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おくびょうで意気地なしでも、拳銃片手に怖いものなし――チンピラやくざの、カッコいい兄貴分へのあこがれが、屈折した心情に映し出される時、オナニズム、同性愛、エディプス・コンプレックス、多重人格などの持主を主人公にした、筒井康隆の強烈な世界が展開される。『夜も昼も』『星屑』『二人でお茶を』など、ジャズのスタンダード・ナンバーにのせておくる奇妙な味の連作小説集。
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Posted by ブクログ
アニキ的、ホモ臭い(むしろガチ)、厚い信頼関係、感動的… 短編集ですが、あらゆるヤクザの話が見れます。 逆にその題材だけでここまでたくさん書けることに、筒井康隆の愛を感じます。
アブノーマルな性的嗜好をもつヤクザたちが登場する短編集です。 「恋とは何でしょう」は、ヤクザのホモ・セクシャルな純愛をあつかった話です。「解説」の中島梓が、ヤクザ映画への偏愛を熱く語っていますが、そのような世界を筒井康隆が書くと、こういう作品になるのかという納得感があります。もっとも、著者ならでは...続きを読むの過剰なエネルギーの横溢はあるものの、パロディ作家としての著者の手腕はこの作品にはあまり見られません。 むしろそうした方面への期待は、「アイス・クリーム」という作品によって満たされるのではないかという気がします。幼少期の父子関係にトラウマをもつヤクザが登場する物語なのですが、彼の暴力性を露悪的に拡張したストーリーになっており、個人的には本書のなかでもっとも印象深い作品でした。
やの付く自由業につく登場人物たちの喜劇を描く連作 よくよく思い返すと任侠モノ映画というのをみたことがないので この分野の味わいについて思い入れがないが 示威暴力を生業とする場ならではの常識があって そこからのズレもまたその他一般との差異が広く楽しめるものかもしれない
同時に『プリズンホテル』を読んでいることはセレンディピティと言えるかも。しかし、著者の描くヤクザの世界はかなり倒錯している。いきなりのホモ。そして終いには獣姦だ。各短編のタイトルもふるっていて良かった。
「愛とはなんでしょう」が個人的には好きです。 男女間の恋愛より、深くて純粋でした。人間らしい。筒井らしいやくざ物ですが、さらに筒井らしい恋愛の描き方が素敵です。
変態やくざが登場するエログロ短編集。 すき間時間に読んだ一冊。 8つの短編のうち、3つはここで書くのが はばかられるくらいのエログロ。 どこをどうしたらこういう小説が書けるのか…。 でも、父親への歪んだコンプレックスを持った チンピラが出てくる「アイス・クリーム」や、 多重人格者の...続きを読む「二人でお茶を」は、切なくて、 それでいてちょっと暖まる感じもして、絶妙な 味わい。
チンチン立ちっぱなしのヤクザとか、犬と深い仲のヤクザとか、変なヤクザがいっぱい登場です。 ヤクザのというか(男の?)渋さや悲しさ(聖書でいう原罪のような)を感じる短編集でした。解説が「中島梓」!昭和のあのころに気持ちの良いトリップでした。
筒井先生の本なら何でも来い!って頃に読んだ本です。 わあ と思いながらも好奇心いっぱいで読んでしまいました。 やっぱり先生のお話は怖くても面白いから。 あんまり覚えてないけど、拷問の時に自らすすんでやってもらう(?)ヤクザの話が印象的でした。 こういうお話も読めるんだって思って、大藪さんや勝目さん...続きを読むの本をアレコレ読んだりすることになったんだ、たぶん。
高校生のとき、なぜか友人が無理矢理貸してくれた本。 あまり接していたくなくて(笑) 大急ぎで読んで早々に返却したことを思い出す。 様々な性格・性癖を持つヤクザたちの群像で、 各短編にジャズ・ナンバーのタイトルが付されているが、 内容はかなりお下劣。 二重人格で嗜好が異なり、 コーヒーを飲むか紅茶を飲...続きを読むむかで揉める「二人でお茶を」が 一番苦痛を覚えずに読めた。
筒井康隆のヤクザ小説短篇集。オナニー中毒のヤクザが出てくる「夜も昼も」、ホモセクシャルの壮絶な生きざま「恋とは何でしょう」、描写がグロテスクすぎて若干飛ばしかけた「星屑」、犬好き(というか獣姦)の男が気味悪い「素敵なあなた」 あぁ気持ち悪い、そう思いつつも爽快感すら感じる思い切った描きっぷりだと思う...続きを読む。
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