筒井康隆のレビュー一覧

  • アホの壁(新潮新書)

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    ネタバレ

     エロスの対償行為としての文化の発展が遣る可くもないタナトスとしての戦争を抑止することになるというフロイトアインシュタインの往復書簡の引用。女性の脳漿が男性のそれよりも太いことによると思われる感情を理性によって抑えることが女性はしがたいという養老孟司説を披露。その他諸々の知識の断片を興味深く解説している点において価値がある。あとは最近の先生の作風によく見られる「おじいちゃんの愚痴」。あっさりと適当に流した仕事のように読めてしまう。

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    2011年10月22日
  • 男たちのかいた絵(新潮文庫)

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    筒井康隆のヤクザ小説短篇集。オナニー中毒のヤクザが出てくる「夜も昼も」、ホモセクシャルの壮絶な生きざま「恋とは何でしょう」、描写がグロテスクすぎて若干飛ばしかけた「星屑」、犬好き(というか獣姦)の男が気味悪い「素敵なあなた」 あぁ気持ち悪い、そう思いつつも爽快感すら感じる思い切った描きっぷりだと思う。

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    2011年10月11日
  • 日本以外全部沈没 パニック短篇集

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    表題作は既読。 どれもきっちりとしたオチのない不条理系。 「着想」は悪魔的なすごさなので、 しっかりオチをつけてくれれば最高に面白いと思うのだが。 ま、そういうことには関心ないんだろうな。

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    2011年09月22日
  • 夢の木坂分岐点(新潮文庫)

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    夢をはさんで主人公の名前や肩書きが変わる…。それが収拾つかなくなるかと思いきや、意外としっかり着地する。

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    2011年08月08日
  • 男たちのかいた絵(新潮文庫)

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    コンプレックスや性癖を題材にした短編小説。
    面白かったが、題材が題材だけに読後感が多少悪い。

    表題作の「男たちのかいた絵」で繰り返しが起きるシーンがあったがこれはどういうことだろう?やり直したいという願望?

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    2011年07月19日
  • 恐怖

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    ミステリーorホラーかと思いきや、
    恐怖を覚える人間の心理が延々と書き連ねられる一作。
    ある意味肩すかしでもあり、
    人が恐怖をつのらせていくプロセスが楽しくもあり。

    ただまあ、もう少しストーリーとして
    まとまってほしかったかもなぁという気も。

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    2011年07月18日
  • 佇むひと リリカル短篇集

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    それぞれの世界観に入ってしまえる。

    木になる人の話が後ろのすじがきに書いてあったのを読んでしまわなければな・・・

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    2011年08月30日
  • ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)

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    ある男の半生。
    どこまでが夢でどこからが現実なのか。
    将又最初から全部夢なのか。夢など見ていないのか。

    怒濤のコピー&ペーストは、日常生活そのものの比喩なのかと思ったり。
    転がり続ける人生は、一体どこへ向かうのか。

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    2011年06月14日
  • ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)

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    久々の筒井長編。やっつけるのにかなり手間取った。似たような夢を見るが細部が違っているような感じ。それが現実と混ざり混沌を織りなす。

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    2011年06月08日
  • アホの壁(新潮新書)

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    [ 内容 ]
    なぜそんなアホなことをするのか、そしてアホなことを言うのか?
    無益な争いに血眼になり、破綻必至の計画を立て、互いに殺しあうに至るのは、いったいなぜなのか?
    文化的文明人を自任する現代人が、いとも簡単に飛び越えてしまう「アホの壁」をめぐり、豊富なエピソードと心理学、文学、歴史ないまぜでつづる抱腹絶倒の筒井流人間論、ついに登場。

    [ 目次 ]
    序章 なぜこんなアホな本を書いたか
    第1章 人はなぜアホなことを言うのか
    第2章 人はなぜアホなことをするのか
    第3章 人はなぜアホな喧嘩をするのか
    第4章 人はなぜアホな計画を立てるか
    第5章 人はなぜアホな戦争をするのか
    終章 アホの存在

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    2011年05月22日
  • 俗物図鑑(新潮文庫)

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    ネタバレ

    筒井康孝2作目
    僕が生まれる前の作品とかしかもまだ生きているし
    もっと若い人なのか勝手に思っていた
    でも、おかしいよな
    だって星新一とか小松左京とかと同世代なんだもんな
    若いわけがない

    内容はというと
    接待専門のような課長が、社長の情婦と関係をもった所から話が始まる
    なんだかんだと家を追い出された主人公はその情婦と暮らすことになる
    で、その情婦の兄が出版社を立ち上げるということで、「接待論」とかいう本を出すことになり
    これが意外と売れて、そしたら何か変わったことを評論できる人はほかにも居ないかと思ってゲロ評論家などを見つけてきたらこれが大当たり
    情婦を住んでいる梁山泊と

