筒井康隆のレビュー一覧

  • 筒井漫画瀆本 壱

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    筒井康隆・原作『筒井漫画瀆本 壱』実業之日本社文庫。

    筒井康隆の原作を17名の漫画家や芸能人がコミカライズしたアンソロジーの文庫化。『壱』というからには『弐』もあるのだろう。

    大昔、筒井康隆にハマり、文庫本を読み漁った時期がある。SF、コメディ、ミステリー、ナンセンスと様々なジャンルで、その才能を発揮した筒井康隆の作品を漫画化するとどうなるのか……かつて、筒井康隆が自らの作品を漫画化した『筒井康隆全漫画』も読んだが、漫画家により解釈や表現の仕方に特徴があり、興味深い。

    収録作品は、内田春菊『ムロジェクに感謝』、相原コージ『死にかた』、吾妻ひでお『池猫』、 いしいひさいち『大富豪刑事』、

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    2019年08月09日
  • アホの壁(新潮新書)

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    筒井康隆が新書を出すとは。もう少し毒とブラックユーモアを期待したが、中途半端な内容だったかも。
    著者が30年前に書いていたら、もっと過激な「アホの壁」になってたかもしれない。

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    2019年07月08日
  • にぎやかな未来

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    超短編って入り込めるのかなと思ってたけど、数個読んだあたりから空気感に入っていけた。
    今まであんまり短編は読まなかったけど、いろんなアイディアを膨らませるって意味では、このタイプのものも面白いのかも、と思えた本。

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    2019年06月30日
  • ビアンカ・オーバースタディ

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    久しぶりだなぁ筒井康隆さん!
    「ライトノベル」という触れ込み、いとうのいぢさんのイラスト、
    それらが見事にミスマッチに感じる、エロくてグロくてイテテな世界(^^;。
    (まあ確かに多少「ライト」ではあったけどさ…)
    今っぽく新しそうな作品なのに、とても懐かしい気分で読みました(´ω`)。

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    2019年05月31日
  • 家族場面

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    筒井らしいスラップスティックな狂気に満ちた短編集である。本作のテーマは狂気ではないかと思うぐらいに狂った短篇が多い。

    「九月の渇き」はスカトロ趣味が混在した異様な短篇である。特に大便がうず高く積まれて期限切れのアップルパイのように層をなしている便所の描写や、液体を欲するあまり、他人の小便に打たれてアンモニア臭で赤く目を腫らした赤目こと「能客派」などの怪人など、静かに狂ってしまった世界の描写がとにかく生々しい。

    「大官公庁時代」は今となっては時代性を感じるが、それが言い訳にならないぐらいに露悪趣味に溢れた短篇である。組織の仕事の全容を把握している人間は誰一人としておらず、末端の不始末が全てを

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    2019年05月29日
  • 不良老人の文学論

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    ほんの3、4行の腰巻文から文庫の解説文まで文体や自らの呼称を選んで書ける技量に唯々頭が下がります。更に必ずと言っていいほど自身の過去の経験や作品が語られるのが筒井さんらしいのです。

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    2019年05月18日
  • 不良老人の文学論

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    僕は「ツツイスト」と呼ばれる程には筒井康隆に心酔している訳ではない。
    それでもかなり若い頃から、筒井作品は読んできているし、新刊が出版されるたびに気になる存在でもあった。
    本書は筒井康隆のエッセイや、文学賞審査時の評論、書籍の帯や新聞等に書いてきた文章などをまとめたもの。
    それなりに面白く読めるのだけれど、実は僕は筒井康隆推薦本とはあまり相性が良くない。
    彼が推薦している本を今までに結構読んできているのだけれど、「これは面白い!」と思える本は意外と少なかったのだ。
    それでも「筒井康隆推薦本」となると、読みたくなってしまうのだけれど。
    いずれにしろ、本書や「筒井康隆推薦本」よりも「筒井康隆作品」

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    2019年04月30日
  • 夢の木坂分岐点(新潮文庫)

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    ネタバレ

    52歳のプラスチック会社の課長の主人公は夢を見るたびに、侍に切られる。しかし目覚めると少しずつ違う男の人生に(分岐した様々な人生)入り混んでいる。夢で逃げれば逃げるほど逃げた先の世界は落ちぶれた惨めなものになっていく。主人公は自分の深層心理の世界を探求する。そして、バラバラだったはずの分岐したはずの夢の世界が繋がって・・・
    主人公は、夢の木でヤクザに殺される。

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    2019年02月09日
  • 虚航船団(新潮文庫)

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    一貫して狂気的。
    途中から理解できなくなったので、取り敢えず文章を感じることにして、最後まで目を通すことができた。

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    2019年02月07日
  • 男たちのかいた絵(新潮文庫)

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    変態やくざが登場するエログロ短編集。
    すき間時間に読んだ一冊。

    8つの短編のうち、3つはここで書くのが
    はばかられるくらいのエログロ。
    どこをどうしたらこういう小説が書けるのか…。

    でも、父親への歪んだコンプレックスを持った
    チンピラが出てくる「アイス・クリーム」や、
    多重人格者の「二人でお茶を」は、切なくて、
    それでいてちょっと暖まる感じもして、絶妙な
    味わい。

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    2018年11月18日
  • アホの壁(新潮新書)

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    てっきり「バカの壁」のパロディー作品かと思っていたら、すごく真面目にアホについて述べている事にビックリ!




