筒井康隆のレビュー一覧
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本屋でたまたま見かけたので「お!懐かしい!」と思い、購入した。以前、読んだがかなり昔。深田恭子主演のドラマを観て、面白かったから原作も読んだのだっけ。(私の王道パターン)なので2005年頃だったと思う。うわ!そんなに前だったのか!原作はもっともっと古く、1970年代頃に連載されていたらしいから背景も当然古風。『キャデラックを乗り廻し、最高の葉巻をくゆらせた“富豪刑事”』(あらすじ抜粋)とあるからどんな嫌味な富豪だよ、と勘違いするが、実際は品が良くて少し天然な好青年が主人公。本人は上品だが大金を大量にばらまき日本経済を激しく回しながら事件解決を実行する。もちろんファンタジー。でもこういう現実とは
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”最後の作品集”と言いながら、今後も「最後最後詐欺」として恐らく作品を出してくれるであろう筒井康隆御大の最新短編集。
25の超短編、すなわちショートショートを収めたものであり、エッジの効いたブラックユーモアはいまだに健在であり、読者を安心させてくれる。
個人的に気に入ったのはコロナ禍の日本社会を5拍子・7拍子のリズムで風刺的に描いた「コロナ追分」、そして「時をかける少女」や「文学部只野教授」など筒井康隆の過去の名作の主人公が突然現れて著者とユーモラスな会話を繰り広げるドタバタ劇「プレイバック」など。
最後、と言わずにまだまだ元気でこうした作品を読ませてほしい。 -
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同タイトル作の短編を含む短編集。
筒井康隆ワールドを短編集として味わえる!?ってな感じかな。
SFやミステリーにユーモア作品に・・・なんか理解できなかった作品など
個人的には、面白い作品と微妙な作品の集まりで全体的には面白いか
というと微妙な気がしてなりません。
複数の文芸誌に掲載された作品をまとめたものなので、
どうしてもまとまりがあるとは言い難いため、面白い作品と
微妙な作品とがまとめられたという感覚で読みました。
面白い作品や良作と感じる作品が多い中で微妙な作品のせいで
ページ数のわりに時間がかかった感があります。
「科学探偵帆村」、「メタノワール」、「つばくろ会からまいりました」
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財団法人精神医学研究所の研究員である29歳の千葉敦子は、おなじ研究所に勤める時田洪作とともに、ノーベル医学生理学賞の受賞候補者です。時田らは、患者の夢の世界を映像化したりそこに入っていくことのできるテクノロジーを開発し、敦子は「パプリカ」という少女に扮して患者の夢のなかで彼らの症状の解析をおこない、治癒にみちびきます。
一方、研究所の副理事長である乾精次郎は、寵愛する弟子の小山内守雄とともに、敦子たちの利用しているシステムに対する懐疑をとなえ、両者のあいだに対立が生じます。そんななか、洪作は装着したひとどうしで夢の内容を伝達しあうことができる「DCミニ」という装置を開発します。
敦子は、理 -
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日本の高齢化問題はますます苛烈なものとなり、政府は70歳以上の老人たちに殺しあいをさせる「老人相互処刑制度」(シルバー・バトル)を実施します。宮脇町に暮らす77歳の宇谷九一郎は、かつてのシルバー・バトルの勝利者である、元刑事の猿谷甚一の協力を得て、生きのこるための戦いに参加します。
生に執着するすがたをさらす者、二人いっしょに死のうとするも、思い通りにいかず苦しむ者、強者に協力しつつ出し抜く機会をうかがう者などが登場し、さらに元大学教授であり、生と死をともにあじわいつくそうとする津幡共仁、元自衛官である是方昌吾、かつて見世物の小人プロレスで活躍した乾志摩夫といった個性的な面々が、本気のバトル -
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雑誌『噂の真相』に、十年にわたって連載された著者のエッセイを収録しています。
本書の最後に掲載されている文章は、1995年の「断筆宣言」です。著者の「無人警察」という作品が教科書に採用されることがきまったものの、その内容に対して日本てんかん協会から抗議が寄せられたことがきっかけとなり、「あたしゃ、キれました。プッツンします」という著者の「断筆宣言」がおこなわれます。
著者は、とりわけブラック・ユーモアを駆使する作家であることから、さまざまな方向からの批判や抗議を受けることが多いのですが、そのような場面において文学者としての矜持を示さなければならないという使命感のようなものを語っています。や -
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大富豪である神戸喜久右衛門の息子で、キャデラックに乗って高級葉巻をいつも吹かせている刑事の神戸大助が、難事件を解決にみちびく作品です。
若いときに阿漕な商売で金を得た喜久右衛門は、大助が世のなかのためとなる仕事をしていることを喜び、彼のために思いもよらない便宜を図ってくれます。さらに喜久右衛門の有能な秘書である浜田鈴江も大助の仕事に協力を惜しまず、大助は通常の捜査では思いもよらないような資金をもとに、事件の真相を明らかにしていきます。
事件を解決するための方法が、あまりにもスケールが大きすぎて、爽快な気分さえおぼえました。くたびれた刑事が登場する作品もいいですが、こういう発想を思いつくのは -
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著者のショート・ショートや短編小説など、34編を収録している本です。
巻頭に置かれている「笑うな」は、タイム・マシンを発明したという男の物語です。ナンセンス小説なのですが、このアイディアで一編の短編小説を生み出してしまうのは、容易なことではないとうならされました。
「ベムたちの消えた夜」は、火星の探査によって生物が存在しないことが明らかになり、日常から離脱するような想像力の生きる余地がなくなっていく世界に諦観をおぼえつつあるSF作家のある日の出来事をえがいた作品です。著者のアイロニーの感覚がよく発揮されているのですが、それとともに澄み切った気分がもたらされるような、不思議な読後感が印象にの -
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風巻機工で営業課長を務める雷門享介は、平松礼子を相手に、取引先の会社にお歳暮を贈るときの心得を説いていました。やがて二人の距離が接近し、オフィス内で不倫行為にいたってしまいますが、社内のさまざまなところに仕掛けられた盗聴装置によって二人の行為が社長にバレてしまい、礼子は馘首になってしまいます。
その後、仕事にかまけて家庭のことを顧みない享介は、息子の豪介に殴られたのを機に、家を出て礼子とともに暮らすことになります。ところが、礼子の兄で出版社を経営している平松景吉が、享介の話をもとに『おくりもの入門』という本を礼子に書かせて、この本がベストセラーとなります。さらに景吉は、享介にも接待の評論家と -
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「七瀬シリーズ」の第3弾。
高校の事務員として働くことになった七瀬は、香川智広という男子生徒に向かって飛んできたボールが、とつぜん粉々にくだけ散るという異変に遭遇します。彼女がテレパシーの能力をつかって智広の心のなかをさぐると、ほかの生徒たちにはけっして見られることのない絶対的な自信があり、やがて七瀬は彼が神のような強大な「意志」の力に守られているという確信をいだくことになります。
智広と彼を守る「意志」の源をさぐるために、七瀬は絵描きである智弘の父の頼央の故郷を訪ねます。やがて彼女は、頼央から「意志」にまつわる秘密を教えられますが、しだいに彼女は自分の智広に対する関心も、それどころか自分