家を思うと…感慨深い本に変わる
    小川哲のStreet Fictionという番組でも語られていたが本人なりに思う所の蓄積で描かれた作品達なのだと思う
    優しい読者ほど刺さる本であるし、1作品としてただ読む読者にはこれで幕引いちゃうんですかと感じるだろうし。でもファン本だと言うには偉大すぎる作家の作品とも思うのです
    彼にしか書けない経験値から滲み出た本として、日本では評価されて欲しい

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    2026年02月12日
  • 筒井康隆自伝

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    卒寿も超えての自伝だが、かなり薄い。200頁もない。筒井康隆の人生がこの程度の紙幅で語り尽くせるわけもないのだが、もはや体力もないのだろうと思う。本書は「今後は自伝に書くような大きな変化はない」と結ばれる。まぁそうなんだろう。しかたがない。

    大江健三郎との近さは蓮實重彦との書簡でも多く語られていた。本書では、遅刻してきた大江が一切謝らなかったエピソードなども語られている。

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    2026年02月11日
  • 時をかける少女

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    映画が好きだから原作はどのようなものかと読んだけど、全然違った。みんな仲良いはずなのに他人行儀すぎん?100ページくらいしかないからけっこうあっさりだし、最後のお別れシーンも感慨深くない。よく映画をあんなに面白くできたと思う。

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    2026年02月06日
  • 虚航船団(新潮文庫)

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    何を書いてもネタバレになりそうなのだが、とりあえず人間っぽいが人間らしきものが(あまり)出てこない、宇宙からの惑星侵略系SF。3章だてになっていて、それぞれ視点が大幅に異なる。1章目は文房具たちの乗った宇宙船の様子、2章目は惑星クオールの歴史、3章目は、これらが相混じり合った戦争の話である。

    1章目はつらつらと乗船している文房具の説明がしてあるが、みんな気が狂っている(そう紹介されている)。
    2章目は地球史みたいなクオール史。この惑星の住人はイタチだが、起きていることは人間のそれをなぞっているよう。地球史にしてはエログロを丁寧に記載しているのは著者の好みと思われる。ではこのクオール史を書いたのは誰だ?
    3章目は視点が入れ替わり立ち代わりで争いとパニックと祭りと残酷描写が押し寄せる。そのうち作者の現実が混じり合うので、真剣に読むと気が狂う。
    しかし結局、夫を深く愛して戦場に行かないでと色仕掛けで引き留め、帰らぬ夫をいつまでも想い待ち、どんな子どもでも自分の産んだ子には愛情を注ぎまくるという、男性の理想の母兼妻像を投影した登場人物を最後の軸に据えたことで、ああなんだ人間讃歌のSFか、と納得したのであった。

    なお、文房具の特性上、電子ではなく紙の本で読むことをお勧めします。

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    2026年02月03日