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    2011年03月27日
  • 佇むひと リリカル短篇集

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    20話のショートストーリーからなる短編集。
    ・ぐれ健が戻った
    ・碧い底
    ・きつね
    ・佇むひと
    ・姉弟
    ・ベルト・ウェーの女
    ・怪段
    ・下の世界
    ・睡魔のいる夏
    ・我が良き狼
    ・ミスター・サンドマン
    ・白き異邦人
    ・ヒッピー
    ・走る男
    ・わかれ
    ・底流
    ・時の女神
    ・横車の大八
    ・みすていく・ざ・あどれす
    ・母子像

    どの話も話を読み進めて、気がつくと自分が不思議な世界に迷い込んでいる事に気がつく。
    「世にも奇妙な物語」みたいな世界観。

    文章の言い回しがなんとなく古い感じなのが抵抗あったけれど、
    短編なので読みやすい。
    好きだった話は「姉弟」「佇むひと」「母子像」。

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    2011年03月19日
  • ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)

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    夢から覚める直前のような、上に行くのか下に落ちて行くのか解らないコピー&ペースト、コピー&ペースト。もしかしたら自分の夢に、コロスやらソフトブリーズやらピンク・アウルやらが出てきそうです。何方か書いていましたが、これは筒井でなければ、出なかった本でしょう。当分キトクロ、キトクロです。恐るべし筒井康隆。

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    2011年08月01日
  • ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)

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    「夢の木坂分岐点」を思いだした。
    でも、あの作品は変奏を重ねながら、延々とループが続いていくよう。この作品は反復を重ねながら捻れていくが、話は前に進んでいく。
    小説中でも夢についての言及があったが、むしろ死ぬまで終わらない妄想というべきもの。
    日本文学に筒井康隆というジャンルがあると云うぐらいに、あまりに独特。唯一無比。

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    2012年06月16日
  • アホの壁(新潮新書)

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    さらっと読んだけど、内容は浅くない。
    そのへんは、さすがに筒井康隆。

    関西人が使う「アホ」って、どこか愛があっていい。
    アホを否定しているようで、でも好きなんだな~。
    それって、人類愛みたいなものかもしれないな。

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    2011年01月07日
  • アホの壁(新潮新書)

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    筒井康隆さんが「アホの壁」(新潮社新書)という書をしたためたと聞き、早速読んでみることにした。ベストセラーにもなった同じく新潮新書版の「バカの壁」に比べて、遜色ないどころか断然にこちらが「上手(うわて)」である。遥かにこちら(アホ)の方が面白いし、考えさせるネタを提供してくれている。「バカ」のほうは一段高い地位に己を置いたりすることからくる視野狭窄的観点が難点である。理科系秀才の嫌味がそこかしこに撒き散らされてあり、とても読めた代物ではない。さらに云えば自ら筆をもとらずゴーストライターの手をわずらっていることなど、とても一流の書物とは云いがたいのである。そもそも養老某のあの独りよがりの喋りは不

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    2010年12月05日
  • 愛のひだりがわ(新潮文庫)

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    んん、これは物語全体が何かのメタファーか…?

    子どもが大人の保護から脱して、何かを失うおはなし。な気がする。
    失ったものは、ある種の純粋さ、なのか。うーん、どうなんだろう。

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    2010年11月21日
  • 陰悩録 リビドー短篇集

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    空き時間などに少しずつ読めるのでよかったです。
    現実にありそうで、実際にはないこと、あったら面白いな、と思わせてくれる作品。飽きないです。

    性交経験のある方の方がクスりと笑ってしまうかもしれませんね。笑

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    2010年08月06日
  • くさり ホラー短篇集

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    読むものが切れたとき、つなぎで持ち歩くのにちょうどいい文庫。「ホラー短編集」と銘打ってはいるものの、特に怖い(臭い)小説はこの中にはない。筒井としてはね。「肥満考」だけがかろうじて「らしく」て怖いが、臭くないからなあ。全体的にソフトな短編ばかりを集めた印象。

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    2010年05月26日
  • 家族八景 下巻

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    「紅蓮菩薩」「芝生は緑」「日曜画家」「亡母渇仰」

    「紅蓮菩薩」と「亡母渇仰」は畳み掛けてくる。
    文字での表現はある程度理屈だが、人の心理は理屈だけではない。
    絵と文字の両輪の漫画(not 絵本)は、言語化できないものを表現することに強い。
    小説の「紅蓮菩薩」で妻は冷静になる為に必死で般若心経を心裡で唱えるが、漫画での般若心経はもっと根源的なところから響いてくる。

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    2010年05月07日