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    2018年11月08日
  • 恐怖

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    忙しい時期が続いているので、筒井康隆御大作品の大ファンなのにもかかわらず、買っただけで読んでいないものが何冊かある。
    しかし、この作品、何気なく冒頭を読み始めたら先が気になって、読んでしまった。

    何より、連続殺人事件の設定がすばらしい。
    いくらでも妄想が膨らむ。

    以下、ネタバレ注意。








































    多くの方が書いているように、ミステリーとしての結末は無難な感じ。作中人物があれやこれやと想像した犯人像のさらに上をいくダイナミックな仕掛けを期待してい

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    2018年10月23日
  • 文学部唯野教授

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    著者の人間観察は相変わらず冴えていて(よく描けていて)際立たされた人物像の卑小・卑屈・傲岸ぶりをとらえた毒気を孕んだ筆致は愉しい。またそんなかれらのドタバタ(狂騒・暴走)ぶりはいきいきと精彩を放っている(著者は愉しんで書いていることがよくわかる)。残念なのは主人公のするそれぞれ章の講義部分の大半が(特に後半部分になってくると)正直よく解らなかったこと。自分の知力を越えるものであったから・・残念。ただ主人公の次々言及(紹介()する学者・哲学者の理論はエライく端折られているにせよその切口というか口調にはひきこまれた。

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    2018年05月12日
  • 愛のひだりがわ(新潮文庫)

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    内容(「BOOK」データベースより)

    幼いとき犬にかまれ、左腕が不自由な小学六年生の少女・月岡愛。母を亡くして居場所を失った彼女は、仲良しの大型犬デンを連れて行方不明の父を探す旅に出た。暴力が支配する無法の世界で次々と事件に巻き込まれながら、不思議なご隠居さんや出会った仲間に助けられて危機を乗り越えていく愛。近未来の日本を舞台に、勇気と希望を失わずに生きる少女の成長を描く傑作ジュヴナイル。



    最初に読書の楽しみを教えてくれた最大の恩人は筒井康隆氏です。高校の時は手当たり次第に読みました。短編も長編もエッセイもどれもこれも大好きでした。当時の世の中への影響力も物凄いものが有りました。ブラ

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    2017年12月15日
  • 恐怖

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    登場人物に読み手が共感して感じる恐怖と言うより、登場人物の行動や内心を読み恐怖を感じるシチュエーションやその種類を理解する、恐怖の考察を小説にした様な本であった。

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    2017年12月10日
  • アホの壁(新潮新書)

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    面白いエッセイを読みたいと思っていたところ、そういえば筒井康隆のエッセイは読んだことがないなと気づき手に取った1冊。

    「アホ」に関して、様々な精神医学の症例を挙げながら、具体的なエピソードが矢継ぎ早に披露されていく。

    65歳でこの本を書けることがまず驚きである。
    また、本書の内容を理解することもさることながら、
    読みたい本を探すためのガイドブックとして活用することも有益だと思う。

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    2017年11月02日
  • 繁栄の昭和

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    けっこうな高齢の域に達しているのに、いまだ衰えぬ執筆パワー。

    ええい、ツツイヤスタカはバケモノか!

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    2017年09月11日
  • アホの壁(新潮新書)

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    筒井ファンじゃないといまいち楽しめないような気がする。
    本人も認めている通り明らかなパクリの題名と、思い付きをつらつらと、ちょっとフロイトで彩ったくらいのものなので、何らか深い思索を期待したらダメ(まあそもそも題名からしてそういう期待は無いと思うのだが)。

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    2017年08月12日
  • 銀齢の果て(新潮文庫)

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    ネタバレ

    他書からの引用で存在を知り、老人相互処刑制度なる過激な内容に惹かれて読んだ本。

    現実離れした設定に創作だなぁと、気を楽にしていたのですが、、、。読んでいくうちに、ありえる話や・・・とも感じられ、狂気はすぐそばにあると感じざるを得なかった。

    終わり方もまぁ、この作品らしさかなと感じられた。
    これがファンタジー作品ならば、話のオチやどんでん返しも期待したけれど、あまりに現実感があって、まぁ、そうかなと。

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    2017年07月14日
  • ビアンカ・オーバースタディ

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    ネタバレ

    筒井康隆氏の初ラノベ。内容は直球的なエロい描写があったり、グロい描写があったり突然未来にいったりと、ラノベというよりも設定が何でもありのケータイ小説を読んでいる感覚。(以前読んだ、「ここはボツコニアン」に印象が似ている気がする。)ただ、ラノベの設定に対しての皮肉が織り交ぜられたりして、話の筋はしっかりしてるかなあ。その点では納得しながら読めたので普通。まあ、読み手を選ぶのは間違えないが。感想はこんなところです。

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    2017年06月17日